きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

354. 2021年名古屋場所2日目を勝手に語る

2日目の名古屋場所だが、昨日と異なり私自身、幕内の全取り組みを集中して観戦する事が出来た。

私自身が地に足ついたところで本日の取り組みを振り返っていこうと思う(白鵬以外も)。

まず第一人者白鵬だが、遠藤を中に入れさせないために突っ張りで攻めていった。

横から張るような突っ張りであり、脇も空いているため良い突っ張りとは言い難いが、それでも遠藤を中に入れさせず最後は叩きながら廻しを引いて出し投げで決めた。

特段良い内容とは言い難いが、休場明けで連勝スタートを切れたことは何よりであり、本日は身体も動いていた様子である。

まだまだ場所は長いが、白星を積み重ねて流れを掴みたいところである。

不安要素は相撲内容だけでなく、膝の問題もある。

春場所は連勝スタートを切りながら3日目から休場となった。

そもそも15日間戦えるだけの身体であるのか、この辺りも今後不安要素となるだろう。

綱取りの照ノ富士は相撲巧者若隆景を下して連勝スタート。

冷静に相手を下した印象である。
立ち合い変化も頭に入っていただろう。

もろ差しを許す場面もあったが、膝が伸びきることはなく、慌てずに左上手を引いて若隆景の動きを止めることに成功した。

過去土俵上では負けたことのない相手であるため、自信もあったのだろう。

連日相撲巧者との対戦が続いているが、今場所は冷静さが際立っているため、このまま序盤戦を無傷で乗り越えたい所である。

残りの大関陣は明暗。

正代は苦手の大栄翔相手に突っ張りでのけ反ることなく、圧力をかけて突き落とした。

昨日も立ち合いの踏み込み、圧力が素晴らしく、角番でもなく場所前ノーマークであるため、のびのび取ることが出来ているか。

この相撲内容で序盤戦無傷ならば面白いがはてさて。

貴景勝逸ノ城相手に不覚。
立ち合い当たった瞬間に逸ノ城得意の右四つを許し、為す術なく敗れた。

しかも首から肩にかけて負傷した様子であり心配である。

一方逸ノ城だが昨日、本日と最高の相撲内容で連勝スタートを切った。

昨日も力強い相撲内容であり、この力士がその気になれば照ノ富士と肩を並べていても何ら不思議ではないのだが、如何せんこの力士は相撲にムラがありすぎるため信用できない。

この2日間は攻めているから流れが良いが、後ろに下がったときあっさり土俵を割らないか心配である。

粘りも見せることができれば今場所は相当面白い存在になるだろうし、上位にとっては驚異となるだろう。

昨日その逸ノ城に完敗した御嶽海が苦手の隆の勝を下して初白星。

隆の勝得意の右差しを徹底しておっつけ、隆の勝が引いたところをうまく攻め切った。

我慢しつつ力強さも見せた良い相撲だった。
この力士も15日間総合しての強さは見られないため、特に期待はしていないのだが、序盤戦何とか1敗で乗り切りたいところである。

そしてもう一人の関脇高安が明日から出場するとの事である。

正直ぎっくり腰が2、3日で完治するとは考えづらいため、かなり厳しいのではないだろうか。

今場所は成績次第では大関復帰を懸ける場所となる予定だったが、休場により白紙となり、焦りもあるのだろう。

無理して悪化させることだけは避けなければならない。

明日の一番で相撲にならないようならば、親方がしっかり判断するべきだろう。

明日の注目の割は
白鵬ー大栄翔』
『高安ー逸ノ城
この2番である。

白鵬としては一発のある嫌な相手と言えるだろう。

春場所のように張り差し速攻で勝負をつけたい所だが、大栄翔もそれは頭に入っているだろう。

離れる展開になり、大栄翔の突っ張りをまともに受けることになれば厳しい展開に陥るだろう。

白鵬としてはとにもかくにも慌てずに捕まえることが重要だろう。

右四つでも左四つでも捕まえてしまえば白鵬十分のため、何とか捕まえることが出来るかどうか。

そして高安ー逸ノ城だが、上記の通り高安の状態が気がかりであることと、逸ノ城が連日の相撲を取ることが出来るかどうか。

ここであっさり土俵を割るようでは結局いつもの逸ノ城かと思うだろうし、圧倒するようならば今場所期待出来る存在になり得る。

貴景勝の怪我は気掛かりだが、まだ2日目とはいえ横綱大関の充実ぶりが光っている。

白鵬は磐石とは言い難いが、ここから波に乗ることが出来るかどうか。

明日以降も楽しみである。

353. 2021年名古屋場所初日を勝手に語る

本日より初日を迎えた大相撲名古屋場所

今場所も好き勝手語っていきますのでよろしくお願いします。

さて昨日記載したが今場所の焦点は『白鵬の進退』と『照ノ富士の綱取り』だろう。

本日は幕内後半戦から観戦し始めたのだが、私自身何かふわふわしたような気持ちだった。

役力士たちが登場してもいまいち集中できない状態だった。

かろうじて照ノ富士が先場所苦杯を嘗めた遠藤相手に白星を挙げた辺りからはある程度集中は出来ていたが、やはりいつもと違う心境とでも言ったらいいのか。

やはりあの最強白鵬が今場所限りで引退してしまうかもしれないという事が現実味を帯びてきたからだろうか。

6場所連続休場中であり、進退を懸けて臨む場所となるのは春場所時点でもわかっていたことだが、ついにその場所を迎えたというのが信じ難いとでもいうか。

もちろんまだ引退が決まったわけではないし、不死鳥のように復活を果たす可能性だって十分にある。

『最強白鵬』を見続けて来たのだからこんなところで終わるような力士ではないと思っているし、復活を望む一方でこのまま白鵬に誰も勝てないのかという大相撲の未来への不安もある。

そんないまいち集中できない状態で迎えた結びの一番。

白鵬の対戦相手はこのところ力をつけてきた若手の明生である。

1度対戦経験はあるが、以前対戦したときは2年前のため、これは全くもって参考にならないデータである。

おそらく張り差しでいくだろうと思っていたが、不発に終わったとき左差し速攻で持っていかれる危険性もある相手である。

そして立ち合いは予想通り張り差しを選択した。
白鵬としては張り差しから速攻で勝負をつけたかったのだろうが、明生得意の左四つに組んでしまった。

とはいえ白鵬は左四つでも十分相撲を取ることは出来るため、がっぷり四つに組んだ時点では『まぁ出足は止めたし大丈夫かな』という思いだった。

しかし明生の方が上手浅い位置を引いており、攻め込まれる形となってしまった。

攻め込まれてからの白鵬は必死であった。
何とか逆転の掛け投げで白星に結びつけたが、本日の相撲だけを見るならばやはり厳しいと言わざるを得ないか。

立ち合い張り差しでいくこと自体は問題ないが上体が高く、四つに組んでも力強さに欠けており、腰も軽い様子である。

元々白鵬は張り差しにいっても立ち合いの踏み込み鋭く、上体も起きることがないため、ほぼ確実に成功させて流れを作っていた。

しかしかつての立ち合いとは程遠いものであった。

上記の通り得意の四つとは逆の四つとはいえ、軽さも気になるところである。

ここ数年の白鵬はすでに軽さが露呈してはいたが、今場所は今まで以上に軽い様子である。

久々に白星を挙げても不安要素だらけの一番となってしまった。

とはいえまだ初日である。
長期休場明けで、勢いのある若手相手にどんな形であれ白星を掴んだということが何よりだろう。

とにもかくにも場所は始まってしまったのだから、場所の中で修正していくしかないだろう。

百戦錬磨の白鵬ならばそれは十分に可能だろう。

他の取り組みも見直したが、本日は白鵬だけでお腹いっぱいというのが本音である。

今場所は『白鵬の進退』と『照ノ富士の綱取り』が焦点と記載しているが、本日の取り組みを見て『白鵬の進退』この一点ではないかと思う。

それだけ本日結びの一番を迎えるまでと迎えてからの緊張感が群を抜いていた。

そして明日の注目の割は
白鵬ー遠藤』
この一番である。

というか白鵬以外の取り組みにあまり集中できないのが本音であり、上記の通り白鵬が場所の焦点であるためいつでも注目である。

相撲巧者の遠藤相手だが、白鵬としては立ち合いで圧倒したいところだろう。

遠藤は立ち合いの踏み込み、圧力はないため、立ち合いで圧倒できる可能性がある一方、安易な張り差しからの攻めではもろ差しを許す危険性も高い。

過去にはうまく中に入られて切り返しで裏返しにされた屈辱的な黒星もある。

そして本日のように左四つに組んでしまっては正直遠藤の方がかなり有利な展開になるだろう。

遠藤の前さばきの巧さ、右前ミツには細心の注意を払わなければならない。

白鵬としては立ち合いで圧倒できなくても慌てずに圧力をかけながら相撲を取っていくことが重要だろう。

まだ初日であり、優勝争いに関しては先の話だが、いずれにせよ白鵬次第で場所が大きく変わるだろう。

今場所はしばらく白鵬の話題しか記載しないかもしれませんがご容赦ください。

352. 2021年大相撲名古屋場所展望

明日から大相撲名古屋場所が初日を迎える。

2年ぶりの名古屋開催だが、注目は『第一人者白鵬』と『照ノ富士の綱取り』だろう。

6場所連続休場中の白鵬が進退を懸けて臨む場所となるが、状態はいかがなものか。

あまり情報がないが、一説によると稽古はあまり出来ておらず、ぶっつけ本番に近いとの事である。

年齢を考慮しても厳しいと言わざるを得ない状況である。

だからといって白鵬が負け続ける姿も想像できない。

今さらこの力士の偉大さを語るまでもないが、経験値でこの力士を上回る力士は歴代でも存在しないと言っても過言ではない。

序盤戦で落とさず流れを作ることが出来るかどうか。

白鵬は右四つという絶対的な型を持っているが、おそらく膝の影響から長い相撲は避けたいだろうから立ち合い踏み込んで出足で勝負を付けようとする内容が増えると思う。

張り差し、もろ差し狙いも増えるだろうがはてさて。

そしてもうひとつの注目は照ノ富士の綱取りである。

史上初の同一力士による関脇→大関の連覇を果たしており、力強さも十分であるが、この力士も常に膝へ爆弾を抱えているため油断できない。

正直先場所も終盤戦は膝に影響が出たため崩れていった印象を受ける。

理想としては13勝以上の優勝が望ましいが、とにかく強引な相撲だけは避けたいところである。

高安が場所直前にぎっくり腰を起こしたため休場となり、成績次第では大関復帰という夢が潰えてしまった。

言い方は悪いが、ある意味これを一番喜ぶ力士が照ノ富士かもしれない。

幕内へ復帰以降、高安とは1勝4と大の苦手としており、先場所は勝つには勝ったが内容面では完敗していた。

照ノ富士にとって追い風が来ているのは間違いないが、白鵬という存在がどのような影響を及ぼすのか。

白鵬が千秋楽まで務める事ができるのか。
両者の対戦は千秋楽のため、白鵬次第で照ノ富士も大きく変わるだろう。

その他力士に目を向けると、優勝争いの観点から見た場合、誰にも期待できないといったのが正直な感想である。

貴景勝が減量後から徐々に身体と動きが合ってきた印象を受けるが、13勝以上というイメージは沸かない。

先場所は同点の成績を挙げており、一部では貴景勝も綱取りか?という話題も挙がっているが、貴景勝の場合は気にせず自分の相撲に徹することだろう。

序盤戦無傷で乗り切れば面白いかもしれないが、大半序盤戦で1敗は喫するため、優勝候補には挙げづらい。

正代に関しては勝ち越しが関の山ではないだろうか。

立ち合いの踏み込みがうまくハマり、連勝を積み重ねていけば面白いかもしれないが、ここ数場所を見る限りでは厳しいと言わざるを得ない。

先場所三役で二桁を挙げた御嶽海は大関への足固めとしたい場所だが、この力士には期待しない方が良いだろう。

優勝争い、二桁云々よりも他の力士の重要な局面で対戦したときどれだけ力を発揮するかどうかというところか。

新三役の若隆景、明生は楽しみな存在であるが、優勝争いという観点からは候補外である。

どれだけ場所を荒らすことが出来るかどうか楽しみである。

優勝予想だが、白鵬次第で大きく変わるだろう。

私自身、照ノ富士には綱取りを成功させてほしいと思っており、照ノ富士と答えるファンも多いと思うが、その予想では面白くない。

そのため私は『序盤5日間で無傷ならば白鵬、そうでなければ混戦となる』という曖昧な予想にしておこう。

猛暑で有名な名古屋場所だが、猛暑を味方につけるのはどの力士か。

注目である。

351. 白鵬と名古屋場所の相性

大相撲名古屋場所まで残り1週間を切っている。

場所の注目は『照ノ富士の綱取り』ともう一つは『白鵬の進退』に関してだろう。

現状報道だけを頼りにするならば状態は全く持って不明と言っても過言ではなく、さらには言動に関しても問題視されているようである。

さすがに大横綱といえど、これ以上の休場は許されないだろう。

『優勝』か『引退』か。

私はこの2つしかないと考えている。

白鵬は数々の大記録を樹立しているわけだが、その中で真っ先に話題に挙がるのが『優勝回数』だろう。

前人未到の44回の優勝を果たしているわけだが、果たして名古屋場所との相性はいかがなものだろうか。

今回は名古屋場所だけでなく、他の場所とも比較を行っていこうと思う。

さっそくだが以下に横綱昇進以降の白鵬の成績をまとめた。

※カッコ内数値は優勝回数

初場所

全勝場所数

1場所(1)

14勝場所数

4場所(3)

13勝場所数

0場所(0)

12勝場所数

4場所(0)

11勝以下場所数

5場所(0)

優勝回数

4回

全場所数

14場所

優勝割合

0.286

13勝以上割合

0.357

 

春場所

全勝場所数

4場所(4)

14勝場所数

2場所(2)

13勝場所数

2場所(2)

12勝場所数

2場所(0)

11勝以下場所数

3場所(0)

優勝回数

8場所

全場所数

13場所

優勝割合

0.615

13勝以上割合

0.615

 

夏場所

全勝場所数

4場所(4)

14勝場所数

2場所(1)

13勝場所数

1場所(1)

12勝場所数

0場所(0)

11勝以下場所数

6場所(0)

優勝回数

6回

全場所数

13場所

優勝割合

0.462

13勝以上割合

0.538

 

名古屋場所

全勝場所数

2場所(2)

14勝場所数

4場所(3)

13勝場所数

2場所(2)

12勝場所数

2場所(0)

11勝以下場所数

4場所(0)

優勝回数

7回

全場所数

14場所

優勝割合

0.5

13勝以上割合

0.571

 

秋場所

全勝場所数

2場所(2)

14勝場所数

4場所(3)

13勝場所数

3場所(2)

12勝場所数

0場所(0)

11勝以下場所数

5場所(0)

優勝回数

7回

全場所数

14場所

優勝割合

0.5

13勝以上割合

0.643

 

九州場所

全勝場所数

1場所(1)

14勝場所数

6場所(6)

13勝場所数

2場所(1)

12勝場所数

2場所(1)

11勝以下場所数

3場所(0)

優勝回数

9回

全場所数

14場所

優勝割合

0.643

13勝以上割合

0.714

 

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今回はグラフにした3つの記録に焦点を置いているが、13勝以上割合を算出理由としては、優勝に必要な成績と呼べるからである。

ここ2場所12勝による優勝が続いているが、第一人者の復活を印象付けるにはやはり13勝以上の優勝が理想だろう。

平均値でみるならばに九州場所が好成績を収めることが多く、初場所は苦戦を強いられている。

これらの割合でみると、白鵬は東京場所よりも地方場所の方が得意である傾向はある。

優勝回数は東京場所が17回、地方場所が24回である。

結局東京でも17回優勝を果たしているわけだが、地方場所との差は開いている。

そして名古屋場所だが、平均値でみると3~4番目の記録であり、可もなく不可もなくと言ったところか。

地方場所だけで見ると最も平均値が低い結果となっている。

そして名古屋場所で優勝を果たしたのは平成29年が最後である。

ちなみにこの名古屋場所の優勝が白鵬自身最後の連覇を果たした場所でもある。

第一人者白鵬も4年間連覇がないのである。

白鵬自身、横綱へ昇進以降優勝を逃した連続場所数は平成28年名古屋場所~平成29年春場所の5場所だったが、令和2年7月場所~先場所で6場所連続と更新してしまった。

第一人者として角界を引っ張ってきた絶対的な強さを知っているだけに復活を願う一方、年齢を考えると15日間取り切るだけの体力面が問題視される。

上記の通り『優勝』か『引退』しかないと考えている。

成績不振に陥っても休場という選択肢だけはしないでいただきたい。

名古屋場所白鵬に注目である。

350. 12勝基点の綱取り

7月4日から2年ぶりの地方場所かつ名古屋場所が初日にを迎える。

昨日気が付いたのだが、今年の名古屋場所は第1日曜日開催のようである。

まだ初日まで半月程あるが、名古屋場所の焦点となるのは『照ノ富士の綱取り』だろう。

照ノ富士は先場所12勝による優勝だった。

12勝の優勝はよく『低次元』と揶揄されることが多いが、過去の綱取り成功者で綱取りの前の場所が12勝だった力士は年6場所制となった昭和33年以降『5名』である(ちなみに昭和33年以降現在まで横綱昇進者は28名である)。

過去の5名の成績は以下の通りである。

四股名

前場

綱取り場所

若乃花(初代)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(優勝)

双羽黒

12勝3敗(次点)

14勝1敗(同点)

北勝海

12勝3敗(優勝)

13勝2敗(次点)

大乃国

12勝3敗(次点)

13勝2敗(次点)

稀勢の里

12勝3敗(次点)

14勝1敗(優勝)

北勝海を除き、皆12勝の場所は次点成績であり、翌場所13勝以上の成績を挙げて昇進を果たしている。

双羽黒大乃国はこの2場所で優勝なしという結果であるが、双羽黒千代の富士一強という時代に将来の期待も込めて昇進となり、大乃国はこの前の場所に全勝優勝を果たしており、3場所合計40勝と当時の最高タイ記録のため昇進となった(現在は貴乃花の41勝)。

結果的に12勝を基点とした場合『連覇での昇進は一度もない』ということになる。

双羽黒が廃業してから平成25年辺りまでは『連覇が絶対条件』のような風潮もあったため、時代が時代ならば昇進できなかったかもしないということである。

ちなみに上記でも少し触れているが3場所を見てみると以下の通りになる。

四股名

3場所前

2場所前

前場

合計

若乃花(初代)

11勝4敗

12勝3敗(次点)

13勝2敗(優勝)

36勝9敗

双羽黒

10勝5敗

12勝3敗(次点)

14勝1敗(同点)

36勝9敗

北勝海

11勝4敗

12勝3敗(優勝)

13勝2敗(次点)

36勝9敗

大乃国

15戦全勝

12勝3敗(次点)

13勝2敗(次点)

40勝5敗

稀勢の里

10勝5敗

12勝3敗(次点)

14勝1敗(優勝)

36勝9敗

大乃国以外は平凡な二桁勝利であり、次点成績ですらない。

さらに面白いことに大乃国以外は『3場所合計36勝』である。

仮に照ノ富士が12勝を挙げた場合、3場所36勝となる。

以前こちらでも触れたが、照ノ富士は12勝の優勝には縁の深い力士である。

ひょっとするとひょっとするのかもしれない。

ちなみに年6場所制になって以降『3場所連続12勝優勝』は一度もない。

これに関しては同一力士、異なる力士の連続優勝においても史上初の記録となる。

また『年間で3回の12勝優勝』も史上初となる。

照ノ富士にとっては自身初の地方場所制覇にもなるため、色んな視点から見ても面白くなりそうな綱取りである。

最後に参考記録程度に過去の綱取り成功者の成績をまとめて終わりにします。

 四股名 3場所前 2場所前 直前 3場所合計 直前2場所合計
若乃花(1) 11勝4敗

12勝3敗

(次点)

13勝2敗

(優勝)

36勝9敗 25勝5敗
朝潮

14勝1敗

(優勝)

11勝4敗

(次点)

13勝2敗

(次点)

38勝7敗 24勝6敗
柏戸 10勝5敗 11勝4敗

12勝3敗

(同点)

33勝12敗 23勝7敗
大鵬

11勝4敗

(次点)

13勝2敗

(優勝)

12勝3敗

(優勝)

36勝9敗 25勝5敗
栃ノ海 11勝4敗

14勝1敗

(優勝)

13勝2敗 38勝7敗 27勝3敗
佐田の山

13勝2敗

(次点)

13勝2敗

(次点)

13勝2敗

(優勝)

39勝6敗 26勝4敗
玉の海

13勝2敗

(優勝)

10勝5敗

13勝2敗

(同点)

36勝9敗 23勝7敗
北の富士

12勝3敗

(次点)

13勝2敗

(優勝)

13勝2敗

(優勝)

38勝7敗 26勝4敗
琴櫻 9勝6敗

14勝1敗

(優勝)

14勝1敗

(優勝)

37勝8敗 28勝2敗
輪島

11勝4敗

(次点)

13勝2敗

(次点)

15戦全勝

(優勝)

39勝6敗 28勝2敗
北の湖 10勝5敗

13勝2敗

(優勝)

13勝2敗

(同点)

36勝9敗 26勝4敗
若乃花(2) 13勝2敗(次点)

13勝2敗

(同点)

14勝1敗

(同点)

40勝5敗 27勝3敗
三重ノ海 10勝5敗

13勝2敗

(次点)

14勝1敗

(同点)

37勝8敗 27勝3敗
千代の富士

11勝4敗

(次点)

13勝2敗

(次点)

14勝1敗

(優勝)

38勝7敗 27勝3敗
隆の里

12勝3敗

(次点)

13勝2敗

(次点)

14勝1敗

(優勝)

39勝6敗 27勝3敗
双羽黒 10勝5敗

12勝3敗

(次点)

14勝1敗

(同点)

36勝9敗 26勝4敗
北勝海 11勝4敗

12勝3敗

(優勝)

13勝2敗

(次点)

36勝9敗 25勝5敗
大乃国

15戦全勝

(優勝)

12勝3敗

(次点)

13勝2敗

(次点)

40勝5敗 25勝5敗
旭富士 8勝7敗

14勝1敗

(優勝)

14勝1敗

(優勝)

36勝9敗 28勝2敗
9勝6敗

14勝1敗

(優勝)

13勝2敗

(優勝)

36勝9敗 27勝3敗
貴乃花 11勝4敗

15戦全勝

(優勝)

15戦全勝

(優勝)

41勝4敗 30戦全勝
若乃花(3) 10勝5敗

14勝1敗

(優勝)

12勝3敗

(優勝)

36勝9敗 26勝4敗
武蔵丸 8勝7敗

13勝2敗

(優勝)

13勝2敗

(優勝)

34勝11敗 26勝4敗
朝青龍 10勝5敗

14勝1敗

(優勝)

14勝1敗

(優勝)

38勝7敗 28勝2敗
白鵬 10勝5敗

13勝2敗

(優勝)

15戦全勝

(優勝)

38勝7敗 28勝2敗
日馬富士 8勝7敗

15戦全勝

(優勝)

15戦全勝

(優勝)

38勝7敗 30戦全勝
鶴竜 9勝6敗

14勝1敗

(同点)

14勝1敗

(優勝)

37勝8敗 28勝2敗
稀勢の里 10勝5敗

12勝3敗

(次点)

14勝1敗

(優勝)

36勝9敗 26勝4敗

349. 進路問題は大相撲だけではない?

6月に突入して早半月が経過した。
先日の11日には朝乃山の処分が決定し、6場所連続休場となった。

これに関してはある程度予想通りであり、中には『番付を落としたところですぐに戻れるから逆に下の力士がかわいそう』という考え方もある。

確かにここ2場所の阿炎を見てもわかるようにそれは間違いないのだが、仮に朝乃山が三段目まで番付を下降させた場合、関取復帰までには最短で3場所、幕内復帰までは最短で4場所、幕内上位までは最短で5場所と考えると2年以上の時間を奪われることになる。

朝乃山にとっては今が大事な時期であり、その中で2年の時間を奪われることになる。

阿炎の一件を知りながらも軽率な行動を取り、さらには虚偽報告までしたのだからこれが朝乃山にとって最も酷な処分だと思う。

色々な考え方はあるにしろ、私はこれで良いと考えている。

さて本題に入るのだが、近年大相撲の幕内だけでなく、どの番付を見渡しても『大卒力士』が数多く存在する。

現役の代表格で言えば上記の朝乃山に加え正代、御嶽海、北勝富士、遠藤、そしてここ数場所力をつけてきた若隆景などが挙げられる。

よく話題に挙がるのが『大卒力士で横綱に昇進したのは輪島のみ』という事実である(旭富士は大学中退のため大卒ではない)。

大関で考えても豊山朝潮、出島、琴光喜そして現役の朝乃山、正代と決して多いとは言い難い(武双山雅山は中退)。

20回以上の優勝回数を誇る一時代を築いた横綱に目を向けると大鵬北の湖千代の富士貴乃花白鵬といわゆる『中卒叩き上げ』である(朝青龍のみ高卒)。

そして上記の横綱のほとんどが21~22歳で早々と横綱に昇進している。

大卒力士の中にはアマチュア横綱もしくは学生横綱のタイトルを獲得し、幕下付け出し初土俵を踏む力士も多い。

大学4年の時に獲得したらならば21~22歳であり、十分凄いことではあるのだが、上記のメンバーはその時既にプロの横綱に昇進しているということである。

千代の富士は26歳の昇進であり、上記メンバーの中では遅いように感じるかもしれないが、歴代の横綱昇進の平均年齢が26歳程度のため、特段遅いわけではない。

ちなみに現役力士で26歳といえば若隆景が該当する。
そして番付上横綱に最も近い大関に目を向けても貴景勝は25歳と若いが、朝乃山が27歳、照ノ富士、正代が29歳である。

これを考えると26歳での昇進は今ならかなり早いと言っても過言ではない。

では『大卒力士は大成しないのか?』と言われたら過去はそういった結果であることは否定できない。

じゃあ『中卒叩き上げが良いのか?』と言われたらそうとも言い難い。

現役の幕内力士で上位で活躍する中卒叩き上げは隆の勝、明生辺りが該当するが、年齢は隆の勝が26歳、明生が25歳と特段若いとも言い難い年齢である。

先日アメトーークで『大学お笑いサークル芸人』を放送しており、録画でこの放送を見たのだが『すぐにプロに行って結果を残す自信がないから大学でお笑いをやる』といった旨の話題が挙がっていた。

そして大学でタイトルを取り、自信を付けたところでプロの世界に入るというのである。

そしてここでプロ野球の話になり『いきなり清原みたいな活躍は難しい』という話題が挙がった。

野球の場合は中卒という概念はないため高卒であるが、近年プロ野球でも高卒でいきなり活躍するのは難しく、大卒の選手が活躍しているのである(もちろん例外も存在するが)。

言い換えるとどのスポーツの世界においても『プロとアマの力の差が縮まってきた』ということなのか。
それとも『プロのレベルが落ちてアマのレベルが向上したことによる差の縮まり』なのか。

これに関してはっきりしたことはわからないが、大相撲でも中卒叩き上げに拘る親方も多いだろうが、時代に合わせた指導方法が必要になってくるだろう。

確かに大卒の横綱は歴代で1人しかいない。
だからといって近年の中卒叩き上げ力士が活躍しているかと言われるとそうではない。

中卒の場合はまだ身体が出来上がっていないため、その中でどのように指導して身体を作りながら強くしていくのか。

大卒の場合はある程度身体も完成されており、相撲内容もほぼ確立されているため、どのようにして長所を伸ばし、短所を打ち消せるのか。

ただ単に『前に出ろ』というだけでは指導ではない。

鶴竜が引退し、白鵬も衰退してきている。
照ノ富士横綱に最も近いが、いつ身体が壊れてもおかしくない状況である。

その中時代を繋ぐために強い力士を誕生させるには今まで以上に親方の指導力が試されるだろう。

348. 照ノ富士の優勝は珍記録が多い?

昨日照ノ富士が優勝決定戦の末、4回目の優勝を果たして幕を閉じた夏場所

昨日も記載した通り、珍記録も含め様々な記録が生まれた優勝であった。

そして今回は2つの点について触れたいと思う。

まず1つ目だが、今回で4回目の優勝となったが、4回全て『東京場所』である。

これに関しては3回以上優勝を果たした力士で唯一の記録であり、そのため先場所優勝を果たした時点で照ノ富士はこの記録を達成(?)していた。

照ノ富士の優勝した場所は

①2015年夏場所

②2020年7月場所

③2021年春場所

④2021年夏場所

以上計4回だが、本来ならば②は名古屋、③は大阪開催だが、新型コロナウイルスの関係でここ1年は東京開催のため、このような珍記録が誕生した。

ちなみに照ノ富士とは真逆に合計3回以上の優勝で全て地方場所という力士は『小錦』が該当する。

小錦九州場所2回、春場所(大阪)1回である。

来場所は確定と言い切れないが、名古屋で開催する予定となっており、もし照ノ富士が綱取りを成功させるならば初めての地方場所制覇となる。

 

そして2つ目は『12勝優勝の回数及び割合』である。

上記4回の内、①③④は12勝による優勝である(③は13勝)。

実に照ノ富士の優勝の75%が12勝である。

過去に12勝による優勝が最も多い力士は千代の富士の4回であり、次いで武蔵丸照ノ富士の3回である(武蔵丸は11勝による優勝が1回あるため『12勝以下』という括りならば4回)。

千代の富士は合計31回の優勝を果たしており、武蔵丸は12回であるため、割合としてはやはり照ノ富士が圧倒的である(複数回優勝経験者のみで計算)。

2年程前にこちらで12勝の優勝に関して記載したことがあるが、12勝は低次元優勝と揶揄されることが多い。

そのため現状4回優勝を果たしていると言ってもケチをつける輩も少なからず存在するだろう。

また照ノ富士の場合、幕内での最高成績は13勝であるが、優勝に関しては12勝の方が縁がある結果となっている。

照ノ富士が12勝、13勝を挙げた場所は以下の通りである。

〇12勝

場所

優勝者

備考

2015年夏場所

照ノ富士

翌場所大関昇進

2015年秋場所

鶴竜(12勝3敗)

優勝決定戦敗戦

2017年夏場所

白鵬(15戦全勝)

 次点

2021年春場所

照ノ富士

 

2021年夏場所

照ノ富士

貴景勝と優勝決定戦

〇13勝

 

場所

優勝者

備考

2015年春場所

白鵬(14勝1敗)

次点。白鵬に勝利。

2017年春場所

稀勢の里(13勝2敗)

優勝決定戦敗戦

2020年7月場所

照ノ富士

 

以上のように12勝の方が優勝に縁がある結果となっている。

これに関しては場所の流れもあるから偶然と言えばそれまでなのだが、来場所は欲を言えば14勝以上の優勝を果たして綱取りを成功させてほしいところである。

今場所も圧倒的な強さを見せながら終盤戦に不運等も重なり、結局12勝止まりだった。

今後の照ノ富士の優勝に注目である。