大相撲初場所は中日を終了し、明日より後半戦へ突入する。
優勝争いに注目が集まる後半戦だが、中日を終了して御嶽海が単独トップに立つ展開である。
御嶽海の中日勝ち越しは平成30年名古屋場所以来であり、この場所は初優勝を果たしている。
関脇が中日勝ち越しを決めるのは今回で『27回目』である(年6場所制となった昭和33年以降)。
ちなみに関脇で2回中日勝ち越し経験がある力士は『千代の富士』と『御嶽海』の2名である。
千代の富士の場合2場所連続関脇で中日勝ち越しを決め、そのまま大関昇進も果たしている。
御嶽海の場合期間が空いているため、良く言えば実力がある、悪く言えば関脇で燻っているというところか。
また過去26回の内、関脇が優勝を果たした回数は『5回』である。
確率にして『0.192』と2割にも満たない。
この背景には同じく中日勝ち越しを決めている横綱、大関が最終的に優勝を果たすことが多いからである。
では『関脇が中日単独首位』の場合、確率としてはどうなるのか。
まず関脇が中日で単独首位に立った回数は今回で『11回目』である。
そして過去10回の内、優勝を果たした回数は『6回』である。
確率にして『0.6』のため、先程の記録と比較すると大きく上昇している。
ちなみにこの6割の中に御嶽海が1度含まれている。
過去の詳細は以下の通りである。
場所 |
中日単独トップ関脇 |
1差後続 |
備考 |
昭和37年春場所 |
佐田の山(8勝0敗) (13勝2敗 優勝) |
房錦(西10 12勝3敗) |
大鵬との優勝決定戦に勝利 |
昭和49年初場所 |
北の湖(8勝0敗) (14勝1敗 優勝) |
金剛(西6 10勝5敗) |
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昭和50年九州場所 |
三重ノ海(7勝1敗) (13勝2敗 優勝) |
輪島(横綱 11勝4敗) 長谷川(西9 10勝5敗) 豊山(西10 11勝4敗) 大受(西13 9勝6敗) |
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昭和61年春場所 |
保志(7勝1敗) (13勝2敗 優勝) |
北尾(大関 10勝5敗) 小錦(小結 12勝3敗) 板井(西13 9勝6敗) |
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平成3年初場所 |
琴錦(8勝0敗) (11勝4敗) |
霧島(大関 14勝1敗) |
霧島が優勝 |
平成4年夏場所 |
曙(7勝1敗) (13勝2敗 優勝) |
安芸ノ島(小結 9勝6敗) 水戸泉(小結 7勝8敗) 旭道山(東6 9勝6敗) 若花田(西7 11勝4敗) |
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平成17年秋場所 |
琴欧州(8勝0敗) (13勝2敗) |
稀勢の里(西16 12勝3敗) |
朝青龍が優勝決定戦で勝利 |
平成19年秋場所 |
安美錦(8勝0敗) (10勝5敗) |
旭天鵬(西12 12勝3敗) 豪栄道(西14 11勝4敗) |
白鵬が優勝 |
平成30年夏場所 |
栃ノ心(8勝0敗) (13勝2敗) |
千代の国(西12 12勝3敗) |
鶴竜が優勝 |
平成30年名古屋場所 |
御嶽海(8勝0敗) (13勝2敗 優勝) |
朝乃山(西13 11勝4敗) |
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上記の通り、8連勝したからといって単独首位に立てるわけではなく、その他力士にも8連勝している力士が存在することもあるため、過去は10回に留まっている。
そして7勝1敗で単独首位に立つこともあり、それ自体が珍しい事ではないが、関脇の場合は過去3回に留まる。
面白いことに7勝1敗で関脇が単独首位の場合、優勝確率は『100%』である。
このところ照ノ富士には7連敗中と圧倒されており、御嶽海がこのまま逃げ切るには照ノ富士戦が最大の山場となるだろう。
また大関昇進を考えた場合でも、照ノ富士戦でどれだけ相撲を取ることが出来るのか重要になってくるだろう。
平成30年名古屋場所、御嶽海はこのまま逃げ切って優勝を果たしている。
今場所は照ノ富士が存在する。
私個人とすれば13勝した時点で大関昇進には何一つ文句ないし、何なら照ノ富士に勝てば12勝でも昇進させて良いと思っている(明日以降4勝3敗では物足りない感じがしないでもないが)。
それだけここまでの御嶽海は充実した相撲内容である。
場所前に伊勢ヶ濱親方が『全勝すれば話も出てくる』といった旨の発言をしたが、自身が横綱でありながら達成したことのない全勝優勝を関脇に求めるのは如何なものかと思う。
このまま突っ走れるか御嶽海。
あまり期待せず見守るのが丁度良いだろう。