きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

55. 2019年夏場所4日目を勝手に語る

貴景勝ー御嶽海』
ここ1~2年の大相撲における注目の割である。

ここ数場所は御嶽海の右差しを許す展開で、貴景勝が5連敗を喫していた。

その対策が出来ていない限り、同じ過ちを繰り返すことになるが、本日は左おっつけにより御嶽海の右を封じた。

そしてその後もろ差しになって攻め立てた。

正直貴景勝がもろ差しになっても相撲が取れるのか疑問だったが、御嶽海を攻めきるだけの力量は持ち合わせていた。

まだ武器と呼べるには程遠いかもしれないが、貴景勝にとっては『引き出しの中身が増えた』一番とも言える。

だからこそ取り組み後の怪我が気掛かりである。

無理に出場して悪化させるのだけは避けてほしい。
早めの決断が必要である。

全勝の横綱 鶴竜は遠藤を冷静に捌いた。

立ち合い踏み込んでいるからこそ叩きも決まり、その叩きも呼び込むような叩きではないため大事には至らなかった。

豪栄道は勝手知ったる琴奨菊相手にもろ差し狙いの立ち合いを選択した。

もろ差しは果たせなかったが、左は覗く程度に留め、自身は右前ミツを引いて十分な形となったため磐石である。

根は右四つだが、結局この力士は『廻しを取れば強い』ため右前ミツでも十分である。

高安は左差しに拘らず、立ち合い当たって終始突っ張り攻めきった。

私は常々高安に対して、左四つの精度を磨けば安定すると記載してきた。

今場所は左を差そうとするだけで、そもそも左四つに組むことすらなかった。

まずは立ち合いしっかり当たり、流れの中で左四つに組む工夫が必要になるだろう。

ただ左差しに拘るだけならば、晩年の稀勢の里の二の舞になってしまう。

大関復帰を狙う栃ノ心は、因縁の相手とも呼べる玉鷲相手に慌てず雑になることもなく、しっかり組止めて白星を掴んだ。

今場所は雑になることなく、しっかり立ち合い当たって攻める気持ちが全面に出ている。

昨日幕内中位~下位で調子が良さそうな力士として挙げた竜電、朝乃山は明暗が分かれた。

竜電は合い口の問題か、正代相手に良いところなく敗れた。

いつものしぶとさも見られなかったため残念であった。

朝乃山は昨日までと同様、厳しい攻めを見せて連勝を伸ばした。

明日の注目は
栃ノ心北勝富士
この一番である。

栃ノ心としてはここ数場所苦杯をなめている相手であり、北勝富士のしつこいおっつけに対して我慢して相撲を取ることが出来るかどうか。

この4日間の相撲内容ならば、我慢して圧力をかけつつ組止めることも可能だと思うがはてさて。

そして貴景勝の怪我の具合はどうだろうか。

54. 2019年夏場所3日目を勝手に語る

大相撲夏場所も3日目を終了し、各力士の調子が少しずつ把握できてくる頃とも言える。

その中、3大関が全滅。

注目の新大関 貴景勝は、昨日も記載した通り、今場所初となる同じ『押し相撲』相手であった。

この一番に関しては、北勝富士が本当に巧く取った一番である。

左右の手(特に右)で巧くあてがって、低い貴景勝のさらに下から攻める素晴らしい内容だった。

この2日間、北勝富士に覇気が感じられなかったため心配したが、この一番をきっかけに上向きになる可能性は十分にある。

豪栄道は遠藤相手に張り差しで墓穴を掘った。

先場所から何度も指摘しているが『張り差しを多用し過ぎ』である。

先場所遠藤戦は張り差しで圧倒した。

研究している力士ならば翌場所に対応してもおかしくはない。

ましてや相撲巧者の遠藤ならば尚更だ。

豪栄道としてはこの一番をきっかけに安易な張り差しを考えてほしいところ。

高安は御嶽海相手に腰高で良いところなく敗れた。

御嶽海としても考えた一番と言える。

いつもの御嶽海ならば、高安の左を警戒し、おっつけて左を封じ、食い下がる形を取るが、今場所は突き放して主導権を握り白星に繋げた。

早くも上位陣で唯一の全勝鶴竜琴奨菊相手に辛勝だった。

右で抱え込まれて左四つに組んだら危ないと昨日記載したが、その通りの内容になった。

それでも何とか右上手を引いていたことが命綱であった。

危ない相撲をモノにし、大関陣は早くも全勝が消えたため、まだ場所が始まったばかりとは言え、鶴竜にとっては追い風となっている。

大関復帰を狙う栃ノ心は、得意の右四つとは逆の四つであったが、引き付けの強さと攻める気持ちはしっかり出ている。

このまま白星を積み重ねていきたいところ。

幕内中位~下位で調子が良さそうな力士は竜電、朝乃山か。

元々竜電は我慢強くしぶとい相撲を取る力士であるが、今場所は攻めの早さ、厳しさが光る。

前頭5枚目のため、成績次第では後半に上位戦が組まれる可能性もある。

そして朝乃山は得意の右四つに拘らず攻める意識を見せており、またその攻めも厳しさが光る。

この力士の場合『ツラ相撲』の傾向があるため、如何にしてこの内容のまま相撲を取り続けることが出来るかどうか。

逆にここまで期待外れが『逸ノ城』である。

先場所は腰が重く、圧力を伝えておいての叩きがうまく決まっていたが、今場所は圧力をかける前に引いているため墓穴を掘っている。

先場所の14勝をフロックにしないためにも、巻き返しを図ってほしいところ。

明日の注目は
貴景勝ー御嶽海』
この一番だろう。

貴景勝としては苦手の一人である御嶽海戦である。

貴景勝は直近で5連敗中だが、御嶽海の『右差し対策』が出来ているかどうか。

御嶽海としてはここ数場所、貴景勝の左からのいなしを待っており、そこから右を差して攻めることが多い。

貴景勝としては本日敗れ、気持ちを切り替え、苦手相手にぶつかることが出来るかどうか。

注目の取り組みが序盤戦で早くも組まれた。
はてさてどうなるか。

53. 2019年夏場所2日目を勝手に語る

横綱大関安泰。

まず1人横綱鶴竜だが、完璧の一言である。

北勝富士相手に突っ張り合いにでもなれば、悪手が顔を覗かせる可能性もあったが、立ち合いの踏み込み、圧力全てが完璧だった。

初日に苦手を降し、2日目もしぶとい相手だったが難なく対処し、最高のスタートを切ったと言える。

明日の相手は琴奨菊である。
この2日間の立ち合いをすれば問題ないだろうが、立ち合い負けして左四つの形を許す展開になれば苦戦を強いるだろう。

明日もこの立ち合いを見せることが出来るかどうか。

豪栄道は一回り大きい碧山相手に胸を合わされたが、右四つに組んだ時点で一安心だろう。

呼び込むような投げになってしまったが冷静に対処した。

合い口の問題もあるだろうが、余計なことをせず、左前ミツに徹することが一番だろう。

昨日敗れた高安は、本日も腰高で不安定だが、昨日より攻める気持ちは見られた。

本日の遠藤戦は相手がパワー不足のため、前捌きの巧さに注意すれば比較的やりやすい相手だろうが、明日の御嶽海戦は要注意である。

腰高は修正不可能だろうが、食い付かれた時如何に我慢できるかどうか。

今場所注目の新大関 貴景勝琴奨菊に相撲を取らせずうまく対処した。

正直私は本日貴景勝が敗れる可能性を危惧していた。

琴奨菊は右から抱え込んで一気に攻め込むため、小さい相手にはかなりの強さを見せている。

それは大関陥落以降も随所に見せている。

ハズ押しで攻めてくる相手にも、右から抱え込んで左四つに組む巧さを持っている。

その展開で墓穴を掘り、もろ差しを許す展開も多いが、貴景勝はもろ差しから相撲を取るタイプではないため、仮にもろ差しを許しても極めて攻めてくるため、貴景勝としてはやりにくい相手だと考えていた。

そして本日の取り組み。
貴景勝は左ハズ押しで攻め込み、琴奨菊が狙い通り右から抱え込もうとした瞬間、貴景勝がうまくいなして形を作った。

本来の押し相撲とは異なる独特な間合いに加え、瞬時の反応がその他大勢の押し相撲力士と比較して優れているため、大関昇進にまで至ったのだろう。

本日の貴景勝の反応の早さは圧巻だった。

もう一人の注目力士栃ノ心大関復帰に向け、最高の内容であった。

立ち合い踏み込む→廻しが取れなくても下から圧力をかける→右四つに組むといった理想的な流れである。

このまま平幕相手には星を落とさず、上位戦に挑みたいところだろう。

明日の注目は
鶴竜琴奨菊
貴景勝北勝富士
この2番である。

上記の通り、鶴竜としては油断ならない相手である。
とにかく立ち合いに集中しなければならない。

貴景勝は比較的合い口の良い相手だが、今場所初となる同じ『押し相撲』相手である。

ここでも自分の相撲を取りきることが出来るかどうか。

明日以降も注目である。

52. 2019年夏場所初日を勝手に語る

令和初の本場所が初日を迎えた。

私が場所前注目していた『貴景勝』『栃ノ心』はどちらも完勝であった。

まず新大関 貴景勝だが、大関の重圧は全く感じさせず、先場所までと同様に自分の相撲を取りきった。

相手の遠藤は回り込む巧さを持っている力士であるが、馬力で圧倒する内容だった。

今場所関脇へ陥落している栃ノ心は、千代大龍の当たりをしっかり受け止め、雑なこともせず磐石な内容だった。

目標の10勝まで先は長いが、楽して勝つ気持ちを捨てて、立ち合いしっかり踏み込んでいくことが重要だろう。

まずは良いスタートを切ったと言える。

下馬評では優勝候補筆頭に挙げられている一人横綱鶴竜は、苦手 御嶽海に相撲を取らせず圧倒した。

鶴竜に勝つために対戦相手としては『如何にして鶴竜に引かせるか』を意識して相撲を取ると思うが、本日の鶴竜は立ち合い踏み込んで廻しにも拘らず、一気に攻めていった。

御嶽海としても面を食らったという所だろう。

初日に苦手を降して気分は良好だろうが、明日以降も悪手を見せないように攻めていきたいところである。

2大関は明暗が分かれた。

豪栄道は速攻で完勝したが、先場所から何度も指摘しているように『張り差し』が気になるところである。

まだ初日のため、まずは白星を積み重ねることが重要だろうが、この先どうなるか。

高安はまるで相撲になっていない。

場所前から良い情報を耳にしておらず、仕切りから見ていても覇気がなく、身体の張りもあまり感じられない。

相撲内容も立ち合い全く踏み込めず、腰高で良いところがひとつもなかった。

まだ初日と言えばそれまでだが、正直このような相撲が続くならば出場意義を問われると思う。
それだけ酷い内容である。

高安を除き、上位陣は圧倒した内容で初日を締め括った。

今場所も上位陣が活躍する場所となるのか。
それとも関脇以下が奮闘するのか。

はてさて。

51. 2019年大相撲夏場所展望

『令和初の場所』である大相撲夏場所が明日から初日を迎える。

元号をまたぐ連覇を期待された白鵬は、右腕の負傷により場所前休場が発表された。

そのため優勝争いは混沌とする可能性が高い。

一人横綱となる鶴竜は、昨年の連覇以降精彩を欠いている。

初日の相手は、ここ2場所連敗している御嶽海である。

初日に苦手を降し、波に乗ることが出来るかどうか。

鶴竜は如何にして序盤を乗りきるかが鍵となるだろう。
とにかく悪手である引き・叩きはみせないことだ。

場所の注目は『貴景勝』『栃ノ心』の2力士だろう。

大関 貴景勝はここ数場所の相撲内容ならば優勝争いを演じる可能性もあるが、新大関の重圧に加え、豪栄道、御嶽海といった苦手力士への対策が出来ているかどうかが鍵となるだろう。

元々押し相撲は『ツラ相撲』の傾向がある。
貴景勝は比較的連敗が少ないため、大関の座を手中に収めたが、大関に昇進したことでその点がどうなるか注目である。

そしてもう一人の注目力士『栃ノ心』は今場所『大関特例復帰』を懸ける場所である。

大関2場所目以降の相撲内容を考慮すると、正直厳しいと言わざるを得ないが、場所前の状態は良好との情報である。

ここ数場所は廻しの取り方も雑なため、しっかり踏み込み圧力をかけていくことが重要だろう。

話は優勝争いに戻るが、上位に限らず、他の力士にも優勝のチャンスはある。

昨年は白鵬休場の場所に2力士が初優勝を果たした。

そして是が非でも優勝したいのは、現役の横綱大関で唯一優勝経験のない高安だろう。

とはいえ場所前の稽古では、引退した稀勢の里に対して1勝20敗の惨敗を喫したなど、望み薄な状態である。

令和初の場所。
どのような展開が待ち受けているだろうか。

50. 平成に誕生した唯一の記録・出来事

平成31年4月30日。

平成最後となるこの日が大相撲界にとって『平成最後の番付発表』であり、5月12日より『令和初の場所』が初日を迎える。

平成も残り僅かということで、本日は『平成に誕生した大相撲史に残る唯一の記録・出来事』を記載したいと思う。

タイトルを『記録・出来事』としているが、主に『出来事』を主体としているため『歴代1位』などの記録に関しては、基本除外しているためご容赦いただきたい。

四股名は当時の四股名にて記載する。

また四股名の記載順は基本当時の番付順である。

 

①同部屋横綱同士(北勝海千代の富士)の優勝決定戦【平成元年名古屋場所

②3人(北勝海小錦、霧島)による優勝決定巴戦において、対戦が2順目に突入

(○小錦北勝海☓→○霧島-小錦☓→○北勝海-霧島☓→○北勝海小錦)【平成2年春場所

③琴富士が平幕在位で13日目に優勝決定【平成3年名古屋場所

琴錦が平幕で優勝を果たし、前場所の琴富士に続き平幕の2場所連続優勝【平成3年秋場所

⑤昭和63年春場所同期生3人(曙、貴ノ花、若ノ花)による優勝決定巴戦【平成5年名古屋場所

⑥兄弟同士(貴乃花若乃花)の優勝決定戦【平成7年九州場所

⑦5人(曙、若乃花武蔵丸貴ノ浪魁皇)による優勝決定戦【平成8年九州場所

⑧4人(貴乃花、曙、武蔵丸魁皇)による優勝決定戦【平成9年春場所

⑨同部屋同力士(貴乃花貴ノ浪)による2回の優勝決定戦【平成8年初場所、平成9年九州場所

琴錦が平幕で2回目の優勝【平成10年九州場所

⑪優勝決定戦(若乃花千代大海)にて取り直し【平成11年初場所

⑫同一力士(武蔵丸)が2場所連続12勝による優勝【平成11年秋場所九州場所

横綱同士(曙、武蔵丸)の割崩し【平成12年春場所

横綱と幕尻の割(曙、武蔵丸貴闘力)【平成12年春場所

栃東が2度目の特例復帰による大関復帰かつ同条件場所にて初の11勝【平成17年初場所

朝青龍が6場所完全制覇【平成17年】

白鵬が優勝を争う力士(千代大海)の不戦敗により、千秋楽取組前に優勝が決定【平成19年九州場所

白鵬が3場所連続全勝優勝【平成22年名古屋場所】※翌場所も全勝で4場所連続

⑲6大関日馬富士把瑠都稀勢の里琴欧洲琴奨菊鶴竜)在位【平成24年夏場所秋場所

⑳平幕同士(栃煌山旭天鵬)による優勝決定戦【平成24年夏場所

横綱大関白鵬日馬富士)による千秋楽全勝相星決戦【平成24年名古屋場所

白鵬が全ての場所で全勝優勝達成【平成27年初場所

照ノ富士が小結在位なしで大関昇進平成27年夏場所

稀勢の里が年間優勝なしによる年間最多勝受賞【平成28年

三賞該当者なし【平成30年秋場所

㉖御嶽海が途中休場で三賞受賞【平成31年初場所

 

私が思いつく限りではこんなところである。

細かいところを探せばまだまだこんなものではない。

平成の約30年間だけでもこれだけ『唯一の記録・出来事』が誕生するのである。

 

『令和時代』

どのような記録が誕生するだろうか。

49. 『14勝以上』の三賞受賞に関して

明日で平成も終わりを迎える。

その平成の最終日が大相撲では『平成最後の番付発表』となっている。

明日の投稿に備え、平成の大相撲の記録を整理していると、ふと先場所の『逸ノ城』について考えていた。

逸ノ城は先場所14勝を果たし、白鵬に次ぐ成績を収めた。

成績などに関してはこちらでも少し記載したが、今回気になったのが『三賞に関して』である。

関脇以下で14勝を果たしたのだから、三賞受賞自体は当たり前なのだが、これだけ大勝ちしたにも関わらず、逸ノ城三賞は1つに留まり、ダブル受賞はならなかった。

優勝した白鵬と対戦せず殊勲賞を受賞するならば、もう一つの敢闘賞を受賞させても良かったのではないかと思わせるものである。

ちなみにこの場所の敢闘賞は12勝3敗で前頭7枚目の碧山であった。

下位の力士が大勝ちして敢闘賞を受賞するの自体は何ら不思議でないが、逸ノ城の活躍と比較すると、やや陰りが見える。

三賞は同賞が複数名いても構わないし、1力士が複数受賞も問題ない。

過去には5力士(大受、大錦、貴花田、出島、琴光喜)が『トリプル受賞』を果たしているし、1994年春場所には最大5力士が三賞受賞を果たしている。

横綱大関などの昇進問題に隠れがちだが、三賞受賞の基準もやや曖昧な部分は多い。

三賞の1つである『殊勲賞』は、上位を多く倒して勝ち越した力士、もしくは優勝力士に土をつけた力士が受賞するものだが、平成4年夏場所の曙は当時関脇に在位しており、自分より番付の高い力士に勝利せず殊勲賞を受賞した。

とある場所では基準は甘めで、とある場所では基準が厳しい場合もあり、2018年秋場所では『史上初の三賞受賞なし』という事態に陥った。

そして『力士への期待値』『ベテランへのご褒美』などの感情移入が含まれる場合も存在するため、受賞基準にも大きなばらつきが存在する。

話を逸ノ城に戻すが、春場所の活躍は三賞ダブル受賞に値するものと言っても過言ではないと考える。

そこで今回『14勝以上を果たした力士の三賞受賞』に関して以下の表にまとめた。

ちなみに年6場所制が定着した1958年以降の力士を対象とする。

年代 四股名 番付 三賞 横綱大関総人数 横綱大関休場・引退 横綱大関対戦人数
1962年夏 栃ノ海 関脇 敢・技 横綱2、大関3 大関1 横綱2、大関2
1964年初 清國 前頭13枚目 横綱2、大関5 大関1(途中休場) 対戦なし
1964年名 富士錦○ 前頭9枚目 敢・技 横綱3、大関4 横綱2(内1名途中休場) 対戦なし
1974年初 北の湖 関脇 横綱3、大関3 横綱2(途中休場) 横綱1、大関3
1976年秋 魁傑○ 前頭4枚目 横綱2、大関3 なし 横綱1、大関3(横綱1名とは同部屋)
1981年初 千代の富士 関脇 殊・技 横綱3、大関2 大関1(途中引退) 横綱3、大関1
1983年初 朝潮 関脇 殊・技 横綱3、大関3 横綱2(途中休場&引退) 横綱3、大関3
1983年夏 北天佑 関脇 殊・技 横綱2、大関4 横綱2 大関4
1991年名 琴富士○ 前頭13枚目 横綱2、大関2 なし 横綱1、大関2
1992年初 貴花田 前頭2枚目 敢・殊・技 横綱2、大関2 横綱2(全休&引退) 大関2
1992年秋 貴花田 小結 大関3 なし 大関3
1993年春 若花田○ 小結 殊・技 横綱1、大関2 なし 横綱1、大関2
1998年九 琴錦 前頭12枚目 殊・技 横綱3、大関2 横綱1 横綱2、大関1
2006年夏 雅山 関脇 殊・技 横綱1、大関5 横綱1、大関1(ともに途中休場) 大関4
2010年春 把瑠都 関脇 敢・技 横綱1、大関4 なし 横綱1、大関4
2010年九 豊ノ島 前頭9枚目 敢・技 横綱1、大関4 大関1(途中休場) 大関2
2018年初 栃ノ心 前頭3枚目 殊・技 横綱3、大関2 横綱2(途中休場) 横綱1、大関2
2019年春 逸ノ城 前頭4枚目 横綱2、大関3 なし 大関3

四股名は当時の四股名

○は優勝、△は同点

 

1958年以降、関脇以下で14勝(全勝は皆無)を果たした力士は『18名』である。

そのうち三賞1つだけの受賞者は『6名』である。

まず最初の複数受賞にならなかった犠牲者(?)は『清國』である。

清國はこの場所が幕内2場所目であり、初日から14戦全勝で千秋楽を迎え、千秋楽に大豪に敗れ、全勝を果たした横綱 大鵬に優勝を奪われた。

ちなみにもし清國が千秋楽勝利していれば、大相撲史上初となる『全勝同士の優勝決定戦』へ突入するところだった

これは現在もみられず、また14日目終えた時点で14戦全勝の力士が複数名存在し、千秋楽に別の力士と割が組まれているというケースすらない。

話が少し逸れたが清國の場合、『上位対戦が全くなかった』という点で話は片付きやすいのではないだろうか。

と思いきや、その3場所後に『富士錦』が上位と全く対戦せずに三賞ダブル受賞を果たしている。しかも優勝まで果たしているから至れり尽くせりである。

そして次が『北の湖』だが、こちらは『上位総当りの中優勝を果たした』にも関わらず、三賞は1つに留まった。

当時の期待度なども考慮すると、不運としか言い様がない結果である。

次の『魁傑』も北の湖同様、上位総当たりの中優勝を果たして三賞は1つに留まるが、これは『すでに優勝経験者』『元大関』という説明で何となく話はつくだろう。

15年ほど期間が空き、4人目の『琴富士』は番付下位で大勝ちして、終盤戦に上位と組まれた中見事優勝を果たしたが、三賞は1つに留まった。

この場所は出場していた2横綱が一桁勝利に終わる上位の不甲斐ない場所となり、それが影響してしまった恐れがある(余談だが、この場所千秋楽結びの一番である北勝海旭富士が日本出身力士横綱同士の最後の対戦である)。

そして5人目の『貴花田』であるが、これも魁傑に近い理由だろう。

この4場所前に初優勝を果たし、その際三賞も『トリプル受賞』しているため、これ以上甘やかすわけにはいかないといったところだろう。

そして最後が上記の通り『逸ノ城』である。

 

勝手ながら『不運順位』をつけるならば

北の湖>琴富士>逸ノ城>清國>魁傑=貴花田

といった感じであり、北の湖は群を抜いて不運といえる。

そもそも関脇以下で14勝以上を挙げるのはやはり稀である。

1場所に複数名存在したことはないし、単純に1場所あたりの割合を計算すれば0.049であり、低確率である(全367場所中18人)。

昇進問題もそうだが、三賞受賞も『時代背景』が必ず問題となってくる。

2004年~2011年頃、朝青龍白鵬が全盛期の時代においては、この最強横綱を倒す力士が少ないため、結果として殊勲賞の受賞回数が軒並み減少する事態へと陥った。

2009年は年6場所で『殊勲賞受賞者なし』となった。

言い換えれば『白鵬を倒して勝ち越せば殊勲賞受賞』という暗黙の了解も出来つつあるが、ここでも不運な力士が逸ノ城である。

逸ノ城白鵬に2回勝利しており、その場所はいずれも勝ち越しているが殊勲賞は受賞できずに終わっている。

その背景には、その2場所において白鵬は11勝しか果たしていないというものがある。

『時代背景』『場所の流れ』

この2つをうまく味方に付けなければ、三賞受賞は難しいのである。

 

『令和時代』

三賞を獲得する力士はどのような顔ぶれとなるだろうか。