きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

617. 大関在位で2場所連続12勝以上

貴景勝が優勝を果たして幕を閉じた初場所

貴景勝は先場所が同点、今場所が優勝のため、横綱昇進の基準を満たしているが、あろうことか来場所の綱取りに関してまで渋る決断を下している。

今場所で昇進とまではいかなくても、来場所綱取りの場所であるという明言くらいしても問題ないと思うのだが。

まあそれはさておき、貴景勝は2場所連続12勝としている。

これは貴景勝自身2回目である(2回とも大関在位で達成)。

12勝に関しては『低次元』と揶揄されることも多いが、ここ1年見てもわかるように優勝の1つのラインとも言える成績である。

過去には白鵬が『22場所連続12勝以上』という次元の異なる成績を残しているが、最高位大関の力士ではどのくらい存在するだろうか。

詳細は以下の通りである。

四股名

12勝以上連続場所数(場所)

成績

北葉山

2場所(S39夏・名)

12勝3敗(次点)

12勝3敗

貴ノ花

2場所(S52初・春)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(次点)

小錦

2場所(H2春・夏)

13勝2敗(同点)

12勝3敗

2場所(H3夏・名)

14勝1敗(同点)

12勝3敗(次点)

3場所(H3九~H4春)

13勝2敗(優勝)

12勝3敗

13勝2敗(優勝)

貴ノ浪

3場所(H6名~九)

12勝3敗

12勝3敗

12勝3敗(次点)

2場所(H8夏・名)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

魁皇

2場所(H16秋・九)

13勝2敗(優勝)

12勝3敗(次点)

栃東

2場所(H18初・春)

14勝1敗(優勝)

12勝3敗

高安

2場所(H30初・春)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

貴景勝

2場所(R2秋・九)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(優勝)

2場所(R4九・R5初)

12勝3敗(同点)

12勝3敗(優勝)

過去は小錦が3回で最高、2回目の達成も小錦貴ノ浪の2名しか存在しない。

小錦貴ノ浪は『横綱に近い大関』と言っても過言ではないため、この2名の四股名と並んだ貴景勝も実力者である証拠だろう。

また連続場所数としては小錦貴ノ浪の3場所連続が最高である。

9回優勝経験のある横綱日馬富士でさえ意外にも横綱在位、大関在位でともに2場所連続が最高であるため、十分立派である記録である一方、如何に白鵬が次元の異なる数値であるかを示すものでもある。

最強大関と称されることの多い魁皇は、優勝した翌場所に休場、負け越しが多いため1回しか達成していない。

また全勝優勝を含む2回の優勝を果たし、大関昇進から2年間は横綱レベルの成績を残している若嶋津は1回も達成していない。

『13勝⇒11勝⇒13勝』『14勝⇒9勝⇒15勝』等、高水準な成績ながらも12勝を続けることが出来なかった(余談だが3場所12勝の場合合計36勝だが、以上の若嶋津の成績は平均では越えている)。

また大関勝率の高い琴風、3回優勝を果たしている千代大海も達成していない。

これが後に横綱へ昇進した力士を含めるとどうなるか。

横綱へ昇進を果たす場合、綱取りを含む2場所は必ず12勝以上となっているため、綱取り場所の成績は除いている。

詳細は以下の通りである。

四股名

12勝以上連続場所数

成績

備考

柏戸

2場所(S36初・春)

13勝2敗(優勝)

12勝3敗(次点)

S36九横綱昇進

佐田の山

2場所(S39秋・九)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(次点)

翌場所13勝2敗で横綱昇進

玉の海

3場所(S43初~夏)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

13勝2敗

S45春横綱昇進

2場所(S43九・S44初)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

北の富士

2場所(S44秋・九)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(優勝)

翌場所13勝2敗で横綱昇進。

若乃花(2代目)

2場所(S53初・春)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(同点)

翌場所14勝1敗で横綱昇進。

隆の里

2場所(S58春・夏)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(次点)

翌場所14勝1敗で横綱昇進。

大乃国

2場所(S62夏・名)

15戦全勝(優勝)

12勝3敗(次点)

翌場所13勝2敗で横綱昇進。

旭富士

3場所(S63初~夏)

14勝1敗(優勝)

12勝3敗

12勝3敗(次点)

H2秋横綱昇進。

5場所(S63秋~H1夏)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

14勝1敗(同点)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(同点)

貴乃花

3場所(H5夏~秋)

14勝1敗(優勝)

13勝2敗(同点)

12勝3敗(次点)

H7初横綱昇進。

若乃花(3代目)

2場所(H6名・秋)

14勝1敗(次点)

12勝3敗

H10名横綱昇進。

2場所(H7初・春)

12勝3敗

12勝3敗

2場所(H8夏・名)

12勝3敗(次点)

12勝3敗(次点)

武蔵丸

2場所(H6夏・名)

12勝3敗(次点)

15戦全勝(優勝)

H11名横綱昇進。

5場所(H6九~H7名)

12勝3敗(次点)

13勝2敗(同点)

12勝3敗

12勝3敗

12勝3敗(次点)

2場所(H9初・春)

12勝3敗

12勝3敗(同点)

3場所(H9秋~H10初)

13勝2敗(同点)

12勝3敗

12勝3敗(優勝)

白鵬

2場所(H18夏・名)

14勝1敗(優勝)

13勝2敗(次点)

H19名横綱昇進。

稀勢の里

3場所(H28春~名)

13勝2敗(次点)

13勝2敗(次点)

12勝3敗(次点)

H29春横綱昇進。

照ノ富士

2場所(H29春・夏)

13勝2敗(同点)

12勝3敗(次点)

R3秋横綱昇進。

 

大鵬北の湖千代の富士朝青龍といった時代を築いた横綱四股名がないが、昇進が早ければ綱取り場所の成績を除いているため、四股名が漏れることもある。

逆に旭富士武蔵丸が群を抜いた成績であり、若乃花(3代目)も3回達成しているが、これはこの時点で『大関以上横綱未満』を意味するものか。

旭富士の成績はすさまじく、仮に昭和63年名古屋場所も12勝以上ならば『10場所連続12勝以上』を達成するところだった(仮に達成していれば歴代6位)。

武蔵丸も正代、御嶽海を酷評するだけの事はあり、高水準な成績である。

成績は横綱レベルであるが、旭富士武蔵丸若乃花(3代目)の場合、優勝に中々手が届かないため、悪い言い方をすれば『勝負弱い』といった所か。

それでもこの成績の残していれば現在ならば簡単に横綱へ昇進出来そうな気がしなくもない。

いずれにせよ、後に横綱へ昇進している力士の場合、平均して高水準な成績を残しているため、昇進できる要素が秘められているということである。

日本出身力士最後の横綱である稀勢の里大関時代は『勝負弱い』ことに定評(?)があり、何度も白鵬日馬富士に優勝をさらわれていた。

しかしその稀勢の里も上記の通り3場所連続12勝以上を達成しており、さらには安定して二桁勝てる成績を残していた。

横綱昇進後の成績は残念だったが、昇進できる力量は十分備わっていたということである(これに関しては稀勢の里が引退した時期にも記載したので良ければこちらをご参照ください)。

話は貴景勝に戻るが、大関在位で2回目の2場所連続12勝は実力者である証拠だろう。

ここ4場所は安定して二桁の白星も挙げている。

文句なしの横綱昇進のためにはとにもかくにも優勝が必要である。

来場所の貴景勝に注目である。