きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

47. 『割の編成』に関して

先日、第一人者 白鵬が優勝を果たして幕を閉じた平成最後の本場所

今場所大相撲ファンの間で話題となったのが『割の編成』に関してである。

今場所優勝次点であった逸ノ城は、優勝した白鵬と割が組まれることはなかった。

白鵬としては高安、豪栄道の2大関は優勝争いに絡んでいたため割から外すことは出来ず、鶴竜横綱同士の割のため外すことは出来ない。

過去に1度だけ横綱同士の割が崩されたのが、平成12年春場所の曙ー武蔵丸である。

この場所は幕尻の貴闘力が初日から12連勝とし、13日目、14日目にそれぞれ武蔵丸、曙と割が組まれた。

その結果、横綱同士の割が初めて崩されてしまった。

さらに言えば、この両者は番付上13日目に対戦する予定だったが、この時点で両者ともに優勝圏内に残っていた。

それにも関わらず、思い切った割崩しを行っていた。

ちなみにこの場所は、曙ー出島の横綱大関の割も崩されている。

過去に事例があるため、私自身の考えとしては今場所の横綱戦の割は崩して良いと考えていた。

しかし上記と矛盾する記載となるが、横綱同士の割を崩すことは絶対にやってはいけないと思う。

正確に言えば『崩さない且つ納得いく編成が必要』だと考える。

結果として割は崩されず進行したため杞憂だが、本来ならば好成績の平幕力士への対応にも備えなければならない。

そして割崩しの可能性として考えられたのは、角番で成績もあまり上がっていなかった栃ノ心である。

しかし栃ノ心側から見ると、白鵬戦を崩してその中勝ち越しを果たして角番脱出しても『白鵬と対戦していないから』と批判の対象になる可能性が高いと考えられる。

だからと言って、逸ノ城白鵬と割が組まれないという点は、仮に逸ノ城が優勝していた場合『インチキ優勝』と揶揄されるため、投げやりには出来ない。

相撲ファンの中には『上位戦を序盤に当てる』という考え方も出ている。

これに関しては私も過去に同様の考え方をしたことがある。

そもそも東横綱は最も割が決まっていると言える番付である。

同部屋でない限り初日は西小結と当たり、その後番付を下降していき、最後は千秋楽まで逆算して東小結から順に上昇していく。

昭和47年~48年にかけて、初日から横綱大関の割が組まれることも見受けられた。

興行面を考慮しても初日から上位戦が観戦できるというのは、ファンからしても楽しみと言える。

しかしこれは『本末転倒』になる可能性も高い。

本来ならば上位戦を後半に当てることで、終盤戦の優勝争いが盛り上がりを見せるわけである。

どの時代を振り返っても、熱戦を振り返ったとき『終盤戦の優勝争い』が多いのである。

それこそ今場所で考えてみると、初日に『白鵬豪栄道』の割が組まれたとする。

ここで白鵬が勝ちそのまま独走すると、豪栄道からするといくら調子が良くても『自力優勝が無理』な状態で追走することになる。

結局遅いか早いかの違いだと言われたらそうかもしれないが、終盤で優勝争いを演じている上位同士の割が大相撲ファンとしては一番興奮を覚える瞬間だと思う。

今場所この両者は13日目に割が組まれたが、豪栄道が地元の大阪ということもあり、期待値は計り知れないものがあった。

白鵬全盛期の時代は周りが追走できず、白鵬独走で場所を終えることが多かったが。

話が前後するが、上記の通り、東横綱の割の順番はほぼ決まっている。

今場所の白鵬は、千秋楽まで逆算する前の最後の対戦相手が東前頭4枚目の栃煌山だった。

この割は8日目であり、7日目終了時点で栃煌山の成績は1勝6敗。
さらに白鵬との対戦成績は37ー2と圧倒的な差をつけられていた。

結果は善戦したものの、順当に白鵬が勝利した(この一番に関してはこちらを参照)。

ちなみに逸ノ城は西前頭4枚目であり、休場者がいなければ丁度白鵬と対戦しない地位である。

なぜ栃ノ心豪栄道逸ノ城とそれぞれ8日目、9日目に対戦したかというと、栃ノ心栃煌山と同部屋であり、豪栄道は西前頭2枚目の妙義龍と同部屋のため、割が組まれないのである。

その結果『17番目の力士』である逸ノ城と割が組まれたのである。

では10日目に逸ノ城と対戦した高安はどうか。
高安は上位圏内に同部屋力士はいないため、本来ならば逸ノ城と割は組まれず、栃煌山と対戦するはずだが、両者1敗で優勝争いに絡んでいるため割を組んだといったところだ。

一般的に対戦相手が平幕から平幕に変更することはいわゆる『割崩し』とは言いづらい。

しかしこれも立派な割崩しであることは事実である。

そのため、今場所に限って言えば『7日目 正代』『8日目 栃煌山』のどちらかを逸ノ城戦に変更するのが良かったのではないだろうか。

確かにこの段階では、逸ノ城が14勝を挙げるとは考えにくかったかもしれない。

現に8日目、逸ノ城にとってはこの場所上位初挑戦となる栃ノ心に敗れた。

そして仮に7日目もしくは8日目に白鵬逸ノ城の割を組んだら、逸ノ城はこんな好成績にならなかったかもしれない。

しかしこの段階でも、成績不振の力士と割を組むより、好調力士と割を組む方がファンも納得したと考える。

1日で大きく展開が変わることもあるため『皆が納得する割の編成』というのは困難であるに違いない。

原則にとらわれず、工夫が必要になるだろう。

それこそ上記の初日に横綱大関の割も『角番大関は序盤にある程度上位戦が組まれる』という考え方は面白いかもしれない。

元号となる来場所以降。
割の編成も少し変化・工夫を凝らすことで、土俵全体の変化に繋がるのではないだろうか。