あと4日で初日を迎える大相撲春場所。
最大の焦点は照ノ富士の大関取りとなるだろうが、長期休場明けの両横綱にも注目が集まるだろう。
白鵬、鶴竜ともに4場所連続休場であるが、『連続全休』という考え方ならば『3場所連続』である。
長期休場で真っ先に思い浮かぶ横綱が稀勢の里というファンも多いと思う。
その稀勢の里は歴代最多『8場所連続休場』という不名誉な記録を保持しているが、連続全休という考え方ならば『3場所連続』が最大である。
大鵬、北の湖といった最強横綱と呼び声の高い昭和を代表する2名も5場所連続休場、6場所連続休場という記録があるが、これも連続全休という考え方ならば3場所連続が最大である。
そこで今回、3場所以上連続全休を経験した横綱について以下の表でまとめた。
連続全休した場所 |
休場明け成績 |
休場明け後の在位場所数/優勝回数 |
休場時年齢 |
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昭和34年名古屋~ 昭和34年九州 (3場所連続) |
11勝4敗 |
13場所/1回 |
29歳~30歳 |
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昭和43年春~ 昭和43年名古屋 (3場所連続) |
14勝1敗(優勝) |
17場所/6回 |
27歳~28歳 |
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昭和58年春~ 昭和58年名古屋 (3場所連続) |
4勝1敗10休 |
9場所/1回 |
29歳~30歳 |
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昭和63年名古屋~ 昭和63年九州 (3場所連続) |
14勝1敗(優勝) |
21場所/5回 |
25歳 |
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平成2年春~ 平成2年秋 (4場所連続) |
10勝5敗 |
5場所/0回 |
27歳 |
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曙 |
平成10年九州~ 平成11年春 (3場所連続) |
11勝4敗 |
11場所/2回 |
29歳 |
平成13年名古屋~ 平成14年名古屋 (7場所連続) |
12勝3敗 |
3場所/0回 |
28歳~29歳 |
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平成15年初~ 平成15年夏 (3場所連続) |
2勝3敗10休 |
3場所/0回 |
31歳~32歳 |
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平成30年春~ 平成30年名古屋 (3場所連続) |
10勝5敗 |
3場所/0回 |
31歳~32歳 |
※休場明け後の在位数は引退場所及び番付上記載された場所数も含む
過去最多となる連続全休は貴乃花の7場所連続である。
晩年の横綱は長期休場という印象が強いが、それは『途中休場を挟む』場合が多いということである。
年齢に目を向けると、30代に突入するとやはり晩年ということもあり、そのまま引退に直結する事が大半である。
逆に北勝海のように25歳という若さであれば、その後3年半ほど在位し、さらには5回優勝も果たしている(とはいえ北勝海は引退の年齢が28歳と他の横綱と比較してもかなり若いが)。
圧巻なのが大鵬である。
すでに3場所連続全休の時点で優勝回数は26回を数えていたが、全休後復活優勝を果たし、さらにそのまま3連覇を達成している。
少し特殊なのが曙であり、全休期間である平成11年初場所には引退届を提出する程の覚悟を持っていたが、平成12年名古屋場所で19場所ぶりの優勝を果たし、その2場所後にも優勝を果たし、年間76勝と年間最多勝も受賞し、完全復活を果たした。
それにも関わらずそのまま土俵に上がることなく引退を表明した。
表を見てもわかるように、すでに35歳である両横綱(白鵬に至っては明日で36歳である)にはかなり厳しい状況だろう。
出場すれば何だかんだ結果を残す白鵬だが、連覇で考えるとかれこれ平成29年夏場所、名古屋場所と4年遠ざかっている。
むしろ連覇という概念ならば鶴竜の方が最近である(平成30年春場所、夏場所とそれでも3年前だが)。
厳しい状況であるのは本人がよくわかっているだろう。
まだ若手の壁として立ちはだかることが出来るかどうか。
はてさて…