きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

662. 2023年夏場所12日目を勝手に語る

12日目が終了し、中日以来照ノ富士が単独行動先頭に立った。

朝乃山が2敗へ後退、霧馬山が勝って2敗を守り、優勝争いは照ノ富士、霧馬山、朝乃山の3名に絞られたと言って良いだろう。

まず単独先頭に立った照ノ富士だが、若元春に攻められたが冷静に対処した。

若元春としてはほぼ狙い通りの展開だったのではないだろうか。

立ち合い突き放してから左四つに組み、照ノ富士の下手を切り、自身は上手を引くことができた。

照ノ富士は左四つでも力を発揮するとはいえ、それは廻しを引いての話だ。

その引いていた下手を切って攻めていったのだから、正直あの瞬間若元春が完勝したと思った。

しかし照ノ富士は下手を切られてもすぐに前廻しを引いて、そして間髪入れず体を入れ替えた。

さすが横綱の対応力と言ったところか。

最後土俵からジャンプして着地した際、膝を痛めた様子だが、残り3日間気力で乗り切るのみだろう。

朝乃山は大栄翔の攻めに為す術なく敗れた。

昨日も記載したが、正直大栄翔が圧倒する姿が目に浮かんでいたため特段驚きはない。

大栄翔の意地が炸裂した一番と言える。
かつて自身より番付上位だったとはいえ、この2年上位で取り続けていたというプライドが大栄翔にはあっただろう。

いくら朝乃山が怪我により番付を下降させたわけではないといえ、2年間上位圏内から離れていた力士に負けるわけにはいかなかった。

この一番に懸ける思いというのも大栄翔の方が遥かに上だったと思う。

大栄翔自身課題である土俵際も本日は完璧だった。

朝乃山としては昨日がある意味本当の始まりだったと言える。

それは明生という上位圏内の力量を持つ力士と久しぶりに割が組まれたからだ。

そこに勝利したが、内容面では完敗だった。
そして本日三役常連、いまや大関昇進も視野に入れている大栄翔に完敗だった。

朝乃山は近いうちに上位圏内の番付に位置することになるだろう。
そして大負けすることは今後ないと思われる。

この力士は安定感を売りに大関昇進を果たしたため、いま上位圏内に番付を戻しても大負けはしないと思う。

しかし二桁を挙げられるかと言われたらやや疑問ではある。

一度は克服した押し相撲相手にこの2年対戦がない中、再度完敗してしまった。

力の差は開いていると言えるだろう。

もちろん今場所だけで全て評価されるわけではないが、北青鵬という驚異も迫っており、朝乃山もうかうかしていられないということである。

本日の大栄翔戦でそれを感じる取ることが出来たのではないだろうか。

大関取りの霧馬山が貴景勝を下し、目標の二桁へ到達させた。

昨日も記載したが、本日も大関の貫禄を感じる相撲だった。

前半戦はどこかふわふわしている感じもあったが、後半戦からは地に足ついている様子である。

照ノ富士とは星の差1つであり、直接対決も残されている。

照ノ富士戦未勝利のため、大関昇進照ノ富士戦初勝利の両手に花、さらには連続優勝と期待するものはまだまだたくさんある。

気を緩めることなく、残り3日間も全勝目指してほしいところである。

一方角番貴景勝が勝ち越しお預け。
このところ霧馬山には掴まることも多く、ここ数日の勢いから考えても厳しい相手ではあった。

昨日も記載したが、角番脱出に大手とはいえ、残りの対戦相手を考慮すると後がない感覚でもある。

何とかあと1つ。
本人だけでなく、大相撲ファンも望んでいることだろう。

優勝争いも佳境を迎えるが、貴景勝にとっても勝負の3日間である。

『豊昇龍ー北青鵬』の一番だが、これぞ北青鵬攻略の糸口と言える一番だった。

立ち合いから豊昇龍が突っ張っていき、左を差す形となった。

ここからいつも通り北青鵬は肩越しの上手を引くわけだが、豊昇龍が頭を脇の下に入れるような形で上手を切りにいった。

そして体勢崩したところをうまく送り出した。

昨日若元春が体格が劣っていてがっぷりになっても勝つ相撲を取ったが、あれは若元春にしか取ることが出来ない相撲であった。

しかし本日の豊昇龍の相撲は全力士が参考にすべき流れだったと思う。

初顔合わせでこの動きが出来る豊昇龍だが、身体能力の高さだけでなく、相撲技術の高さも感じさせる内容だった。

最後に昨日も触れた錦木と剣翔。
勢い止まらないな。

明日の注目の割は
照ノ富士ー朝乃山』
この一番である。

出来れば相星で観てみたかった。
昨日も記載したが、朝乃山が新大関の場所、再入幕の照ノ富士に敗れて優勝をさらわれた。

今場所はその逆の展開も考えられる流れではあった。

とはいえ仮に相星だったとしても朝乃山が照ノ富士に勝てる姿は想像できない。

それは過去5戦全敗ということもそうだし、やはり右四つの完成度は遥かに照ノ富士の方が上である。

そして本日大栄翔戦でもそうだったように、2年間のブランクは大きい。

照ノ富士としては単独行動に立ち、残り3日間も冷静に自分の相撲を取り続けるだけだろう。

優勝争いは照ノ富士、霧馬山、朝乃山の3名に絞られているが、関脇以上の力士全員勝負の3日間である。

貴景勝は角番脱出、豊昇龍、大栄翔、若元春は二桁の白星を目指している。

優勝争いだけではなく、今場所は改めて注目すべき所が多い場所だと感じさせる。

残り3日間、目が離せない。

余談ですが、明日現地観戦してきます。
本場所観戦は4年半ぶりのため楽しみです。