きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

661. 2023年夏場所11日目を勝手に語る

照ノ富士、朝乃山両者譲らず1敗を守った。

照ノ富士は豊昇龍の挑戦を軽く退けた。
豊昇龍が左上手を求めて左変わり気味に動いてきたが、照ノ富士はすぐに抱え込み、両腕を極めにきた。

がっちり極めた時点で豊昇龍は身動き取れず、照ノ富士の圧勝だった。

終盤戦へ突入し、照ノ富士の相撲に厳しさが増している様子である。

朝乃山は今場所初めて上位圏内の力量を持つ力士と割が組まれた。

その明生相手にあっさりもろ差しを許し、防戦一方だったが逆転の突き落としを決めた。

内容は褒められたものではないが、そこまで追い詰められたわけでもなく、ある程度余裕はあったか。

終盤戦へ突入し、優勝争いも佳境を迎えるが、ここまで来たら白星が第一である。

そういった状況で苦しい相撲をモノにしたというのは朝乃山に流れが来ているのか。

この先簡単な相手と割が組まれる事はないだろうし、展開によっては照ノ富士戦も考えられる。

朝乃山としては並走している立場とはいえ、照ノ富士についていくだけだろう。

本日注目の『若元春ー北青鵬』の一番は、予想以上の大熱戦を繰り広げた結果、若元春が役力士の意地を見せた。

若元春としては狙い通り自分得意の左四つへ組むことに成功したが、北青鵬も十分に上手を引いていた(肩越しであるがもはやお決まりの形である)。

いくら左四つ得意の若元春とはいえ、あの体格差でがっぷりとなっては分が悪く見えたし、仮に攻めたとしても朝乃山や明生のように逆転を食らう可能性も高いと思いながら観ていた。

そして仕掛けるのは北青鵬であり、若元春は土俵際まで詰まったが、土俵際逆転の豪快なうっちゃりを決めた。

うっちゃりを決めた瞬間『そうだこの力士も土俵際に滅法強かったわ』と一字一句この通り独り言を言ってしまった。

体格が遥かに劣っていようが、あの北青鵬に両廻しを引かれても勝つことが出来るということだが、若元春だから出来たのだろう。

並みの力士ならばあそこでうっちゃることは出来ない。
昨日まで北青鵬に対して、並みの力士ならば棒立ちで残すことができないが、北青鵬だから残すことが出来ると記載していた。

しかし本日のうっちゃりに関してもあくまで若元春だから出来たにすぎない。

やはり改めて感じるのは北青鵬に廻しを与えてはいけないこと、そして若元春の真骨頂は土俵際ということか。

とにもかくにも私自身の思いとしては役力士の意地を見せてくれたのは嬉しい。

今場所の北青鵬は間違いなく素晴らしい。
あの規格外の相撲は魅力的だが、あれだけでは上位で勝つのはまだ早いと感じてほしい。
そして徐々に相撲を覚えていけば良いと思う。

若元春はこれで勝ち越しを決め、二桁まで残り2勝である。

番付通りならば残り4日間で3日が役力士との対戦のため、中々厳しい展開でもあるが、十分に可能性はあるだろう。

大関取りの霧馬山は平戸海を下して9勝目。
目標の二桁まで残り1勝とした。

立ち合いすぐに左四つに組み、上手を引くのも早かった。

ここから攻め急ぐことなく、じっくりと勝機を伺い、土俵際の逆転にも細心の注意を払って相撲を取っていた。

本日の相撲を見ていると、大関の貫禄が垣間見えたように感じた。

ここから4連敗する姿は想像出来ないが、この先簡単な相手はいないし、照ノ富士戦も残されている。

目標の二桁まであと1つだが、貪欲にここから全勝を目指してほしい気持ちもある。

角番貴景勝は大栄翔を下して連敗を2で止めた。
そして角番脱出まであと1勝とした。

しっかり踏み込み、大栄翔の突っ走りに下がらず、タイミング良く引き落とした。

勝手知ったる逃げも隠れもしない相手であるため、気持ちを切り替えるには絶好の相手だったか。

角番脱出まで残り4日間で1勝とはいえ、対戦相手を考えると同時に後がない感覚でもあるだろう。

膝も限界を迎えているかもしれないが、この力士なら高い精神力で乗り切ってくれると信じている。

これで貴景勝、大栄翔ともに7勝4敗となった。

序盤戦を見ると貴景勝は不調、大栄翔は好調だと感じていた。

それは大栄翔が連敗を喫した時でも同じように感じていた。

しかし蓋を開けてみると11日目終了時点で両者の星は同じである。

昨日若元春でも触れたが、関脇陣が好調なのは間違いない。
それは黒星を喫していても思いとしては変わらない。

そして貴景勝は中盤戦以降らしさが出てきたが、昨日までの連敗していた相撲を見るとやはり全体通じて状態は良くないと感じている。

それでもこの両者は同じ成績である。
貴景勝はやはり先場所綱取りだったこともあり、高い次元の成績を求められている大関だということを再認識させられた。

平幕力士2名ほど少し触れよう。

まず錦木だが、この4日間最強格の力を発揮しているのではないだろうか。

ただ勝っているだけでなく、若元春、貴景勝、御嶽海、北勝富士を圧倒しているのである。

錦木には失礼だが、錦木ってこんなに強いんだと感じさせる相撲である。

如何せん2年ほど前は十両でもがいていた力士である。
幕内復帰出来ずそのまま十両で最後を迎えるレベルだと思っていただけに驚きである。

そしてもう一人は剣翔。
北青鵬に勝ったときも少し触れたが、この力士も北青鵬に勝ってからやたらと目立ってきたように感じる。

気が付けば本日御嶽海を下して勝ち越しである。
しれっと御嶽海に勝っているが、御嶽海が本調子ではないとはいえ、先場所までで剣翔が御嶽海に勝つ姿を想像していたファンは存在しないと言って良いだろう。

数日前も記載したが、この力士は小兵力士に強い一面がある。
その真逆である北青鵬にも何もさせず白星を掴んだため、相手の弱点を突くのが得意な力士ではないかと感じていた。

仮にそれが得意だとすればなぜ平幕下位に留まっているのか不思議なのだが、今場所をきっかけに覚醒することはあるのだろうか。
それとも数日間の爆発力に留まるのだろうか。

明日の注目の割は
照ノ富士ー若元春』
『大栄翔ー朝乃山』
この2番である。

照ノ富士ー若元春は過去1回しか対戦がないが、如何せんその1回があまりにも印象深く刻まれている一番である。

あの相撲で若元春の左四つが本物だと感じさせた一番だと言っても過言ではない。

照ノ富士は左四つでも廻しを引けば十分であるため、若元春としては自分十分相手不十分の形を作りたいところだろう。

本日北青鵬戦のようにがっぷりの展開も考えられるが、そうなれば照ノ富士が有利か。

力の入った熱戦を期待したいところである。

朝乃山はかつての天敵大栄翔と割が組まれた。
朝乃山が三役に定着する以前、押し相撲を苦手としていたため、大栄翔は天敵であった。
しかし押し相撲を克服して大関へ昇進した背景があり、その時期は大栄翔戦もあまり苦にはしていなかった。

それでも2年程の月日が流れ、両者ともに状況は異なる。
大栄翔の突き押しは以前よりも強力である。

一方朝乃山は怪我により番付を下降させたわけではないが、上位圏内の土俵にはブランクがある。

正直この一番、大栄翔が圧倒する姿が目に浮かぶ。
はてさてどうなるものか。

朝乃山が新大関の場所、再入幕を果たした照ノ富士に敗れ、優勝をさらわれた。

朝乃山が再入幕の今場所、3年越しに仮を返す展開となるのか。

直接の割が組まれるかどうかも不明だが、とにもかくにも朝乃山としてはここから1つも落とさずいきたいところである。