きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

772. 2024年初場所10日目を勝手に語る

霧島と琴ノ若が平幕好調力士相手に力を示し、琴ノ若は単独先頭に立つ展開となった。

まず琴ノ若ー大の里から振り返ろう。

琴ノ若側に一言送るならば『素晴らしかった』。
大の里側に一言送るならば『勿体ない』である。

琴ノ若は予想通りもろ差し狙いだった。
すんなりもろ差しの形を作り、新入幕相手に力の差を見せつけた。

上の番付を狙うならば新入幕相手に負けるわけにはいかない。
重圧もあっただろうが、見事に自分の相撲で打ち勝った。

一方大の里は全く力を出すことが出来なかった点で勿体ないと感じている。

琴ノ若のもろ差しを警戒し過ぎたか。
差し手争いを嫌う形でもろ手突きを選択したが、それが不発に終わった。

大の里としては考えた立ち合いだっただろうし、もろ手突きが不発に終わったのも結果論と言えば結果論である。

しかし多くのファンは『大の里の圧力が琴ノ若にどれだけ通用するのか?』という点に興味があったと思う。

放棄という言い方が正しいかはわからないが、大の里はファンの興味を放棄してしまったか。

そして大の里自身、現状の自身の力量を測るにはうってつけの相手だったのが、力を発揮することが出来なかったのは後悔だろう。

自分の相撲を貫くことが出来なかったため、勝負する前に勝敗は決していたのかもしれない。

これを教訓に明日以降は昨日までの立ち合いの踏み込みを見せてほしいところである。

琴ノ若に話を戻すが、これで単独先頭に立った。
まだ終盤戦が丸々残っているが、いやが上にも大関昇進と優勝の期待がかけられるだろう。
そして琴ノ若自身も全く意識がないわけではないだろう。

変わらずこれまで通り落ち着いて相撲を取ることが出来るかどうか。
自分より番付上位の割が3つ残っており、その3力士は皆2敗である。
追われる側の重圧もあるが、この先琴ノ若がどれだけの相撲を見せてくれるのか楽しみである。

綱取り霧島は阿武咲の挑戦を退けて、優勝争いでも引きずり下ろすことに成功した。

この一番に関しては両者ともに素晴らしかったと思う。

阿武咲も力は出し切っただろう。
何度も突き放しにいっており、攻めは素晴らしかった。
一度捕まりかけても振りほどき、執念を感じさせた。
勝機も十分にあったが、霧島が引かずに下から跳ね上げながらしっかり突き返した。

決まりてこそ叩き込みだが、安易な引き、叩きは見せず、内容のある一番だった。

阿武咲も力を出し切ったが、大関がそれ以上に強かったという良い構図だったと思う。

昨日霧島は土俵際の詰めの甘さが見受けられたが、それでも攻めの相撲を貫いていた。
本日も攻めの相撲を貫いていたため、内容面も上向きではないだろうか。

綱取りのためにはもう落とすわけにはいかないが、まずは琴ノ若と割が組まれるまでは必死に食らいついていきたいところである。

その他2敗力士の照ノ富士、豊昇龍も白星を挙げて勝ち越し。

照ノ富士金峰山を寄せ付けず豪快に上手投げを決めた。
状態は万全でなくても右四つ左上手の形にさえなれば負けることはないだろう。

対戦相手がそこまで激しく動くタイプではないこともあるが、ここにきて照ノ富士の相撲に安定感が増してきたか。

その中明日は一発のある阿武咲戦であり、過去も阿武咲が対戦成績で上回っている(1つは不戦敗で横綱昇進以降土俵の上では負けていないが)。

正面から受け止めることが出来るかどうか。
それとも腕を手繰りいくのか。

豊昇龍は大栄翔の突っ張りをうまく封じることが出来た。
ここ数日張り差しから活路を見出しているが、本日もそれが功を奏した。

しれっとと言っては失礼だが、2敗で食らいついており、良くも悪くも1敗、2敗力士の中で目立っていない。

琴ノ若戦もあるため、虎視眈々と狙っているかもしれない。
 
明日の注目の割は
照ノ富士ー阿武咲』
『豊昇龍ー大の里』
この2番である。

本日霧島と琴ノ若が番付の重みを示してくれた。
照ノ富士と豊昇龍も続くことが出来るかどうか。

上記の通り、照ノ富士はどのような立ち合いを選択するだろうか。
一歩間違えると一気に持っていかれる危険もあるため、立ち合い注目である。

大の里は本日の相撲を反省して思い切りの良い立ち合いを見せてほしいところだが、如何せん豊昇龍は立ち合いずらしてくることも多いため、それが迷いとなってしまう可能性もある。

豊昇龍としてもまともに圧力を受けると後退する可能性もあるため、どのようにして大の里の圧力を流していくのか注目である。

そして明日の割で気になったのが『琴ノ若ー王鵬』である。
この割に関しては『そうきたか、思い切ったな。』という思いである。

王鵬は本日敗れる前までは3敗と比較的好調と言って良い力士だった。
しかし優勝争いという点では現状厳しい位置にいたが、こういった力士にも役力士と当てて、その後役力士じゃなくても好調力士と当てていくというのは良い試みだと思う。

朝乃山が途中休場したことにより余裕が生まれた結果とも言えるものだが、本日の阿武咲と大の里の割もそれぞれ良かったと思っている。

この試みをあと1〜2日早く出来ればもっと良いと思うのだが…

明日から終盤戦へ突入する。
優勝争い上位集団の星の潰し合いも始まっていく。

ここに朝乃山がいないのは残念だが、1敗、2敗の6名に盛り上げてほしいところである。