きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

69. 12勝の優勝に関して

先日、令和初の本場所にて平幕 朝乃山が初優勝を果たし、幕を閉じた2019年夏場所

千秋楽は朝乃山よりもトランプ大統領が目立つ形となってしまったが、それに関しては特に触れないでおこう。

若手の朝乃山が優勝を果たしたことで、令和の幕開けとともに、大相撲界も新時代へと突入する予感を感じさせるものだったが、その一方で審判委員に対する不平不満も多く聞かれた。

そして朝乃山自身の優勝は喜ばしいが、上位対戦圏外にて12勝のいわゆる『低次元優勝』であり、これに関しては上位陣の不甲斐なさも目につく結果となった。

今回は『12勝による優勝』に関して色々振り返ってみようと思う。

また今回記載する記録は、年6場所制となった1958年以降のものである。

 

まず12勝にて優勝を果たした力士は以下の通りである。

年代 四股名 番付 備考   年代 四股名 番付 備考
1961夏 佐田の山 前頭13枚目 初優勝   1989名 千代の富士 横綱 決定戦
1961秋 大鵬 横綱 3人による決定戦   1994春 横綱 3人による決定戦
1965秋 柏戸 横綱 3人による決定戦   1995九 若乃花 大関 決定戦
1967九 佐田の山 横綱     1997春 貴乃花 横綱 4人による決定戦
1969名 清國 大関 初優勝&決定戦   1998初 武蔵丸 大関  
1972春 長谷川 関脇 初優勝   1998夏 若乃花 大関  
1972夏 輪島① 関脇 初優勝   1999秋 武蔵丸 横綱  
1973九 輪島② 横綱 12勝2敗1休   1999九 武蔵丸 横綱 同一力士による
連続12勝優勝
1974九 魁傑 小結 決定戦   2003春 千代大海 大関  
1975初 北の湖 横綱     2003名 魁皇 大関  
1975秋 貴ノ花 大関 決定戦   2007九 白鵬 横綱  
1981秋 琴風 関脇     2012夏 旭天鵬 前頭7枚目 初優勝&決定戦
1981九 千代の富士 横綱 決定戦   2015夏 照ノ富士 関脇 初優勝
1982名 千代の富士 横綱     2015秋 鶴竜 横綱 決定戦
1987初 千代の富士 横綱 決定戦   2019夏 朝乃山 前頭8枚目 初優勝
1987春 北勝海 横綱          

 

四股名の隣の数字は12勝優勝の回数。

 

左側が昭和の記録であり、右側が平成以降の記録である。

1958年以降、昭和は全186場所、平成以降今場所の令和初の本場所も含め全182場所とほぼ同じである。

『12勝優勝』は過去に全31回あり、昭和16回、平成以降15回である。

『初優勝が12勝』というケースは全7回あり、昭和4回、平成以降3回である。

そして『12勝による優勝決定戦』は全13回あり、昭和7回、平成以降6回である。

面白いことに約30年区切りで見た場合、上記の割合は『ほぼ同じ』となっている。

単純計算ならば、2年に1回は12勝の優勝であり、10年に1回は初優勝が12勝ということになる。

そして12勝優勝の4割近くが、優勝決定戦になる可能性を秘めている。

私が何度か記載している『低次元優勝』と揶揄したくなる背景はここにあるかもしれない。

優勝決定戦に縺れる展開ならば『今場所は星の潰し合いによる面白い場所だった』という認識に至る可能性も生まれてくるが、上位陣が取りこぼしを繰り返し、下位の力士に優勝を奪われるような展開だと、やや興ざめする傾向にあるかもしれない。

今場所は3大関出場しており、貴景勝は途中休場、残り2大関は9勝止まり。

一人横綱鶴竜は終盤失速して11勝。

そして栃ノ心-朝乃山の『疑惑の一番』。

結果論だが、この一番で栃ノ心が勝利していれば、鶴竜栃ノ心、朝乃山の巴戦になる可能性を秘めていた。

さすがに11勝の優勝は低次元過ぎて、それはそれで興ざめする可能性は高いが、それでも『22年ぶりの3人以上の決定戦』と考えた時、別の盛り上がりを見せた可能性はある。

こちらでも記載したが、朝乃山としては今後の活躍次第で今場所の優勝が輝きを増すと思われるので、来場所以降も奮闘していただきたい。

 

最後に12勝優勝に関する様々な記録を以下に記載する。

①複数回12勝優勝を果たした力士

千代の富士:4回

武蔵丸:3回

佐田の山・輪島:2回

 

②場所毎の12勝優勝回数

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場所毎の回数

③番付毎の12勝優勝回数

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番付毎の回数

最後に『同年の複数12勝優勝』は、上記表の通り

1961年・1972年・1975年・1981年・1987年・1998年・1999年・2003年・2015年

9回となっており、そのうち『2場所連続12勝優勝』は1972年・1999年の2回である。

ちなみに『3場所以上連続12勝以上』は過去に存在しない。

令和へ突入した大相撲。

果たして今後どのような優勝が見られるだろうか。