きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

395. 2021年秋場所13日目を勝手に語る

優勝争いも佳境を迎える13日目。

番付の重みを示したのは照ノ富士だけだった。

とはいえその照ノ富士もこのところお得意様としている御嶽海に磐石とは言い難い内容だった。

御嶽海の当たりを止め、左四つに組み止めた時点で照ノ富士有利とみて良いだろうが、立ち合いはやや高く、右も抱えにいくといった雑な面も見受けられた。

今場所は全体を通じて相手に攻められる相撲が多く、守りの強さを発揮して白星を積み重ねているが、自分の型である右四つに組んで圧倒する相撲が少ないため、どこか不安に感じてしまう。

本日も四つに組んだが、あくまで左四つであった。

昨日一方的に敗れ、膝への負担、疲労もピークに達しているから無理もないか。

終盤戦は内容云々よりも白星が全てであるため、とにもかくにも連敗しなかったことが何よりか。

一方御嶽海の作戦とは何だったのか?

昨年秋場所のようにいなしを交えるのかと思いきや、あっさり左四つに組み止められてしまった。

そこから巻きかえにいくかと思いきやそれもせず、結局何をしたいのかわからなかった。

終いには上手を取られた瞬間力を抜いているし。
まぁ12日目に敗れた時点で期待はしていなかったが。

そして大関陣。
両者ともに好調平幕力士の壁になることが出来ず。

まず貴景勝は過去13戦全勝の妙義龍相手にあまりにも消極的な内容だった。

小兵力士相手によく見受けられる戦法であり、また妙義龍戦でもこの流れから突き落としで白星を掴むことがあった。

正直この相撲を見せるときの貴景勝は何だか危なっかしい印象を受ける。

お得意様相手にここまで様子を見る必要があったのだろうか。

ここ数日の貴景勝の相撲は吹っ切れたように押しに徹しており、まさに1日1番といった感じであった。

しかしここに来て負けられないという気持ちが強くなりすぎたのか。
正直本日の相撲はがっかりだった。

正代は阿武咲と対戦し、一瞬もろ差しになって一気に攻めたが、あまりにも腰高で雑な攻め方だった。

土俵際で阿武咲に巻きかえを許し、逆にもろ差しから攻められて逆転された。

攻め返される場面に関してももう少し腰を落として粘ることは出来ないのか。

正直昨日、今日と相撲内容が雑すぎる。

上記の通り、両大関は揃って平幕力士の壁になれなかったことを恥じるべきである。

番付の重みがあまりにも感じられない。

それならば本日3敗の隠岐の海を下した小結逸ノ城の方が仕事を果たしていると言える。

割の編成にもやや疑問はあるが、結果的に大関同士の割が崩されたことも恥じなければならない。

それだけ今の両者の力量が舐められているということだ。

平幕力士に目を向けるとこれで阿武咲、妙義龍と3敗を守った。

両者ともに健闘しており、内容も素晴らしい。

優勝を意識することもあるかもしれないが、あくまでトップは照ノ富士であり、意識することなく残り2日間臨むことが重要だろう。

そして遠藤である。
本日も冷静に霧馬山を捌いて3敗を守った。

元々実力者であり、相撲技術に関しては現役トップクラスのため、この成績自体にそこまでの驚きはないが、2場所前の夏場所のことも踏まえると本当に不気味な存在である。

余程の事がない限り、この先上位と割が組まれることもないだろう(あるとすれば千秋楽に貴景勝戦、もしくは展開次第で照ノ富士戦に大抜擢もあるかもしれないが。)。

明日が苦手の逸ノ城と割が組まれているため、この山を乗り越えるとひょっとしたらひょっとするかもしれない。

3敗力士で一番不気味なのは遠藤だと思っている。

その遠藤の対戦相手である逸ノ城だが、この2日間3敗力士を引きずり下ろしており、何だかんだで2大関2関脇に勝利している。

ここでも壁になることが出来るかどうか。

そしてちゃっかり『正代ー御嶽海』の割が消えたが、これに関しても如何なものかと思う。

別にこの割を崩さなくても、上位で健闘している力士が他にもいるのだからそこで割を組めば良いと思うし、そもそも『隠岐の海ー遠藤』の割も組まれていない。

隠岐の海は本日敗れ4敗へ後退したが、明日隠岐の海の対戦相手である御嶽海は本日敗れて5敗である。

わざわざ正代ー御嶽海の割を崩す理由が見当たらないのだが。

優勝争いを考慮してある程度の割崩しは仕方ないとしても、今場所の割崩しはあまりにも無理しすぎな感じは否めない。

優勝争いを盛り上げるのはもちろん重要だが、そこだけにとらわれてしまっては上位同士の割がほとんど無くなってしまい、本末転倒になる可能性も高い。

まぁ割に関する文句はここまでにして、明日の注目の割は
照ノ富士貴景勝
逸ノ城ー遠藤』
この2番である。

貴景勝が本日のような相撲ではなく、立ち合いのぶちかまし、押しに徹してくれば照ノ富士としてはやりにくい相手と言える。

小さい相手であるため、中々捕まえられず、苦戦を強いられる事になるかもしれないが、照ノ富士としてとにかく立ち合いの当たりが重要になるだろう。

雑に抱え込みにいったりすれば一気に持っていかれる可能性が高い。

昨年九州場所の優勝決定戦、今年の夏場所本割では貴景勝が当たり勝ち、その後一気に押す、もしくは突き落としで早い勝負になっている。

一方照ノ富士は如何にして貴景勝の当たりを止めるか。
膝も限界に近付いてきているため、油断できない相手である。

逸ノ城ー遠藤は上記の通り、遠藤が勝てば優勝争いは混沌とするだろう。

遠藤としては右前ミツを引いて食い下がりたいところだが、左四つに組んでも胸を合わせれば苦しい展開となるだろう。
苦手を克服できるかどうか。

私自身、12勝以下の優勝はあまり好まないが、仮に3敗まで優勝ラインが下がるとしたら是非とも決定戦(欲を言えば巴戦)を見たいところである。

どのような形で千秋楽を迎えるのか。
明日で優勝が決まる可能性もあるが、3敗勢の対戦相手を見るとそれも十分あると思う反面、2敗、3敗が全滅する姿も少し思い浮かぶのだがはてさて…