きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

614. 2023年初場所千秋楽を勝手に語る

史上初となる初日から出場する横綱大関の人数が合計1名という異例の場所。

出場している力士の中で最高位である貴景勝大関の意地を見せ、3回目の優勝を果たして幕を閉じた2023年大相撲初場所

貴景勝にとって今場所は計り知れない重圧との闘いだっただろう。

その中で豊昇龍、大栄翔、阿炎といった序盤戦好調だった上位圏内の力士が中盤戦で崩れ、中日辺りから貴景勝有利な展開へと場所が進んでいった。

これは貴景勝の場所になると思った矢先、終盤戦に連敗を喫した。

これが重圧による問題なのかどうかは不明だが、阿武咲が単独先頭に立つ展開となり『今場所も平幕優勝か』という雰囲気が醸し出していた。

それはただ単に連敗を喫しただけではなく、貴景勝の相撲内容が崩れていたからだ。

しかし13日目、1差で追う阿武咲との対決を制し、再び貴景勝へ流れが傾いた。

千秋楽は割崩しが行われ、琴勝峰との千秋楽相星決戦という形となった。

ここでも重圧が大きいのは貴景勝の方だっただろう。
貴景勝自身、一人大関としての重圧、2場所連続で千秋楽平幕に敗れてしまうのではないかという恐怖感もあったはずだ。

しかし千秋楽の相撲は貴景勝本来の相撲に加え、進化が見えた一番でもあった。

立ち合いの当たり良く突き放していき、そこから本来ならばさらに突き放していくもしくはハズ押しでいきたかったところだろう。

しかし流れの中で左を差してしまう形となった。
それでも当たり勝っていた分、差しても勢いですくい投げを決めることができた。

貴景勝のすくい投げは記憶にない。
今場所は翠富士戦、明生戦でも小手投げで白星を掴んでいる。

本日の一番もそうだが、今後貴景勝の武器になるものなのか、それともたまたま今場所うまく決まっただけなのか。

重圧と闘いつつも進化が垣間見られる場所となった。

それにしても今場所の貴景勝の優勝は非常に価値があると思う(価値のない優勝などないが)。

12勝という成績に関してはある程度批判もあるだろう。
3場所連続で平幕優勝が続いている中、貴景勝は安定して二桁の白星を挙げていた。

昨年の名古屋場所秋場所で優勝を果たした逸ノ城玉鷲は優勝した翌場所で負け越した。

先場所優勝した阿炎は今場所千秋楽にようやく勝ち越した。

正代、御嶽海は大関から陥落した。

若隆景、豊昇龍は二桁の白星を挙げた翌場所一桁勝ち越しに留まっている。

その中貴景勝は二桁の白星を続けて、そして今場所大関の意地を見せて優勝を果たした。

今場所は展開によっては綱取りとも言われていたが、綱取り云々よりも一人大関としての重圧の方が遥かに上回っていただろう。

とにかく今場所の貴景勝の優勝はおめでたいところである。

一方敗れた琴勝峰はやるだけの事はやっただろう。

正直この結果で良かったと思う。
昨日も記載したが、今場所の琴勝峰はあくまで『平幕下位で調子が良いレベル』であった。

それこそ言い方は失礼だが、敢闘賞を受賞できる位のレベルだ。

阿炎戦、大栄翔戦は素晴らしかったとはいえ、役力士との対戦は貴景勝戦のみだし、同じく優勝を争った阿武咲にも敗れている。
まだ優勝するレベルには達していないということだ。

今場所を糧にしていけば良いだけである。
本来の期待度からすれば、豊昇龍と同学年であり、早く上位圏内で活躍してほしい力士の一人だろう。

今度は上位圏内で優勝を争う位の強い気持ちを持ってほしい。

阿武咲にも言えることだが、両者ともに役力士には全敗である(本日の阿武咲は内容面では勝っていたが)。

これを上位圏内でも持続出来るかどうか。
来場所以降が勝負だろう。

そしてそれは霧馬山にも該当することである。

これで上位圏内で6場所連続勝ち越し(小結では3場所連続)、そして三役として初めて二桁の白星を挙げた。

廻しを引いたら強く、型もしっかりしているため、実力者であることは誰もが認めている。

来場所は関脇昇進もほぼ確実であり、大関の足固めの場所となるだろう。

現段階で大関に近い力士と言えば若隆景、豊昇龍だが、両者ともに2場所連続二桁白星を果たせていない。

豊昇龍の場合、今場所序盤戦で覚醒したかと思ったが、怪我により振り出しとなった。

霧馬山はここから抜け出すことができるかどうか。
今場所の11勝は間違いなく立派だが、その中にも勿体ない相撲があったため、まだまだ強くなる要素があるだろう。

霧馬山にとって来場所が勝負の場所とも言えるため注目である。

上記の通り豊昇龍が残念であり、若隆景も終盤戦の修正は素晴らしかったが、ある意味いつも通りといったところだった。

貴景勝の優勝は喜ばしい一方で、今後抜け出しそうな力士がまだ出てきそうにないという問題点は続きそうである。

おそらく朝乃山が来場所幕内へ復帰するだろうが、朝乃山を待っているようでは遅い。

また以前も記載したが、朝乃山は若手ではない。

とにもかくにも異例の場所を一人大関貴景勝がしっかり締めてくれたことは良しとしなければ。

今場所も皆様お疲れ様でした。
場所後もちょいちょい投稿したいと思いますのでよろしくお願いいたします。