きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

660. 2023年夏場所10日目を勝手に語る

3人の1敗力士で本日星を伸ばしたのは照ノ富士と朝乃山。

まず昨日敗れた照ノ富士だが、琴ノ若を下して連敗を免れ1敗死守。

とはいえ照ノ富士にとっては思いの外苦戦を強いられ、琴ノ若としては思いの外善戦した。

正直私自身、この割はあまり期待しておらず、琴ノ若が仮にもろ差しの形を作ることが出来ても、照ノ富士が両前ミツを引き付けて圧勝すると思っていた。

しかし実際は照ノ富士が左前ミツを引くことが出来ず、左強引に巻きかえたところ土俵際まで攻められる展開となった。

元々照ノ富士は左四つに組んでも下手を十分に引いていれば守りの強さを発揮するため、余裕とまではいかなくても自信はあったか。

両者逆の左四つがっぷりの展開から巧さを見せるのが照ノ富士の方だった。
低く構え、徐々に体勢を良くしていった。

琴ノ若も善戦したが、現状はあれが精一杯だったか。

昨日敗れた照ノ富士が敗れたことで場所全体に与える影響は大きいと考えていたが、1敗くらいで当の本人はさほど気にしていないか。

明日以降、割崩しがない限り4関脇+貴景勝との割が組まれていくだろうが、このまま横綱としての力を示すことが出来るかどうか。

1敗を守った朝乃山は平戸海を冷静に捌いた。

平戸海から見ると立ち合い踏み込みよく、左おっつけて朝乃山の右差しを封じたが、足がついていかなかった。

朝乃山としてもある程度余裕があったか。

照ノ富士と再び並んでから初めての取り組みだったが、まだ優勝争いの固さはないか。

場所前から私自身の思いとして最低でも9勝1敗で終盤戦に突入してほしいという記載をしていた。

そして実際9勝1敗で明日から終盤戦へ突入するが、この先どのようにして割が組まれていくのか注目である。

明日明生と割が組まれているが、如何せん今場所の明生は役力士ではないため、この先関脇陣とうまいこと当てていくのか。

そして昨日照ノ富士を下した明生が北青鵬の規格外の相撲に敗れ2敗目を喫した。

立ち合い北青鵬が右変化して上手を求めに来た。
それに対して明生は冷静に対処し、途中上手を切ることにも成功したが、それでも北青鵬の長い腕は再び右上手を引くことに成功した。

明生としてはこれにより焦ってしまったか。
北青鵬に上手を許したまま強引に攻め急いでしまった。

正直明生が攻めている時『あぁこれは朝乃山の二の舞かな』と感じた。
そして案の定逆転の上手投げを食ってしまった。

明生としては上手を切って攻めたいところだったが、北青鵬の上手が一枚だから切ることが出来なかったか。

そもそも並みの力士ならばあの攻めをあの体勢で残すのは不可能と言っても過言ではないのだが、あれを残してしまうのだから本当に北青鵬だけ別の競技をやっているような感覚である。

明生としてはかなり悔しい一番だろうが、仕方ないと割り切るしかないだろう。

一方北青鵬は本日勝ち越しを決めた。
あの土俵際の驚異的な粘りには驚かされるばかりだが、いつか怪我をしてしまうのではないかという不安が付きまとっている。
元々一度怪我をしているだけに余計不安である。

正直この力士にセオリーは通用しないため、今後も自由に相撲を取ってほしいという思いもあるが、とにかく怪我だけは気を付けてほしいと思う。

本日注目の『霧馬山ー若元春』の一番は霧馬山に軍配が上がった。

霧馬山が若元春に左を差させなかった。これに尽きるだろう。

そして霧馬山自身、今場所一番立ち合いの踏み込み良かったように感じたし、その後の突っ張りも良かった。

正直今場所の霧馬山の相撲内容は磐石とは言い難い内容である。

それでも10日目に勝ち越しを決め、関脇同士の対決では2連勝。
気が付けば10日目終了時点で4関脇で一番成績が良いため、改めて大関に一番近い力士だと感じた(もちろんこの先変動する可能性はあるが)。

及第点の二桁まで残り2勝。
照ノ富士戦も残っているため一筋縄では行かないが、このままの流れで突っ走りたいところである。

一方敗れた若元春は霧馬山にうまく取られてしまった。
今場所は序盤戦見る限り一番力を発揮していると感じさせたが、気が付けば3敗目である。

ここまで7勝3敗は決して悪い成績ではなく、内容は充実していることに変わりはないが、まだまだ課題はあるということだろう。

大関への足固めのためにも終盤戦で二桁に乗せることが出来るかどうか。

それに関しては大栄翔、豊昇龍も同様である。

大栄翔は連日逆転敗けを喫していたが、不戦勝により連敗を止めた。
これで悪い流れを断ち切って二桁に乗せることが出来るかどうか。

豊昇龍は毎場所必ず見せる立ち合い変化で呼び込んだかに見えたが、土俵際逆転を決めた。

何だかんだ毎場所勝ちに繋げるから三役として勝ち越しを続けて来られるのだろう。

しかしさらに上を目指すとなると厳しい展開が続いている。
怪我の影響もあるのだろうが、左前ミツを引き付けて攻める相撲を早く定着させてほしいと思っている。

2場所前の序盤戦は定着させたと思わせたのだが。

角番貴景勝が新鋭の金峰山に敗れて連敗。
角番脱出のために平幕戦連敗はかなりの痛手である。

立ち合いの踏み込みは良く感じたが、金峰山が左前ミツに手がかかって貴景勝の当たりを弱めることに成功した。

貴景勝としては当たりを止められた分、十八番の左突き落としが不発に終わってしまった。

貴景勝は成績こそ6勝4敗と白星先行だが、この先番付通りいけば4関脇+照ノ富士である。

考えたくないが今場所の状態を考慮すると全敗しても不思議ではない。

平幕相手に連敗し、精神面にも大きなダメージになっているかもしれない。

気持ちの強い大関であるが残り5日間、気力で2つ白星をもぎ取ってほしいところである。

一方金峰山はここ数日あっけない相撲が続いていたが、本日は作戦勝ちと言えるだろう。

今場所はこの先の期待と現状の脆さを合わせたような相撲だが、本日の相撲を見ているとやはり期待値としては大きいだろう。

明日の注目の割は
『若元春ー北青鵬』
『明生ー朝乃山』
この2番である。

北青鵬が役力士と割が組まれた。
左四つに組めば若元春有利だろうが、如何せんどんな形であろうと北青鵬が廻しを引けばどんな展開になるのかまるで読めなくなってしまう。

若元春としては廻しを許さず自分の形に持っていけるかどうか。
北青鵬の躍進は素晴らしいが、私自身は若元春に役力士の力を示してほしいという思いがある。

そして『明生ー朝乃山』だが、朝乃山にとっては今場所初めて上位圏内の力量を持つ力士と割を組まれたと言って良いだろう。

朝乃山が休場する前、ほぼ毎場所のように顔を合わせていた力士である。

現状朝乃山が1敗で星の上では明生をリードしている展開だが、この両者どちらが好調かと問われたら私自身明生と答える。

朝乃山としては良くも悪くも当たり前の成績であるため、上位圏内の力量を持つ力士相手に自分の相撲を取って白星を掴むことが出来るかどうか注目である。

明日から終盤戦へ突入するが、照ノ富士は豊昇龍と割が組まれた。

番付順で言えば若元春と割が組まれるはずだが、割をずらす形となった。

これはこの先の割崩しの前触れか。
とにもかくにも『照ノ富士ー霧馬山』の割は絶対に崩してはならない。

大関昇進を懸ける力士が横綱戦なしとなってはあまりにも興ざめである。

上記の通り明日から終盤戦へ突入する。
優勝争いも佳境を迎えるが、私個人の願いとしては13勝以上の優勝を願っている。

如何せん照ノ富士は12勝の優勝に縁があるためどうなるか。