大相撲九州場所初日まであと2日。
初日の割も発表され、いよいよ場所が始まるという高揚感がある一方、横綱照ノ富士が休場を表明した。
横綱不在という事は単純に残念であるが、無理をすることはないと思っている。
幸い今場所の休場に対して厳しい意見は耳にしていない。
さすがに初場所は進退を懸けて出場することになると思うし、照ノ富士にとっては来年が勝負の年と言えるか。
さて照ノ富士は今場所の休場で3場所連続となったが、横綱昇進以降3場所連続休場は2回目である。
状況によっても異なるが、3場所以上連続休場となるとどうしても『引退』の2文字がちらついてしまうものである。
それが2回目となれば尚更であるし、そもそも照ノ富士は膝に爆弾を抱えている。
心配の声が上がるのは当然だが、過去2度の3場所連続休場を経験した横綱はどの程度存在するだろうか。
なお今回は年6場所制となった昭和33年以降に横綱昇進を果たした力士を対象としている。
詳細は以下の通りである。
①最初の3場所以上連続休場数 |
②2回目の3場所以上連続休場数 |
②の後の在位数 (優勝回数) |
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4場所 |
6場所 |
26場所 (3回) |
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4場所 |
4場所 |
0場所(4場所目に引退) (0回) |
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曙 |
3場所 |
3場所 |
11場所 (2回) |
4場所 |
3場所 |
6場所 (0回) |
過去は4名であり、私自身は意外に少ないと感じた。
貴乃花や白鵬は晩年が6場所以上連続で休場していたため、長期休場という印象が強いが、3場所以上連続が2回という経験はない。
また2場所連続を複数回というパターンも多い。
この記録を見ると2回目に3場所以上連続休場を喫してからは1年ないし2年で引退している。
やはり休場が重なると必然的に引退が絡むといった所か。
その中、柏戸だけ参考にならない記録を残しているが、この背景には年齢が絡む部分もあると言える。
上記表に関する年齢については以下の通りである。
上記表①の時の年齢 |
上記表②の時の年齢 |
引退時年齢 |
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24歳 |
26歳 |
32歳 |
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25歳 |
28歳 |
28歳 |
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曙 |
25歳 |
29歳 |
32歳 |
31~32歳 |
34~35歳 |
35歳 |
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31歳 |
31~32歳 |
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柏戸は1回目の時も2回目の時も最も若い年齢である。
若さの影響もあり、2回目の3場所以上連続休場にも負けじと対応することが出来たか。
北勝海も2回目の年齢は柏戸に次ぐ若さだが、引退に関しても若い結果となってしまった。
曙も少し特殊と言えば特殊であり、2回目の3場所連続休場、そして18場所連続優勝から遠ざかるというどん底から晩年に2回の優勝を果たしている。
厳密に言えば曙の最後の場所は全休だが、それを除く最後の6場所は76勝14敗、優勝2回、次点3回と堂々たる成績であり、とても引退する横綱の成績ではなかった。
鶴竜の場合、2回目の3場所連続休場明けの場所にて12勝3敗と千秋楽まで優勝を争ったが、それが最後の輝きであり、その後再び連続休場となりそのまま引退を表明した。
過去のデータが少ないため一概に言えないが、上記の通り休場が重なることで1年ないし2年で引退する可能性はかなり高いと言えるだろう。
ましてや膝に爆弾を抱えており、それだけでなく内部疾患の問題もある。
かなり厳しい状況にあると思うが、私個人としてはまだ土俵に立ってほしいという思いがある。
如何せん霧島、豊昇龍、朝乃山、若元春、琴ノ若と大関経験者および大関候補の力士で照ノ富士から未勝利の力士が数多く存在する。
怪我により幕下に番付を落としている若隆景もそうである。