きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

779. 2024年初場所千秋楽を勝手に語る

照ノ富士琴ノ若との優勝決定戦を制して4場所ぶり9回目の優勝を果たして幕を閉じた大相撲初場所

不死鳥のごとく何度も復活を果たす。

正直場所前の予想では今場所の照ノ富士は皆勤するのも難しいと思っていた。

序盤戦も盤石とは程遠い相撲であるし、7日目には正代に一気に持っていかれてしまった。
しかしそこから照ノ富士の相撲内容に厳しさが増していった。

終盤戦の相撲内容を振り返るとむしろ『どこで2敗を喫したの?』と感じさせるほどの内容である。

千秋楽の本割、優勝決定戦も圧巻だった。

腕の返し方、優勝決定戦の巻きかえのタイミングといい、強さと巧さを見事に融合させた内容である。

綱取りの霧島、大関取りの琴ノ若に対して力の差を見せつけ、見事壁として立ちはだかった。

復活優勝が凄いのはもちろんだが、その中身が本当に凄い。
如何せん周りが崩れて何となく優勝を果たしたわけではない。

霧島、豊昇龍、琴ノ若を好調の中で引きずり下ろして逆転優勝を果たしたのである(豊昇龍は途中休場だが)。

身体は間違いなくボロボロと言えるだろう。
それを豊富な経験、圧倒的地力の高さ、相撲技術でカバーして見事に復活優勝を果たした。

照ノ富士自身、初場所の優勝を果たしたことで6場所全制覇となり(7月は東京開催ではあるが)、また何気に令和初の横綱初場所優勝を果たした。

あと1回で優勝回数が二桁となるが、照ノ富士にとって翌場所以降も試練が続くだろう。

この先も本当の意味で身体が万全である場所というのは存在しないだろう。
今場所は強さを発揮することが出来たが、これが連続で発揮することが出来るかどうか問題である。

そのため一昨年、昨年と優勝回数は1回に留まる。
今回も不死鳥のごとく復活を果たしたが、来場所以降も照ノ富士は常時『勝つこと』を求められるだろう。

来場所以降の心配をしてしまったが、まずは優勝おめでとう!
そして本当に素晴らしかった!

優勝決定戦で敗れた琴ノ若だが、大関昇進はほぼ確実となった。
これに関しては数字の面でも内容の面でも文句はないだろう。
しかし照ノ富士には遠く及ばなかったと言える。

本割同様もろ差し狙いにいき、もろ差しの形を作ったが、13日目の時にも記載したように正直ここから勝てる姿が想像出来ない。

常に動いていたのは照ノ富士であり、照ノ富士との相撲技術の差をまざまざと見せ付けられるような展開だった。

今場所の琴ノ若は負けない安定した相撲が確立された。
それは先場所も片鱗を見せていたが、先場所以上に確立されたため、関脇以下との成績は12勝1敗と抜群の安定感を見せていた。

そして先場所完敗した霧島にも勝ち、私の想像を超える13勝の白星を挙げた。

しかし照ノ富士に勝てる姿は思い浮かべることが出来ない。
それは現在の琴ノ若の相撲内容では照ノ富士との合い口の悪さがあるし、今場所の本割、優勝決定戦の相撲を見るとますますそう思わせるものであった。

格下相手に星を落とさないことは素晴らしいことである。
今場所のように優勝争いするためには取りこぼしを避けなければならないからである。
あと琴ノ若に欲しいのは爆発力である。

今場所は13勝の白星を積み重ねたため、爆発力を感じさせる部分はあるが、やはり照ノ富士を倒してこそというのがあるだろう。

まずは大関昇進おめでとう!
来場所以降はある程度勝って当然と思われる地位に就く訳だが、次こそは優勝を期待したいところである。

綱取り場所だった霧島は残念ながら出直しだろう。
14日目の琴ノ若に敗れた時点で集中力が途切れた可能性もあるが、それにしても千秋楽で照ノ富士にあれだけ力の差を見せ付けられてはぐうの音も出ない。

この力士は元々後半戦に強い力士であるが、今場所も後半戦攻めの姿勢を貫いており、相撲内容に厳しさが増していった。

先場所と同等と言っても過言ではなかったと思うが、横綱昇進のためにはまだ足りないものがあったということである。

何より照ノ富士にあれだけ力の差を見せ付けられたのだから自身が一番痛感していることだろう。

霧島としては結果的に前半戦での2敗が大きく響き、終盤戦も大事な局面で連敗したため、悔しさだけが残る結果になったかもしれない。

しかし初めての綱取りで得るものもたくさんあっただろう。
これで終わるような力士ではないだろう。
ぜひ次は照ノ富士を倒して優勝、そして綱取りを成功させてほしいと思う。

豊昇龍も重要な局面で途中休場となり、悔しい思いをしているだろうが、巻き返しを期待したいところである。

貴景勝は慢性的な首の怪我により、この先も苦しい展開を強いられる可能性が高い。

周りが充実している中、焦りもあるだろうが、貴景勝の巻き返しも期待したいところである。

数日前に記載したが、大栄翔が琴ノ若以上の番付の力士との差が開いてしまったように感じる。

関脇としては十分な成績であるし、昨年まで同じ番付にいた霧島、豊昇龍と特段成長幅に違いがあるとも思えないが、それでもここ数場所、そして今場所の成績を見ると大きく差がついたように感じる。

二桁の白星を常に狙っているとは思うが、二桁も10勝が限界に感じている。

一発もある力士だし、このまま終わるとは思いたくないが、大関以上との差を縮めるためには相当な努力が必要になるだろう。

そしてその大栄翔に千秋楽で完敗した朝乃山。
朝乃山にとって一つ超えなければならない壁と言える大栄翔戦だが、惨敗と言っても過言ではない。

昨日も記載したが、手負いでありながら次世代を担うであろう豪ノ山、熱海富士を圧倒した辺り、さすが実力者といったところだが、本日の相撲を見ると大関復帰は夢のまた夢に感じてしまう。

もちろん合い口の問題もあるが、まずは大栄翔に勝たない限り、次が見えてこないのではないだろうか。

安定感という点では琴ノ若に引けを取らないが、上位圏内で結果を残すことが出来るかどうか。

来場所は何とか上位圏内で相撲を取るため、万全な状態で挑んでほしいところである。
とにもかくにもこれ以上怪我を増やしてほしくない。

今場所は上位陣が充実していたため、小結以下が苦戦する場所となったが、その中でも若元春、阿炎が勝ち越しを決めた。
やはりこの2名は基本的にはそれぞれ関脇と小結が似合うと感じさせる。

初の上位圏内に在位した熱海富士は6勝9敗と悔しい結果に終わった。
上位戦では力の差を見せ付けられる形となったが、同格相手には五分の白星を残した。
ここで同格相手にしっかり勝ち切れるようになれば三役も見えてくるだろう。

土俵際がしぶとい力士であるが、それだけで勝てるほど甘くない地位だということが認識出来ればまずは良しと言えるだろう。

豪ノ山も5勝10敗と悔しい結果に終わった。
今場所は前に落ちる相撲が多かったため、来場所以降はもっと立ち合いを磨いてほしいところである。

今場所話題となった大の里は平幕下位ならばあの圧力を止められる力士が存在しなかった。

しかし上位ともなればあっさりと受け止められるため、当たりを止められた後の対応が今後の課題となってくるだろう。
それでも明生、隆の勝といった力士を圧倒した辺り、期待の持てる力士である。

今場所は朝乃山の休場、豊昇龍の休場により2回興味が削がれる場面があったが、照ノ富士の優勝を見ると『やはり横綱は別格』と感じさせる素晴らしい場所だった。

その素晴らしさはその他上位陣の活躍もあってこそである。

来場所は4大関時代に突入する。
誰が優勝するのかわからない時代ではあるが、それは『上位陣で誰が優勝するのかわからない』というものに変わっている。

早くも来場所が楽しみである。

相撲ファンの皆様、15日間お疲れさまでした。