きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

48. 元横綱 双羽黒 死去

横綱 双羽黒が2月10日に亡くなっていたことがわかった。

まだ55歳という若さだった。

昭和38年生まれの『サンパチ組』の一人であり、サンパチ組の中で最も早く大関横綱へと昇進した。

優勝経験なしによる横綱昇進、また結果的に優勝なしで土俵人生を終える形となり、後の横綱昇進を厳格化するきっかけとなった。

双羽黒がいたから横綱へ昇進出来なかったと言われているのが、同じくサンパチ組のライバル小錦である。

その理由は2つある。

1つは昭和61年夏場所8日目、双羽黒(当時 北尾)に鯖折りで敗れて膝を負傷したこと。

これが小錦にとって引退まで引きずることになるほどの大怪我となった。

もう1つは上記の横綱昇進への厳格化により、3場所好成績を挙げても横綱昇進を果たせなかったことである。

優勝なし、また素行問題はあったが、双羽黒に対する期待は計り知れないものがあった。

私が生まれる前のことなので、リアルタイムで双羽黒の相撲は見ていないのだが、過去の成績や取り組みは何度も映像で確認している。

千代の富士戦への期待値はどの力士よりも群を抜いて高いように感じられた。

それは同時期に凌ぎを削っていた大乃国旭富士小錦よりもである。

スケールの大きな相撲は、本当に才能の塊であると感じた。

実際本当に稽古嫌いだったかどうかは不明だが『才能の北尾(双羽黒)』『努力の保志(北勝海)』と呼ばれる背景は、両者の相撲内容を見ていると何となくわかるような感じがした。

現役引退(正確には廃業)も突然だったが、人生のピリオドも突然だった。

ご冥福をお祈りします。

47. 『割の編成』に関して

先日、第一人者 白鵬が優勝を果たして幕を閉じた平成最後の本場所

今場所大相撲ファンの間で話題となったのが『割の編成』に関してである。

今場所優勝次点であった逸ノ城は、優勝した白鵬と割が組まれることはなかった。

白鵬としては高安、豪栄道の2大関は優勝争いに絡んでいたため割から外すことは出来ず、鶴竜横綱同士の割のため外すことは出来ない。

過去に1度だけ横綱同士の割が崩されたのが、平成12年春場所の曙ー武蔵丸である。

この場所は幕尻の貴闘力が初日から12連勝とし、13日目、14日目にそれぞれ武蔵丸、曙と割が組まれた。

その結果、横綱同士の割が初めて崩されてしまった。

さらに言えば、この両者は番付上13日目に対戦する予定だったが、この時点で両者ともに優勝圏内に残っていた。

それにも関わらず、思い切った割崩しを行っていた。

ちなみにこの場所は、曙ー出島の横綱大関の割も崩されている。

過去に事例があるため、私自身の考えとしては今場所の横綱戦の割は崩して良いと考えていた。

しかし上記と矛盾する記載となるが、横綱同士の割を崩すことは絶対にやってはいけないと思う。

正確に言えば『崩さない且つ納得いく編成が必要』だと考える。

結果として割は崩されず進行したため杞憂だが、本来ならば好成績の平幕力士への対応にも備えなければならない。

そして割崩しの可能性として考えられたのは、角番で成績もあまり上がっていなかった栃ノ心である。

しかし栃ノ心側から見ると、白鵬戦を崩してその中勝ち越しを果たして角番脱出しても『白鵬と対戦していないから』と批判の対象になる可能性が高いと考えられる。

だからと言って、逸ノ城白鵬と割が組まれないという点は、仮に逸ノ城が優勝していた場合『インチキ優勝』と揶揄されるため、投げやりには出来ない。

相撲ファンの中には『上位戦を序盤に当てる』という考え方も出ている。

これに関しては私も過去に同様の考え方をしたことがある。

そもそも東横綱は最も割が決まっていると言える番付である。

同部屋でない限り初日は西小結と当たり、その後番付を下降していき、最後は千秋楽まで逆算して東小結から順に上昇していく。

昭和47年~48年にかけて、初日から横綱大関の割が組まれることも見受けられた。

興行面を考慮しても初日から上位戦が観戦できるというのは、ファンからしても楽しみと言える。

しかしこれは『本末転倒』になる可能性も高い。

本来ならば上位戦を後半に当てることで、終盤戦の優勝争いが盛り上がりを見せるわけである。

どの時代を振り返っても、熱戦を振り返ったとき『終盤戦の優勝争い』が多いのである。

それこそ今場所で考えてみると、初日に『白鵬豪栄道』の割が組まれたとする。

ここで白鵬が勝ちそのまま独走すると、豪栄道からするといくら調子が良くても『自力優勝が無理』な状態で追走することになる。

結局遅いか早いかの違いだと言われたらそうかもしれないが、終盤で優勝争いを演じている上位同士の割が大相撲ファンとしては一番興奮を覚える瞬間だと思う。

今場所この両者は13日目に割が組まれたが、豪栄道が地元の大阪ということもあり、期待値は計り知れないものがあった。

白鵬全盛期の時代は周りが追走できず、白鵬独走で場所を終えることが多かったが。

話が前後するが、上記の通り、東横綱の割の順番はほぼ決まっている。

今場所の白鵬は、千秋楽まで逆算する前の最後の対戦相手が東前頭4枚目の栃煌山だった。

この割は8日目であり、7日目終了時点で栃煌山の成績は1勝6敗。
さらに白鵬との対戦成績は37ー2と圧倒的な差をつけられていた。

結果は善戦したものの、順当に白鵬が勝利した(この一番に関してはこちらを参照)。

ちなみに逸ノ城は西前頭4枚目であり、休場者がいなければ丁度白鵬と対戦しない地位である。

なぜ栃ノ心豪栄道逸ノ城とそれぞれ8日目、9日目に対戦したかというと、栃ノ心栃煌山と同部屋であり、豪栄道は西前頭2枚目の妙義龍と同部屋のため、割が組まれないのである。

その結果『17番目の力士』である逸ノ城と割が組まれたのである。

では10日目に逸ノ城と対戦した高安はどうか。
高安は上位圏内に同部屋力士はいないため、本来ならば逸ノ城と割は組まれず、栃煌山と対戦するはずだが、両者1敗で優勝争いに絡んでいるため割を組んだといったところだ。

一般的に対戦相手が平幕から平幕に変更することはいわゆる『割崩し』とは言いづらい。

しかしこれも立派な割崩しであることは事実である。

そのため、今場所に限って言えば『7日目 正代』『8日目 栃煌山』のどちらかを逸ノ城戦に変更するのが良かったのではないだろうか。

確かにこの段階では、逸ノ城が14勝を挙げるとは考えにくかったかもしれない。

現に8日目、逸ノ城にとってはこの場所上位初挑戦となる栃ノ心に敗れた。

そして仮に7日目もしくは8日目に白鵬逸ノ城の割を組んだら、逸ノ城はこんな好成績にならなかったかもしれない。

しかしこの段階でも、成績不振の力士と割を組むより、好調力士と割を組む方がファンも納得したと考える。

1日で大きく展開が変わることもあるため『皆が納得する割の編成』というのは困難であるに違いない。

原則にとらわれず、工夫が必要になるだろう。

それこそ上記の初日に横綱大関の割も『角番大関は序盤にある程度上位戦が組まれる』という考え方は面白いかもしれない。

元号となる来場所以降。
割の編成も少し変化・工夫を凝らすことで、土俵全体の変化に繋がるのではないだろうか。

46. 2019年大相撲夏場所番付予想

番付 西
白鵬 横綱 鶴竜
豪栄道 大関 高安
貴景勝 大関  
逸ノ城 関脇 栃ノ心
碧山 小結 琴奨菊
御嶽海 前頭筆頭 北勝富士
遠藤 前頭2枚目 大栄翔
千代大龍 前頭3枚目 玉鷲
妙義龍 前頭4枚目 隠岐の海
阿炎 前頭5枚目 宝富士
竜電 前頭6枚目 嘉風
明生 前頭7枚目 正代
魁聖 前頭8枚目 錦木
朝乃山 前頭9枚目 友風
前頭10枚目 阿武咲
松鳳山 前頭11枚目 志摩ノ海
栃煌山 前頭12枚目 矢後
千代丸 前頭13枚目 佐田の海
炎鵬 前頭14枚目 徳勝龍
照強 前頭15枚目 琴恵光
大翔鵬 前頭16枚目 石浦
前頭17枚目  

 

貴景勝大関昇進を果たし、栃ノ心と入れ替わり。

その栃ノ心だが、私個人の考えとしては東関脇に位置させたいが、過去陥落した力士は関脇の最下位に置くことが多いため、西関脇とした。

逸ノ城の関脇復帰は特に問題なく、問題は小結である。

碧山は文句なしに小結復帰である。

成績から考えると前頭8枚目の琴奨菊は11勝のため、厳密には小結に届いていない。

しかし負け越し1点の御嶽海を西に留めるのもやや不自然である。

過去には留めた例もあるため、ここは議論の分かれる所だが、私は琴奨菊を小結とした。

 

また大栄翔と千代大龍の位置が逆の考えの人もいるだろう。

私は上位総当りで健闘した大栄翔を東から西へ移動する形とした。

 

前頭中位は大体このような番付になると考えるが、今回最も難しいのが『前頭14枚目以下』である。

まず今場所の成績において、十両に陥落してもやむを得ない力士は

・西前頭9枚目   勢:2勝13敗

・東前頭12枚目 千代の国:全休

・西前頭14枚目 豊ノ島:5勝10敗

・東前頭15枚目 石浦:6勝9敗

・西前頭16枚目 豊山:3勝12敗

・東前頭17枚目 千代翔馬:7勝8敗

以上6名である。

 

それに対し、幕内昇進が確定である十両力士は

・東十両筆頭 志摩ノ海:13勝2敗

・西十両筆頭 千代丸:10勝5敗

以上2名だけである。

そして陥落人数を確認した上で昇進可能な力士は

・西十両2枚目 炎鵬:8勝7敗

・西十両4枚目 徳勝龍:9勝6敗

以上2名であり、陥落人数と昇進人数が合わない状態である。

何とか探してみると

・東十両4枚目 貴源治:8勝7敗

・東十両5枚目 若隆景:8勝7敗

以上2名だが、正直厳しいと言わざるを得ない。

 

そのため私の予想では、勢と石浦を幕内に残留する形とした。

それで人数調整は良いのだが、幕内下位も負け越し力士が多いため、どこに位置するかが大いに悩まされた。

負け越した力士を上昇させる案も考えたが、さすがにそれは『とある例外場所』を除いてないもの考えたほうが良いだろう。

そのため下位の力士は、1点負け越しの場合番付変動せず、3点負け越しの場合1枚下降という形にした。

最後に勢を最下位に位置する形とした。

 

平成最後の場所。番付予想はかなり困難であったが、協会はどのような編成をするだろうか。

45. 2019年春場所千秋楽を勝手に語る

平成最後の場所を締めたのは第一人者 白鵬だった。

自身の記録を更新する42回目の優勝&15回目の全勝優勝である。

昭和最後の取り組みとなった『千代の富士大乃国』は千代の富士の連勝が53で止まった歴史的な一番だったが、平成最後の一番は予想通りの内容だった(予想は昨日記載を参照)。

今場所の白鵬は必ずしも磐石と言い難い内容だった。

場所中に誕生日を迎え34歳になり、近年は怪我も多くなってきた。

どちらも加味すると、結果を残すことはかなり難しくなってくるのだが、それでも引き出しの中身は多く、それをフルに活用して全勝という最高の形で締めくくった。

貴景勝戦のように余裕は感じられないが、必死に第一人者として立ちはだかる姿は素晴らしかった。

そして興ざめだった優勝争いよりも注目であった『栃ノ心貴景勝』。

結果は貴景勝が自分の相撲を取り切って完勝した。

そして臨時理事会の開催を要請したとのことで、事実上大関昇進が決定した(過去にここから昇進出来なかった例はない)。

昨日のような中途半端な立ち合いは見せず、力を出し切ることに専念したような内容だった。

今場所の黒星の内訳を見ると(負けた順)
御嶽海、玉鷲白鵬豪栄道逸ノ城
という結果である。

結果論で言えば、御嶽海、玉鷲は負け越したため、両者に敗れた取り組みは『取りこぼし』である。

白鵬豪栄道には実力差、逸ノ城には相手の勢いに屈した形である。

貴景勝の場所全体を見ると、自分の相撲を取り切る素晴らしいものであった。

おそらく内容に関して文句を言う者は少ないと思う。

しかしこれが大関の立場ならば『普通』という認識になるだろう。

ましてや苦手として浮き彫りになってきている豪栄道、御嶽海に対して、同じように敗れるならば『苦手が多いからダメだ』という認識に変わる可能性も高い。

貴景勝としては、基本『突き・押し』しかない中で、今後苦手相手にどのような対策を練っていくだろうか。

大関昇進後の貴景勝の活躍に期待である。

一方栃ノ心大関陥落が決定した。

それでも本日の一番は素晴らしいと感じた。

内容で言えば完敗かもしれないが、最後まで変化せず向かっていった。

本日は変化してもおかしくない状況下であった。
それだけ追い詰められている状況である。

それでも自分の相撲を貫こうとしていた。

大怪我で幕下まで陥落し、そこから復活を果たし、優勝&大関を手にした。

苦労人であることは大相撲ファンならば誰しもわかっていることである。

だからこそ心が痛む結果であるが、何とか来場所の特例復帰に望みをかけてほしいところである。

残り大関陣。
高安は終盤戦、今場所の主役達に全敗する形となった。

先場所の終わりにも記載したが、左四つの精度を磨くことで、安定感が増すと考える。

右四つに組んで上手を引けば、鶴竜を投げ捨てるなどある程度相撲を取ることが出来るが、それよりも左四つに拘るべきだと考える。

千秋楽豪栄道戦もそうだが、左を差しても腰高で逆転されているため、左四つの精度をもっと磨くべきた。

豪栄道は12勝を挙げ、大関としては立派な成績だが、それとともに『12勝が限界』であるとも感じた。

それこそ白鵬がいなければ相対的に13勝は可能かもしれないが、今場所のように好調であることが希なためどうだろうか。

そして何度も記載しているが、張り差しの多用が気になるところである。

もっと左前ミツに拘る方が良いと考えるのだが。

そしてもう一人の横綱鶴竜だが、休場明けの中ではまずまずの内容だろう。

昨日も記載したが、14日目の無気力相撲、千秋楽の結果の見えていた内容には苛立ちを覚える。

比較的上位陣全体が好調なため、そうなると苦戦を強いられるのが関脇~前頭上位である。

今場所勝ち越したのは貴景勝のみである。

先場所の覇者 玉鷲は結局二桁黒星を喫した。

勝ち越しが関の山と考えていたがそれ以下だった。

足もあまり出ていなかったし、優勝した力士の翌場所の難しさを痛感する形となった。

そして玉鷲の負け越し以上に予想外だったのが、御嶽海の負け越しである。

序盤の内容を見る限り、突如崩れることを想定しても勝ち越しまでは辿り着くと考えていたが、結果は一点の負け越し。

『ムラ』が多いタイプではあるが、今場所は特にそれが顕著だった。

今場所の負け越しにより、13場所連続で在位していた三役の地位も陥落する。

この力士がもたらす影響は大きく『ベンチマーク』としての存在である。

地力は貴景勝より上と言っても過言ではない。

貴景勝大関昇進が決まった今、発奮してほしいところである。

平成の大相撲もこれにて千秋楽。

平成の大相撲を観戦して育ってきた私にとって、本当に感慨深いものがある。

大相撲は新時代へ…

44. 2019年春場所14日目を勝手に語る

優勝争いは千秋楽まで縺れる展開となった。

とりあえずそれはファンとして喜ばしいことだが、本日の取り組みに関しては、不満・怒りが2つある。

まず『白鵬ー高安』。
取り組みの内容自体は白鵬が張り差しで右四つに組み、さらに巻きかえてもろ差しで勝利したという万全なものだった。

不満は『立ち合い』である。

昨年秋場所の両者の対戦も立ち合いが合わず、最終的に立ち遅れた高安が呆気なく押し倒されるというものだった。

白鵬は意識する相手には『立ち合いをずらす』ことが多い。

過去に最も顕著だったのは稀勢の里戦であった。

2年程前から『左張り手・右かち上げ』の立ち合いが物議を醸したが、私個人の意見としてそれは特に問題ないと考えていた。

なぜならその立ち合いは十分に隙もあるからである。

結果としてその隙をつくことが出来なかった周りにも少し問題があると考えていた。

しかし立ち合いをずらすというのは『両者しっかり合わせる』という美学から逸れている。

上記の通り、稀勢の里戦でずらすことが多く、両者熱戦が多い一方で『立ち合いが合わない』という観戦者からするとしこりが残る結果になることも多かった。

紛れもなく白鵬は大相撲を代表する大横綱である。

そしてまだまだ若手の壁として立ちはだかってほしいと願っている。

そのためつまらないことで横綱の名を汚してほしくないところである。

そしてもう1つは『鶴竜豪栄道

この一番に関しては怒りしかない。

内容は豪栄道が張り差しから速攻で完勝というものだった。

この両者の対戦成績は27ー13と鶴竜がダブルスコアでリードしていたが、相撲内容は豪栄道が圧倒するものが多かった。

そして大半が『豪栄道の立ち合いは張り差し』という事実である。

今場所の豪栄道は優勝争いから脱落したとはいえ、調子は良好であった。

そして白星の中身は『張り差し』が大半だった。
これに関して私はブログ内で何度も記載していた。

私の怒りは『それに全く対応出来ず敗れる鶴竜』である。

何度も同じ手段で敗れ、そして今場所も大半張り差しを選択している力士に対してなぜ無抵抗なのか。

無気力を疑われても仕方のない一番である。

そんな力士が明日白鵬戦である。

番付上当然だし、仕方のないことだが、期待できるものが1つもない。

言い方は悪いが、そもそも私は『優勝の懸かるモンゴル出身力士』と『優勝の可能性がないモンゴル出身力士』の千秋楽の対戦が大嫌いである。

なぜなら結果が見えているからである。

がっぷりになり、ある程度熱戦を演じ、最終的には優勝の懸かる力士が勝利する『お決まりのパターン』である。

この結果が一度だけ逸れたのが平成27年夏場所白鵬日馬富士である。

この一番は『勝てば優勝決定戦に進む白鵬』と『優勝の可能性がない日馬富士』という対戦だった。

結果は日馬富士が勝ったので上記の私が嫌う理由の例外となるが、この一番は日馬富士が勝てば『弟弟子の照ノ富士が優勝する』という状況だった。

日馬富士にとっては援護射撃となる一番だったため、事情が異なるのである。

どちらにせよこの一番以外は例外がないのである。

白鵬鶴竜の対戦成績は40ー7と過去を見てもただでさえ期待値が薄く、それに加え上記の通りである。

『さすが白鵬
結局この一言で片付けられるだろう。

私の中で昨日白鵬豪栄道に勝利したこと、そして白鵬逸ノ城の割が組まれない時点で優勝争いは興ざめした。

そんな優勝争いよりも、明日千秋楽の注目は何と言っても
栃ノ心貴景勝
この一番である。

事実上『入れ替え戦』となる一番である。

栃ノ心は敗れると大関陥落であり、歴代1位タイとなる5場所の短命大関となる(横綱に昇進した力士は除く)。

一方貴景勝大関昇進のため絶対に二桁勝利を挙げたいところ。

審判部長が『今場所は星ではなく内容重視』と発言しているが、さすがに9勝で昇進は如何なものかと思う。

さらにその内容も12日目豪栄道戦、本日の逸ノ城戦は全くらしさを見せることが出来なかった。

栃ノ心にとっても貴景勝にとっても、今後の土俵人生に大きな影響を及ぼす一番となるだろう。

はてさて…

43. 2019年春場所13日目を勝手に語る

本日最大の注目『白鵬豪栄道

この一番で今場所の優勝が決定すると言っても過言ではない。

結果は百戦錬磨の第一人者がしっかり締めた。

離れる展開から両者逆の四つである左四つに組む形となった。

正直白鵬としては万全と言い難い内容である。

それでも常時先手で攻め続けた。

豪栄道としては白鵬の動きに全く対応出来なかった。

今場所に限って言えば、万全と言い難い白鵬と好調の豪栄道

それでも白鵬が勝つ。
言い換えればこれが実力差だ。

一言で片付けるならば『さすが白鵬』である。

そして白鵬の優勝を御膳立てするかのように2敗力士は全滅。

高安は貴景勝に完敗。

昨日も記載したが、対戦成績は高安が有利だが、その中身は貴景勝優勢であることが多かった。

高安としては2敗のまま白鵬戦に挑み初優勝への僅かな望みを繋げたかっただろうが、本日の黒星により完全消滅した。

貴景勝は連敗中だったが、気持ちを切らさず自分の相撲を取り切った。

これで最低ラインの二桁まで残り1勝。
残り2日間も集中していけるかどうか。

逸ノ城は直近5連敗を喫していた御嶽海をうまく捌いた。

白鵬以外に優勝の可能性が残された最後の力士として最後まで奮闘してほしいところ。

明日
白鵬ー高安』
貴景勝逸ノ城
とそれぞれ割が組まれたため、『白鵬逸ノ城』の割は組まれないことがほぼ決定した。

これに関しては賛否両論あるだろう。

私個人の意見としては14日目に組んでほしかった。

そして私の中で、本日優勝がほぼ決定したという空虚感がある。

何とか数字上だけでも千秋楽まで縺れてほしいところだが…

優勝争いの話題と逸れるが、序二段にて元大関 照ノ富士が無傷の7戦全勝とし、千秋楽優勝決定戦へ進出することになった。

十両陥落場所も負け越し、その後4場所連続全休し、序二段でもどうかと思われたが、力の差を見せつけた。

内容を見ると『身体で勝っている』と言わざるを得ない内容がほとんどであるが、復帰場所としては上々ではないだろうか。

場所前私は正直、勝ち越しは容易だが、『同じ境遇者』に敗れて全勝は出来ないと考えていた。

要は同じくけがをして番付を落としている力士には敗れると思っていた。

しかし幕内経験者の天風を二番目相撲で勝利する結果となった。

上記の通り、内容は全盛期には程遠いものであり、立ち合いの圧力、スピードもまるでない。

来場所は三段目に番付を戻すだろうが、そこでもこの内容で全勝1場所通過なるかどうか。

42. 2019年春場所12日目を勝手に語る

優勝争いも佳境を迎える12日目。

本日注目の『豪栄道貴景勝』は豪栄道大関の意地を見せた。

立ち合いの踏み込みで貴景勝の上体を起こし、足が揃ったところで叩き込んだ。

貴景勝としては、踏み込み負けした時点で後手に回り焦った印象である。

足も出ておらず、珍しく叩きにあっさり手を付いた。

昨日白鵬に健闘したが、結果としては黒星。
最低ラインの二桁を考えたとき、あと2つ勝たなければならない。

やはり終盤戦に突入し、星勘定も考え始め、やや固くなってきたか。

残り3日間、対戦相手は高安、逸ノ城栃ノ心でおそらく決まりだろう。

上位相手とはいえ、連敗を喫してしまった。
残り3日で修正できるかどうか。
泣いても笑ってもあと3日間だ。

優勝争い生き残りをかける『鶴竜ー高安』は高安に軍配が上がった。

逆の右四つに組んだが、上手を引くと強引に振り回した。

直近で3連勝していたためか、自信を持って良くも悪くも豪快に相撲を取った印象だった。

一方鶴竜としては後手に回り、やられたい放題の内容だった。

昨日も辛勝であり、集中力が途切れてきた印象である。

全勝白鵬は磐石の内容。
相四つの栃ノ心相手には、教科書通りの相撲を取ったという印象である。

廻しを切る技術は歴代でもトップクラスである。

唯一の1敗平幕逸ノ城も磐石の内容。

やや深い上手であったが、覇気の感じられないことも見受けられる逸ノ城としては、あれくらい豪快さを見せる気持ちが重要だろう。

ここ数日間、自信を持って相撲を取っている。

2敗の碧山、琴奨菊も完勝。
上位戦も組まれず、星の差は2つあるためのびのび取っている。

明日の注目の割は
白鵬豪栄道
『高安ー貴景勝
この2番だろう。

白鵬豪栄道は、先場所豪栄道の不戦勝だったが、それ以前は白鵬の11連勝中だった。

豪栄道大関昇進を果たす頃は白鵬に3連勝した時期もあった。

余談だが一時期の豪栄道は『第三の白鵬キラー』と勝手に命名していた(第一は日馬富士、第二は稀勢の里)。

豪栄道としては立ち合い鋭く踏み込んで、もろ差しになる展開が理想だろう。

今場所の白鵬は、相四つの力士以外は四つに組む展開が少なく、離れた展開から動き勝つ内容が多い。

その展開になったとき、豪栄道は冷静に対処できるかどうか。

明日白鵬が勝てば優勝は9割方決まりだろう。

逆に豪栄道が勝てば、単純に星の差が縮まるだけでなく、後続力士の意欲にも変化が見られるだろう。

白鵬との直接対決を残している高安は尚更だ。

そういった意味でも豪栄道は大きな役割を担っている。

高安ー貴景勝は両者ともに負けられない一番である。

高安は初優勝のために絶対落とせず、貴景勝大関昇進のために先場所敗れた2大関に2連敗するわけにはいかない。

過去は6ー2で高安リード。
また高安の3連勝中であるが、その中身は高安が『何となく勝っている』相撲も多い。

貴景勝としては、豪栄道ほど嫌な印象は持っていないと考えられる。

まずは立ち合いしっかり踏み込めるかどうか。
そして足をしっかり運べるかどうか。

大関昇進にあたって、3連敗となると印象はかなり悪くなるだろう。

そして昨日も記載したが、『白鵬逸ノ城』の割が組まれるかどうか。

私個人の意見として白鵬の割は
14日目 逸ノ城
千秋楽 高安
これが良いと考えている。

横綱同士の割を崩すことは確かに問題だが、過去事例がないわけではない。

平成12年春場所にて『曙ー武蔵丸』の割が崩された。

この場所は幕尻 貴闘力が初日から12連勝としていたため、貴闘力は13日目、14日目にそれぞれ武蔵丸、曙と割が組まれた。

その結果、史上初の横綱同士の割が崩された場所となった。

さらにこの場所は曙、武蔵丸ともに優勝争いを演じていたにも関わらず割が崩された。

ぜひとも白鵬逸ノ城の割を見てみたい。

今場所(特にここ4日間)の逸ノ城はそれだけの期待を抱かせるものがある。

協会はどのように考えるのだろうか。