きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

45. 2019年春場所千秋楽を勝手に語る

平成最後の場所を締めたのは第一人者 白鵬だった。

自身の記録を更新する42回目の優勝&15回目の全勝優勝である。

昭和最後の取り組みとなった『千代の富士大乃国』は千代の富士の連勝が53で止まった歴史的な一番だったが、平成最後の一番は予想通りの内容だった(予想は昨日記載を参照)。

今場所の白鵬は必ずしも磐石と言い難い内容だった。

場所中に誕生日を迎え34歳になり、近年は怪我も多くなってきた。

どちらも加味すると、結果を残すことはかなり難しくなってくるのだが、それでも引き出しの中身は多く、それをフルに活用して全勝という最高の形で締めくくった。

貴景勝戦のように余裕は感じられないが、必死に第一人者として立ちはだかる姿は素晴らしかった。

そして興ざめだった優勝争いよりも注目であった『栃ノ心貴景勝』。

結果は貴景勝が自分の相撲を取り切って完勝した。

そして臨時理事会の開催を要請したとのことで、事実上大関昇進が決定した(過去にここから昇進出来なかった例はない)。

昨日のような中途半端な立ち合いは見せず、力を出し切ることに専念したような内容だった。

今場所の黒星の内訳を見ると(負けた順)
御嶽海、玉鷲白鵬豪栄道逸ノ城
という結果である。

結果論で言えば、御嶽海、玉鷲は負け越したため、両者に敗れた取り組みは『取りこぼし』である。

白鵬豪栄道には実力差、逸ノ城には相手の勢いに屈した形である。

貴景勝の場所全体を見ると、自分の相撲を取り切る素晴らしいものであった。

おそらく内容に関して文句を言う者は少ないと思う。

しかしこれが大関の立場ならば『普通』という認識になるだろう。

ましてや苦手として浮き彫りになってきている豪栄道、御嶽海に対して、同じように敗れるならば『苦手が多いからダメだ』という認識に変わる可能性も高い。

貴景勝としては、基本『突き・押し』しかない中で、今後苦手相手にどのような対策を練っていくだろうか。

大関昇進後の貴景勝の活躍に期待である。

一方栃ノ心大関陥落が決定した。

それでも本日の一番は素晴らしいと感じた。

内容で言えば完敗かもしれないが、最後まで変化せず向かっていった。

本日は変化してもおかしくない状況下であった。
それだけ追い詰められている状況である。

それでも自分の相撲を貫こうとしていた。

大怪我で幕下まで陥落し、そこから復活を果たし、優勝&大関を手にした。

苦労人であることは大相撲ファンならば誰しもわかっていることである。

だからこそ心が痛む結果であるが、何とか来場所の特例復帰に望みをかけてほしいところである。

残り大関陣。
高安は終盤戦、今場所の主役達に全敗する形となった。

先場所の終わりにも記載したが、左四つの精度を磨くことで、安定感が増すと考える。

右四つに組んで上手を引けば、鶴竜を投げ捨てるなどある程度相撲を取ることが出来るが、それよりも左四つに拘るべきだと考える。

千秋楽豪栄道戦もそうだが、左を差しても腰高で逆転されているため、左四つの精度をもっと磨くべきた。

豪栄道は12勝を挙げ、大関としては立派な成績だが、それとともに『12勝が限界』であるとも感じた。

それこそ白鵬がいなければ相対的に13勝は可能かもしれないが、今場所のように好調であることが希なためどうだろうか。

そして何度も記載しているが、張り差しの多用が気になるところである。

もっと左前ミツに拘る方が良いと考えるのだが。

そしてもう一人の横綱鶴竜だが、休場明けの中ではまずまずの内容だろう。

昨日も記載したが、14日目の無気力相撲、千秋楽の結果の見えていた内容には苛立ちを覚える。

比較的上位陣全体が好調なため、そうなると苦戦を強いられるのが関脇~前頭上位である。

今場所勝ち越したのは貴景勝のみである。

先場所の覇者 玉鷲は結局二桁黒星を喫した。

勝ち越しが関の山と考えていたがそれ以下だった。

足もあまり出ていなかったし、優勝した力士の翌場所の難しさを痛感する形となった。

そして玉鷲の負け越し以上に予想外だったのが、御嶽海の負け越しである。

序盤の内容を見る限り、突如崩れることを想定しても勝ち越しまでは辿り着くと考えていたが、結果は一点の負け越し。

『ムラ』が多いタイプではあるが、今場所は特にそれが顕著だった。

今場所の負け越しにより、13場所連続で在位していた三役の地位も陥落する。

この力士がもたらす影響は大きく『ベンチマーク』としての存在である。

地力は貴景勝より上と言っても過言ではない。

貴景勝大関昇進が決まった今、発奮してほしいところである。

平成の大相撲もこれにて千秋楽。

平成の大相撲を観戦して育ってきた私にとって、本当に感慨深いものがある。

大相撲は新時代へ…