きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

688. 2023年名古屋場所11日目を勝手に語る

1敗の錦木が白星を挙げ、北勝富士が敗れ、錦木が単独先頭に立つ展開となった。

俄然錦木が有利な展開になったと言えるか。

本日の錦木は過去合い口が悪い遠藤だったが、意に介さず白星を積み重ねた。

遠藤の前さばきが見所だったと思うが、遠藤の巧さ云々の前に錦木が圧力で圧倒した。

今場所の遠藤はすでに勝ち越しを決めており、その成績を買われて錦木戦に抜擢されたわけだが、今場所の錦木の前には為す術がなかった。

やはり上位圏内で結果を残しているのはダテじゃない。
合い口を覆すように今場所の勢い、実力差が出た一番と言えるだろう。

上記の通り単独先頭に立ち、残りは全て平幕力士との対戦であるため、圧倒的有利な展開だろう。

内容を考慮しても優勝は錦木だと思うファンもかなり増えるだろう。
私もそのように考える一方、まだ何かあるのではないかと感じてしまう。

前半戦でも記載したが、2年前は十両で勝ち越すのも難しい状況だったし、また大勝とも無縁だった力士である。

先場所途中から今場所にかけて結果を残していても『あの錦木が優勝?』と疑ってしまう。

ここから先、錦木としては自分自身との闘いになるだろう。
これまでと変わらずどっしり構えて相撲を取ることが出来るかどうか。

北勝富士は役力士と割が組まれ、優勝争いという点ではここからが本番だったが、若元春に敗れた。

立ち合いは踏み込んだが若元春に残され、左四つに組んだ時点で若元春の勝ちは揺るがなかった。

昨年秋場所、初日から9連勝し、その後上位圏内の力士と割が組まれて結果10勝に終わった。
そしてここ数場所は上位圏外でも負け越すようになってきた。

さすがに9枚目まで下降したら地力の差を示していたが、本日は役力士に完敗。

もちろんまだ錦木との直接対決を組まれる可能性もあるし、この黒星だけで優勝が出来ない及び役力士に通用しないことを断定するのは早いが、それでも印象は悪いだろう。

明日も豊昇龍と割が組まれたが、優勝云々ではなく、今後も上位圏内で相撲を取り続けるためには結果を残さなくてはならない。

このままでは平幕中位が基本地位の力士になってしまうだろう。

一方若元春は役力士の意地を見せて勝ち越しを決めた。
今場所の大関取りを考慮すると後がない状況とも言えるが、重圧に押し潰されることなく番付下位に力を示したことは大きいだろう。

今場所もまずは二桁の白星には乗せたいところである。

昨日痛恨の黒星を喫した豊昇龍は玉鷲を下して連敗せず。

玉鷲の押しに下がることなく、自身が攻める際も決して攻め急がず冷静に対処した。

昨年九州場所は終盤戦に崩れた経験があるため、昨日敗れて精神面も心配されたが、とりあえず心配なしと言えるか。

この先も厳しい対戦相手が続くが、この集中力を保っていきたいところである。

今場所は今のところ毎場所数回は見受けられる立ち合い変化を見せていない。

この先変化を見せることもあるのだろうか。

大栄翔が霧島に敗れて3敗目。
今場所も霧島の壁を越えることが出来なかった。
しかもいつもと異なり、攻め込む事すら出来なかった。

それだけ本日の霧島が良かったとも言える。
初白星を挙げた琴ノ若戦並みに良い内容だった。

立ち合い霧島が踏み込み勝ちしており、大栄翔の突っ張りを下から跳ね上げ、大栄翔に相撲を取らせなかった。

大栄翔としてはショックが大きいのではないだろうか。
その理由として今場所も霧島に敗れたことが挙げられる。

大関昇進前に苦手力士を作りたくない思いもあっただろうが、これで決定戦を含めて4連敗である。
正直印象としてはかなり悪いだろう。

そしてショックが大きい理由として、相撲を全く取らせてもらえず完敗した事が挙げられる。

上記の通り逆転云々ではなく、攻め込む事すら出来なかった。

決して体調が万全とは言い難い霧島相手に完敗したため、大関との力量差がこれだけ離れているのか等様々な思いが駆け巡っているかもしれない。

大栄翔としては気落ちする展開であるが、明日以降切り替えて臨むことが出来るかどうか。

優勝争いとは話題が逸れるが、琴ノ若が新入幕の湘南乃海を下して7勝目。

協会としては中々思い切った割の編成をしたと思ったが、まぁ悪くないのではないだろうか。

琴ノ若としては力の差を見せ付けたいところだったが、攻め込まれる展開になってしまった。

ある程度余裕を持って残せたのだろうが、欲を言えばしっかり四つに組んで寄り切ってほしいという気持ちはあった。

とりあえず負けなかったことが何よりではあるが。

そして驚きを隠せないのが『高安ー伯桜鵬』の一番である。

伯桜鵬が勝つこと自体にそこまで驚きはないのだが、あそこまで高安に力を出させず勝利するとは思わなかった。

伯桜鵬が素晴らしい相撲だったのは間違いはないが、それ以上に高安があまりにも残念である。

これで5連勝の後6連敗となり、この地位ですら二桁勝てなかった。
それどころかこのままでは勝ち越しすら怪しいレベルである。

本日も伯桜鵬にまるで力が通じず、若手にあしらわれたような内容だった。

上位圏内で負け越しもしくは休場し、上位圏外で大勝して優勝争いに顔を出すという流れが続いていたが、それももう限界に近付いているか。

今の高安を見ているとその名の通り『前頭7枚目の力士』という印象を受ける。

多くのファンが高安の初優勝を待ち望んでいると思うが、正直本日の相撲を見ていると叶いそうにないのが現実か。

とにもかくにもまずは連敗を止めなければならない。

明日の注目の割は
『霧島ー若元春』
この一番である。

本日霧島が大関の意地を見せたが、若元春相手にも見せることが出来るかどうか。

そもそも霧島はここまで5勝のため、事実上黒星先行の成績である。
勝ち越しのためには関脇相手に最低でもあと1勝は必要である。

先場所大関取りを成功させた霧島としては、そう易々と大関に昇進させてたまるかという気持ちも少しはあるだろう。

一方若元春は今場所で大関昇進を果たすためにはもう後がない。

『3場所33勝』が目安とはいえ、大関に敗れて到達できないとなればあまり印象も良くないだろう。

左四つに組んでも霧島に前ミツを引かれて頭を付けられると苦しい展開になるだろう。

優勝争いも佳境を迎える終盤戦に突入したが、3関脇の大関取りに関しても全員が瀬戸際と言えるだろう。

優勝争いも大関取りも目が離せない。

最後になるが、明日から朝乃山が再出場するとのことである。

『4週間の局所安静』という診断書を提出しながらこんな短い期間休んだところでどうにかなるのかという気持ちがある。

霧島が出場するときにも似たようなことを記載したが『数日休んで何とかなるくらいなら休むなよ』という気持ちもあるし『もう終盤戦なんだから無理するなよ』という気持ちもある。

そして再出場した力士は、出場した日は良い相撲を取っても翌日以降まるで相撲にならない場合も多い。

正直このまま休場して治療に専念してほしいという気持ちが強いがどうなるか。