きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

93. 公傷制度について考える 後編

前編では、大相撲の怪我の深刻化について記載した。

後編では公傷制度の『私案』を記載していきたいと思う。

 

まずおさらいとして、前提は

・長期休場への対策

・地位の確保

・収入面

・乱用されない工夫

この4点を踏まえた立案が以下の通りである。

 

①公傷は最大で『半年(3場所)』とする。

②公傷全休場所は『番付から除外』する。そのためこの間『在位数』に数えない。復帰してきた場所に、その休場前の場所と『同地位の張り出し』とする。

③復帰場所の負け越しの数(負け星-勝ち星)は、通常の『2倍』で計算する。

④公傷全休場所は『基本給』『給金』を支払わない。

大関の場合、復帰場所を角番とする。

※且つここでも『私案』を適用したいため、詳細は 27. 大関に関する私案(後編)を参照していただきたい。

 

詳細を順に記載する。

まず①だが、最大半年(3場所)適応とすることで、長期休場へある程度の対策となる(怪我の度合いによってはこれでも足りないかもしれないが)。

平幕上位に在位する力士であれば、概ね幕内に留まる可能性も高くなる。

 

そして②、③、④だが、これは同時に話を進める。

まず以下に例を挙げる。

例)力士A:初場所時点で前頭2枚目。幕内在位数10場所。番付の変動は単純計算にて考えている。

初場所にて場所中に怪我をして途中休場となり、7勝6敗2休で場所を終えた。

→翌春場所前頭3枚目に降下し、ここで公傷適用することで、力士Aは番付から除外する。

→結果的に公傷を春場所名古屋場所まで適用したため、その間給与の支払いはなく、幕内在位数は10場所のままである。

秋場所に復帰し、この場所は『張り出し前頭3枚目』とし、結果6勝9敗で場所を終えた。負け越し数は本来3だが、③により6とする。

九州場所の番付は6枚降下の前頭9枚目である。

 

①により長期休場の対策を立てても『休場した方が得』という考えに至ってはいけない。

『乱用されない工夫』が必要であり、そのため②~④のように収入面に大きく影響する形にした。

また在位数に関しては、在位数を数えないことで『親方株取得』影響を及ぼすことになる。

とはいえ欠点だけを並べては『地位を確保することが困難』になるため、②にも記載されているように、復帰してきた場所に、その休場前の場所と『同地位の張り出し』とすることとした。

そして③だが、怪我による長期休場という仕方ない面もあるが、最大で3場所の間『土俵上でパフォーマンスの発揮が出来ない』という、力士の本質に背く事実が生まれることになる。

そのため、復帰場所の負け越しに関しては厳しく考えるようにした。

⑤は上記の通り、過去の記載を参照していただきたいが、簡潔言えば『角番脱出は9勝以上』『8勝の場合、翌場所も角番』ということである。

大関の場合、単に『復帰場所を角番』とするならば、収入面のマイナスはあるものの、確実に『番付維持は可能』となるため、現状よりも甘い基準になる可能性も高い。

そのため私案を適応することで、単に番付維持を目的とするだけではなく、大関としての力量を少しでも取り戻すことにも繋がるのではないかと考える。

 

全体を通じて、この私案でも『休場の欠点』は比較的多い方だと思う(特に収入面)。

しかしこの私案でも十分に『休場して怪我を完治させる』という考え方の力士も生まれるのではないだろうか。

自身の状態を把握し、その上で公傷の条件を考慮し、自身の判断で出場か休場を考えることができるだろう。

またこの私案の最大の欠点は『怪我の度合いについての説明』が全くされていない点である。

収入面の関係で厳しくしても、旧来の公傷制度同様『やたらと全治2ヶ月の診断書が提出される』という事態が発生しては快くないだろう。

適度に用いることは良いが、乱用だけは避けなければならない(私としては乱用を避ける案にしているつもりだが)。

医学的な面において、公傷制度をどのように考えていくのか。

そこも大きな問題になっていくだろう。

 

今場所、貴景勝は全休という勇気ある決断を下したが、今後も期待の若手が貴景勝の二の舞いになってはいけない。

 

余談だがこの私案は、遠藤が負傷した平成27年春場所頃からぼんやりと考えていたことであり、近年の怪我の深刻化、さらには貴景勝が休場したことにより、具体的に文面に表記したいと考えた。

言い換えればぼんやりしている案を具現化するのに、1~2日あれば十分であった。

協会としても早急に考えていただきたいところである。

92. 公傷制度について考える 前編

大相撲名古屋場所が終了して早1週間。

今場所の名古屋場所は、協会、ファンにとっても様々な点で考えさせられる場所になったのではないだろうか。

その中の1つが『怪我』『休場』に関する問題である。

以前 16. 協会よ。いい加減に考えるときだ。 でも記載したことがあるが、大相撲の怪我は深刻化しており、今場所も『史上初の4大関休場』という事態に陥った。

そしてこの問題において論じられることが『公傷制度の有無』に関してである。

公傷制度の復活に関して賛否両論あり、反対意見の多くが

『自己管理が出来ていない』

『稽古不足』

『過度な体重増加が問題』

という旨の内容である。

間違いなくこれらは事実だと思う。

 

相撲の基礎である四股、テッポウ、すり足を怠っている力士は怪我をしない身体作りも出来ていないことになるし、過度な体重増加も身体に負担をかける可能性が高くなる。

しかし全ての力士がこれに該当するかというとそうではない。

中には『土俵上の事故』とも呼べる怪我も多い。

今場所で言えば『高安』が土俵上の事故とも呼べる怪我だろう。

玉鷲戦で両者力を出している中で、腕が極まってしまう内容だった。

この一番を見て

『高安は稽古不足』

『自己管理が出来ていない』

という結論には至らないと思う。

 

公傷制度を否定するのは構わないが、上記の理由だけで安易に否定することは、ここ数年深刻化していることを考えても出来ないだろう。

上位に定着してきた力士、上位に迫ってきた力士が怪我で離脱する。

長期離脱した場合、照ノ富士や宇良のように『三段目まで下降』する。

現在、公傷制度が無いため、遠藤のように騙し騙し相撲を取り続ける力士も存在する。

今場所のように『4大関休場』といった、経済面を考慮すると休場されるのも困るが、そのまま出場して悪化させ、再起不能になるのはもっと困る。

今場所の貴景勝は危うくその道を辿る危険性もあった。

『出場することへの美学』を唱える者も存在するが、そのまま次々と力士が壊れてしまっては死活問題である。

 

『怪我をしない身体作り』

これは大前提として間違いないことだが、限界が来ているのである。

騙し騙し取り続けた結果、照ノ富士は長期離脱して三段目まで下降した。

昨年、栃ノ心が大怪我により幕下陥落を経験しながらも『初優勝&大関昇進』を果たし、再度怪我に苦しもながらも今年は『大関復帰』を果たした。

これは喜ばしく、素晴らしい出来事であり、怪我をした力士の鏡とも呼べる存在であるが、全力士が栃ノ心ではない。

この事実を正当化してはいけない。

正当化することで決して『真実』になる問題ではない。

具体案、解決案を模索しない限り、解決出来ない問題である。

 

今からでも遅いくらいである。

今も怪我にもがき苦しんでいる力士が多く存在する。

協会からはこの問題に向き合っている様子が全く見られない。

結局は『自己管理が出来ていない』『怪我をしないための身体作り』という曖昧な発言のみである。

貴景勝だけではない。

台頭してくる若手が、いつ離脱するかわからない。

自己管理というが、怪我を治す時間がほしい中、巡業の数はどんどん増していき、自己管理することが難しい環境にすらなっている。

自己管理を困難にさせているのは『協会そのもの』と言っても過言ではない。

 

話は公傷制度反対意見のことに関して戻るが、確かに公傷制度は『乱用される』危険性がある。

そもそも平成16年に廃止された背景には『公傷制度を乱用する』という理由も含まれていた。

 

そのため私の考えは『公傷制度には賛成だが、旧来の公傷制度の復活は反対』である。

旧来の公傷制度であれば『長期休場』に関してあまり対策が出来ないからである。

旧来の公傷制度は簡潔に言えば、本場所の土俵上で怪我をした力士は、翌場所全休でも番付を降下しないというものである。

例を挙げると

前頭2枚目:7勝7敗1休(土俵上の怪我により途中休場)

→前頭3枚目:全休(公傷)

→前頭3枚目:9勝6敗

といったような流れである。

そのため公傷が適用された全休場所の翌場所、仮に全休してしまえば単純計算でそのまま15枚降下となるわけである。

近年では大怪我による長期休場が目立つようになっている。

上記で挙がっている栃ノ心は、幕内下位から長期休場により幕下下位まで降下しているが、この場合例え旧来の公傷制度があったとしても、結局栃ノ心は星勘定からすると幕下からのスタートとなっていた。

 

そのため、まず前提として

・長期休場への対策

・地位の確保

・収入面

・乱用されない工夫

以上4点が必要になってくると考える。

 

後編では『私案』を記載していきたいと思う。

つづく。

91. 2019名古屋場所千秋楽を勝手に語る

鶴竜が本割で優勝を果たし、名古屋場所初優勝を飾って幕を閉じた2019年大相撲名古屋場所

鶴竜にとってはそもそも名古屋場所の皆勤が4年ぶりであり、名古屋場所を制覇したことで『4会場制覇』となった。

15日間を通じて、悪手が全く見られなかった。
これに尽きるのではないだろうか。

序盤戦は危ない相撲もあったが、中盤戦以降は立ち合い鋭く、相撲内容に厳しさが増していった。

敗れた友風戦も立ち合い自体は非常に良かった。

年齢は33歳であり、いつ引退がきてもおかしくない年齢である。

鶴竜としては来場所以降も今場所同様、悪手をみせず相撲を取ることが出来るか注目である。

初めての逆転優勝ならなかった白鵬は、15日間総合してみると自分の型になることが圧倒的に少なかった。

それでも勝てるのだから次元が異なると言えばそうなのだが、やはりそれを『15日間続ける』というのはいくら白鵬言えど困難ということである。

相手としても白鵬に組まれては絶対に勝てないということがわかっているため、その結果組むことが出来ないのかもしれないが、白鵬が雑な面も増えていることも事実である。

年齢は鶴竜よりも上の34歳であり、力量の衰えは仕方ないところだが、『筋力』という面における力も落ちている印象は受ける。

それが顕著であるのが、逸ノ城戦である。

こちらでも記載したが、がっぷりになっては自信がないため、もろ差し狙いでいったのか。

詳細は不明であるが、相四つ相手には無類の強さを見せつけていただけに、あの負け方が気になるところである。

来場所以降の巻き返しを期待したい。

本日の取り組みで目を引いたのは『北勝富士ー遠藤』だろう。

立ち合いから遠藤が踏み込み良く攻め込んだが、北勝富士が押し返し、右おっつけから横に崩し、そのまま右ハズ押しで攻めていくが、これを遠藤はよく残した。

遠藤としては逆の右四つであったが、組止めた時点である程度の余裕が生まれただろう。

最後は北勝富士が我慢できず引いてしまって遠藤が寄り切った。

このあと阿炎が勝ち越しを決めたため、三役争いが難しくなった(予想は番付予想を参照)。

三賞だが、敢闘賞 照強、殊勲賞 友風、そして技能賞 遠藤には文句のない結果である(遠藤は条件付きだと思っていたので無条件は意外だった)。

腑に落ちないのが技能賞 炎鵬と条件付き(白鵬優勝の場合)殊勲賞 琴奨菊である。

まず炎鵬に関してだが、確かに小さい身体で『魅せる相撲』であったことは事実だが、極論を言うとこれでは『炎鵬の場合勝ち越せば受賞』みたいな流れとなってしまう。

過去に舞の海が技能賞を5回受賞しているが、これに近い感覚である。

私個人としては『上位で結果残す上での技能相撲』だと考えているため、炎鵬の技能賞にはあまり納得いかなかった。

それ以上に納得できないのが、条件付きの琴奨菊である。

もちろん昨日の白鵬戦は殊勲に値する内容である。

しかしそれでは逸ノ城があまりにも不運である。

本日解説の北の富士が『逸ノ城は負けた内容が良くない』と発言していた。

確かにそれはそうだが、それが議論の対象となるのは敢闘賞だろう。

逸ノ城白鵬に勝った』
この事実は何も変わらないし、しかも14日目終了時点ですでに勝ち越しを決めていたため、条件は十分に果たしている。

なぜ琴奨菊だけ条件付きにして逸ノ城は漏れたのか。

不可解であったが、結果として白鵬は優勝出来なかったため杞憂に終わった。

今場所15日間を通じて、立ち合いの不成立が目立った。

中には十分合わせているのに、行司が無理に止めているのではないかと思わせる取り組みもあった。

とにもかくにも、どの力士も最後の仕切りにおけるルーティンが長すぎる。

少し前までは栃煌山くらいだったが、最近ではほとんどの力士がそうである。

白鵬も最後に腰を下ろすのが遅いため、碧山戦では『無駄な心理戦』となってしまった。

本来ならばいつでも立ち合う気持ちを持っていなければならない。

これは講習会を開催して改善すべきだと思う。

先場所の反省を活かしたのか、物言いの説明は比較的良かったように感じた。

今場所は史上初の4大関休場となり、両横綱が引っ張る形となったが、この両横綱を脅かす若手がまだいないという事実も見られた。

若手の台頭は見られるが、脅かすまでに至っていない。

来場所貴景勝は関脇へ陥落する。

誰が抜け出してくるのだろうか。

今場所もこれにて千秋楽。
相撲ファンの皆様も15日間観戦お疲れ様でした。

90. 2019年大相撲秋場所番付予想

番付 西
鶴竜 横綱 白鵬
高安 大関 豪栄道
栃ノ心 大関  
御嶽海 関脇 貴景勝
阿炎 小結 遠藤
北勝富士 前頭筆頭 碧山
朝乃山 前頭2枚目 逸ノ城
大栄翔 前頭3枚目 友風
正代 前頭4枚目 玉鷲
千代大龍 前頭5枚目 志摩ノ海
琴奨菊 前頭6枚目 妙義龍
竜電 前頭7枚目 隠岐の海
琴恵光 前頭8枚目 宝富士
照強 前頭9枚目 琴勇輝
佐田の海 前頭10枚目 明生
阿武咲 前頭11枚目 炎鵬
松鳳山 前頭12枚目 大翔鵬
錦木 前頭13枚目
剣翔 前頭14枚目 豊ノ島
石浦 前頭15枚目 貴源治
東龍 前頭16枚目 栃煌山
豊山 前頭17枚目  

昨日記載した通り、小結が悩ましい結果となった。

筆頭で9勝の北勝富士、2枚目で10勝の遠藤。

私は千秋楽直接対決で勝利した遠藤を小結と予想した。

正直、小結を3枠にすることが一番望ましいのだが、ここ数年の傾向よりないものと考えて良いだろう。

北勝富士は不運にも東へ移動するだけとなる。

もしこの通りになれば、平成27年夏場所栃ノ心以来となる。

この時も西前頭筆頭で9勝とし、東へ移動しただけだった。

 

そして西前頭筆頭~西前頭3枚目も激戦区である。

単純計算ならば西前頭7枚目で11勝を挙げている友風も三役を狙えるが、私は西前頭3枚目とした。

ここらの地位は、概ね予想通りになるとは思うが、東西の違いが生じる可能性は高い。

 

今場所、十両陥落確定は

・東前頭11枚目:嘉風(全休)

・東前頭13枚目:千代丸(5勝10敗)

・東前頭15枚目:矢後(4勝11敗)

・西前頭15枚目:魁聖(1勝10敗4休)

以上4名である。

そして数字上、候補になりそうな力士が

・西前頭10枚目:貴源治(4勝11敗)

・東前頭12枚目:栃煌山(5勝10敗)

この2名である。

4枠確定とした上で、幕内へ昇進できる成績の十両力士は

・西十両筆頭:東龍(8勝7敗)

・東十両2枚目:石浦(9勝6敗)

・西十両3枚目:豊山(9勝6敗)

・東十両6枚目:剣翔(13勝2敗)

以上4名である。

残り2枠空くと考えるならば

・東十両3枚目:千代翔馬(8勝7敗)

・西十両4枚目:隆の勝(9勝6敗)

以上2名だが、正直星勘定としては厳しいことが予想されるため、栃煌山貴源治を幕内残留という予想にした。

とはいえ、東前頭15枚目以下の予想は難しいため、ここらへんは予想屋さんでも様々な予想が飛び交うのでないだろうか。

私の場合、結局貴源治栃煌山も、それなりに余裕を持って残留できる予想とした。

 

平幕中位は、比較的予想しやすい結果となったのではないだろうか(東西の細かいところは除く)。

来場所は友風が上位初挑戦となるだろうが、鶴竜戦がフロックではなかったのかどうか、試されるところだろう。

89. 千秋楽本割、優勝決定戦の連勝による逆転優勝

大相撲名古屋場所も1敗鶴竜、2敗白鵬の2名に優勝争いが絞られ、この両者が明日直接対決をする。

こちらでも記載したが、白鵬は42回もの優勝を果たしながら、題名の通り『千秋楽本割、優勝決定戦の連勝』を果たしたことがない。

ちなみに年6場所制となった昭和33年以降、11回存在するが以下の通りである。

四股名は当時の四股名であり、若乃花は3代目まで存在するため、右に数字を表記。

場所

優勝力士

成績

敗戦力士

1959年 夏場所

若乃花1(横綱

14勝1敗

栃錦横綱

1971年 初場所

大鵬横綱

14勝1敗

玉の海横綱

1974年 名古屋場所

輪島(横綱

13勝2敗

北の湖大関

1988年 春場所

大乃国横綱

13勝2敗

北勝海横綱

1991年 夏場所

旭富士横綱

14勝1敗

小錦大関

1997年 春場所

貴乃花横綱

12勝3敗

曙(横綱

1997年 夏場所

曙(横綱

13勝2敗

貴乃花横綱

1999年 初場所

千代大海(関脇)

13勝2敗

若乃花3(横綱

2002年 初場所

栃東大関

13勝2敗

千代大海大関

2017年 春場所

稀勢の里横綱

13勝2敗

照ノ富士大関

2017年 秋場所

日馬富士横綱

11勝4敗

豪栄道大関

※の貴乃花は本割で曙に勝利し、貴乃花、曙、武蔵丸魁皇の4人による優勝決定戦だった。

トーナメントの結果、魁皇、曙に勝利して逆転優勝となり、今回はこれも回数に含めている。

やはり連勝による逆転優勝に印象は強く、稀勢の里にとっては『代名詞』とも呼べる一番になっている。

そして大横綱といえど、必ず経験しているわけではない。

例を挙げると北の湖千代の富士そして白鵬

 

ちなみに『千秋楽の本割は勝利したが、決定戦に敗れた』というパターンは以下の通り16回である。

四股名は当時の四股名であり、貴ノ花は2代存在するため、右に数字を表記。2代目は途中、貴乃花に改名。

場所

優勝力士

成績

敗戦力士(本割勝利)

1966年 秋場所

大鵬横綱

13勝2敗

柏戸横綱

1970年 初場所

北の富士大関

13勝2敗

玉乃島大関

1970年 九州場所

玉の海横綱

14勝1敗

大鵬横綱

1975年 春場所

貴ノ花1(大関

13勝2敗

北の湖横綱

1976年 夏場所

北の湖横綱

13勝2敗

輪島(横綱

1978年 春場所

北の湖横綱

13勝2敗

若三杉(大関

1981年 初場所

千代の富士(関脇)

14勝1敗

北の湖横綱

1986年 名古屋場所

千代の富士横綱

14勝1敗

北尾(大関

1987年 初場所

千代の富士横綱

12勝3敗

双羽黒横綱

1993年 名古屋場所

曙(横綱

13勝2敗

貴ノ花2(大関

2001年 初場所

貴乃花横綱

14勝1敗

武蔵丸横綱

2001年 夏場所

貴乃花横綱

13勝2敗

武蔵丸横綱

2009年 初場所

朝青龍横綱

14勝1敗

白鵬横綱

2009年 秋場所

朝青龍横綱

14勝1敗

白鵬横綱

2014年 初場所

白鵬横綱

14勝1敗

鶴竜大関

2015年 秋場所

鶴竜横綱

12勝3敗

照ノ富士大関

※は2敗の貴ノ花が1敗の曙を降して、2敗で曙、貴ノ花、若ノ花が並び、3人による優勝決定戦だった。今回はこれも回数に含む。

逆転されずにすむパターンの方が、逆転されるパターンよりも多く、さらには本割でそのまま逃げ切るパターンもあるため、やはり連勝による逆転優勝の難しさを語る結果となっている。

そして千代の富士は上記の通り、逆転されずにすんだパターンが3回もあり存在感を示しているが、『自身が1差で追いかける展開で、トップの力士と千秋楽に対戦したことがない』という珍記録を持っている。

そのため、連勝による逆転優勝の経験もないのである。

ちなみに1970年九州場所、1971年初場所は、いずれも玉の海が1差でリードする形で千秋楽を迎え、本割で大鵬に敗れている。

九州場所は決定戦勝利も、初場所は逆転を許しているという面白い結果であった。

 

連勝で逆転に『成功』、そして逆転を『許してしまった』という両方を経験している力士は貴乃花、曙、千代大海の3名である。

上記表の力士達は横綱が大半であるが、両方を経験している力士の中に千代大海四股名があることに少々違和感を覚える。

とはいえやはり、千代大海にとってこの2番は大相撲ファンの間でも有名な取り組みである。

連勝による逆転優勝は記憶に刻み込まれやすいものである。

それだけ印象が強いのである。

 

白鵬は新たに『印象強い優勝』を果たすことができるかどうか。

過去は2009年初場所秋場所の決定戦に持ち込むまでが限度であった。

はたしてどのような展開になるだろうか。

とにかく熱戦を期待したいところである。

88. 2019年名古屋場所14日目を勝手に語る

昨日までの展開を見て、千秋楽横綱同士の相星決戦を望んでいたが、それも叶わなくなった。

白鵬が勝手知ったるお得意様琴奨菊に敗れ、2敗に後退。

それにしても近年の白鵬は、勝っても負けても疑問が残りやすい。

確かに琴奨菊の踏み込みは良く、左前ミツも良いところを引いた。

しかし過去の対戦を振り返っても、そこから挽回できない白鵬ではない。

本日それが全く見られなかった。

さらにはもろ差しを許す最悪の展開だった。

どんな大横綱であっても呆気ない相撲で敗れることはある。

しかし誰よりも優勝争いをわかっておりかつお得意様相手に対して、何もできなかったことに疑問を抱く。

一方の鶴竜は苦手御嶽海相手に完勝。

立ち合い踏み込み良く、前ミツに手は届かなかったが、御嶽海の突っ張りを封じ、結果的に右差し、左前ミツを引いて万全な形を作った。

昨日の敗戦を引きずることなく、立ち合いに集中しており、完璧な内容であった。

明日は1敗鶴竜と2敗白鵬による直接対決で優勝が決まる。

白鵬は42回と優勝回数に関して右に出る者はいないが、千秋楽本割で勝利かつ優勝決定戦で勝利という逆転優勝を経験したことがない。

平成21年初場所秋場所は、朝青龍相手に本割は勝利したが、優勝決定戦は敗れている。

平成24年春場所は、1差で追っていた鶴竜が本割で豪栄道に敗れ、優勝決定戦で鶴竜に勝利して逆転優勝を果たしているが、本割→決定戦の連勝ではない。

白鵬の逆転優勝を見たい気もするが、それはそれで鶴竜に対して締まりがないと不満を抱くことになりそうである。

だからといって鶴竜が本割で勝利して優勝を果たしても、白鵬の無気力を感じてしまい不満に思うだろう。

4大関休場の中、横綱が締めてくれたという点は満足である。

しかし完全に満足かと問われるとそうではない。

私のワガママなのだが、上記のこういうモヤモヤした感じが残るだろうから本日白鵬には勝ってほしかった。

とにかく明日は熱戦を望む。

三役を狙う前頭上位に目を向けると、12日目までは2枠空いている三役の座を8名で争う形だったが、阿炎、北勝富士、遠藤の3名に絞られたようである。

問題は阿炎と遠藤が白星、北勝富士が黒星の場合である。

阿炎が勝ち越した場合、阿炎はそのまま小結を維持し、筆頭の9勝と2枚目の10勝どちらが優位に立つかである。

三役争いも目が離せない。

平幕下位に目を向けると、栃煌山が10敗目を喫した。

前頭12枚目で10敗のため、展開次第ではこの時点でも十両陥落の恐れがあるが、明日は幕内残留をかけて重要な一番になるだろう。

一昔前の大関候補が、いまや幕内に留まることが出来るかどうかの瀬戸際に立たされている。

こちらでも記載したが、今場所は豪栄道も途中休場し、『ロクイチ組』にとって苦しい場所かもしれない。

同じくロクイチ組の妙義龍は、勝ち越したもののその後は4連敗。

まだまだ意地を見せてほしいところだが…

先場所同様、今場所も14日目の取り組みが終了した時点で取り組み編成をしたため、7勝7敗同士の割が3組存在する。

7勝7敗が7名(どうでもいいがトリプルセブン)いたため、碧山だけはすでに勝ち越しを決めた大栄翔との対戦となった。

この一番も展開によっては三役をかけての取り組みになる可能性もあったが、上記の通り3名に絞られている。

先場所も記載したが、今後も14日目を終了した時点で編成したら良いのではないだろうか。

出来ない理由がないならやるべきだと思う。

現にこの2場所、千秋楽の割に関しては素晴らしいと思う。

今後も絶対条件で良いのではないだろうか。

さて明日で千秋楽だが、優勝の他に三賞が気になるところである。

確定は殊勲賞友風、敢闘賞照強だろうが、北勝富士、遠藤が10勝した場合どうだろうか。

特に遠藤は出し投げのキレ、前さばきの技術を評価される可能性は高い。

本来技能賞ならば、最低限の勝ち越しを果たしていれば白星の数は関係ないと思うのだが、先場所の竜電をみても二桁はほしいところか。

そもそも受賞できるかどうかも不確定だが。

そして気になるところが逸ノ城である。

白鵬に土を付けて、優勝争いを面白くした立役者だが、その後あまり成績は上がらず現在8勝止まり。

そして本日琴奨菊白鵬に勝ったことで、価値も薄まってしまった可能性が高い。

受賞出来なければ3回目の『白鵬に勝っても殊勲賞を受賞出来ない』という珍記録を達成することになる。

千秋楽。
順当に鶴竜が優勝を果たすのか。
それとも第一人者 白鵬が意地を見せるのか。

はてさて…

87. 2019年名古屋場所13日目を勝手に語る

誰が予想しただろうか。

まさかまさかの大波乱。

鶴竜が平幕友風に不覚を取り、ついに初黒星を喫した。

悪手を見せたわけではない。

立ち合いの踏み込みも低く鋭く、友風の上体を起こした。

しかしそこからは焦りだったのか。

友風としては立ち合い当たり負け、上体を起こされ、圧倒された中で繰り出す技が叩きしかなかった。

鶴竜は前ミツを引けていない状態で突っ込みすぎて、捨て身の叩きを喰ってしまった。

鶴竜としては立ち合いがほぼ完璧だっただけに、悔やまれる一番である。

それにしても友風は目立たないながらも、今場所は2つの偉業を成し遂げた。

目立たないという言い方は失礼であるが、本日この一番の結果が出るまでは、正直私は友風から期待できるものを感じることが出来なかった。

強いて印象として残っているのは、今場所も一番見られたが、押し相撲でありながら、右四つに組んで上手を引いて豪快に投げる相撲を見たとき『あぁ、こんなことも出来るんだ』と思う程度だった。

ちなみに上記の1つ目の記録が『初土俵から13場所連続勝ち越し』。

これは歴代2位タイの記録であり、立派であることに間違いないのだが、これに関して言えば大きく勝ち越さず、小さく刻んで勝ち越しを積み重ねれば、上位と対戦せず記録を伸ばすことが出来る。

もちろん勝ち越しを果たすには力量がなければ出来ないことだし、そんな単純計算でないことはわかっているが、この記録を打ち立てても友風から感じるものがなかった。

もう一つが『初土俵から14場所目で初金星』。

これに関しては幕下付け出しを除き、小錦と並び1位タイの記録だが、正直このスピード記録にものすごく驚きである。

当時の小錦のようなインパクトがないのは当然と言えば当然か。

そもそも今場所、ここまで3敗で比較的好調とはいえ、全勝の鶴竜とは星の差3つあり、優勝圏内とは言えない。

星勘定だけで話をしたら2敗である照強の方が上である(本日の割が組まれるのは友風、照強の取り組み前であり、11日目終了時点では両者2敗のため判断できないが。)。

『4大関の休場』により急遽抜擢されたため、段階を踏んで上位対戦となったわけではないため、余計今回のスピード記録に驚かされるのだろう。

友風としては偉業を成し遂げ、今場所の優勝争いを面白くした立役者であることに間違いない。

しかし私はまだ友風の力量が幕内上位で通用すると到底思えない。

しかしこの一番をきっかけに躍進する可能性はある。

まだ今場所も2番残っているため、ぜひ連勝で締めてほしいところである。

友風の話が長くなったが、1敗で追う白鵬は妙義龍を冷静に退けた。

立ち合いの踏み込みはまずまずであったが、左前ミツを引くことは出来なかった。

とはいえ余計なことをせず、相手をよく見て、小手投げで仕留めた。

ここ2日間、踏み込みスピードはそこまで感じないが、低さはあり、左前ミツを狙おうという丁寧さも見られる。

磐石とは言い難いが、落ち着きのある内容である。

誰よりも優勝争いの経験を知る者であるため、終盤戦へ突入してエンジンがかかってきたか。

先場所の覇者 朝乃山が負け越しを喫した。

序盤戦を見る限りでは、勝ち越しには手が届くレベルだと感じたが、同格に不覚を取った。

強い内容もあり、今後上位で戦うにあたり、自信を付けた相撲もあっただろうが、総合してみると反省点が多い場所となったか。

いずれにしても、先場所の優勝に『ケチ』がつきやすい結果となった。

汚名返上をするためにも、今後の活躍が重要になってくるだろう。

横綱大関との上位戦はもちろんだが、関脇以下の同格に対して苦手を作らないことが大切になってくるだろう。

そして新入幕 貴源治の連敗が止まらない。

序盤戦とはまるで別人である。

序盤戦は組んでも離れても自信を持って取り組んでいたが、連敗中はどっち付かずの内容になっており、自身喪失も感じられる内容である。

新入幕で前頭10枚目まで躍進したため、家賃が高かったのかと言われればそれまでなのだが、序盤戦を見る限りではそう思えない。

あと2日間残っているため、連敗を止めて来場所に繋げてほしいところ。

明日の注目の割は
鶴竜ー御嶽海』
この一番に尽きるだろう。

そもそも終盤戦へ突入してから、鶴竜の連勝を止める可能性のある力士は御嶽海しかいないと考えていたくらいだ。

鶴竜にとってある意味最も苦手な力士と言える。

悪手を見せなくても、立ち合いから圧倒されることもあるし、流れの中でいなされて崩れる可能性もある。

鶴竜としては、まずはしっかり踏み込むことだろう。

そして気持ちの切り替えである。

この1年、皆勤した3場所の終盤戦の成績は全て負け越している。

気持ちを切り替え立ち合いに集中する。
そして悪手を見せない。

それでも敗れるようならば、正直仕方ないと言わざるを得ないのではないだろうか。

先場所は初日に対戦して、珍しく圧倒する内容で勝利している。

先場所の良いイメージで相撲を取ることが出来るかどうか。

どのような星の推移で千秋楽を迎えるだろうか。

はてさて…