きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

180. 2020年春場所10日目を勝手に語る

全く予想していなかったまさかの展開だった。

阿武咲が白鵬を破るという大波乱が起きた。

番付順にいけば今場所白鵬が対戦する力士の中で最下位の相手に敗れた。

叩きに落ちず、白鵬に引かせた。

これに尽きるのではないだろうか。

阿武咲には悪いが、正直立ち合い張り差しで止められて、あっさり叩きに落ちるという展開を予想していた。

まず白鵬は立ち合い右かちあげを選択した。

しかしその右かちあげを阿武咲は左おっつけで弾いて、白鵬の上体を起こすことに成功した。

そしてその後叩かれても良く残し、逆に阿武咲がいなし、最後は白鵬が引いたところを一気に前へ出た。

久しぶりの横綱戦で大金星を挙げた。

何と言っても2年半前までは、ライバルの貴景勝よりも先に大関候補と呼ばれていた力士である。

2年前に怪我をして、比較的早く幕内に戻ってきたが、前に出る圧力は影を潜め、さらには叩きに全くついていけずばったり手を付く場面も多く見受けられた。

今場所はその中でも比較的良い方だったが、昨日徳勝龍に敗れる辺り、まだまだ復活には程遠いと感じさせ、さらに言えばもう復活することなく終えるのではないかとも思っていた。

そう感じていた中、久しぶりに阿武咲が輝きを見せた一番となった。

この一番をきっかけに化けることが出来るかどうか。

阿武咲にとって真価を問われる終盤戦になりそうである。

一方、全勝が止まった白鵬だが、それこそ最初の叩きで決められるだろうという甘い考えがあったのではないだろうか。

叩きを残されてからばたつき、さらには鶴竜がよく見せる悪手の決まらない叩きを見せてしまった。

6日目辺りから相撲に厳しさが出てきただけに、予想もできない内容による敗戦だった。

それにしても白鵬が負けても誰一人声を発しないことは本当に不思議な光景である。

中盤戦が終了したが、改めて無観客開催だということを思い知らされた。

もう一人の横綱鶴竜は磐石な内容で勝ち越しを決めた。

立ち合い踏み込み良く、廻しを引くのも早く、その後の攻めも早かった。

相撲に厳しさが出てきており、さらには白鵬との星の差も1つになったため、自力優勝が可能となった。

千秋楽白鵬戦を前に星を落とさずいけるかどうか。

大関取りの朝乃山が先場所不覚を取った炎鵬相手に、怖がらず冷静に突き放していき圧倒した。

立ち合いで中に入られかけたが、うまく突き放してしっかり正面に置いて圧力をかけることが勝因だった。

明日、明後日と平幕戦が続き、その後白鵬鶴竜貴景勝という流れだろう。

何としても平幕戦は落とさず横綱戦を迎えたいところ。

御嶽海も遠藤を寄せ付けず勝ち越しを決めた。

遠藤の右張り差しに構わず前に出て、馬力、圧力で圧倒した。

土俵際もおっつけの巧さが光っていた。

御嶽海の終盤戦は皆平幕相手である。

碧山との割も組まれるだろうが、上位圏内にいる力士の意地を見せてほしいところ。

昨日も記載したが、貴景勝の相撲内容が崩壊している。

二の矢攻めがなく、腰が伸びきった状態で攻めているため、回り込まれてしまう。

勝ち越しすら危うい状況になってきたが、出場する以上大関としての責任を果たしてほしいところ。

横綱戦で一矢報いるかどうか。

明日の注目の取り組みは
白鵬北勝富士
この一番である。

正直7連敗で本日負け越しを喫したため、望み薄ではあるのだが、白鵬にとって北勝富士は楽な相手じゃない。

対戦成績以上に北勝富士に苦戦している印象を受ける。

白鵬は昨年初場所に10連勝の後3連敗を喫している。

本日敗れたことにより、白鵬の心中はどうかといったところである。

北勝富士としては負け越して気落ちしているだろうが、横綱戦ということで切り替えて臨めるかどうか。

展開次第では『まさか』が起こる可能性も秘めている。

百戦錬磨の白鵬のため、1敗くらい大したことはないとも言えるが、上記の通り近年の白鵬においては不安要素も多い。

明日から終盤戦へ突入する。
荒れる大阪場所。
まだ波乱は訪れるのか…

179. 2020年春場所9日目を勝手に語る

昨日失望した2名は、うまく気持ちを切り替えることができたのか、両者ともに良い内容で白星。

まず大関取りの朝乃山は、このところ連敗している正代相手に右を差し勝つ事ができた。

立ち合いの踏み込みも悪くなく、右を差し勝ち、最後突き落としで振られたが、上手も引いていたため多少余裕があった様子だった。

細かいことを言えば、攻める際やや腰高な点であるが、期待しているからこそ完璧を求め、粗探しをしてしまうのかもしれない。

連敗しなかったことが何よりか。

横綱戦を前に2敗を喫しているが、正代、遠藤、大栄翔といった苦手力士を下しているため、今場所は収穫もある。

だからこそ昨日の黒星が悔やまれるが、切り替えて臨むしかない。

横綱戦まで星を落とさずにいきたいところ。

2日連続横綱に手も足も出なかった御嶽海は、初日~6日目の相撲を彷彿とさせる内容で学生時代からのライバル北勝富士を下して連敗を止めた。

相手が横綱のため連敗が勿体ないという言葉の使い方は誤っているかもしれないが、やはり昨日の相撲は悔やまれる。

しかし朝乃山同様、切り替えていくしかないだろう。

横綱はともに白星。

白鵬は竜電相手に組むことが出来なかったが、とったりで崩し、冷静に対処して全勝キープ。

6日目当たりからエンジンがかかってきており、ちょっとやそっとじゃ止められそうにない状況になってきた。

さすがは百戦錬磨、場所中に流れを作るのがうまい力士である。

鶴竜は阿炎に攻められたが、先手を取っていた分余裕があった。

鶴竜の相撲も厳しさを増してきている。

白鵬とは星の差が2つになっているが、千秋楽に対戦するのは確定しているため、腐らず付いていきたいところ。

一人大関貴景勝が精彩を欠き4敗目。

本日も大振りの張り手をみせるなど、とにかく我慢が足りない。

脇も甘いし、相撲が崩壊しつつある。

独特な間合いから我慢して下から何度も押し上げる、タイミングの良い突き落とし、いなしが持ち味だが、上記の通り我慢が足りないため、突き落としも効果を成さない。

貴景勝としては試練の後半戦になりそうである。

平幕の2名が1敗を守った。

まず隆の勝だが、2場所ほど前から相撲内容に変化が見られ、右差し速攻が魅力になってきている。

今場所も持ち味を存分に発揮できている。

最近の傾向からすると、優勝争いに顔を覗かせていても余程の事がない限り割を崩すことはないため、それをうまいこと利用して大勝出来るかどうか。

それはもう一人の1敗碧山にも言えることである。

3年前に13勝を果たしたときも大きな割崩しはなく、千秋楽に小結と対戦するくらいだった。

この力士は下位ならば大勝する可能性を秘めているため、白鵬の展開次第ではチャンスがあるかもしれない。

まぁとりあえず『インチキ優勝』さえなければどうでもいいと言えばどうでもいい。

両者ともに狙うは三賞だろう。

明日の注目の取り組みは
『朝乃山ー炎鵬』
『遠藤ー御嶽海』
この2番である。

朝乃山は大関昇進のためにも、これ以上取りこぼしは出来ないが、先場所敗れている相手である。

正直炎鵬に負けるようでは場所後大関昇進の話題も終焉を迎えると思う。

炎鵬を馬鹿にしているわけではないが、星の挙がっていない小兵力士に敗れるというのはそれだけ印象を悪くしてしまうだろう。

朝乃山としては考えすぎないことだ。

炎鵬戦攻略の参考としては、今場所で言えば正代と遠藤だろう。

正代のように思い切って大きな相撲を取るか、遠藤のように常に正面へ置いて圧力をかけることだ。

とにかく恐れないことだ。

御嶽海は合い口が良いとも悪いとも言えない遠藤である。

とにかく前ミツを引かれないことだ。

立ち合いで当たり勝って馬力で圧倒することが一番だろう。

現状トップの白鵬を星の差1つで追っている力士が2名いるとはいえ、平幕2名に期待するのは酷である。

やはり星の差が2つあるとはいえ、期待されるのは鶴竜、朝乃山、御嶽海だろう。

その内御嶽海は直接対決を終えてしまったため、やはり朝乃山に期待を寄せてしまう。

何とか横綱戦まで白星を積み重ねてほしいところ。

明日で中盤戦も終了する。

どのような形で終盤戦へ突入するのか。

178. 2020年春場所中日を勝手に語る

思わず『あっ!ばか!』と声を発してしまった。

何を隠そう朝乃山に対してである。

学生時代からのライバルである豊山相手に痛すぎる黒星となった。

立ち合いの踏み込みは悪くなく、右を差せないながらも圧力をかけ、さらには右から崩して攻めてもいた。

しかしその後押し合いの中でまさかの叩く動きを見せた。

そして細かいことを言えばやはり左の使い方も甘かった。

何度か記載しているが、朝乃山は左前ミツを狙う立ち合いがなく、本日も立ち合いから抱え込みにいく展開だった。

初黒星を喫した2日前とは比べ物にならないほど、本日の一番は最悪である。

初黒星を喫した御嶽海戦は『相手が素晴らしすぎた』の一言で済む内容であり、問題は連敗せずに切り替えられるかどうかだった。

そして昨日気持ちを切り替え、苦手の遠藤を下した。

その中迎えた本日、学生時代ライバルだったとはいえ、ここ1年で大きな差を付けている相手に最悪の相撲で黒星を喫してしまった。

これで中日を終えて6勝2敗。
目安の12勝を考えたとき、横綱戦2つを残して6勝1敗ペースは中々難しい条件である。

内容次第では11勝でも昇進という声も上がっているが、最低でも横綱1人からは白星をもぎ取らなければ、そのような意見も消えるのではないだろうか。

とにもかくにもこれ以上同格相手に負けるわけにはいかず、さらには横綱戦勝利も絶対条件と言っても過言でない程、状況は悪化したということである。

そして精神面も気になるところである。

何度も記載しているが、豊山とはライバル関係だったとはいえ、この1年で自身の方が上だという自覚も少しはあっただろうが、それを打ち砕く結果となってしまった。

とにかく切り替えていくしかない。

雑な面が出始めているが、何とか修正していくしかない。

先場所も中盤戦連敗があったため、朝乃山としては真価を問われることになるだろう。

もう一人真価を問われていた力士が御嶽海であったが、鶴竜のぶちかましに為す術なく敗れ去った。

こちらも最悪である。

確かに鶴竜の当たりは厳しかったが、それにしても一方的すぎる。

これが15日間総合して力を発揮できない御嶽海の弱さである。

この連敗は横綱相手のため、単純に考えれば仕方ないかもしれない。

しかし内容が最悪のため、失望してしまうのである。

完璧な6日間がこの2日間で全て台無しとなるレベルである。

本日1日だけで朝乃山、御嶽海への失望がものすごいレベルに達している。

他に書きたいことがなくなってしまった。

とりあえず明日の取り組みに目を向けると
『朝乃山ー正代』
やはりこの一番になるか。

朝乃山は切り替えて臨めるかどうか。

正代も3連敗中は内容が崩壊しつつあったが、本日は完璧な相撲だった。

しかもここ2場所朝乃山は正代に連敗している。

両者は基本的にケンカ四つであるが、正代は右四つでも攻めることが出来るため、朝乃山としては左上手が重要になってくる。

そもそも朝乃山は右を差し勝つことが出来るかどうか。

やはり左前ミツ狙いが重要ではないだろうか。

数場所前からその立ち合いも出来る力量を身に付けてきているため、無理難題ではないと思うがはてさて。

明日より後半戦に突入する。
朝乃山にとって試練の後半戦が始まる。

177. 2020年春場所7日目を勝手に語る

全勝同士の注目の取り組みである『白鵬ー御嶽海』。

この一番で今場所の優勝が決まってしまうといっても過言でない取り組みは、第一人者 白鵬が圧倒した。

御嶽海がここまで完璧な相撲を取っていようとも、最強の前に通用しなかった。

白鵬は立ち合い左張り差しを選択した。

しかし御嶽海もそれは想定内のため、張り差し自体はそこまで効果を成していなかった。

それでも白鵬得意の左上手が早く、それで勝負が決してしまった。

上記の通り、今場所の御嶽海は完璧だった。

現に昨日大関候補筆頭の朝乃山を圧倒した。

止められるのは白鵬しかいなかった。
そして白鵬が止める形となった。

昨日から白鵬の相撲を見ると、完全波に乗った様子である。

そして好調御嶽海を下したことで、半分以上残された今場所も最早決まってしまったような感じである。

それを止める可能性を秘めているのが大関取りの朝乃山である。

昨日御嶽海に完敗した中で迎えた苦手遠藤戦。

立ち合いの踏み込み良く、右も差し勝ったが、遠藤がすぐに左を巻きかえてきた。

朝乃山としては大相撲における定石通り、巻きかえてきたところ前に出て、その後小手投げで潰した。

磐石な内容とは言い難いが、負けた翌日苦手に勝利して連敗しなかったことが何よりだろう。

休場者なく番付通りいけば白鵬とは13日目に対戦するだろうが、そこまで1敗を守れるかどうか。

大関昇進のためにも優勝争いを盛り上げるためにも白鵬戦まで白星を積み重ねてほしいところ。

鶴竜は炎鵬を相手にせず連敗を免れた。

正直炎鵬に負けるようでは引退の二文字が現実味を帯びていただろうが、それは阻止した。

貴景勝は徳勝龍相手に先場所の雪辱を果たした。

押し上げてからの突き落としという貴景勝の勝ちパターンの1つであるが、負けた徳勝龍が脆すぎた。

横綱戦が素晴らしかっただけに、何か物足りない取り組みとなってしまった。

とにもかくにも貴景勝は今場所初の連勝となった。

優勝争いからは早くも脱落しているが、白鵬戦は残されているため、集中力は切らさないで相撲を取ってほしいところ。

関脇の正代が気掛かりである。
内容が崩壊しつつある。

ここ数場所で積み上げてきた積極的な相撲がこの3日間全く見られない。

とにかく連敗を止めて、流れを取り戻してほしいところ。

明日の注目の取り組みは
鶴竜ー御嶽海』
『朝乃山ー豊山
この2番である。

鶴竜としては、横綱として前半戦で3敗目を喫するわけにはいかない。

御嶽海としては、ここで連敗するようでは結局『15日間総合すると御嶽海は弱い』というレッテルを貼られてしまう。

確かに番付で言えば横綱と平幕ではあるが、連敗するというのはそれだけ悪い印象を与えてしまうということだ。

完敗した翌日に再び自分の相撲を取り戻せるかどうか。

御嶽海としては真価を問われる日になるだろう。

両者ともに立ち合いが重要だろう。

鶴竜としては当たり前のことだが、絶対に悪手を見せてはいけない。

御嶽海としては当たり負けせず、下から攻めることが出来るかどうか。

朝乃山ー豊山は学生時代からのライバル関係であるが、ここ1年で大きく差は生じている。

そして朝乃山としてはこんなところで躓くわけにいかない。

むしろこの1年の差を見せ付ける内容で白星を掴みたいところ。

早くも優勝は決まった感じであるが、まだ明日は中日である。

荒れる大阪場所。
波乱を期待したいところである。

176. 2020年春場所6日目を勝手に語る

両者にとって重要な一番であり、今場所を占う意味でも重要な一番である『朝乃山ー御嶽海』は御嶽海が自分の相撲を取り切って完勝した。

私は昨日『8:2で御嶽海有利』という旨の記載をしたが、それほどの差が生じた内容と言える。

御嶽海としては左を差し勝っただけでなく、立ち合いの低さ、当たってからの圧力、全てにおいて朝乃山を上回っていた。

朝乃山得意の左上手を許したが、引き付けは甘く不十分であり、さらには自分十分のもろ差しになったことで万全だった。

昨日も記載したが、強いときの御嶽海は本当に強い。

強さと弱さが混在しているため、期待をかけることが難しいのだが、明日の取り組みは否が応でも期待してしまう。

一方朝乃山は完敗だった。

上記の通り、左上手も引き付けは甘く不十分だった。

差し負けただけでなく、圧力負けもしていたし、やはりこの一番をみると右差し狙いよりも左前ミツ狙いの方が良いと感じる。

もちろんこの一番だけで決まるものではないのだが、今後さらなる高みを目指す上では必要になってくるのではないだろうか。

いずれにしても今場所の初黒星である。
気持ちの切り替えが重要である。

横綱に明暗が分かれた。

先場所の覇者 徳勝龍が鶴竜を下し、今場所の初白星&初金星を獲得した。

今場所は2~3勝と予想していたが、まさか初白星が横綱からになるとは思いもしなかった。

吸い込むように得意の左四つに組み、鶴竜に上手を許したが1枚だったため、うまく下手投げで体を入れ替えて寄り切った。

ただの勝利ではなく、自分十分、さらには相手の下手を切る技術まで披露するという完璧な相撲だった。

先場所の優勝は決してフロックじゃないという証明にもなったのではないだろうか。

とはいえここから崩れて予想通りの成績で終了する可能性もある。

この一番をきっかけに是非予想を裏切ってほしいところ。

一方、鶴竜は立ち合いの失敗だろう。

踏み込み甘く、あっさりと左四つを許してしまった。

頭をつける形ならば良かったが、胸を合わせては苦しかった。

昨日素晴らしい内容で勝利しただけに痛すぎる黒星である。

白鵬豊山を問題にせず6連勝とした。

立ち合い左張り差しを選択したが、張り差し云々よりも立ち合い踏み込みのスピードが違いすぎる。

この一番をきっかけに白鵬の厳しさが増してくるように感じた。

貴景勝は得意の小兵力士相手ということもあってか、冷静に対処して寄せ付けず、連敗を止めた。

ここ数日、立ち合いの当たりも強さを感じなかったが、炎鵬相手ならば立ち合いの当たりは関係ないため、ある意味では安心できる相手とも言える。

今場所はまだ連勝がないため、何とか連勝して流れを掴みたいところ。

関脇の正代は腰が伸びきる悪い癖が顔を覗かせてきたのか、防戦一方で連敗。

先場所までの積極的な相撲を思い出してほしいところである。

逆に言えば対戦相手の大栄翔が自分の相撲を貫き3連勝。

一番をきっかけに相撲内容に変化が見られる辺りが、大相撲の面白いところとも言える。

妙義龍、玉鷲松鳳山栃ノ心栃煌山といった上位で活躍していた力士が、上位圏外で苦戦している。

全員の共通点として『軽い』『脆い』といったところか。

白鵬の天下は変わらずとも、その他ベテラン勢は世代交代の波が押し寄せているということか。

何とか奮起してほしい。

明日の注目の取り組みは
白鵬ー御嶽海』
『朝乃山ー遠藤』
この2番である。

白鵬ー御嶽海は、中盤戦にして早くも『勝った方が優勝』という雰囲気すら醸し出している。

私個人としては『白鵬が勝てば白鵬の優勝』『御嶽海が勝てば一歩リード』という考えである。

それだけ重要な一番が7日目にして組まれた。

御嶽海としてはとにかく立ち合いだろう。

ここ数場所の傾向からすれば、右から張ってくる事が多いが、うまく対応してもろ差しを果たせるかどうか。

またもろ差しになっても、両上手を引き付けられては動けなくなってしまう。

御嶽海が勝つにはもろ差しがハズ押しだろう。

強いときの御嶽海は誰にも負けないくらいの力を発揮する。

引き出しの多い最強横綱相手にそれが明日も見られるかどうか注目である。

大関取りの朝乃山は完敗した翌日に苦手と割が組まれた。

このところ遠藤には3連敗中であり、いずれもケンカ四つ相手に差し負けている。

ただでさえ差し身の巧い力士であり、ここ数日遠藤の立ち合いが厳しくなってきている。

朝乃山にとっては不安材料しか揃っていないが、大関昇進のために連敗は避けたいところである。

本日の敗戦は忘れて切り替えられるかどうか。

まだ場所は前半戦だが、早くも場所が大きく動くことになりそうである。

はてさて…

175. 大関昇進場所の序盤無傷に関して

大相撲春場所も序盤戦5日間を終了し、注目の大関取りである朝乃山が5連勝とした。

本日は不戦勝であったが、ここまで4日間は危なげなく自分の相撲を取り切った上で連勝を積み重ねているため、結果・内容ともに良好と言える。

そこで今回は、大関昇進を懸ける場所において、初日から5連勝した力士の記録を振り返ろうと思う。

また以前にも大関昇進場所に関しての記載があるため、こちらも参照していただけると幸いである。

 

まず年6場所制となった1958年以降、大関へ昇進した力士は61名存在する(魁傑が2回昇進しているため62回)。

その内序盤戦無傷の5連勝とした力士は30名である。

その30名は以下の通りである。

四股名 序盤 中盤 終盤 最終成績
琴ヶ濱 5 5 3 13
大鵬 5 3 5 13
佐田の山 5 5 3 13
栃光 5 3 5 13
豊山 5 5 3 13
清國 5 3 4 12
前の山 5 4 4 13
大麒麟 5 4 3 12
輪島 5 3 5 13
北の湖 5 5 4 14
三重ノ海 5 3 5 13
千代の富士 5 5 4 14
若嶋津 5 4 3 12
朝潮 5 4 3 12
北天佑 5 5 4 14
双羽黒 5 4 3 12
北勝海 5 3 4 12
小錦 5 2 5 12
貴乃花 5 3 3 11
若乃花3 5 4 4 13
千代大海 5 4 4 13
栃東 5 4 3 12
朝青龍 5 4 3 12
白鵬 5 5 3 13
琴光喜 5 5 3 13
把瑠都 5 5 4 14
琴奨菊 5 4 3 12
鶴竜 5 4 4 13
高安 5 3 3 11
栃ノ心 5 5 3 13

※赤字は優勝力士

最終成績を見ると、優勝を果たした力士が6名。

今場所の朝乃山は、1つの目安である『3場所33勝』を考えた場合、12勝以上が求められることになるだろうが、大関昇進場所で初日から5連勝とした力士は30名中28名が12勝以上を果たしているため、朝乃山にとってはうれしいデータと言える。

そして朝乃山と同じように、序盤戦で不戦勝を得ながら5連勝とした力士も存在する。

それは清國であり、5日目に不戦勝とし、連勝は7まで伸びて最終的に12勝を果たした。

朝乃山として良いデータの塊であるが、あくまで過去は過去であり、この先上位戦も続くため、一瞬足りとも油断できない。

明日の御嶽海戦は今場所を占う意味でもかなり重要な一番であるし、とにかく連敗だけは避けたいところである。

12勝は簡単な数字でない。

如何せん朝乃山は優勝した場所を除けば12勝以上を果たした場所は無いため、換言すると『上位総当りの地位で12勝以上がない』ということである。

展開によっては11勝での昇進もあるだろうが、文句なしの昇進にするためには12勝はほしいところである。

大関へ昇進するために壁を越えられるか。

中盤戦以降も朝乃山に注目である。

174. 2020年春場所5日目を勝手に語る

無観客開催の春場所も序盤5日間終了。

まず本日注目の取り組みである『貴景勝ー御嶽海』は、御嶽海が貴景勝を全く相手にせず序盤無傷とした。

立ち合い踏み込み良く、貴景勝の当たりに全く下がることなく、密着する形から攻めて完勝だった。

強いときの御嶽海は誰にも負けないくらいの力を発揮してくる。

これが続けば横綱が皆勤していようが、優勝を果たしてもおかしくないレベルなのだが、如何せん突如崩れることが多いため、大きな期待をかけることが出来ないというのが心情である。

全勝で突っ走るのが理想だが、それも難しいことであるため、この力士の場合黒星を喫したあとが課題となってくるのではないだろうか。

いずれにせよ今場所の御嶽海は期待を寄せたくなってしまう程ここまで完璧である。

一方、貴景勝が全く相撲になっていない。

立ち合いの当たりも強さを感じない。

押し相撲は歯車が狂うと苦労することが多いが、まさにその展開となっている。

序盤戦黒星先行で終え、優勝争いからは早くも脱落したと言っても過言でないが、大関として意地を見せてほしいところ。

朝乃山が高安の休場により不戦勝として序盤無傷。

この不戦勝が良い意味で休息になるか、それとも流れを悪くしてしまうものになるのか。

中盤戦以降も注目である。

一方、休場した高安だが、怪我を完治させてからの復帰を望みたいが、年齢も若いとは言えないため、精神面の低下も影響してくるのではないだろうか。

現在、照ノ富士大関から序二段まで陥落し、その後着々と番付を上昇させているが、照ノ富士が長期休場を決断したときはまだ25歳と若かった。

兄弟子の稀勢の里が無理をした結果、力士生命を短くしたため、高安もとにかく万全な状態で戻ってきてほしい。

土俵に話を戻すと、両横綱がともに白星。

白鵬は先場所の覇者 徳勝龍に少し手を焼いたが、序盤無傷とした。

徳勝龍得意の左四つとはいえ、白鵬は左四つでも十分相撲を取ることが出来るため、慌てることはなかっただろう。

徳勝龍としては、上手を引くもしくはおっつけるなどして白鵬の差し手を殺すことが出来たら面白かっただろうが、左を差して少し前に圧力をかけるのが精一杯だった。

徳勝龍は序盤戦全敗と言えど、私の想像以上に相撲は取れているように感じる。

ここまでの対戦相手は皆三役以上であるため、同格の平幕から白星を挙げることが重要だろう。

鶴竜豊山の突っ張りを意に介さず、圧力勝ちした。

5日間総合すれば白鵬よりも相撲内容は良く感じるため、このまま悪手をみせずに白星を積み重ねていきたいところ。

関脇の正代が遠藤に敗れ2敗目。

立ち合い踏み込んで一気に攻めていったが、遠藤にもろ差しを許していたため、さすがに強引過ぎた。

ここ数場所もろ差しに拘らず攻める姿勢が素晴らしいが、さすがに本日は強引過ぎた。

今場所も比較的好調であるため、連敗は避けたいところ。

明日の注目の取り組みは
『朝乃山ー御嶽海』
この一番に尽きるだろう。

現在最も大関に近い力士と2場所前まで最も大関に近かった力士が全勝で対決する。

朝乃山としては大関へ昇進するためには負けられない相手であり、御嶽海としては大関候補筆頭の座を奪われた相手に負けられない。

先場所は御嶽海が立ち合い当たり勝ったがその後引いてしまい、朝乃山が逆襲する展開だった。

今場所の相撲内容を考えると、私個人としては8:2で御嶽海が有利だと思っている。

立ち合いは五分だとしても、その後の押し合いで御嶽海が下から攻めていき、もろ差しになって攻め勝つのではないかと考えている。

朝乃山としては下がる展開になってもとにかく我慢することだろう。

安易に引っ張り込みにいっては今場所の御嶽海の思う壺である。

どちらがこの一番をモノにするのか。

優勝争いを考えもかなり重要な一番になるだろう。

明日から中盤戦へ突入するが、中盤戦開幕から楽しみな取り組みである。

はてさて…