きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

686. 2023年名古屋場所10日目を勝手に語る

私の予想とはだいぶ異なる展開となった10日目。

何を隠そう豊昇龍と若元春の両関脇だ。

昨日私は順当にいけば関脇陣の番狂わせはないだろうという旨の記載をした。

それが2名も敗れた。
そして豊昇龍が敗れたことで平幕力士2名が先頭に立つ展開となった。

まず豊昇龍だが、このところ10連勝中だった琴ノ若相手に不覚を取った。

過去の対戦を見てもむしろなぜその体勢で琴ノ若は負けてしまうのだろうかと思うような内容も多かったため、いずれ琴ノ若は勝つことが出来るだろうという思いはあった。

しかしそれが豊昇龍の大関取りの場所に訪れるとは思いもしなかった。

豊昇龍は昨日も身体能力の高さを活かして白星を掴んでいるし、今場所もまだ豊昇龍だろうという思いは強かった。

豊昇龍の立ち合いは決して悪くなかったが、琴ノ若にもろ差しを許してしまった。

土俵際で驚異的な粘り腰を見せたが、反撃までには至らなかった。

琴ノ若としてはあそこですぐに決め切れない辺り、やはり合い口の悪さが露呈していたかもしれないが、それでも最後は気迫で攻め切ったような内容だった。

豊昇龍としては痛手となる黒星である。
大関取りの場所のため、どこで黒星を喫しても痛いことに間違いはないが、優勝争いを考えた時かなり痛手となる黒星である。

この黒星により優勝争い一歩後退もそうだし、明日以降の終盤戦において大関取りの重圧もますます掛かる中、どのような影響を及ぼすだろうか。

とにもかくにも気持ちを切り替えていくしかないだろ。
本日の立ち合いは決して悪くなかったため、引きずることなく明日以降臨みたいところである。

一方琴ノ若が大栄翔に続き豊昇龍も撃破した。
今場所は錦木にも勝利しているため、存在感を示しているが、こうなるとなぜ4敗しているのだろうという勿体無いという思いもある。

関脇陣に割って入るように力を示し、苦手豊昇龍からも白星を掴み取ったため、琴ノ若にとって今場所はターニングポイントになる可能性を秘めている。

何としても残り5日間で二桁の白星に乗せたいところである。

関脇以上との対戦も終了し、この先は北勝富士、遠藤といった優勝争いに四股名が乗っている力士と割が組まれる可能性も高い。

もし割が組まれた場合、しっかり力の差を示して白星に繋げていきたいところである。

若元春は阿武咲相手に一方的な相撲で敗れた。

阿武咲が本領発揮すればこの展開も不思議ではないと言えるが、若元春が調子を上げていただけに残念な相撲である。

若元春側として見れば最悪な相撲を取ったと言えるだろう。

3敗目を喫して、これでいわゆる『3場所合計33勝』のためには後がなくなった訳だが、若元春としてはまずは勝ち越し、そして二桁を狙う気持ちが重要だろう。

二桁の白星を挙げ続けていればチャンスはいくらでも回ってくるだろう。

唯一関脇で白星を挙げた大栄翔は勝ち越しを決めた。

平戸海に踏み込み負けし、反撃するも左前ミツを引かれてやや苦しい展開だったが、動きを止めなかったのが勝因だろう。

大栄翔としては完勝とはいかないが、身体は動いているし、しっかり力は出し切っているだろう。

そして負けた平戸海もここ2日間、関脇相手に力を出し切っている。

それでも勝つことが出来ないのは現状力量が劣っているということだろう。

これに関してはここから先の平戸海の活躍に期待だろう。

1敗を守った平幕力士2名について触れよう。

まず錦木だが、明生にもろ差しを許したが慌てることなく対処した。

元々錦木は脇が甘く、しょっちゅうもろ差しを許すが、今場所は比較的その脇の甘さが修正されていると感じていた。

しかしここ数日の相撲を見ていると、やはり脇の甘さは相変わらずな印象を受ける。

それでもこれまでと圧倒的に異なる点はもろ差しを許しても『慌てず反撃する』ことである。

昨日の御嶽海戦も本日の明生戦も以前までの錦木ならばもろ差しを許した時点であっさり土俵を割るイメージが強かった。

それが今場所は両外廻しを引いて重たい腰を活かして残し、反撃に転じる事が多い。

この力士は根が左四つだと思うが、本日の相撲を見ると左上手を狙っているようにも感じた。

左で廻しを引けば強さを発揮している様子である。

相手十分な形に見えても今場所の錦木には余裕を感じる。
終盤戦もどっしり構えてこのまま白星を積み重ねていくことが出来るかどうか。

北勝富士玉鷲を下して1敗死守。
立ち合いで当たり勝ち、その後の流れも終始北勝富士だった。

完勝と言って良い内容であり、昨日記載したがこれで北勝富士も『優勝争いに顔を出した』と言えるか。

明日からさっそく役力士と割が組まれ、優勝を狙うならば明日からの終盤戦が本番と言えるだろう。

ここで変わらず白星を積み重ねていくのか、それとも昨年秋場所のように跳ね返されるのか注目である。

話は優勝争いから逸れるが、琴勝峰の相撲があまりにも酷い。

琴勝峰ファンには申し訳ないし、失礼を承知の上で発言するが、幕内最弱力士ではないかと思わせる程の内容である。

いつぞやか輝に対して記載したことがあるが、まさにその時の輝の状況と琴勝峰の状況が重なって見えてしまう。

押しても叩かれて落ちる。
押し合いになっても押し出される。
四つに組んでも勝てない。

今場所の琴勝峰は特に叩きに対してあまりにも脆い。

ここ数日の内容を見ていると『あれ?今場所3勝もしてるの?』と感じるほどである。
もちろん怪我の影響もあるのだろうが、元々は琴ノ若よりも期待していたファンは多かったと思う。

本来ならば同学年の豊昇龍と出世争いをしてほしいという思いも強いだけに奮起を期待したいところである。

明日の注目の割は
『霧島ー大栄翔』
『若元春ー北勝富士
この2番である。

本来の姿とは程遠い霧島だが、何とかこの2日間は白星に結びつけている。

今場所の勢いだけで考慮するならば大栄翔が圧倒していると言っても過言ではないが、春場所夏場所と決定戦を含めて霧島には突き落としで3連敗している。

突き落としを恐れて出足が鈍ると霧島の思う壺だろうし、大栄翔としては気にせずいけるかどうか。

もちろん土俵際には気を付けなければならないわけだが。

大栄翔としてはどうしても越えなければならない一つの壁と言えるだろう。

『若元春ー北勝富士』は北勝富士が役力士と割が組まれ、力を発揮出来るかどうか注目である。

ここ1年で両者の力関係は逆転し、いまや若元春は大関を狙う位置にいる。

10日目終了時点の成績では北勝富士が星2つリードでも、若元春の方が力は上だろう。

北勝富士としてはここを乗り越えられるかどうか。
若元春としても大関取りのためにもう負けるわけにはいかない。

出場している力士の番付順でいくならば霧島と関脇陣の割が組まれるのは13日目からだが、11日目に割が組まれた。

これは終盤戦の割を工夫を凝らしていこうという現れか。

新入幕の湘南乃海を小結の琴ノ若に当てるなど工夫は見られるため、この先も期待したいところである。

平幕2名が先頭に立つ展開で明日から終盤戦へ突入するが、このままいくとは考えにくい。

錦木の場合役力士との割が終了し、圧倒的有利な展開であることに間違いはないが、明日の遠藤戦も過去の合い口はかなり悪い。

今場所の相撲ならば重い腰と力でねじ伏せる姿も思い浮かぶがはてさて…