波乱というか締まりがないというか、大相撲夏場所も明日千秋楽を迎える。
『勝手に語る』の方でも記載したが、紆余曲折あっても上位陣最後の砦である照ノ富士がトップに立ったことは何よりだし、もう一人のトップも上位圏内の隆の勝であるため、最低限の所には行き着いたような気がしなくもない。
考えたくないことだが、これで明日両者ともに敗れると、結局締まりのない場所になってしまうため、私個人としては両者白星を挙げてほしいと願っている。
さて今回はどちらかと言えば隆の勝中心の話になるが、隆の勝は序盤3日間を終えて1勝2敗の成績だった。
初日阿武咲に呆気なく敗れたため、千秋楽まで優勝争いをするとは夢にも思わなかった。
それは初日あまりにも一方的に敗れ、皆勤すら危ぶまれた照ノ富士にも言えることか。
1勝2敗から9連勝し、現在11勝3敗の成績であるが、年6場所制となった昭和33年以降、1勝2敗から優勝を果たした力士は何名いるのか。
詳細は以下の通りである。
場所 |
成績 |
備考 |
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昭和47年夏場所 |
輪島(関脇) |
12勝3敗 |
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昭和49年九州場所 |
魁傑(小結) |
12勝3敗 |
北の湖と決定戦 |
昭和63年春場所 |
13勝2敗 |
北勝海と決定戦 |
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旭天鵬(前頭7枚目) |
12勝3敗 |
栃煌山と決定戦 |
番付で見ると、大関以外が達成したことがある記録である。
成績を見ると、12勝3敗による優勝が多く、また決定戦になることも多い。
とはいえ過去4例しかないため参考データも少ないのだが。
ちなみに1勝2敗から最終的に決定戦まで出場した力士は以下の通りである。
場所 |
成績 |
決定戦相手 |
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昭和44年名古屋場所 |
藤ノ川(前頭5枚目) |
12勝3敗 |
清國(大関)△ |
昭和57年夏場所 |
朝汐(小結) |
13勝2敗 |
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平成5年九州場所 |
武蔵丸(関脇) |
13勝2敗 |
曙(横綱)〇 |
平成13年夏場所 |
13勝2敗 |
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平成19年春場所 |
13勝2敗 |
決定戦相手の〇は本割では勝利、●は本割でも敗戦、△は対戦なしである。
意外なことに決定戦で敗れた力士の方が、13勝まで星を伸ばす確率が高くなっている。
今場所の隆の勝は本割で照ノ富士を下しているが、決定戦となった場合どうなるか。
過去決定戦で平幕力士が上位力士に勝利したことは一度もない(上記でも挙げている平成24年夏場所は平幕同士の決定戦のため除外)。
復調した照ノ富士が本割で御嶽海に敗れるとは想像しにくいため、隆の勝としては優勝するために本割、決定戦の連勝が必須となるか。
今場所途中で初日黒星を喫した力士の優勝に関して記載したが(詳細はこちら)、両者ともに初日黒星を喫している。
上記の通り、両者ともに初日の相撲を観た時、まさか千秋楽まで優勝争いをするとは思いもしなかった。
最後に笑うのは横綱か、それとも平幕か。
千秋楽も目が離せない。