きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

627. 2023年春場所5日目を勝手に語る

序盤戦最終日の5日目。

綱取りへ早くも崖っぷちである貴景勝は竜電相手に完勝。

本日は横への動きがあまりない相手だったため、迷うことなく当たることが出来たか。

本日の一番は間違いなく完璧の一言だが、だからと言って怪我に関して問題ないとは言い難い。

昨日も単純に阿炎の間合いに敗れた印象を受けるし、本日は上記の通り比較的当たりやすい相手のため、怪我に関しての判断が難しい。

とにもかくにも貴景勝としては自分の相撲を信じて押していくしかない。

そして無理だけはしてほしくないという気持ちが強い。

関脇陣は今場所2度目の全滅。

大関への足固めの場所である霧馬山は阿武咲に不覚を取った。

阿武咲の攻めに対して後手に回りばたついてしまった。

過去の対戦成績は五分のため、霧馬山としては良いイメージがなかったかもしれないが、こういったところをしっかりモノにしてほしいという思いは強かった。

序盤戦1敗で終えてほしかったため残念である。

一方阿武咲は先場所優勝争いにも絡んだが、終盤戦は役力士相手に3連敗となり、終わってみれば10勝止まりだった。

今場所もここまで好調だが、役力士と割を組まれてからも変わらず星を伸ばすことが出来るかどうか。

ここ最近上位圏内で負け越し圏外では勝ち越すといった展開が続いているため、この先どうなるのか注目である。

豊昇龍がもろ差し絶好の形を作ったが錦木の小手投げに屈してしまった。

タイミングの問題もあったのだろうが、豊昇龍としてはもったいない一番だろう。
序盤戦黒星先行も残念な結果である。

そして序盤戦白星なしの若隆景。

勝負結果だけを見れば膝をついて早々と勝敗が決したわけだが、ここ数日の中ではまだまともな内容だと思う。

結果として黒星になってしまったが、何とかきっかけを掴みたいところである。

小結に目を向けると、大栄翔が5連勝とした。

今場所比較的好調の正代だったが、過去の対戦成績が示す通り大栄翔の流れで完勝した。

左が少しでも覗けば正代は力を発揮するが、それでも大栄翔が休まず攻め続けたため、正代も力を出し切れなかった。

大栄翔の序盤戦の相撲を見ると星数、内容ともに完璧と言えるだろう。

先場所は中盤戦やや崩れたため、今場所はどうなるか。

琴ノ若も地味にと言っては失礼だが4勝1敗と好調である。

ここ数場所は上位圏内で勝ち越しを続けているため地力をつけているのはわかるのだが、今場所は『強い』と思わせる相撲は少なく感じる。

それでも本日の翔猿戦は素早い相手に動き負けず翻弄もされず、冷静に相手を追い詰めることが出来た。

身体の動きは良いため、中盤戦以降も注目である。

平幕に目を向けると翠富士、錦富士の伊勢ヶ濵コンビの活躍が光っている。

攻めの姿勢、そしてスピードが際立っている。

両者ともに先場所は上位圏内で跳ね返されたため、今場所は期するものがあるか。

高安は曲者宇良を下して5連勝。

徹底して突っ張っていき、途中宇良が足を取りに来ても冷静に対処した。

ここ数日記載しているが、高安としては上位圏内の力士と割が組まれた時がある意味本番だと思っているが、前半戦の山場を乗り切ったと言えるだろう。

最後に『北青鵬ー逸ノ城』の一番。

今場所の北青鵬は先場所ほど棒立ちではないとはいえ、やはりがっぷり組んでしまっては逸ノ城の方が地力が上だった。

北青鵬としては幕内へ昇進するまで右四つに組み、さらには上手を引いても勝てない相手と対戦というのは滅多にない経験だろう。

これを糧に相撲技術を磨いてほしいところである。

明日の注目の割は
琴ノ若ー大栄翔』
小結同士の一番である。

ここまで完璧な内容が続いている大栄翔だが、琴ノ若との合い口はかなり悪い。

そして琴ノ若も序盤戦1敗と好調である。

霧馬山が敗れ、役力士の全勝、1敗はこの2名だけである。

中盤戦開始早々、今場所のターニングポイントとなる可能性も秘められている。

貴景勝が連敗を免れたとはいえ、怪我の問題とすでに2敗ということで厳しい立場にあることは変わりない。

関脇も苦しんでいるため、今場所も中盤戦以降荒れる可能性が高いだろうがはてさて…

626. 『朝乃山ー逸ノ城』の感想と今後の展望

今場所最大の焦点と言えば『貴景勝の綱取り』が挙げられるだろう。

しかし割で言えば私は場所前から注目していた割がある。

本日最大、いや私の中では今場所最大の一番と言っても過言ではない十両の取り組み『朝乃山ー逸ノ城』である。

結果は逸ノ城に軍配が上がった。

私は予てより(もう3年程前から)朝乃山の右四つの完成度はあまり高くない、白鵬照ノ富士はもちろんのこと、大関昇進を果たした頃の栃ノ心、さらには逸ノ城よりも劣っているという旨の記載をしている。

昨日も記載したが『どちらが強いか?』という問いに関しては『朝乃山』と答える。
これは『15日間総合しての力量』に対しての意味合いが強い。

だからこそ朝乃山は三役で安定して二桁の成績を残すことが出来たため大関へ昇進を果たした実績がある。

しかし右四つだけに関して言えば逸ノ城の方が上だと思っている。

そういった意味では本日の取り組みは意外な展開だったと言える。

先に上手を引いたのは朝乃山の方だった。
右差し主体の朝乃山が左前ミツ狙いの良い立ち合いをしたのである。

この両者、過去は逸ノ城の2戦2勝だが、最後の対戦は4年前のため、その時とは力量にも大きな変化がある。

そのため朝乃山が先に上手を引いた瞬間、現在の逸ノ城の力量ならば朝乃山は問題なく対処できるものなのかと思ってしまった。

しかし逸ノ城が土俵際でしぶとく残し、上手を引いた瞬間あっさりと逆転の上手投げを決めた。

先に上手を引いたのが朝乃山ということも意外だったし、逸ノ城が土俵際しぶといことも意外だったし、逸ノ城が上手を引いた瞬間あんなあっさり決着がつくのかということも意外だった。

もちろん全て考えられる展開ではある。

朝乃山としては先に上手を引いて相手に上手を引かせない展開が理想のため、上手狙いの立ち合いでいった。

逸ノ城はあっさり土俵を割る癖があるが、調子の良いときの逸ノ城は腰の重さを活かして残すことができる。

そして逸ノ城が上手を引けば朝乃山以上に力を発揮できる。

全て想像の範囲ではあるが、それでもこれらが全て同時に起こることは想像の範囲外だった。

現状の両者の力量をいまいち認識できていないため、自分自身が中々ついていくことが出来ない状況に陥っていた。

ここまで両者3連勝としているが、この星の並びだけ見て『2人とも絶好調』と思うファンは少ないだろう。

むしろ『十両なんだからこれくらい当然』と考えるファンが多いと思う。

その中両者が序盤戦で早々と顔を合わせたわけだが、逸ノ城に関しては比較的調子が良いと思っても良いか。

上記の通り、逸ノ城はあっさり土俵を割ってがっかりさせることが多い。

しかしどっしりと構えることが出来ているときの逸ノ城は幕内で優勝を果たすほどの力量を秘めている。

この一番だけで両者の格付けがされるわけではないが、朝乃山にとっては対照ノ富士の例もあるため、本日逸ノ城に右四つに組んで負けたというのがどのような影響を及ぼすだろうか。

今場所の敗戦により、照ノ富士戦のように苦手意識を持ってしまう恐れもある。

余程の事がない限り、両者ともに今場所は大勝して来場所幕内へ復帰するだろう。

そして来場所も割が組まれる可能性は高いだろう。

いやもしかしたら今場所優勝決定戦で再び相まみえるかもしれない。

その時万全な逸ノ城が相手の場合、朝乃山はこの先逸ノ城に勝つことが出来るのだろうか。

朝乃山にとっては常に脅威と隣り合わせの状況に至っているのかもしれない。

今後も『朝乃山ー逸ノ城』の割に注目である。

625. 2023年春場所4日目を勝手に語る

綱取りの貴景勝が序盤戦で2敗目を喫した。

天敵である阿炎の叩きについていくことが出来なかった。

昨日膝を負傷し、怪我の問題ももちろんあっただろう。
しかし阿炎の間合いで相撲を取っていたし、阿炎が貴景勝に勝つ展開としては十分考えられる内容だっただろう。

仮に怪我がなかったとしても初日叩きに落ちた例もあるし、ついていくのは厳しかったと思う。

とにもかくにも序盤戦で早々2敗目を喫してしまった。

ここ1年、6場所中5場所で12勝の優勝であり、今場所の優勝ラインを3敗と見積もってもかなり厳しい展開である。

それこそ2場所前も4日目で2敗を喫し、その後12勝まで到達したとはいえ、怪我した状態で同じパフォーマンスが出来るかどうかは怪しい。

綱取りに関しては黄信号が灯っているし、単純に貴景勝が今場所千秋楽まで取り切る事が出来るかどうか心配である。

関脇以上で1敗は霧馬山のみとなった。

その霧馬山は本日攻め切ることは出来なかったが、喉輪で若元春の上体をしっかり起こしてから引くという流れのある相撲だった。

ここ数場所突っ張りの威力が増しており、それを効果的に活用できている様子である。

この流れのまま白星を積み重ねていきたいところである。

豊昇龍が玉鷲を下して星を五分に戻した。

蹴返しの動きはやや無駄に感じるが、それでも常時前傾姿勢保っており、玉鷲の押しに下がることがなかった。

磐石とは言い難いがしぶとさは見られるため良い傾向か。

どうにもならないのが若隆景か。
関脇昇進後初となる初日から4連敗を喫した。

本日も正代相手に完敗と言って良いだろう。

正代の左は警戒していただろうが、おっつけは全然効いておらず、すぐに左差しを許してしまった。

左が入ってしまえば若隆景に勝ち目はない。

それにしても今場所の若隆景は相手に一方的に力を出させてしまって完敗している印象である。

何だかんだ毎場所勝ち越しには結び付ける力士であるが、それすらも雲行きが怪しくなってきた。

早くきっかけを掴みたいところだろうが、優勝争いという点では序盤戦で早くも期待できるものは無くなったと言って良いだろう。

ちょうど1年前の春場所で優勝を果たした時がピークとなっているのが残念である。

好調の小結陣も全勝は大栄翔だけとなった。

昨日も記載したが、大栄翔に関しては力を発揮すれば驚くほどの結果ではない。

とはいえ内容はかなり充実しており、実績も十分のため、かなり期待できるのではないだろうか。

初黒星を喫した翔猿は竜電相手に立ち合いすぐに差してしまった。

本来ならば突き放してから流れを作りたかっただろう。

明日以降は翔猿らしい機動力を活かした相撲を期待したいところである。

琴ノ若は錦木を下して3勝目。
ここ数場所の錦木は力強い相撲を取ることも増えているが、それでも琴ノ若としては上を目指すならばこういったところで確実に白星へ繋げていく必要がある。

昨日悔しい負け方をしたが、本日は切り替えて冷静に相撲を取って白星としたのは大きい。

そして本日最大の一番と言っても過言ではない十両の『朝乃山ー逸ノ城』に関しては別途記載したいと思う。

明日の注目の割は
『高安ー宇良』
この一番である。

昨日も記載したが、番付を落としている高安がある意味お決まりのパターンとして白星を積み重ねている。

本当の注目は上位圏内の力士と割が組まれたときだと思っているが、序盤戦で難敵と割が組まれた。

昨年秋場所も高安は優勝争いをしていたが、この場所で宇良に敗れている。

本日敗れたとはいえ、今場所の宇良はかなり動きが良い。

高安にとっては嫌な相手だろう。

明日で序盤戦が終了するが、貴景勝が気掛かりである。

あまり考えたくないが貴景勝不在となった時、今場所はどうなってしまうのだろうか。

そういった意味では霧馬山、大栄翔への期待が大きくなると思うがはてさて…

624. 2023年春場所3日目を勝手に語る

注目の『貴景勝ー正代』の割は貴景勝が圧勝した。

昨日も記載したが、貴景勝の方が立ち合いの当たり、圧力は上だと思っていたが、土俵際がポイントだと思っていた。

しかしそれも杞憂に終わり、左おっつけが効いており、正代も懸命に堪えたが反撃させなかった。

次期大関候補に連勝していた正代に相撲を取らせず圧倒するというのは貴景勝としても気分が良いのではないだろうか。

花道を下がる際足を引きずっていたことは気掛かりだが、この2日間は完璧と言って差し支えないだろう。

一方敗れた正代も今場所はやはり悪くないと感じさせる内容だった。

その理由はあっさり土俵を割らなかったことである。

それが普通と言われたらそれまでなのだが、その普通が出来なかったからあっさり土俵を割り、その結果3場所連続で負け越しているのである。

正代の持ち味は土俵際のしぶとさにもあるため、本日も一方的に敗れたとはいえ、土俵際で何とかしてやろうという気持ちは伝わった。

関脇に目を向けると、若隆景が初日から3連敗。

本日の阿炎戦もそうだが、相手の間合いで相撲を取ってしまっている印象を受ける。

後手に回っているため、叩きや突き落としを食っている。

もっと立ち合い鋭く踏み込み、先手を取りたいところだが。

昨年の秋場所は初日から3連敗の後11勝まで星を挙げたこともあるため、何とかきっかけを掴みたいところである。

豊昇龍が琴ノ若を下し、初白星を挙げた。

先に上手を引かれる苦しい展開だったが、持ち前のしぶとさを発揮して逆襲した。

昨日まではその持ち前のしぶとさが見られなかったためその面では良い傾向だが、先場所序盤戦のような左前ミツ速攻は影を潜めている

この相撲で白星を積み重ねたとき豊昇龍は面白い存在になってくるだろう。

一方敗れた琴ノ若だが、あの体勢で敗れるのだから豊昇龍に対して相当苦手意識を持っている様子である。

正直あの体勢で勝てないならこの先琴ノ若が豊昇龍に勝つことは出来ないのではないだろうか。

本日も上手がやや深いといった問題はあったかもしれないが、御嶽海戦のように堂々とした相撲を取っていれば展開も変わったと思うのだが。

新関脇の霧馬山は玉鷲に少し攻め込まれたが、下半身が崩れることがなかった。

昨日は黒星を喫したが、連敗しないことが何よりである。

新関脇とはいえ、大関の足固めの場所であるため、序盤戦出来れば1敗のままいきたいところである。

小結は大栄翔、翔猿が3連勝とした。

大栄翔の3連勝は良い意味で何も感じない。
大栄翔の力量は誰もが認めるところだし、気になるところはこのまま白星を積み重ねていくかどうかという点である。

先場所は中盤戦にやや崩れたため、今場所はどうなるか。

翔猿は立ち合い変化で白星を掴んだが、思い通り身体が動いている印象を受ける。

昨日のような前ミツ狙いの相撲もあり、幅が広がっている中でこの先楽しみな存在である。

左四つで強さを発揮していた若元春が御嶽海の出足に屈した。

単純な力関係で言えば何一つ不思議ではないのだが、ここ数場所の両者の充実度、さらには過去の対戦成績を見ても意外な結果と言えるか。

若元春としても面を食らった部分はあるかもしれない。

正直御嶽海は大関2場所目から復活の兆しがまるで見られず、下降線を辿る一方だった。

時折強さを発揮しても結局負け越しが続いているため、本日の一番もたまたまなのかもしれないが、きっかけにしてほしい思いがある。

平幕に目を向けると高安、宇良の動きの良さが目立つ。

とはいえ高安の場合、ある意味お決まりパターンかもしれない。

番付を下降させては力の違いを見せて優勝争いに絡むため、本当の意味で注目するのは上位圏内の力士と割が組まれたときだろう。

宇良はここ2場所負け越して悔しい思いをしているため、今場所は地元で期するものがあるか。

この力士は誰と対戦しても何かやってくれるのではないかという期待があるため注目である。

明日の注目の割は
貴景勝ー阿炎』
この一番である。

貴景勝にとって天敵とも呼べる相手である。

先場所はおっつけからうまく崩して白星を手にしたが、阿炎もそれは頭に入っているだろう。

貴景勝としては考えすぎて一方的に敗れることも多いため、この2日間のように迷いなく当たっていけるかどうかがカギとなるだろう。

そして十両の土俵では
『朝乃山ー逸ノ城
この一番が注目である。

私自身『どちらが強いか?』と問われたら朝乃山と答えるが、右四つの型としては逸ノ城の方が上だと思っている。

左前ミツの引き方は逸ノ城の方が巧いし、もちろん胸を合わせれば逸ノ城の方が有利だと思っている。

朝乃山としては月並みだが、自分十分相手不十分の形を作りたいだろうが、右差しを優先することで逸ノ城に上手を許す可能性がある。

正直言うと幕内の取り組みを含めても今場所一番気になっていた割であった。
それが早くも4日目に実現するとは思わなかった。

明日は十両の取り組みから注目である。

623. 2023年春場所2日目を勝手に語る

初日躓いた綱取り貴景勝玉鷲を下して連敗を免れた。

本日の相撲はこれぞ貴景勝という内容、ある意味では貴景勝にとって普通に力を出し切ればこのような展開になるといった内容だった。

昨日叩きで敗れただけに迷いが生じる可能性も十分考えられたが、迷いはなかった。

相手が逃げも隠れもしない真っ向勝負の玉鷲相手ということも幸いだったか。

とにもかくにも貴景勝はこの相撲を続けて白星を積み重ねていくだけだろう。

そして関脇に目を向けると、3関脇が全滅。

『荒れる』という言葉は横綱大関が崩れる様を指すのだろうが、横綱不在、1人大関という番付では3関脇が全滅となるだけでも少し衝撃は受ける。

それぞれの対戦相手を見れば敗れてもおかしくない相手ではあるのだが。

まず注目の割であった『霧馬山ー正代』だが、正代が元大関の意地を見せたというべきか。

本日の正代の立ち合いは決して踏み込めているわけではないが、粘り腰、しぶとさが蘇ってきた印象を受けた。

この力士は左が覗きさえすれば無類の強さを発揮するが、それと共に土俵際のしぶとさも武器であった。

本日も相撲の流れは霧馬山にあったと思う。
しかし持ち前のしぶとさを発揮し、最後は左腕を返して力強く寄り切った。

次期大関候補の2名に連勝は気分が良いだろう。
この2日間の内容、そして流れに乗ったときの正代の強さを考慮すると期待したくなる気持ちもあるが、昨日も記載したようにここから崩れ去る正代も知っている。

だからこそ連続負け越しで大関陥落が決まり、先場所も特例復帰出来なかったわけなのだから。

怪我の問題等もあるだろうが、正代に期待するのはまだまだ早いと言えるだろう。

余談だが本日の実況及び解説者が揃って『大関の頃の正代の相撲』と称していたが、それだと勝ち越しと負け越しを交互に繰り返していた力量ということになると思うが。
『優勝を果たした時の正代の相撲』が適切だと思う。

一方正代に敗れた霧馬山は相撲の流れ自体は悪くなかったと思うが、最後正代に左差しを許したのが敗因だろう。

大関の足固めと言える場所で序盤戦に早々黒星を喫したのは残念だが、相撲内容は決して悪くないため、このまま攻めの気持ちを忘れないでほしいと思う。

番付上最も大関に近いと言える若隆景は大栄翔相手に何も出来ず完敗。
これぞ大栄翔という相撲内容だった。

場所前の展望でも記載したが、ここ数場所若隆景の敗れる内容が『軽い』。

自慢の足腰が活かされることなく、あっさり土俵を割ってしまっている。

軽量の泣き所なのだろうが、まだ2日目とはいえ今場所も一桁勝ち越しが関の山かと思わせる展開である。

豊昇龍は阿炎の引きにばったり手をついて連敗。

この2日間は持ち前のしぶとさを発揮出来ておらず、また自分の形を作ることもできていない。

先場所覚醒したと思わせただけに、今場所も早くきっかけをつかんでほしいところだが。

昨日4小結が初日全員白星という内容の記載をしたが、本日も全員白星を挙げた。

上記の通り大栄翔は完勝だし、若元春も錦木を寄せ付けなかった。

そして翔猿は御嶽海相手に立ち合い左前ミツ狙いから巧さと力強さを見せた相撲だった。

素晴らしい相撲であることに間違いはないが、ある意味翔猿らしくない相撲だった。

この力士はあまり廻しを引く相撲ではなく、押しと機動力で勝負するタイプのため、本日の相撲を見ると幅が広がっているのだと感じさせられた。

その一方で御嶽海があまりにも相撲になっていないことが気掛かりではあるが。

そして琴ノ若だが、竜電相手に白星は掴んだものの正直物足りなさを感じさせる。

何度か記載したことがあるが、琴ノ若にしても琴勝峰にしてもなぜあれだけの体格を持ちながら窮屈なもろ差しを狙いにいくのだろうか。

しかも正直あまり差し身が巧いとも思えないし、本日も結果として下がる展開となった。

大雑把な相撲は避けてほしいが、ある程度大きい相撲を取ってほしい気持ちが強い。

明日の注目の割は
貴景勝ー正代』
この一番だろう。

貴景勝の方が立ち合いの当たり、圧力は上だろうが、本日の正代の相撲を見るとしぶとさが見られるため、貴景勝としては土俵際に気を付けたいところだろう。

ここで正代が勝つようならば貴景勝の綱取りは早くも黄信号が灯ることになるだろうし、そして正代への期待が高まることになるだろう。

とはいえ最初の方にも記載したが、それでも期待しにくいのが正代という力士である。

とにもかくにも今場所正代と当たる力士は先場所までの正代と思って当たっていくと痛い目にあうのは間違いないだろう。

今場所のカギを握るのは正代となるのか。
貴景勝としては綱取りのために負けるわけにはいかない。

まだ2日目を終えただけのため当然と言えば当然だが、優勝は全く予想できない。

何だかんだ番付を落としている高安は白星を積む重ねてくると思うがはてさて…

622. 4小結の初日成績

本日から初日を迎えた大相撲春場所

大関、2関脇が初日から黒星を喫する展開となったが、その一方で4小結が全員白星という結果になった。

先場所も今場所同様4小結が在位していたが、先場所は真逆の全員黒星であった。

年6場所制となった昭和33年以降、4小結は今場所で『17場所目』であるが、実は初日全員白星は『史上初』の出来事である。

小結は初日にその場所の最高位と割が組まれることが多いため、単純に初日白星を挙げるのが難しい傾向にある。

それが4小結全員に該当するわけではないが、それでも確実に1名以上は上位と割が組まれるため、中々全勝とはいかないのである。

ちなみに過去最高は3勝1敗だったが、これも平成11年春場所の1回だけである。

この場所は栃東、出島、安芸乃島魁皇の4名が小結に在位していたが、魁皇横綱若乃花に敗れて惜しくも全勝とならなかった。

今場所は横綱不在、大関1名ということで状況は異なるし、翔猿以外は平幕との割が組まれていたため一概には言えないが、それでも今場所の4小結はやってくれるのではないかという期待感を持たせる初日と言えるだろう。

何なら先場所も同じ状況で4小結は初日全員黒星だったのだから。

最後に今場所も含めた4小結の初日成績は以下の通りである。

史上初の4小結全員白星となったが、今場所この中から抜け出す力士は誕生するのだろうか…

621. 2023年春場所初日を勝手に語る

本日より大相撲春場所が初日を迎えた。

首を長くして待っていたが、その一方で『そういえば今日が初日か』という何となく軽い気持ちもある。

最近は自分自身こういった場所の迎え方が多くなっているが、場所が進む度いつも通り熱が入ると思う。

今場所も好き勝手語っていきますのでよろしくお願いいたします。

さて土俵に目を向けると初日から『荒れる大阪場所』の本領発揮か。

いわゆる今場所も番付上3強と呼べる貴景勝、若隆景、豊昇龍だが、全員初日黒星を喫した。

まず今場所最大の注目である貴景勝だが、今場所も翔猿相手に不覚を取った。

立ち合いよく見て当たり、その後の押しも良かったように思えたのだが、土俵際の叩きに落ちてしまった。

完全に貴景勝の流れであったし、翔猿もそこまで激しい動きではなかったと思うが。

見ている側としては勿体ない一番に感じた。

また押し相撲が初日に叩きで敗れたということで尾を引く可能性が高い。

これで攻めの気持ちが失われてしまっては貴景勝の相撲が崩壊の道を辿るだろう。

とにかく切り替えていくしかない。
先場所も序盤戦で黒星を喫したが、その後見事に立ち直って優勝を果たしている。

攻めの気持ちは貫いてほしいところである。

序盤戦に弱い若隆景は玉鷲の土俵際逆転の突き落としに屈した。

立ち合いから玉鷲の当たりに下がり劣勢だったため、最後廻しを引いて攻める場面も慌ててしまったか。

劣勢ながらも組み止めただけに勿体ない一番と言えるのではないだろうか。

豊昇龍は左前ミツ狙いの立ち合いだったが、正代の出足、圧力が凄まじかった。

豊昇龍も面を食らってしまったのではないだろうか。

この相撲に関しては正代を褒めるべきか。
正代は完全に大関陥落が決まり、今場所は平幕で相撲を取ることになったが、肩の荷が下りたのか。

とはいえこの力士は良い相撲を取った翌日にどうなるかわからないし、昨年の秋場所も初日会心の相撲を取ってその後9連敗したため何とも言い難いか。

新関脇の霧馬山は関脇以上で唯一初日白星発進。

難敵阿炎の突っ張りに下がらず、逆に下から押し上げ力強い相撲を見せた。

廻しを引かなくても前に出る圧力がついてきているため、今場所も期待が持てる。

4小結が全員白星発進。
そして全員がらしさを発揮したと言える。

若元春は展望でも記載したが、左四つに組めば現役最強と言っても過言でない。
本日の竜電戦でもそれを感じさせるほどの強さだった。

琴ノ若は御嶽海の当たりに下がらず、右四つに組んで磐石の内容だった。

大栄翔は自分の相撲を取り切ることが出来れば錦木には失礼だが負けることはないだろう。

翔猿は持ち前のしぶとさを見せたと言えるか(上記の通りなぜ貴景勝は落ちてしまったのだろうかという思いも強いが)。

平幕で目についたのは高安と新入幕の金峰山、北青鵬か。

休場明けの高安は時折見せる左前ミツ狙いの立ち合いだったが、前ミツを引いてその後の攻めも早かった。

やはりこの地位ならば今場所も大勝する可能性は高いか。
そう思わせる相撲内容だった。

金峰山は立ち合いの当たりもそうだが、身体が動いている印象を受けた。

新入幕らしくのびのびと取ってほしいところである。

未完の大器北青鵬は案の定(?)棒立ちで王鵬の喉輪押しに下がったが、棒立ちでもあれを残すところがやはりただ者ではないという証明か。

廻しを引いてからの引き付けは強烈だった。

明日の注目の割は
貴景勝玉鷲
『霧馬山ー正代』
この2番である。

綱取り貴景勝は初日に躓く展開となったが、切り替えることが出来るかどうか。

幸い明日の相手は小細工なしの同じ押し相撲の玉鷲である。
迷うことなく相撲を取ることが出来るという点では良いと思うがはてさて。

大関への足固めの場所と言っても差し支えない霧馬山は本日目の覚めるような相撲を取った正代が相手である。

実は先場所も正代には敗れており、霧馬山にとって楽な相手ではない。

序盤戦出来るだけ取りこぼしを避けたいところだが。

初日から3強が敗れ、関脇以上から優勝が出てほしいと願っている私からすれば残念な結果だがまだ初日だ。
さすがに初日だけでは何も断定はできない。

ただ過去に初日から連敗を喫して優勝を果たした力士は存在しない。
そういった意味では貴景勝は早くも正念場を迎えているか。

大関昇進以降、貴景勝は2日目の成績があまり良くないためどうなるか。