きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

620. 2023年大相撲春場所展望

大相撲春場所が明日から初日を迎える。

世間はWBCで盛り上がっており、私もその中の1人であるが、大相撲も首を長くして待っていた。

まず横綱照ノ富士だが、初日から休場となった。

休場自体は4場所連続、初日からの休場は3場所連続である。

これに関しては本人が満足いく相撲が取るとこが出来ると確信できるまでは仕方ないだろう。

横綱はいくら休場しても番付は下がらない。

その分出場すれば必ず結果は残さなければならないし、特に長期休場明けならば敗戦は引退を意味する。

中途半端に出場して怪我を悪化させる、納得できない形で引退となってもファンとしても悲しい。

来場所以降に期待したいところである。

 

さて今場所の注目は『貴景勝の綱取り』だろう。

綱取りとはっきり明言されていないが、まぁそこは気にせず話を進めていこう。

先場所貴景勝は初日からとしては史上初となる『大関以上の出場が1名だけ』という異様な場所を見事制覇した。

これは貴景勝にとって大きな糧になったと思う。

今場所も状況としては先場所と同様であり、綱取りに対する緊張感も少しは軽減できるのではないだろうか。

もちろんそう簡単にうまくいくものではないが、とにもかくにも序盤戦が重要になってくるだろう。

貴景勝はかなりの確率で序盤戦取りこぼしがあり(特に2日目、3日目)、先場所も序盤戦に取りこぼしている(実は貴景勝自身、序盤戦に取りこぼして優勝を果たしたのは初めてだった)。

しかも初日の相手がここ最近連敗中の翔猿である。

貴景勝は小兵力士相手に相撲を取るのがうまい力士であるが、そういった相手に連敗していることもやや気掛かりであるが、初日から躓くわけにはいかない。

 

関脇に目を向けると、今や関脇が定位置となっている若隆景、豊昇龍そして新関脇の霧馬山の3名である。

正直この中から大関が誕生してもおかしくないのだが、全員が2場所ないし3場所連続で結果を残すことが出来ない。

若隆景はここ2場所一桁勝ち越しに留まっており、強い時は強いのだが負けるときは軽量の弱点を突かれるような負け方が多くなっている。

巧さは誰もが認めるところだが、力強さに欠けているため、この辺り克服できるかどうかがカギとなるだろう。

豊昇龍は先場所が始まる前までは正直まだ身体能力に頼っている部分が大きいと感じていたが、先場所の序盤戦は覚醒の兆しが見えた。

中盤戦以降は怪我もあり、結局一桁勝ち越しに留まったことは残念であったが、それでも豊昇龍にとっては手応えのある場所にはなっただろう。

先場所の怪我が癒えていれば今場所はかなり期待を持てるのだがはてさて。

新関脇の霧馬山は、番付こそ今場所が新関脇であるが、番付運が絡んでいたこともあり、実力は若隆景、豊昇龍と引けを取らない。

ましてやある意味では最も大関に近い力士は霧馬山である。

先場所は小結で11勝を挙げ、相撲内容に関しては元々型を持っていたが、それに力強さも加わった印象を受けた。

先場所の相撲ですら何番か勿体ないと感じる相撲があったため、期待はかなり大きい。

今場所新関脇とはいえ、大関の足固めの場所と言っても差し支えないだろう。

 

小結も実力者4名が揃っている。

ここ毎場所記載しているが、琴ノ若に期待したところである。

とはいえここ数場所は一桁勝ち越しに留まることが多い。

もちろん上位圏内で安定して勝ち越すことが出来るというのは力を付けている証拠ではあるのだが、期待はもっと上にあるということだ。

そして若元春は地味と言っては失礼だが、左四つに組めば現役最強と言っても過言ではない程力を付けている。

優勝争いという点では名前を挙げづらいが、何だかんだで二桁勝っていてもおかしくない程の力量は備えているだろう。

大栄翔は優勝経験もあり一発のある力士だし、翔猿も曲者であるため、三役以上の力士は楽しみな力士は多い。

 

平幕上位に目を向けると、やはり阿炎の存在が気になるところである。

正直先場所も序盤戦を見る限りではかなりやってくれると思ったのだが、中盤戦は崩れてしまった。

上位圏内で二桁勝利がないため、期待したいところである。

新入幕に目を向けると、北青鵬に注目である。

正直幕内はもちろんのこと、十両を含めても相撲が最も下手な力士と言っても過言でない力士だろう。

体格が良いからといって勝てるほど相撲は甘くないだろう。

それは相撲ファンならば皆わかっていることだ。

怪我こそあれどそれでも大きな壁にぶち当たることなく、幕内昇進を果たした。

この未完の大器が新入幕でどれだけ結果を残すのか。

大負けしてもある意味では驚きはしないがはてさて。

 

さて優勝争いに目を向けると、私個人としては上位圏内、さらに言えば関脇以上で出てほしいという気持ちが強い。

理由は簡単で『横綱大関の誕生が見たいから』である。

現状関脇陣が優勝を果たしても来場所すぐに大関昇進となる力士はいないが、それでも大きく近づくのは間違いないだろう。

そして貴景勝が優勝となれば横綱昇進はほぼ間違いないだろう。

大関空位となれば昇進もある程度甘めになることが予想される。

とはいえどれだけ最低でも『3場所30勝』は必要だろうし、まずは2場所連続で結果残す必要がある。

関脇以上の力士達は頑張ってほしいところである。

 

優勝予想に関してはここ数場所ろくに当たっていないが

貴景勝、豊昇龍、霧馬山、阿炎辺りから出ると予想しておこう。

そしてここまで全く触れていなかったが、番付を下降させた高安も序盤戦で結果を残せば顔を覗かせるか。

619. 12勝優勝の大関の翌場所

あと1週間で大相撲春場所が初日を迎える。

3日後にはWBCが開催されるため、スポーツ観戦に忙しくなる方も多くなるのではないだろうか。

さて春場所貴景勝の綱取りが焦点となるだろう。

明確に『綱取り』という位置づけにはなっていないようだが、その背景には『12勝による優勝』が挙げられるか。

俗に12勝の優勝は『低次元』と揶揄されることが多い。

しかし先場所の貴景勝の相撲を観てケチをつける者は少なかったと認識しているし、連覇すれば大きな問題はないと言えるだろう。

昭和33年以降で過去12勝優勝の大関の翌場所の成績に関してまとめたものは以下の通りである。

四股名

優勝場所

翌場所成績

備考

大鵬

昭和36年秋場所

13勝2敗(優勝)

優勝の翌場所横綱昇進

清國

昭和44年名古屋場所

9勝6敗

大関優勝

貴ノ花

昭和50年秋場所

8勝7敗

 

北勝海

昭和62年春場所

13勝2敗(次点)

横綱昇進

若乃花

平成7年九州場所

0勝4敗11休

 

武蔵丸

平成10年初場所

8勝7敗

 

千代大海

平成15年春場所

10勝5敗

 

魁皇

平成15年名古屋場所

7勝8敗

 

照ノ富士

令和3年夏場所

14勝1敗(次点)

横綱昇進

 

過去は9名である。

大鵬の場合は例外で、12勝優勝の翌場所に横綱へ昇進している。

以前照ノ富士が綱取り場所の際『12勝基点の綱取り』という題で記載したが、昭和33年以降で過去12勝基点の綱取りを成功させたのは6名である(詳細はこちらを参照)。

しかし12勝の優勝を基点として綱取りを成功させた力士は『北勝海』『照ノ富士』の2名である。

その北勝海も13勝2敗の成績を挙げたが、優勝した大乃国(当時大関)は全勝優勝のため、星2つ差であった。

照ノ富士白鵬との全勝相星決戦に敗れて惜しくも連覇は逃している。

そのため12勝優勝を基点とした綱取り場所で『連覇した力士は存在しない』ということになる。

上記の通り、今のところ貴景勝の綱取りという位置づけはされておらず、周囲を納得させるためには優勝が絶対条件とも言える。

もちろん場所の雰囲気等もあるため何とも言い難いが、貴景勝にとっては嫌なデータになるかもしれない。

上記9名の内、5名が後に横綱へ昇進を果たしているが、貴景勝は仲間入りすることが出来るかどうか。

618. 2023年大相撲春場所番付発表

1ヶ月以上投稿をサボっていたが、本日は番付発表日である。

いつも通り答え合わせといくが、ほとんど間違えているため、答え合わせというかは感想を述べるだけにしたいと思う。

まず関脇に目を向けると、初場所は4関脇であったが、春場所は勝ち越した若隆景、豊昇龍、そして霧馬山が昇進しただけの3関脇となった。

私は小結で9勝した若元春も昇進する可能性があると思っていたが、それはお預けとなった。

まぁこれに関しては何ら文句はない。

上が渋滞しているがために小結で勝ち越しても関脇に昇進できないのは今に始まったことではないし、何なら過去には10勝しても小結に留まったり力士も存在する。

初場所が4関脇だからと言って今場所も無理して4関脇にする必要はないだろう。

そしてもう一つの注目点、いや最大の注目点と言っても過言ではない朝乃山だが、今場所の幕内復帰はお預けとなった。

千秋楽北青鵬との一番を制したことで『幕内昇進を懸けた割』とも思えたのだが、北青鵬が昇進する形となった。

そしてこれに関しても何ら文句はない。

朝乃山が復帰出来ず嘆くファンも多いだろうが、これが朝乃山ではなく別の力士ならばそこまで言うファンも多くなかったと思う。

朝乃山というネームバリューがあるが、冷静に東十両2枚目の9勝と西十両12枚目の14勝という数字を見た時、前者を優先させても何ら問題ないだろう。

正直協会としては話題集めとして朝乃山を昇進させる可能性も高いと思っていたが、そういったことを排除して編成したことには共感を持てる。

そして北青鵬は未完の大器として注目の力士である。

関取の中で最も相撲が下手な力士と言っても過言でない程の相撲技術だが、それでもスピード出世を果たす辺り、持っているものがあるのだろう。

場所の展望に関しては場所の前日にでも記載しようと思う。

場所が始まるまでにいくつか投稿したいと考えているが、サボる可能性も高いため、何とか努力していきたいと思います。

617. 大関在位で2場所連続12勝以上

貴景勝が優勝を果たして幕を閉じた初場所

貴景勝は先場所が同点、今場所が優勝のため、横綱昇進の基準を満たしているが、あろうことか来場所の綱取りに関してまで渋る決断を下している。

今場所で昇進とまではいかなくても、来場所綱取りの場所であるという明言くらいしても問題ないと思うのだが。

まあそれはさておき、貴景勝は2場所連続12勝としている。

これは貴景勝自身2回目である(2回とも大関在位で達成)。

12勝に関しては『低次元』と揶揄されることも多いが、ここ1年見てもわかるように優勝の1つのラインとも言える成績である。

過去には白鵬が『22場所連続12勝以上』という次元の異なる成績を残しているが、最高位大関の力士ではどのくらい存在するだろうか。

詳細は以下の通りである。

四股名

12勝以上連続場所数(場所)

成績

北葉山

2場所(S39夏・名)

12勝3敗(次点)

12勝3敗

貴ノ花

2場所(S52初・春)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(次点)

小錦

2場所(H2春・夏)

13勝2敗(同点)

12勝3敗

2場所(H3夏・名)

14勝1敗(同点)

12勝3敗(次点)

3場所(H3九~H4春)

13勝2敗(優勝)

12勝3敗

13勝2敗(優勝)

貴ノ浪

3場所(H6名~九)

12勝3敗

12勝3敗

12勝3敗(次点)

2場所(H8夏・名)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

魁皇

2場所(H16秋・九)

13勝2敗(優勝)

12勝3敗(次点)

栃東

2場所(H18初・春)

14勝1敗(優勝)

12勝3敗

高安

2場所(H30初・春)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

貴景勝

2場所(R2秋・九)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(優勝)

2場所(R4九・R5初)

12勝3敗(同点)

12勝3敗(優勝)

過去は小錦が3回で最高、2回目の達成も小錦貴ノ浪の2名しか存在しない。

小錦貴ノ浪は『横綱に近い大関』と言っても過言ではないため、この2名の四股名と並んだ貴景勝も実力者である証拠だろう。

また連続場所数としては小錦貴ノ浪の3場所連続が最高である。

9回優勝経験のある横綱日馬富士でさえ意外にも横綱在位、大関在位でともに2場所連続が最高であるため、十分立派である記録である一方、如何に白鵬が次元の異なる数値であるかを示すものでもある。

最強大関と称されることの多い魁皇は、優勝した翌場所に休場、負け越しが多いため1回しか達成していない。

また全勝優勝を含む2回の優勝を果たし、大関昇進から2年間は横綱レベルの成績を残している若嶋津は1回も達成していない。

『13勝⇒11勝⇒13勝』『14勝⇒9勝⇒15勝』等、高水準な成績ながらも12勝を続けることが出来なかった(余談だが3場所12勝の場合合計36勝だが、以上の若嶋津の成績は平均では越えている)。

また大関勝率の高い琴風、3回優勝を果たしている千代大海も達成していない。

これが後に横綱へ昇進した力士を含めるとどうなるか。

横綱へ昇進を果たす場合、綱取りを含む2場所は必ず12勝以上となっているため、綱取り場所の成績は除いている。

詳細は以下の通りである。

四股名

12勝以上連続場所数

成績

備考

柏戸

2場所(S36初・春)

13勝2敗(優勝)

12勝3敗(次点)

S36九横綱昇進

佐田の山

2場所(S39秋・九)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(次点)

翌場所13勝2敗で横綱昇進

玉の海

3場所(S43初~夏)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

13勝2敗

S45春横綱昇進

2場所(S43九・S44初)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

北の富士

2場所(S44秋・九)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(優勝)

翌場所13勝2敗で横綱昇進。

若乃花(2代目)

2場所(S53初・春)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(同点)

翌場所14勝1敗で横綱昇進。

隆の里

2場所(S58春・夏)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(次点)

翌場所14勝1敗で横綱昇進。

大乃国

2場所(S62夏・名)

15戦全勝(優勝)

12勝3敗(次点)

翌場所13勝2敗で横綱昇進。

旭富士

3場所(S63初~夏)

14勝1敗(優勝)

12勝3敗

12勝3敗(次点)

H2秋横綱昇進。

5場所(S63秋~H1夏)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

14勝1敗(同点)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(同点)

貴乃花

3場所(H5夏~秋)

14勝1敗(優勝)

13勝2敗(同点)

12勝3敗(次点)

H7初横綱昇進。

若乃花(3代目)

2場所(H6名・秋)

14勝1敗(次点)

12勝3敗

H10名横綱昇進。

2場所(H7初・春)

12勝3敗

12勝3敗

2場所(H8夏・名)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

武蔵丸

2場所(H6夏・名)

12勝3敗(次点)

15戦全勝(優勝)

H11名横綱昇進。

5場所(H6九~H7名)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(同点)

12勝3敗

12勝3敗

12勝3敗(次点)

2場所(H9初・春)

12勝3敗

12勝3敗(同点)

3場所(H9秋~H10初)

13勝2敗(同点)

12勝3敗

12勝3敗(優勝)

白鵬

2場所(H18夏・名)

14勝1敗(優勝)

13勝2敗(次点)

H19名横綱昇進。

稀勢の里

3場所(H28春~名)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(次点)

12勝3敗(次点)

H29春横綱昇進。

照ノ富士

2場所(H29春・夏)

13勝2敗(同点)

12勝3敗(次点)

R3秋横綱昇進。

 

大鵬北の湖千代の富士朝青龍といった時代を築いた横綱四股名がないが、昇進が早ければ綱取り場所の成績を除いているため、四股名が漏れることもある。

逆に旭富士武蔵丸が群を抜いた成績であり、若乃花(3代目)も3回達成しているが、これはこの時点で『大関以上横綱未満』を意味するものか。

旭富士の成績はすさまじく、仮に昭和63年名古屋場所も12勝以上ならば『10場所連続12勝以上』を達成するところだった(仮に達成していれば歴代6位)。

武蔵丸も正代、御嶽海を酷評するだけの事はあり、高水準な成績である。

成績は横綱レベルであるが、旭富士武蔵丸若乃花(3代目)の場合、優勝に中々手が届かないため、悪い言い方をすれば『勝負弱い』といった所か。

それでもこの成績の残していれば現在ならば簡単に横綱へ昇進出来そうな気がしなくもない。

いずれにせよ、後に横綱へ昇進している力士の場合、平均して高水準な成績を残しているため、昇進できる要素が秘められているということである。

日本出身力士最後の横綱である稀勢の里大関時代は『勝負弱い』ことに定評(?)があり、何度も白鵬日馬富士に優勝をさらわれていた。

しかしその稀勢の里も上記の通り3場所連続12勝以上を達成しており、さらには安定して二桁勝てる成績を残していた。

横綱昇進後の成績は残念だったが、昇進できる力量は十分備わっていたということである(これに関しては稀勢の里が引退した時期にも記載したので良ければこちらをご参照ください)。

話は貴景勝に戻るが、大関在位で2回目の2場所連続12勝は実力者である証拠だろう。

ここ4場所は安定して二桁の白星も挙げている。

文句なしの横綱昇進のためにはとにもかくにも優勝が必要である。

来場所の貴景勝に注目である。

616. 大関陥落直後からの連続負け越し

大相撲初場所が終了してから2日経過するが、まだ相撲ロスが続いている。

毎場所そうだが、しばらくは『この時間何してたっけ?』という感覚に陥ることが多い。

さて先日大関貴景勝が優勝を果たして幕を閉じた初場所だが、ほんの2場所前までは3大関が在位していた。

先場所御嶽海が関脇へ陥落して特例復帰ならず、そして今場所正代が関脇へ陥落して特例復帰が叶わなかった。

御嶽海は今場所平幕で相撲を取っていたが、ここでも負け越しを喫してしまい、コロナウイルス感染に伴う休場も含めて5場所連続で勝ち越しできていない状況である。

大関陥落後は2場所連続である。

今場所の相撲を観ていても、所々で良い相撲はあっても強い時の御嶽海とは程遠い内容になっている。

正代も9日目~12日目までは良かったが、それ以外の相撲は精彩を欠いていた。

正直このままずっと負け越してしまうのではないかと心配しているファンも少なくないのではないだろうか。

特に御嶽海に関しては怪我の影響もあるだろうが、1年でここまで衰退するとは思っていなかったため不安である。

そこで今回不名誉な記録であるが、大関陥落直後からの連続負け越しについて調べてみた。

まず特例復帰にて大関復帰を果たしたことがある力士は三重ノ海貴ノ浪武双山栃東(2回)、栃ノ心貴景勝の7回である。

そして特例復帰は叶わなかったが、その場所で勝ち越した力士は若羽黒、大受琴奨菊の3名である。

以上10例に加え、千代大海は特例復帰場所に引退を表明しているため除外している。

詳細は以下の通りである。

四股名

陥落直後連続負け越し場所

勝ち越した場所の成績(番付)

出島

4場所

9勝6敗(東前頭9枚目)

栃ノ心

3場所

10勝5敗(西前頭11枚目)

魁傑(1回目)

2場所

10勝5敗(西前頭6枚目)

魁傑(2回目)

2場所

10勝5敗(西前頭4枚目)

琴風

2場所

3場所目に引退

霧島

2場所

8勝7敗(東前頭2枚目)

雅山

2場所

9勝6敗(東前頭8枚目)

高安

2場所

10勝5敗(東前頭13枚目)

御嶽海※

2場所

継続中

前の山

1場所

8勝7敗(西小結)

小錦

1場所

8勝7敗(東前頭9枚目)

貴ノ浪

1場所

9勝6敗(西小結)

正代※

1場所

継続中

 

これを見ると2場所連続負け越しが多く、3場所目に勝ち越すことが多い。

番付に関してはある程度ばらつきがあるが、やはり上位圏外の番付に位置した方が勝ち越す可能性は高い。

今場所の成績から言えば正代、御嶽海ともに来場所も上位圏内で相撲を取るだろう。

両力士ともにここ数場所は勝ち越す事すら難しい状況であるが、何とか2場所連続程で留めてほしいという思いが強い。

最近は30歳を越えても全盛期を迎えているのではないかと思わせる力士も多く存在する。

正代、御嶽海も老け込むような年齢ではないため、まずは勝ち越してほしいところだが…

615. 今場所の割の編成に関して勝手に語る

昨日貴景勝が異例の場所を制して幕を閉じた大相撲初場所

貴景勝大関の意地を見せた素晴らしい場所であった一方、割に関しては多くの不満が飛び交っていた。

私は今場所だけに限らず、今まで様々な場所でちょいちょい割の編成に関して文句、不満を言い続けているが、大まかなことに関してはいつもの文句と変わらない。

まず単刀直入に『対応が遅い』ということだ。

14日目を終了した時点で琴勝峰は役力士との対戦はなかった。

結果的に同じく11勝4敗となった霧馬山との割すらなかったのは疑問でもあるだろう。

4年前から『千秋楽の割は14日目の割が終了してから』という流れとなっている。

これ自体は良い取り組みだと思っている。
しかし問題は『千秋楽に帳尻合わせるからいいでしょ?』という考え方にも思えてしまうことである。

千秋楽は『貴景勝ー琴勝峰』の相星決戦となり、すっきり収まっているようにも見えるが、14日目まで平幕力士としか対戦していない力士がいきなり千秋楽に今場所出場している中で最高位の貴景勝と割が組まれるのも不自然である。

かつてこれに近い力士が3年前優勝を果たした徳勝龍である。

徳勝龍もこの場所は14日目終了時点まで平幕力士としか対戦しておらず、千秋楽にいきなり大関貴景勝と割が組まれた。

この場所の徳勝龍は12日目から星の近い平幕力士と割が組まれていたが、これに関しても対応は遅かったと言える。

中日辺りから対応しなければ終盤戦に詰まってしまい、結果上位圏内で割崩しが行われてしまうのである。

また今場所は貴景勝の優勝が喜ばしい一方で、この優勝にもケチがつく可能性がある。

なぜなら貴景勝も2名の関脇と対戦していないからである。

今場所の出場している力士の中で最高位は貴景勝だが、次点は関脇の若隆景である。

その『貴景勝ー若隆景』の割が崩されているのである。

そして『貴景勝ー正代』の割も崩されているわけだが、これに関してファンの間では『割崩しして阿武咲、琴勝峰と割を組むべき』という意見が早くから飛び交っていた。

『勝手に語る』の方でも記載したが、これに関して私は否定であった。

10日目終了時点で貴景勝が単独先頭に立っていたが、上位圏外の力士に無理してチャンスを与える必要はない。

言い方は失礼だが下位で負けた阿武咲、琴勝峰が悪い。
上位圏内に在位していないのが悪い。
これが理由である。

結果的に阿武咲が一時単独先頭に立ち、貴景勝と割が組まれた。
割を組むこと自体は良いが、割崩しをせずに済む方法を事前に怠ったことが不満である。

まず上記の割崩しをしても良いと思われていた正代だが、序盤戦1勝4敗、中日終了して2勝6敗だった。

番付通りでいけば貴景勝とは13日目に割が組まれる予定だが、序盤戦で成績が悪いとわかっているならば早くに割を組めば良いだけの話である。

そうすることで終盤戦に1つ枠が出来るし、また中日以降成績不振の平幕力士と割が組まれることもあるが、ここも中位~下位の好調平幕力士と割を組めば良いのである。

正代はここ数場所(というか1年間)低迷しており、割崩しの常連(?)でもあった。

その印象だけで『今場所も割崩しをしてしまえ』と考えるのはあまりにも雑である。

結果論ではあるが、11日目終了時点で若隆景、正代、琴ノ若の成績は同じであったのだから。

今場所の千秋楽これより三役は役力士同士の割が皆無だった。
これも異常だと思う。

上記の通り、千秋楽に帳尻を合わせた結果このような事態を招いていると思う。

『上位が不甲斐ないからこうなる』といった意見も多い。

確かに全否定は出来ないが、上記の通り早めの対応をすることで文句は軽減できると思う。

貴景勝が2名の関脇と対戦していないこともそうだし、若隆景も今場所9勝を挙げ、仮に翌場所から2場所連続12勝を挙げたとする。

いわゆる『3場所33勝』になるわけだが『1場所目は上位との対戦がない』と文句を言われる可能性も考えられる。

優勝争いが盛り上がる一方で問題も多く存在するのである。

話が前後するが、阿武咲、琴勝峰においても中日以降早めに上位圏内の好調平幕力士と割を組むべきである。

阿武咲が12日目に玉鷲と割が組まれたが、これも9日目辺りで割を組み、その後霧馬山、若元春、大栄翔といったところと当てていけば良い。

結果を残していくなら最後の砦である貴景勝と割を組めば良いし、崩れるようならば中位~下位の番付の力士と再び当てていけば良い。

そして多くのファンが感じていることは、千秋楽の割のように毎日取り組み終了後に割を組んでほしいということだろう。

これが最善である。
出来ないことではないはずだ。

『大変だから』『忙しいから』は理由にならないだろう。

全員を納得させる割を編成するのは難しいかもしれないが、大衆を納得させる割を編成するのは可能だろう。

私がブログを始めてから常々記載し続けている割に関しての問題だが、中々良い方向にいかないものである。

614. 2023年初場所千秋楽を勝手に語る

史上初となる初日から出場する横綱大関の人数が合計1名という異例の場所。

出場している力士の中で最高位である貴景勝大関の意地を見せ、3回目の優勝を果たして幕を閉じた2023年大相撲初場所

貴景勝にとって今場所は計り知れない重圧との闘いだっただろう。

その中で豊昇龍、大栄翔、阿炎といった序盤戦好調だった上位圏内の力士が中盤戦で崩れ、中日辺りから貴景勝有利な展開へと場所が進んでいった。

これは貴景勝の場所になると思った矢先、終盤戦に連敗を喫した。

これが重圧による問題なのかどうかは不明だが、阿武咲が単独先頭に立つ展開となり『今場所も平幕優勝か』という雰囲気が醸し出していた。

それはただ単に連敗を喫しただけではなく、貴景勝の相撲内容が崩れていたからだ。

しかし13日目、1差で追う阿武咲との対決を制し、再び貴景勝へ流れが傾いた。

千秋楽は割崩しが行われ、琴勝峰との千秋楽相星決戦という形となった。

ここでも重圧が大きいのは貴景勝の方だっただろう。
貴景勝自身、一人大関としての重圧、2場所連続で千秋楽平幕に敗れてしまうのではないかという恐怖感もあったはずだ。

しかし千秋楽の相撲は貴景勝本来の相撲に加え、進化が見えた一番でもあった。

立ち合いの当たり良く突き放していき、そこから本来ならばさらに突き放していくもしくはハズ押しでいきたかったところだろう。

しかし流れの中で左を差してしまう形となった。
それでも当たり勝っていた分、差しても勢いですくい投げを決めることができた。

貴景勝のすくい投げは記憶にない。
今場所は翠富士戦、明生戦でも小手投げで白星を掴んでいる。

本日の一番もそうだが、今後貴景勝の武器になるものなのか、それともたまたま今場所うまく決まっただけなのか。

重圧と闘いつつも進化が垣間見られる場所となった。

それにしても今場所の貴景勝の優勝は非常に価値があると思う(価値のない優勝などないが)。

12勝という成績に関してはある程度批判もあるだろう。
3場所連続で平幕優勝が続いている中、貴景勝は安定して二桁の白星を挙げていた。

昨年の名古屋場所秋場所で優勝を果たした逸ノ城玉鷲は優勝した翌場所で負け越した。

先場所優勝した阿炎は今場所千秋楽にようやく勝ち越した。

正代、御嶽海は大関から陥落した。

若隆景、豊昇龍は二桁の白星を挙げた翌場所一桁勝ち越しに留まっている。

その中貴景勝は二桁の白星を続けて、そして今場所大関の意地を見せて優勝を果たした。

今場所は展開によっては綱取りとも言われていたが、綱取り云々よりも一人大関としての重圧の方が遥かに上回っていただろう。

とにかく今場所の貴景勝の優勝はおめでたいところである。

一方敗れた琴勝峰はやるだけの事はやっただろう。

正直この結果で良かったと思う。
昨日も記載したが、今場所の琴勝峰はあくまで『平幕下位で調子が良いレベル』であった。

それこそ言い方は失礼だが、敢闘賞を受賞できる位のレベルだ。

阿炎戦、大栄翔戦は素晴らしかったとはいえ、役力士との対戦は貴景勝戦のみだし、同じく優勝を争った阿武咲にも敗れている。
まだ優勝するレベルには達していないということだ。

今場所を糧にしていけば良いだけである。
本来の期待度からすれば、豊昇龍と同学年であり、早く上位圏内で活躍してほしい力士の一人だろう。

今度は上位圏内で優勝を争う位の強い気持ちを持ってほしい。

阿武咲にも言えることだが、両者ともに役力士には全敗である(本日の阿武咲は内容面では勝っていたが)。

これを上位圏内でも持続出来るかどうか。
来場所以降が勝負だろう。

そしてそれは霧馬山にも該当することである。

これで上位圏内で6場所連続勝ち越し(小結では3場所連続)、そして三役として初めて二桁の白星を挙げた。

廻しを引いたら強く、型もしっかりしているため、実力者であることは誰もが認めている。

来場所は関脇昇進もほぼ確実であり、大関の足固めの場所となるだろう。

現段階で大関に近い力士と言えば若隆景、豊昇龍だが、両者ともに2場所連続二桁白星を果たせていない。

豊昇龍の場合、今場所序盤戦で覚醒したかと思ったが、怪我により振り出しとなった。

霧馬山はここから抜け出すことができるかどうか。
今場所の11勝は間違いなく立派だが、その中にも勿体ない相撲があったため、まだまだ強くなる要素があるだろう。

霧馬山にとって来場所が勝負の場所とも言えるため注目である。

上記の通り豊昇龍が残念であり、若隆景も終盤戦の修正は素晴らしかったが、ある意味いつも通りといったところだった。

貴景勝の優勝は喜ばしい一方で、今後抜け出しそうな力士がまだ出てきそうにないという問題点は続きそうである。

おそらく朝乃山が来場所幕内へ復帰するだろうが、朝乃山を待っているようでは遅い。

また以前も記載したが、朝乃山は若手ではない。

とにもかくにも異例の場所を一人大関貴景勝がしっかり締めてくれたことは良しとしなければ。

今場所も皆様お疲れ様でした。
場所後もちょいちょい投稿したいと思いますのでよろしくお願いいたします。