きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

394. 12勝以下の平幕優勝

大相撲秋場所も12日目を終了し、優勝争いも佳境を迎えている。

本日照ノ富士がまさかの2敗目を喫して、星の上では4敗にもチャンスがある展開となっている。

とはいえここまでの照ノ富士の充実度を考えると3敗には可能性はあるかもしれないが、4敗まで優勝ラインが下がるとは考えにくいとも言える。

照ノ富士を除く役力士は皆4敗以上を喫しているため、3敗の力士が優勝する場合は照ノ富士か平幕力士に限られている。

ここ数年平幕優勝も珍しい光景ではなくなっているが、年6場所制となった昭和33年以降平幕優勝は先場所までで『22場所』となっている。

先場所までで全379場所のため約6%程であるが、上記の通りここ9場所で3場所みられるため珍しい光景とは言い難い。

しかし『3敗以上(12勝以下)の平幕力士による優勝』となると『4場所』にまで減少する。

ちなみに過去の4名は『佐田の山』『栃東(初代)』『旭天鵬』『朝乃山』である。

この4名の12日目までの成績をまとめると以下の通りである。

年代

10勝2敗(最終成績)

9勝3敗(最終成績)

8勝4敗(最終成績)

昭和36年夏場所

佐田の山

なし

若乃花横綱・10勝5敗)

大鵬大関・11勝4敗)

羽黒花(6枚目・10勝5敗)

金ノ花(10枚目・10勝5敗)

佐田の山(13枚目・12勝3敗)

北葉山(関脇・11勝4敗)

安念山(2枚目・10勝5敗)

昭和47年初場所

栃東

なし

吉王山(8枚目・10勝5敗)

琴櫻大関・10勝5敗)

清國(大関・10勝5敗)

長谷川(関脇・10勝5敗)

福の花(3枚目・10勝5敗)

栃東(5枚目・11勝4敗)

平成24年夏場所

旭天鵬

稀勢の里大関・11勝4敗)

栃煌山(4枚目・12勝3敗)

旭天鵬(7枚目・12勝3敗)

白鵬横綱・10勝5敗)

把瑠都大関・9勝6敗)

琴奨菊大関・10勝5敗)

鶴竜大関・8勝7敗)

隠岐の海(5枚目・10勝5敗)

碧山(6枚目11勝4敗)

令和元年夏場所

朝乃山

鶴竜横綱・11勝4敗)

朝乃山(8枚目・12勝3敗)

栃ノ心(関脇・10勝5敗)

豪栄道大関・9勝6敗)

阿炎(5枚目・10勝5敗)

正代(7枚目・10勝5敗)

明生(7枚目・10勝5敗)

琴恵光(15枚目・8勝7敗)

過去の4回を見てもわかるように混戦という名のグダグダな感じも否めない。

昭和36年夏場所は2横綱4大関時代であるが、横綱朝潮が途中休場、大関琴ヶ濱が5勝10敗と振るわず、12日目終了時点で2敗力士が消滅する混戦だった。

終盤戦上位の星の潰し合いが行われる中、佐田の山が12勝で優勝を果たした。

余談だがこの場所の佐田の山十両優勝を果たした清ノ森に敗れているため『優勝は清ノ森』と揶揄されたが、翌場所は上位圏内で11勝を挙げ、1年後には大関へ昇進したため、優勝がまぐれではないことを証明した。

 

そしてもっともグダグダとなったのが昭和47年初場所である。

1横綱4大関時代であるが、大関大麒麟が初日から休場、大関前の山が序盤で休場、そして横綱北の富士が終盤戦で休場と上位陣が崩壊していた。

出場していた大関も12日目には4敗を喫しており、3敗が平幕の吉王山ただ1人となったが、吉王山も終盤戦星を落とし、栃東がただ一人4敗を守り優勝を果たした。

この場所は史上初めて11勝による優勝となったが、もし千秋楽で栃東が清國に敗れていれば8人による優勝決定戦に突入するところだった。

 

しばらく12勝以下による平幕優勝がみられなかったが、平成24年夏場所に『史上初の平幕同士の優勝決定戦』により旭天鵬が達成した。

この場所は史上初の『6大関時代』の幕開けであり、第一人者白鵬が中盤戦で4敗を喫するという今まででは考えられない展開へと陥った。

11日目終了時点で稀勢の里が1敗としており、後続と星の差2つつけたため、稀勢の里ファンにとっては喜ばしい展開であったが、稀勢の里が終盤戦に崩れてしまい、すり抜けるように旭天鵬が優勝を果たした。

 

そして記憶に新しい令和初の優勝力士となった朝乃山が現在最後の12勝以下の平幕優勝者である。

この場所は横綱鶴竜大関復帰を懸けていた栃ノ心の争いであったが、栃ノ心が最終的に大関復帰は果たしたが終盤戦に連敗で崩れ、鶴竜も終盤戦で崩れたため、ちゃっかり(?)朝乃山が優勝を果たした。

しかもこの場所は12勝2敗で14日目に優勝を決め、千秋楽に敗れて3敗となった。

 

今場所の展開をおさらいすると

年代

10勝2敗

9勝3敗

8勝4敗

令和3年秋場所

照ノ富士横綱

阿武咲(6枚目)

隠岐の海(8枚目)

妙義龍(10枚目)

遠藤(11枚目)

正代(大関

貴景勝大関

御嶽海(関脇)

千代の国(17枚目)

後続の3敗は全員平幕力士である。

しかも全員上位圏外である。

阿武咲は2大関1関脇と割が組まれたとはいえ、やはりここは照ノ富士がそのまま逃げ切ってほしいという気持ちが強い。

本日の相撲内容を見ると膝に限界を迎えているのかもしれないが、何とか気力で残り3日間取り切って上位の威厳を見せてほしいところである。

後続の平幕力士に罪はない。

各々が素晴らしい相撲を取っているが、それでも私個人としてはインチキ優勝及び低次元優勝と呼ばれる12勝以下の優勝はあまり見たくないのが…

残り3日間。

どのような展開になるのか…