きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

773. 2024年初場所11日目を勝手に語る

阿武咲、大の里が連日役力士相手に跳ね返され、1敗で琴ノ若、2敗で照ノ富士、霧島、豊昇龍という展開になった。

数字上はまだ3敗どころか4敗にも可能性はあるが、優勝争いは上記4名の関脇以上に絞られたと言って良いだろう。

1敗先頭の琴ノ若は王鵬を危なげない相撲で下した。
王鵬としては思い切り当たっていけたとは思うが、琴ノ若には通じず、逆に琴ノ若が下から跳ね上げて圧倒していた。

本日は守りではなく攻めの強さが見られた一番ではないだろうか。
王鵬には悪いが、現在の両者の力量差もかなりあるため、琴ノ若としては余裕もあったのだろう。
もちろん終盤戦に格下と当たるという重圧もあっただろうが、それをまるで感じさせない素晴らしい相撲内容だった。

照ノ富士は阿武咲の挑戦を退けた。
立ち合いに注目していたが、今場所序盤戦で多用していた腕を手繰る動きで阿武咲を仕留めた。

今場所の照ノ富士のこの動きを見ているとかつて白鵬が見せていた『左張り手、右かち上げ』を思い出す。
対戦相手は十分意識しているだろうが、ものの見事に食ってしまっている。
賛否あるだろうがこれは一つの技術なのだろう。

それにしても序盤戦を考えると照ノ富士がここまで星を伸ばしてくるとは思わなかったし、相撲内容も修正してくるとは思わなかった。
もちろん今場所の照ノ富士に求められるのは何度も記載するように『勝つこと』ではあるのだが。

相撲内容が上向きの中、終盤戦に霧島、豊昇龍、琴ノ若と割が組まれるわけだが、この3名相手に照ノ富士は過去全勝している。

霧島にしても琴ノ若にしても上の番付を狙うには照ノ富士の壁を越えなければならないわけだ。
豊昇龍も今場所昇進がかかる場所ではないが、この先上を狙うならば越えなければならない壁である。

ここ数日は横綱らしい『負けないオーラ』が漂っているようにも感じるがはてさて。

綱取り霧島は大栄翔相手に危なげなく白星。

大栄翔の突きに下がらず、逆に突き返して圧倒していた。
ここ数日は攻めの強さが光っており、相撲内容にも締まりが出てきた印象を受ける。

昨日も記載したが、霧島としては1敗琴ノ若と割が組まれるまでは負けるわけにはいかない。
番付通りならば14日目か。

一方大栄翔だが関脇としての力量は間違いなくあるだろう。
一発もある力士だし、誰もが認める実力者だが、総合してみると横綱大関、そして琴ノ若との差が開いてきた印象を受ける。

琴ノ若、豊昇龍、霧島と3連敗したから余計そのように感じてしまうところもあると思うが、内容面に関してもやや圧倒されているように感じる。

昨年は6場所中4場所二桁の白星を挙げて安定感があったが、その一方で10勝が限界のようにも感じる部分があった。

今場所もこの先全て白星でも10勝である。
大栄翔は関脇止まりの力士で終わってしまうのだろうか。

今場所だけでなく、この先の大栄翔の巻き返しも期待したいところである。

豊昇龍は新入幕大の里の挑戦を退けた。

豊昇龍がどのようにして大の里の圧力をかわしていくのか注目だったが、左前ミツ狙いの立ち合いで当たりを止めた。

豊昇龍には失礼だが、まともに当たっていくことはしないだろうと予想していたため驚かされた。

前ミツとまではいかないが、上手を取ることには成功し、大の里の当たりを受け止め、大の里が強引に前へ出ようとしたところを下手投げで仕留めた。

今場所の豊昇龍は連敗を喫した際、内容も呆気ないものだったため優勝争いという点では厳しいと思っていたが、ここに来て相撲内容にも重みが増してきたし、存在感という点でも徐々に増してきたと言える。

とにもかくにもこのまま2敗で食らいついていきたいところである。

平幕の若元春にも触れておこう。
この2日間、平幕3敗力士の挑戦を見事に退けている。

上位圏内で相撲を取っている力士としてしっかり力を示すことが出来ている。
先場所負け越して平幕に落ちたが、やはり実力は三役クラスである。

若元春の2日間の相撲を見ると、やはり上位圏内と圏外の差はあるのだと改めて感じさせられた。

もちろん時には好調力士の一発を食らうこともあるだろうが、総合するとやはり上位圏内で相撲を取り続けることの難しさがわかる。

今場所の琴ノ若に土をつけたのは若元春だし、この力士も早く再び出世争いに名乗りを上げてほしいところである。

話は十両になるが、先場所新入幕だった北の若と狼雅の2名が十両で存在感を示している。

両者ともに期待の若手ではあるが、十両で足踏みが続いており、やっとの思いで先場所幕内へ昇進を果たしたが、両者ともに惨敗だった。

しかし今場所は十両で優勝争いをしており、両者ともに初日から勝ちっぱなしだった新十両尊富士に土をつけている。

先場所惨敗したとはいえ、幕内昇進を果たしたことが糧となったか。

この先の成績、他の力士の結果にもよるが、ぜひとも1場所で幕内復帰を決めてほしいところである。

明日の1敗、2敗の力士は平幕好調力士達と割が組まれている。
ここ数日の充実した相撲内容を見ると番狂わせは起こりづらいと予想するがはてさて。

そして『照ノ富士ー大の里』の割が組まれたことで『照ノ富士ー大栄翔』の割が崩された。

これに関しては毎場所言っていることだが、対応が遅いことによる失態である。

昨年夏場所でもこの割が崩されたが、特段大栄翔が不振というわけでもないのに崩すのは納得がいかない。

ましてや照ノ富士は大栄翔を苦手としているため、余計批判の対象となるだろう。

優勝争いを盛り上げる割を編成したいという気持ちは大いにわかる。
何ならファンもそれを望んでいる。

しかしとにかく対応が遅い。
今場所の場合、大関貴景勝が早々休場し、小結髙安も途中休場した。
さらには一時期優勝争い単独先頭に立っていた朝乃山も途中休場となった。

ある程度余裕が生まれた中で割崩しを行っているから不満を言いたくなるのである。

工夫を凝らす面も見受けられるが、どうにも『0か100か』みたいな対応にも見受けられるため、何とかならないものか…