きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

67. 2019年夏場所千秋楽を勝手に語る

昨日で優勝は決まっていた令和初の本場所

昨日も記載したが、本日は栃ノ心、朝乃山に勝って締めてほしいところだったが、両者ともに黒星。

特に朝乃山としては、これから出世争いでもライバルになるであろう御嶽海相手に完敗だった。

逆に言えば御嶽海は、大関に昇進した貴景勝も含め、平成4~8年生まれの力士の中で最も地力があるのかを見せつけるかのように朝乃山を圧倒した。

毎場所のように言われていることだが、この力士の課題は『15日間総合しての力』だろう。

今場所も勝ち越しを決め、来場所は15場所連続三役在位となるが、二桁勝利を果たしたのは優勝した昨年名古屋場所のみである。

1日における爆発力はある。
しかし15日間総合しての安定感がない。

関脇より上を目指すというのは、安定感が求められるものである。

一方朝乃山だが、来場所は初めて上位圏内にて相撲を取ることになる。

優勝を果たしたが、横綱との対戦はなく(昨日も記載したが、今場所に限らずここまで横綱との対戦なし)、千秋楽も敗れていわゆる『低次元優勝』に終わってしまった。

この優勝に泥を塗らないためには、今後上位圏内にて結果を残すことである。

丁度58年前の夏場所で前頭13枚目の佐田の山が12勝3敗で優勝を果たした際は、十両優勝を果たした力士に敗れており、当時かなり問題視された。

しかし佐田の山も翌場所以降も結果を残し、横綱まで昇進を果たしている。

今場所の朝乃山の優勝が輝きを増すのも、今後の頑張り次第だろう。

昨日大関復帰を果たした栃ノ心も高安に完敗。

ケンカ四つの相手に、得意の右四つになったが、高安は右四つでも上手を取れば力を発揮するため、先に上手を引かれてそのまま攻められた。

栃ノ心としては地獄の3日間を潜り抜け、気が抜けたのだろう。

来場所以降も前半戦までの相撲を取り続けてもらいたいところだ。

あの相撲内容ならば、再び優勝することも夢ではない。

大怪我で幕下まで陥落し、そこから這い上がり、優勝&大関を手にした矢先、再び怪我により大関陥落。

そして再び力強い内容で這い上がってきた。

この先も『努力を続ける力士の鏡』として頑張ってほしい。

朝乃山の他、今場所成長著しかった力士は竜電、明生だろう。

竜電は元々ここ数場所でもろ差しもしくは頭をつけて食い下がる相撲を身に付けていたが、攻めが遅いため上位戦では苦戦していた。

今場所は攻めの早さも見られ、元々の我慢する内容も健在で素晴らしい場所だった。

あとは立ち合いの当たりをさらに強化し、上位戦で安定した結果を残すことが出来るかどうか。

明生は着実に勝ち越して番付を上げ、その度相撲に厳しさを増している印象を受ける。

もろ差し速攻の力士は、いつの時代でも面白い存在である。

来場所は初の上位戦となるが、栃ノ心戦で見せた速攻がどこまで通じるのか楽しみである。

新入幕の志摩ノ海は前半戦、同じく新入幕 炎鵬の活躍に影を潜め、成績もパッとしないものだったが、後半戦は6連勝で二桁とし、敢闘賞を受賞した。

2場所連続13勝の十両優勝は伊達じゃなかった。

派手さはないが、おっつけの巧さ、しぶとさは持ち合わせているため、立ち合いの当たりを強化すれば面白い存在になるかもしれない。

そして審判委員に対しては、最後の最後まで納得のいかない結果となった。

正直、14日目の取り組みが全て終了してから取り組み編成を決めるというものは、良い考え方だと思った。

むしろ今後もそうしていただきたいほどである。

千秋楽の怒り、それは『三賞に関して』である。

朝乃山の無条件ダブル受賞(殊勲賞に関して)もあまり納得いかないところもあるが、これは『優勝のおまけ要素』と考え譲るとして、玉鷲の条件付きが全くもって納得できない。

まず本日の玉鷲は阿炎との対戦であったが、両者ともに条件付きとなっていた。

14日目終了時点で、玉鷲10勝4敗、阿炎9勝5敗としていた。

そして星の内訳を見ると、玉鷲は不戦勝が1つあるものの1横綱1大関を降す内容に加え、小結以上と総当たり、さらには番付下とはいえ優勝力士を降した相撲もあった。

一方阿炎は、上位に対しては1大関から白星、その他は全敗である。
そして小結 御嶽海とは対戦していない。

中盤戦まで優勝争いのトップに立っていた栃ノ心から白星を掴み、千秋楽に勝てば二桁となるため、阿炎の条件付きに関してはそこまで大きな問題はない。

問題は阿炎が玉鷲に勝利して両者ともに10勝とし、なぜ『玉鷲<阿炎』となるのだろうか。

上記の通り、玉鷲の方が上位戦は健闘しているのにも関わらず。

それにしても玉鷲三賞運が悪い。
2017年九州場所も上位で11勝を果たしながら三賞受賞はならず、上位と全く対戦していない平幕中位の隠岐の海が同じく11勝で受賞を果たすという始末だった。

この結果にも腐らず、玉鷲には今後も上位キラーとして頑張ってほしいところ。

今場所は新大関 貴景勝が途中休場し、話題性に欠ける展開となったが、若手の優勝、栃ノ心大関を復帰などめでたいことも多かった。

その一方、上位陣の不甲斐なさが目立つ形にもなった。

白鵬が休場すると荒れる展開が多くなり、初優勝力士も多くなる傾向にあるが、白鵬が復帰したときに若手は同じように活躍することが出来るかどうか。

来場所以降どうなるか。

令和最初の本場所もこれにて千秋楽。
あっという間の15日間だった。

相撲ファンの皆様、15日間観戦お疲れ様でした。