きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

343. 2021年夏場所13日目を勝手に語る

優勝争いも佳境を迎える大相撲夏場所13日目。

昨日終了時点で照ノ富士貴景勝の一騎討ちかと思われたが、本日で再び星の差2つと開いた。

まずは照ノ富士の相撲から。
かつては今後の時代を担うであろうと期待された者同士の対戦となった照ノ富士逸ノ城

照ノ富士大関へ早々昇進を果たしたが、怪我と病気により序二段まで降下。

一方の逸ノ城は新入幕の場所で快進撃を見せたあとは鳴かず飛ばずの成績。

月日が流れ照ノ富士大関復帰を果たし、逸ノ城はいまだ殻を破れずくすぶっている状態だが、本日の相撲内容もそれを表すかのような一方的な内容だった。

相四つの両者だが、絶対的な力量、上手の取り方、腰の構え等全てにおいて照ノ富士が上だった。

逸ノ城は逃げも隠れもしない的の大きい相手であり、相四つでもあるため、ある意味照ノ富士が最もやり易い相手かもしれない。

余談だが本日解説者の豪栄道照ノ富士を比較的得意としていたが、逸ノ城を苦手としていた。

これが大相撲の合い口の難しいところである。

話が脱線したが、照ノ富士逸ノ城を寄せ付けず、そして2敗で追いかける貴景勝は遠藤に痛恨の黒星。

立ち合いの当たり、その後の突っ張りも悪くなかったが、土俵際の柔らかさ、巧さを持っている遠藤相手に最後の一押しで詰めを誤った。

僅かだが両者の間に隙間が生じ、貴景勝は頭を下げて突っ込んでしまった。

ここでもう少し相手を見る余裕があれば良かっただろうが、それを見逃さなかった遠藤の相撲技術が勝ったといったところか。

いずれにせよ貴景勝にしてはあまりにも痛手となる黒星となった。

これで優勝は照ノ富士と言いたくなるが、その行方は遠藤次第ということになった。

照ノ富士ー正代の割を崩し、照ノ富士ー遠藤の割を組んだため、明日この両者が激突する。

以前も記載したが、遠藤の高い相撲技術によりかつて苦戦を強いられていた照ノ富士だが、今場所の相撲内容を見ているとその高い相撲技術も圧倒的なパワーの前では通用しないのではないだろうか。

照ノ富士が圧倒するイメージが沸く一方で、前さばきの巧さにより、もろ差しから横に食い付いて攻める遠藤の姿も目に浮かぶ。

遠藤としては自力優勝は不可能な状態であるため、気負う必要はないだろう。

一方で照ノ富士としては終盤戦における平幕戦、さらには相撲巧者と嫌な要素は揃っている。

この力士に精神面の心配をするのは杞憂かもしれないが、いずれにせよ引っ張り込むような強引な相撲だけは避けたいところである。

妙義龍戦のような『まさか』の展開が起こらないとも言えないため、立ち合いしっかり踏み込むことが重要だろう。

以下は優勝争いとは逸れた話が続くが、正代が角番脱出を果たした。

相当な重圧もあっただろうが、お得意様の宝富士ということもあり、自信を持って相撲を取ることが出来たか。

5勝5敗の時点ではかなり厳しい状況に立たされたと思ったが、開き直ったかのように比較的立ち合いの踏み込みが良くなり、また朝乃山の休場及び割崩しなども味方したようである。

本来ならば正代としてはこの割崩しを恥じなければならない。

それだけ自身が不甲斐なかったという証拠である。

大関在位4場所で2回の角番と、大関としての責任を果たすことが出来ていないため、来場所以降の巻き返しを期待したい。

若隆景が東前頭筆頭で勝ち越しを決めた。

隆の勝の9敗目、大栄翔の負け越しが決まっており、三役の枠が2つ空いているため、来場所の三役昇進は確定だろう。

昨日英乃海に不覚を取り、本日はどうしても勝ちたいという思いが現れたか、立ち合い変化で北勝富士を仕留めた。

まぁとりあえずは良しといったところか。

御嶽海が連敗を3で止め、ようやく勝ち越しを決めた。

3敗目を喫した朝乃山戦は朝乃山が予想以上に良い相撲を取ったということで片付けられたが、その後2日間はまるで良いところなく敗れていたため、いつも通り強さと弱さを混在させた場所だったという印象だった。

残り2日間、番付下との対戦であるため二桁には乗せたいところだが、ここでコケるのが御嶽海か。

平幕下位に目を向けると、玉鷲が7敗目を喫して勝ち越しへ後がなくなった。

初日から3日間を見て今場所は番付を考慮すると二桁には乗せてくるのではないかと思わせたが、中盤戦以降は脆い相撲が続いている。

本日の相撲に関してもあんな腰から崩れて押し倒されるような力士ではないため、驚きを隠せない。

ここ数場所は上位圏外の地位であり、そこでも中々勝ち越すことが出来ていないため、やはり力量の衰えは隠すことが出来なくなってきたか。

そして幕下では阿炎が2場所連続の全勝優勝を果たし、来場所の関取復帰を確実にした。

先場所も感じたが、怪我による降下ではないため、幕下力士にとっては三役クラスの力量を持った力士と対戦していることになるが、ここまで力の差があるのかと思わせる2場所だった。

これでは幕下力士があまりにもかわいそうであるため、阿炎としては早く関取復帰を果たしたことは何よりだろう。

明日照ノ富士が勝てば優勝が決まり、敗れれば再び貴景勝自力優勝の可能性が生まれてくるが、貴景勝の精神面が心配される。

私の予想では明日の正代戦も落とすのではないだろうか。

気落ちした力士と角番脱出を果たして気を良くしている力士とでは後者が圧倒的に有利である。

しかも貴景勝にとっては自身が相撲を取る前に優勝が決定している可能性もあるため余計である。

明日で決まるかどうか。
全ては遠藤に託された。

平幕には酷な状況かもしれないが、それに関しては私自身が千秋楽まで優勝争いが縺れてほしいという願いからであり、遠藤自身はそこまで酷とは感じていないかもしれないがはてさて…