きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

303. 2021年春場所初日を勝手に語る

本日より初日を迎えた大相撲春場所

今場所も15日間好き勝手語っていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

さっそくだが休場明けの第一人者 白鵬の相撲から振り返ろう。
先場所の覇者 大栄翔相手であり、過去2回敗れている難敵であった。
立ち合いは右張り差しを選択。
これで大栄翔の当たりを止めることに成功し、得意の四つとは逆の左四つだったがそのまま一気に走って寄り倒した。
土俵際大栄翔も突き落としを見せてやや縺れたが、白鵬側から見ると悪くて同体という内容だった。
長期休場明けかつコロナウイルス感染症明けという未知なる境地である中、初日に難敵を退けたというのは収穫だろうが、やはり内容面を見ると磐石とは言い難いか。
短時間で決着をつけたいという思いから出足で圧倒したのだろうが、足があまり出ていない様子である。
まだ初日のため判断は難しいが、今後相撲内容を修正していく必要はあるだろうし、また体力面が課題となるか。
いずれにせよ上記の通りまずは難敵を退けたのが何よりだろう。

一方先場所の覇者 大栄翔はある程度張り差しで来ることは想定していただろうから、無策だったことがやや悔やまれる(もちろん無策ではないだろうが)。
切り替えて明日以降臨めるかどうか。
是が非でも今場所も二桁目指してほしいところである。

今場所の注目である照ノ富士は幸先の良い初日白星スタート。
得意の四つとは逆の左四つだが、当たりを止めてしまえば問題ないという考えを持っていただろう。
元より左四つでも下手を引けば守りの強さはかなりのものがあったため、押し相撲の北勝富士相手には十分な形とも言える。
とはいえ下手投げはやや強引だったか。
膝に負担をかけないためにも出来れば前に出て白星を掴みたいところだが、とりあえず初日白星というのが何よりか。
可能な限り強引な相撲を避け、序盤戦白星を積み重ねていきたいところである。

大関陣は三者三様の内容だった。

まず角番の貴景勝は、中学時代からのライバル阿武咲相手に完勝。
久々に貴景勝らしい迷いなき突き押しが炸裂した。
阿武咲に相撲を取らせることなく完勝した。
場所前に17kg減量し、急激な減量は如何なものかと思っていたが、前に出る圧力は変わらず健在のようである。
膝への負担も軽減できるだろうし、初日を見る限りでは功を奏している様子である。
明日は貴景勝にとって鬼門の2日目であるため、それを乗り越えて波に乗ることが出来るかどうか。

朝乃山はお得意様である宝富士相手に白星。
とはいえケンカ四つ相手に得意の右を差すことが出来ず、あまり中身のない内容であった。
初日に躓かなかったという点では良かったかもしれないが、立ち合いの修正は必要になってくるだろう。

正代は上位陣で唯一黒星を喫した。
相手が御嶽海であり、御嶽海の一発勝負の強さは『3大関以上』とも言えるため、番狂わせとも言い難い一番である。
立ち合いも御嶽海が先手を取り、その後正代にしては珍しく右四つ左上手という形になったが、腰高であり御嶽海に掬われてあっさり上手も切られてしまった。
その後左四つとなったが、土俵際であり御嶽海に上手も引かれていたため手遅れであった。
やはり立ち合いの踏み込みで先手を取ることが出来なかった後の対応が課題であると言える。
初日早々躓いてしまったが、何とか修正していきたいところである。

一方御嶽海はもはや大関に勝利したところで良い意味で何も感じないのだが、取りこぼしを無くして優勝争いという面でも顔を覗かせてほしいところだが、この力士にはどうも期待できない。

関脇隆の勝は相撲巧者の若隆景を下して初日白星スタート。
とはいえ立ち合いはやはりやや立ち遅れているか。
取り直し前も取り直し後の一番も立ち合いは踏み込み負けしており、その後圧力で勝利するという流れである。
足腰に安定感はあるようだが、出足から圧倒するためには立ち合いを修正していきたいところである。

一方私が注目している若隆景は、休場明けであるが立ち合いの踏み込み良く、その後の動きも良い様子である。
実力者揃いの上位戦で大負けする可能性も高いが、相撲技術は非常に高いため、いかんなく発揮していただきたいところである。

高安ー明生もお互いの良さを発揮した一番だったが、高安側からするとややもったいない黒星となったか。
得意の左四つに組み、上手も引き、さらには上手の位置も浅い位置に持ち変えたが、引き付けが甘く逆転の掛け投げを許した。
昔からの問題点である腰高も原因だが、もう少し引き付けてから寄りたいところだった。

一方明生は久々に上位圏内に番付を戻し、身体は動けている様子である。
右前ミツを狙う相撲にも取り組んでいるようであり、相撲の幅が広がるようならば面白い存在になるだろう。

明日の注目の割は
貴景勝ー大栄翔』
『朝乃山ー高安』
照ノ富士ー若隆景』
この3番である。

本日の相撲を見ると貴景勝の相撲は良く見えたが、明日は大関昇進以降4勝4敗と成績の悪い『鬼門の2日目』である。
さらに相手は実力者大栄翔であるためどうなるか。
とにもかくにも安易な引き、いなしを見せずに立ち合いから先手を取ることが重要だろう。

大栄翔としても連敗スタートは避けたいところであるため、きっかけを掴みたいところである。

朝乃山ー高安だが、ケンカ四つの両者であるが、朝乃山から見ると本日のような立ち合いでは差し負ける可能性が高い。
高安の当たりを止めて、得意の右四つに組めるかどうか。
また高安は右四つでも上手を取れば力を発揮するため、自分十分相手不十分の形で相撲を取っていきたいところである。

大関昇進を懸ける照ノ富士は相撲巧者である若隆景が相手であり、中に入られ強引な相撲を取る可能性も高い。
相手に合わせて小さくまとまり過ぎるのも良くないが、強引過ぎるも避けたいところであり難しい相手とも言える。
しっかり捕まえることが出来るかどうか。

まだ初日のため何とも言い難いが、上位陣では貴景勝照ノ富士の動きは良さそうである。

百戦錬磨の白鵬は場所の中で調整するのがうまいため、白星を積み重ねていけばエンジンもかかってくるだろうがはてさて。

302. 2021年大相撲春場所展望

大相撲春場所が明日から初日を迎える。

『荒れる春場所』もしくは『荒れる大阪場所』と呼ばれることの多い春場所だが、今場所は東京開催であるためそれがどうなるか。

しかもここ6年は全て横綱が優勝しているため、荒れるとは言い難い結果となっている。

さてその両横綱だが、鶴竜はまさかの休場。

情報を聞く限りでは春場所に向けて精力的に稽古を積んでいた様子であり、今場所こそは進退を懸けて出場してくると思っていたのだが、足を負傷したとのことである。

横綱として歴代最多の休場数を更新しており、昨年11月に注意の決議を受けていたが、それでも休場という選択肢を選んだ。

夏場所に進退を懸けるのかそれとも場所後に動きがあるのか。

おそらく前者になると思うが、正直もう擁護は出来ない。

私個人としてはもう引退届けを提出しても構わないと思っている。

第一人者 白鵬コロナウイルス感染症明けであり、いくら百戦錬磨の白鵬いえど未知なる境地である。

技術面、経験値においては今さら語るまでもないが、体力面でどのように影響するか。

今場所で幕内在位100場所という強さだけではなく、鉄人という記録においても上位の記録を樹立しているが、近年は休場も続いており、年齢による衰えは隠せない部分も多い。

それに追い討ちをかけるようにコロナウイルス感染症明けという状態であるため、白鵬いえど一筋縄ではいかないだろう。

初日の相手も先場所の覇者 大栄翔である。

過去2回敗れているだけに相手にとって不足はないだろう。

白鵬は場所の中で相撲内容を修正していき、徐々にエンジンをかけていくため、出場すれば何だかんだ結果を残す力士だがはてさて。

そして今場所最大の焦点となるのが大関復帰をかける照ノ富士だろう。

10勝以上ならば呼び声がかかると思うが、この力士の場合心配な面は実力面ではなく、膝への負担である。

一発勝負ならばもはや現役ナンバーワンと言っても過言ではない程の実力者だが、15日間それが続けられるかというとそうではない。

2場所前も13勝を挙げたが、その時も連敗しており、さらに相撲内容が崩れていた。

ここ2場所は終盤戦に強さを見せているとはいえ、出来れば前半戦で白星を稼いでおきたいところである。

とにかく引っ張り込んで肩越しの上手を狙ったり、両腕を極めるような強引な相撲だけは避けたいところである。

是非とも大関復帰を果たしてほしいところである。

大関陣に目を向けると角番貴景勝が17kg減量したとの情報を耳にした。

私は以前から過度な増量により膝に負担がかかるし、俊敏性を失ったと記載していた。

そのため減量自体は良いことだと思っているが、だからといっていきなり17kgの減量は如何なものだろうか。

急激な減量により少なからず筋量も減少しているだろうし、前に出る圧力にも影響を及ぼすのではないだろうか。

先場所貴景勝自身が痛感したと思うが、押し相撲は少しでも歯車が崩れると脆いのものがある。

身体の変化がどのように影響を及ぼすのか注目である。

正代は先場所終盤まで優勝争いに加わり存在感をみせたが、相撲内容は運も味方した展開が多かった。

まだ大関としての経験値は少ないため、序盤戦自分の相撲を取りきって流れを掴んでいくことが重要だろう。

また立ち合いからの圧力は十分だが、当たりを止められた後の対応が鍵となるだろう。

朝乃山は良くも悪くも10勝前後で落ち着く印象が強い。

現役の横綱大関で唯一13勝以上の白星を挙げたことが無いため、爆発力に欠けている。

何度も記載しているが、上手の取り方を工夫しない限り、上の番付は見えてこないだろう。

今場所は白鵬も出場するし、白鵬戦、照ノ富士戦で真価が問われるだろう。

関脇3場所目となる隆の勝は以前記載したが、新三役かつ新関脇で2場所連続勝ち越しを果たし、この条件を満たした力士は全員大関以上に昇進しているため注目である。

ここ1年で右差し速攻の型が板についており、地力もかなりつけてきているが、もったいない負け方も多い印象を受ける。

立ち合いから速攻でいきたいのが理想だろうが、どうも立ち合い踏み込むのが遅いように見受けられるため、立ち合いの踏み込みが重要になってくるだろう。

先場所の覇者 大栄翔は今場所も番付運悪く小結に留まったが、今場所も二桁勝つことが出来れば大関昇進への挑戦権を得ることができるだろう。

先場所は立ち合いの踏み込み、圧力が凄まじく、突っ張りの腕も左右しっかり伸びて相手に力を伝えていたが、今場所もそれが出来るかどうか。

初日の白鵬戦は楽しみな一番である。

貴景勝のところにも記載したが、ちょっとした違いで調子を崩すのが押し相撲であるため、序盤戦で流れを掴みたいところである。

今場所の三役以上は実力者揃いであり、勝ち越すのも一苦労ではないだろうか。

その中でも白鵬照ノ富士が頭ひとつ抜け出す形となると思うがはてさて。

優勝候補本命は照ノ富士
次点で白鵬
伏兵に隆の勝という予想でもしておこう。

私個人としては上位に戻ってきた明生、休場明けの若隆景の2名を注目しているがはてさて。

今場所もコロナウイルスの脅威と隣り合わせであるが、無事に15日間開催されることを切に願っている。

301. 連続全休明けの横綱

あと4日で初日を迎える大相撲春場所

最大の焦点は照ノ富士大関取りとなるだろうが、長期休場明けの両横綱にも注目が集まるだろう。

白鵬鶴竜ともに4場所連続休場であるが、『連続全休』という考え方ならば『3場所連続』である。

長期休場で真っ先に思い浮かぶ横綱稀勢の里というファンも多いと思う。

その稀勢の里は歴代最多『8場所連続休場』という不名誉な記録を保持しているが、連続全休という考え方ならば『3場所連続』が最大である。

大鵬北の湖といった最強横綱と呼び声の高い昭和を代表する2名も5場所連続休場、6場所連続休場という記録があるが、これも連続全休という考え方ならば3場所連続が最大である。

そこで今回、3場所以上連続全休を経験した横綱について以下の表でまとめた。

四股名

連続全休した場所

休場明け成績

休場明け後の在位場所数/優勝回数

休場時年齢

朝潮

昭和34年名古屋~

昭和34年九州

(3場所連続)

11勝4敗

13場所/1回

29歳~30歳

大鵬

昭和43年春~

昭和43年名古屋

(3場所連続)

14勝1敗(優勝)

17場所/6回

27歳~28歳

北の湖

昭和58年春~

昭和58年名古屋

(3場所連続)

4勝1敗10休

9場所/1回

29歳~30歳

北勝海

昭和63年名古屋~

昭和63年九州

(3場所連続)

14勝1敗(優勝)

21場所/5回

25歳

大乃国

平成2年春~

平成2年秋

(4場所連続)

10勝5敗

5場所/0回

27歳

平成10年九州~

平成11年春

(3場所連続)

11勝4敗

11場所/2回

29歳

貴乃花

平成13年名古屋~

平成14年名古屋

(7場所連続)

12勝3敗

3場所/0回

28歳~29歳

武蔵丸

平成15年初~

平成15年夏

(3場所連続)

2勝3敗10休

3場所/0回

31歳~32歳

稀勢の里

平成30年春~

平成30年名古屋

(3場所連続)

10勝5敗

3場所/0回

31歳~32歳

※休場明け後の在位数は引退場所及び番付上記載された場所数も含む

 

過去最多となる連続全休は貴乃花の7場所連続である。

そして4場所以上はこの貴乃花大乃国しか存在しない。

晩年の横綱は長期休場という印象が強いが、それは『途中休場を挟む』場合が多いということである。

年齢に目を向けると、30代に突入するとやはり晩年ということもあり、そのまま引退に直結する事が大半である。

逆に北勝海のように25歳という若さであれば、その後3年半ほど在位し、さらには5回優勝も果たしている(とはいえ北勝海は引退の年齢が28歳と他の横綱と比較してもかなり若いが)。

圧巻なのが大鵬である。

すでに3場所連続全休の時点で優勝回数は26回を数えていたが、全休後復活優勝を果たし、さらにそのまま3連覇を達成している。

少し特殊なのが曙であり、全休期間である平成11年初場所には引退届を提出する程の覚悟を持っていたが、平成12年名古屋場所で19場所ぶりの優勝を果たし、その2場所後にも優勝を果たし、年間76勝と年間最多勝も受賞し、完全復活を果たした。

それにも関わらずそのまま土俵に上がることなく引退を表明した。

表を見てもわかるように、すでに35歳である両横綱白鵬に至っては明日で36歳である)にはかなり厳しい状況だろう。

出場すれば何だかんだ結果を残す白鵬だが、連覇で考えるとかれこれ平成29年夏場所名古屋場所と4年遠ざかっている。

むしろ連覇という概念ならば鶴竜の方が最近である(平成30年春場所夏場所とそれでも3年前だが)。

厳しい状況であるのは本人がよくわかっているだろう。

まだ若手の壁として立ちはだかることが出来るかどうか。

はてさて…

300. 3小結の番付編成

早いもので大相撲春場所初日まで1週間を切っている。

各力士の情報はネットニュースで何となく目を通しているのだが、両横綱も出場する様子であり、順当にいけば久々の上位陣休場無しで初日を迎えられそうである。

場所の展望に関しては後日記載するとして、今回の題は『3小結』に関してである。

今場所は高安、御嶽海、大栄翔の3小結という番付編成である。

4小結は令和元年九州場所にみられたが、3小結となると平成12年夏場所以来実に21年ぶりの出来事である。

4小結となった令和元年九州場所では、平成18年九州場所以来13年ぶりの4小結であったため、それよりも遠ざかっていた3小結である。

年6場所制となった昭和33年以降、3小結は今回で『42回目』である。

昭和33年初場所から令和3年春場所まで全378場所であり、割合にすると11%程度となる。

回数にしろ割合にしろ思ったよりも多く感じたというのが正直なところである。

以下に過去の41回を表でまとめた。

年代

四股名(成績)

昭和33年初場所

清水川(7勝8敗)、玉乃海(5勝10敗)、若前田(8勝7敗)

昭和33年春場所

若前田(10勝5敗)、北の洋(6勝9敗)、時錦(4勝11敗)

昭和33年九州場所

時津山(10勝5敗)、玉乃海(8勝7敗)、大晃(4勝11敗)

昭和34年初場所

安念山(4勝11敗)、北の洋(7勝8敗)、若前田(10勝5敗)

昭和34年春場所

若羽黒(10勝5敗)、若秩父(2勝13敗)、栃光(9勝6敗)

昭和34年名古屋場所

北葉山(8勝7敗)、若羽黒(11勝4敗)、潮錦(3勝12敗)

昭和34年九州場所

柏戸(8勝7敗)、出羽錦(9勝6敗)、鶴ヶ嶺(2勝13敗)

昭和35年初場所

柏戸(9勝6敗)、玉乃海(4勝11敗)、若ノ海(8勝7敗)

昭和35年春場所

若ノ海(6勝9敗)、冨士錦(7勝8敗)、栃光(8勝7敗)

昭和35年九州場所

若三杉(9勝6敗)、岩風(10勝5敗)、小城ノ花(7勝8敗)

昭和36年夏場所

冨士錦(7勝8敗)、青ノ里(3勝12敗)、若三杉(7勝8敗)

昭和36年名古屋場所

栃ノ海(11勝4敗)、羽黒花(9勝6敗)、栃光(10勝5敗)

昭和37年春場所

若三杉(6勝9敗)、栃光(10勝5敗)、青ノ里(5勝10敗)

昭和40年九州場所

長谷川(7勝8敗)、琴櫻(10勝5敗)、明武谷(9勝6敗)

昭和42年初場所

清國(3勝12敗)、麒麟児(9勝6敗)、富士錦(6勝9敗)

昭和43年名古屋場所

栃東(5勝10敗)、海乃山(6勝9敗)、前の山(8勝7敗)

昭和43年秋場所

陸奥嵐(4勝11敗)、前の山(9勝6敗)、若二瀬(8勝7敗)

昭和47年初場所

輪島(10勝5敗)、黒姫山(5勝10敗)、高見山(6勝9敗)

昭和47年夏場所

貴ノ花(11勝4敗)、福の花(6勝9敗)、魁傑(11勝4敗)

昭和47年秋場所

豊山(5勝10敗)、前の山(5勝10敗)、富士櫻(4勝11敗)

昭和49年初場所

富士櫻(9勝6敗)、魁傑(11勝4敗)、黒姫山(8勝7敗)

昭和51年初場所

高見山(9勝6敗)、若三杉(4勝11敗)、富士櫻(3勝12敗)

昭和51年夏場所

若三杉(7勝8敗)、北瀬海(10勝5敗)、高見山(8勝7敗)

昭和52年初場所

黒姫山(8勝7敗)、鷲羽山(6勝9敗)、高見山(5勝10敗)

昭和56年九州場所

北天佑(6勝9敗)、巨砲(7勝8敗)、朝汐(12勝3敗)

平成3年秋場所

安芸ノ島(9勝6敗)、曙(7勝8敗)、琴富士(4勝11敗)

平成3年九州場所

栃乃和歌(10勝5敗)、琴錦(12勝3敗)、若花田(7勝8敗)

平成4年春場所

栃乃和歌(12勝3敗)、若花田(0勝10敗5休)、水戸泉(8勝7敗)

平成4年秋場所

三杉里(5勝10敗)、貴花田(14勝1敗)、旭道山(8勝7敗)

平成4年九州場所

琴錦(13勝2敗)、旭道山(4勝11敗)、貴闘力(5勝10敗)

平成5年春場所

若花田(14勝1敗)、若翔洋(10勝5敗)、琴錦(5勝10敗)

平成6年名古屋場所

魁皇(5勝10敗)、寺尾(4勝11敗)、貴闘力(10勝5敗)

平成7年秋場所

琴の若(4勝11敗)、剣晃(6勝9敗)、琴錦(10勝5敗)

平成8年名古屋場所

旭豊(7勝8敗)、貴闘力(10勝5敗)、大翔鵬(2勝13敗)

平成8年秋場所

武双山(7勝8敗)、琴の若(4勝11敗)、琴錦(10勝5敗)

平成9年名古屋場所

小城錦(4勝11敗)、魁皇(全休)、栃東(9勝6敗)

平成9年秋場所

武双山(0勝3敗12休)、魁皇(3勝8敗4休)、栃東(9勝6敗)

平成10年九州場所

武双山(9勝6敗)、出島(9勝6敗)、琴乃若(10勝5敗)

平成11年初場所

出島(8勝7敗)、栃東(9勝6敗)、琴錦(6勝9敗)

平成11年九州場所

武双山(10勝5敗)、安芸乃島(3勝12敗)、土佐ノ海(10勝5敗)

平成12年夏場所

土佐ノ海(9勝6敗)、魁皇(14勝1敗)、貴闘力(2勝13敗)

四股名は当時の四股名

 

この表を見てもわかるように、昭和33年~昭和37年までは大半が3小結による編成である。

またこの時代は2小結である方が珍しいくらいであり、4名在位することも多かった。

それ以降徐々に2小結であることが増加してきたが、時々3小結になることが見受けられるレベルとなっていった。

言い換えると、前頭筆頭もしくは3枚目辺りの8勝・9勝による勝ち越しは基本小結へ昇進させる傾向が強かった。

それと同時に関脇で7勝の力士は小結へ陥落するため、結果として『関脇で7勝した力士』『小結で8勝した力士』『前頭筆頭で8勝した力士』というような形で3小結になるというケースが大半だった。

また前頭5枚目、6枚目辺りで二桁を挙げた場合も小結へ昇進させる傾向が強かった。

この場合、3名ないし4名となるケースが多かった。

さらに付け加えると、優勝ボーナスによる昇進もほぼ決まりであったとも言える。

前頭下位で優勝を果たした琴富士、琴錦貴闘力は皆小結へ昇進している(そして結果的に皆3小結となっている)。

特に貴闘力は前頭14枚目で13勝であり、単純計算ならば11枚上昇の3枚目付近が妥当であるが、一気に小結まで昇進している。

しかもこの場所は土佐ノ海魁皇の両小結が勝ち越しを決めているのにも関わらずである。

しかしこの平成12年夏場所以降は3小結にすることはなくなり、平成24年名古屋場所旭天鵬の番付を見てもわかるように、優勝ボーナスもあまり加味されなくなった(旭天鵬夏場所前頭7枚目で12勝による優勝を果たしたが名古屋場所は前頭筆頭)。

その中、平成4年春場所の番付編成が当時としては思い切ったことを行っていると言える。

上記の通り平成4年春場所の3小結は栃乃和歌、若花田、水戸泉であるが、この前の場所である初場所の三役から前頭上位の成績は以下の通りである。

琴錦(7勝8敗)

関脇

 貴闘力(7勝8敗)

栃乃和歌(8勝7敗)

小結

曙(13勝2敗)

水戸泉(8勝7敗)

前頭筆頭

若花田(10勝5敗)

貴花田(14勝1敗)

前頭2枚目

大翔山(5勝10敗)

武蔵丸(9勝6敗)

前頭3枚目

両国(5勝10敗)


まず関脇は曙、貴花田で確定だろうが、小結が非常に悩ましいところである。これを見ると現在の考え方でも非常に悩ましい成績となっている。

小結で勝ち越しを決めている栃乃和歌は確定、若花田も前頭筆頭で10勝ならば昇進させなければおかしいレベルである。

そして問題は両関脇である。

本来ならば両者7勝のため小結に留まることのできる成績だが、結果的に琴錦は東前頭筆頭、貴闘力は東前頭2枚目まで降下した。

西前頭筆頭が武蔵丸となったが、琴錦貴闘力で1枚差をつけたのは疑問である。

おそらく現在ならば水戸泉は貧乏くじを引く形となるだろうが、琴錦貴闘力も同様に小結に留まるのは難しいと判断される可能性は高かっただろう。

その場合琴錦貴闘力武蔵丸の位置が気になるところである。

 

さて表を見てもわかるように、過去3小結全員が勝ち越した場所は昭和36年名古屋場所、昭和49年初場所、平成10年九州場所のわずか『3回』に留まる。

また全員が二桁勝利というケースは一度も存在しない。

今場所は高安、御嶽海、大栄翔と実力者が揃っており、全員勝ち越しにおいては十分可能であると考えられる。

余談だが、3小結時代に優勝を果たした小結は貴花田、若花田、魁皇であり、奇しくも『花の63年組』の3名である。

ここに曙が加われば完璧だったが。

話が逸れたが、久々の3小結の場所。

何かしらの波乱が起きるかどうか注目である。

 

ちなみにまた余談だが、本日で300投稿と区切りが良いが、何かと『3』に縁のある投稿になったのは本当に偶然である。

299. 大栄翔に恨みでもあるの?

昨日3月1日は大相撲春場所の番付発表の日だった。

昨日は目を通すことが出来ず、本日目を通したのだが、驚きを隠せない結果だった。

先場所の覇者 大栄翔がまさかの小結止まりだった。

3小結となったわけだが、小結の中でも最下位であった。

はっきり言って大栄翔に何か恨みでもあるのではないかと疑いたくなるような編成である。

昨年九州場所にて前頭2枚目で10勝を挙げながら翌場所筆頭止まりだったことも不運であるが、それ以上に散々な結果である。

前頭筆頭で13勝を挙げ、さらには優勝まで果たしながら1枚上昇とは本当に考えられない。

以前こちらでも大栄翔の大関取りについて記載したが、これで仮に春場所で11勝以上の成績を挙げても大関昇進は不可能だろう。

万が一可能性があるとすれば、平成3年九州場所琴錦のように『連覇をすれば大関昇進』という条件はあるかもしれないが、これに関しては非現実的である(仮に連覇を果たしたとしても絶対条件ではない)。

関脇と小結はいわゆる『三役』という括りで同列に扱われることもあり、さらには給与面にも差はない。

しかし大関昇進を考えたとき、昇進を懸ける場所となれば必ず関脇に在位していなければならない。

年6場所制以前ならば過去に3名(大錦、武藏山、前田山)小結から大関へ昇進しており、上記の琴錦も結果的に連覇を果たせず昇進を逃したがチャンスはあった。

とはいえ現行の制度ならば厳しいと言わざるを得ない。

不運という言葉だけで片付けてはいけないレベルの問題だと考えている。

関脇に昇進させない理由など何かあるのだろうか?

どうせ尋ねてもあいまいな返答かつ『番付は生き物』という言葉で逃げるのだろう。

本当に不可解で腹立たしい番付発表だった。

298. 初優勝から2回目の優勝までの間隔

2月も残すところあとわずかである。

1ヶ月程投稿を疎かにしていたため、久しぶりに投稿しようと思う。

題名通りなのだが、現役力士の優勝経験のある力士は『11名』である。

これは歴代最多タイ記録であるが、複数回優勝経験のある力士に絞ると『白鵬鶴竜貴景勝照ノ富士、御嶽海』の5名である。

ちなみに最高位関脇以下の2回の優勝は琴錦と現役の御嶽海の2名である(関脇以下の番付で2回以上の優勝は魁傑、貴花田照ノ富士も挙げられる)。

そして今回気になったのが、初優勝から2回目の優勝までの期間が横綱昇進に影響を及ぼすのかというところである。

まず年6場所15日制となった昭和33年以降、横綱へ昇進した力士のデータは以下の通りである。

四股名

2回目の優勝までの期間

初優勝年齢

2回目優勝年齢

若乃花(初代)

7場所

28歳

29歳

朝潮

4場所

26歳

27歳

柏戸

16場所※

22歳

24歳

大鵬

4場所

20歳

21歳

栃ノ海

9場所

24歳

25歳

佐田の山

5場所

23歳

24歳

玉の海

8場所

24歳

25歳

北の富士

16場所

24歳

27歳

琴櫻

4場所

27歳

28歳

輪島

6場所

24歳

25歳

北の湖

2場所

20歳

21歳

若乃花(2代目)

9場所

24歳

25歳

三重ノ海

24場所※

27歳

31歳

千代の富士

3場所

25歳

26歳

隆の里

5場所

29歳

30歳

双羽黒

優勝なし

 

 

北勝海

6場所

22歳

23歳

大乃国

5場所※

24歳

25歳

旭富士

14場所

27歳

29歳

3場所

23歳

23歳

貴乃花

4場所

19歳

20歳

若乃花(3代目)

16場所

22歳

24歳

武蔵丸

14場所

23歳

25歳

朝青龍

1場所

22歳

22歳

白鵬

5場所

21歳

22歳

日馬富士

12場所

25歳

27歳

鶴竜

9場所※

28歳

30歳

稀勢の里

1場所※

30歳

30歳

(平均)

7.85場所

24.19歳

25.48歳

※は2回目の優勝を果たす前に横綱へ昇進した力士

また『満年齢』で計算しており、双羽黒は除いて計算している。

ばらつきあれどこのような結果であり、次に最高位大関で2回以上優勝を果たした力士のデータは以下の通りである。

四股名

2回目の優勝までの期間

初優勝年齢

2回目優勝年齢

貴ノ花

3場所

25歳

25歳

魁傑

11場所

26歳

28歳

琴風

8場所

24歳

25歳

若嶋津

2場所

27歳

27歳

北天佑

13場所

22歳

25歳

小錦

12場所

25歳

27歳

貴ノ浪

11場所

24歳

26歳

千代大海

21場所

22歳

26歳

魁皇

5場所

28歳

29歳

栃東

11場所

25歳

27歳

照ノ富士

30場所

23歳

28歳

貴景勝

12場所

22歳

24歳

(平均)

11.58場所

24.42歳

26.42歳

まず複数回優勝している最高位大関は12名にまで絞られる。

これも数値にばらつきは生じるが、やはりすべての項目において横綱へ昇進した力士と比較し劣っている。

まず優勝の間隔に関してだが、横綱へ昇進した力士は7.85場所。

柏戸三重ノ海大乃国鶴竜稀勢の里が2回目の優勝を果たす前に横綱へ昇進しており、さらには三重ノ海横綱へ昇進した力士の中では最長間隔である。

今回は以上5名の力士も含めて計算を行っているが、それでも最高位大関と比較すると平均では勝る結果となっている。

一方大関に目を向けると、大関の平均で考えた場合、全ての項目で平均以上の結果を残しているのが『貴ノ浪』である。

また『初代貴ノ花』『琴風』においては、横綱昇進力士の平均と比較しても遜色ないほどの成績である。

以上3名に言えることは『2場所連続における爆発力に欠けていた』というところか。

貴ノ浪は平成8年に12勝以上3場所(内1場所14勝で優勝)、二桁場所5場所の年間69勝と大関としては高水準であったが、2場所連続優勝には届かなかった。

次点場所が2場所連続はあったが、優勝した翌場所に次点成績を残すことが出来なかった(当時は横綱昇進のためには連覇がほぼ絶対条件だったためどちらにせよ厳しかったと思うが)。

貴ノ花は昭和50年に2回の優勝を果たしているが、その他の場所が優勝とは程遠い成績だったため横綱昇進には届かなかった。

琴風は安定して二桁勝利を果たす力量はあったが、次点以上の成績を継続する力量がなかったため横綱昇進には届かなかった。

若嶋津魁皇辺りは爆発力も申し分なかったが、2場所以上連続して爆発力を継続させるのが難しかったか。

とはいえ若嶋津大関3場所目からの成績が『13→11→13→11→11→14(優)→9→15(優)』と横綱レベルの成績を残しているが、やはり初の綱取り場所である9勝の場所がネックだった(ちなみに昭和59年は若嶋津が71勝で年間最多勝を樹立しているが、この成績は最高位大関の中では歴代最多記録である)。

ここで12勝の次点成績辺りならば、当時の基準ならば横綱昇進も十分可能だっただろう。

魁皇は平成13年に2回の優勝を果たしているが、綱取り場所はいずれも途中休場。

そして平成16年は6場所全て二桁勝利、年間69勝、優勝→次点の成績を挙げたが、惜しくも横綱昇進はならなかった。

ちなみにこのときの魁皇の年齢は32歳であり円熟期だったかもしれないが、20代の時には同世代に若貴、曙、武蔵丸貴ノ浪が存在していたため、それに泣かされる形となった。

やはり年齢も大きく関与しており、若嶋津魁皇は初優勝時の年齢も比較的高齢だったため、それが影響する形となったか。

さて前置きが長くなったが、現役力士に目を向けるとどうだろうか。

まず貴景勝だが、年齢の面でみると歴代横綱とも遜色のない結果である。

しかし優勝間隔という点では最高位大関で見ても平均以下である。

大関の優勝を久々に果たしたが、初の綱取り場所では屈辱的な結果となってしまった。

歴代でも押し相撲一本で成功した力士は少なく、この先どこまで通用するのか楽しみなところである。

1場所の爆発力はあっても2場所以上の爆発力というのが難しいところである。

そして照ノ富士だが、この力士に関しては過去のデータは全く持って参考にならないだろう。

初優勝時の年齢は良いとして、その後は怪我で番付を大きく下降させたため、正直ここまで戻ってきたこと自体が奇跡に近いものがある。

現在29歳であり、年齢的には厳しい立場にあるかもしれないが、現役力士では実力的に両横綱と引けを取らないため、十分に期待を持てるだろう。

ちなみに残りの現役大関である朝乃山、正代だが、それぞれ初優勝時の年齢は25歳、28歳と平均以下であるが、この先どのような結果を残すかどうか。

まずは両者ともに大関としての初優勝を目指してほしいところである。

色々話が二転三転してしまっているが、近年初優勝力士が多く誕生しているが、そこから複数回優勝及び横綱昇進と考えると中々難しい問題である。

現状今年中の横綱昇進は考えづらいがはてさて…

297. 20年ぶりの3連覇

初場所が千秋楽を迎え、退屈な日々を送っている数日だが、徐々に相撲を観ない生活にも慣れはじめてくる頃でもある。

先日大栄翔の優勝により幕を閉じた初場所だが、これで昨年初場所から6場所連続で異なる力士の優勝が続いている。

ちなみに歴代最高は平成2年九州場所~平成4年初場所までの『8場所連続』である(千代の富士、霧島、北勝海旭富士、琴富士、琴錦小錦貴花田)。

そして今回の大栄翔の優勝によって約20年ぶりの記録も誕生した。

それは『日本出身力士の3連覇』である。

昨年秋場所の正代から貴景勝、大栄翔と3連覇である。

ちなみに20年前は平成13年夏場所から秋場所にかけて貴乃花魁皇琴光喜であった。

また先場所時点で日本出身力士の連覇を達成したわけだが、これも異なる力士での連覇となれば上記の魁皇琴光喜以来であった(同一力士の連覇は平成29年初・春の稀勢の里)。

さらに余談だが、異なる力士の日本出身力士の連続優勝は『6場所連続』が最多である。

それは上記の平成2年九州場所~平成3年秋場所までの力士達である。

だからどうしたと言われたらそれまでの記録であるが、白鵬の休場が続いている中では日本出身力士の優勝も珍しいものではなくなったということである。

白鵬が出場すると白鵬が結果を残し、また白鵬が皆勤して優勝を逃した場合、同じ横綱鶴竜が優勝を果たしている。

最後に白鵬が皆勤した中で日本出身力士の優勝は平成29年初場所稀勢の里が最後である。

ちなみに白鵬横綱に昇進して以降、白鵬が皆勤した中で日本出身力士の優勝は稀勢の里琴奨菊の2名だけである。

貴景勝、御嶽海が2回の優勝を果たしていても、この4場所白鵬は皆勤していない。

来場所はおそらく白鵬も出場してくるだろうが、そろそろ引導を渡してほしいところである(決して白鵬の負けを願っているわけではないが)。