きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

626. 『朝乃山ー逸ノ城』の感想と今後の展望

今場所最大の焦点と言えば『貴景勝の綱取り』が挙げられるだろう。

しかし割で言えば私は場所前から注目していた割がある。

本日最大、いや私の中では今場所最大の一番と言っても過言ではない十両の取り組み『朝乃山ー逸ノ城』である。

結果は逸ノ城に軍配が上がった。

私は予てより(もう3年程前から)朝乃山の右四つの完成度はあまり高くない、白鵬照ノ富士はもちろんのこと、大関昇進を果たした頃の栃ノ心、さらには逸ノ城よりも劣っているという旨の記載をしている。

昨日も記載したが『どちらが強いか?』という問いに関しては『朝乃山』と答える。
これは『15日間総合しての力量』に対しての意味合いが強い。

だからこそ朝乃山は三役で安定して二桁の成績を残すことが出来たため大関へ昇進を果たした実績がある。

しかし右四つだけに関して言えば逸ノ城の方が上だと思っている。

そういった意味では本日の取り組みは意外な展開だったと言える。

先に上手を引いたのは朝乃山の方だった。
右差し主体の朝乃山が左前ミツ狙いの良い立ち合いをしたのである。

この両者、過去は逸ノ城の2戦2勝だが、最後の対戦は4年前のため、その時とは力量にも大きな変化がある。

そのため朝乃山が先に上手を引いた瞬間、現在の逸ノ城の力量ならば朝乃山は問題なく対処できるものなのかと思ってしまった。

しかし逸ノ城が土俵際でしぶとく残し、上手を引いた瞬間あっさりと逆転の上手投げを決めた。

先に上手を引いたのが朝乃山ということも意外だったし、逸ノ城が土俵際しぶといことも意外だったし、逸ノ城が上手を引いた瞬間あんなあっさり決着がつくのかということも意外だった。

もちろん全て考えられる展開ではある。

朝乃山としては先に上手を引いて相手に上手を引かせない展開が理想のため、上手狙いの立ち合いでいった。

逸ノ城はあっさり土俵を割る癖があるが、調子の良いときの逸ノ城は腰の重さを活かして残すことができる。

そして逸ノ城が上手を引けば朝乃山以上に力を発揮できる。

全て想像の範囲ではあるが、それでもこれらが全て同時に起こることは想像の範囲外だった。

現状の両者の力量をいまいち認識できていないため、自分自身が中々ついていくことが出来ない状況に陥っていた。

ここまで両者3連勝としているが、この星の並びだけ見て『2人とも絶好調』と思うファンは少ないだろう。

むしろ『十両なんだからこれくらい当然』と考えるファンが多いと思う。

その中両者が序盤戦で早々と顔を合わせたわけだが、逸ノ城に関しては比較的調子が良いと思っても良いか。

上記の通り、逸ノ城はあっさり土俵を割ってがっかりさせることが多い。

しかしどっしりと構えることが出来ているときの逸ノ城は幕内で優勝を果たすほどの力量を秘めている。

この一番だけで両者の格付けがされるわけではないが、朝乃山にとっては対照ノ富士の例もあるため、本日逸ノ城に右四つに組んで負けたというのがどのような影響を及ぼすだろうか。

今場所の敗戦により、照ノ富士戦のように苦手意識を持ってしまう恐れもある。

余程の事がない限り、両者ともに今場所は大勝して来場所幕内へ復帰するだろう。

そして来場所も割が組まれる可能性は高いだろう。

いやもしかしたら今場所優勝決定戦で再び相まみえるかもしれない。

その時万全な逸ノ城が相手の場合、朝乃山はこの先逸ノ城に勝つことが出来るのだろうか。

朝乃山にとっては常に脅威と隣り合わせの状況に至っているのかもしれない。

今後も『朝乃山ー逸ノ城』の割に注目である。