あと1週間で大相撲春場所が初日を迎える。
3日後にはWBCが開催されるため、スポーツ観戦に忙しくなる方も多くなるのではないだろうか。
明確に『綱取り』という位置づけにはなっていないようだが、その背景には『12勝による優勝』が挙げられるか。
俗に12勝の優勝は『低次元』と揶揄されることが多い。
しかし先場所の貴景勝の相撲を観てケチをつける者は少なかったと認識しているし、連覇すれば大きな問題はないと言えるだろう。
昭和33年以降で過去12勝優勝の大関の翌場所の成績に関してまとめたものは以下の通りである。
優勝場所 |
翌場所成績 |
備考 |
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13勝2敗(優勝) |
優勝の翌場所横綱昇進 |
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清國 |
昭和44年名古屋場所 |
9勝6敗 |
新大関優勝 |
昭和50年秋場所 |
8勝7敗 |
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昭和62年春場所 |
13勝2敗(次点) |
横綱昇進 |
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平成7年九州場所 |
0勝4敗11休 |
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平成10年初場所 |
8勝7敗 |
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平成15年春場所 |
10勝5敗 |
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平成15年名古屋場所 |
7勝8敗 |
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令和3年夏場所 |
14勝1敗(次点) |
横綱昇進 |
過去は9名である。
大鵬の場合は例外で、12勝優勝の翌場所に横綱へ昇進している。
以前照ノ富士が綱取り場所の際『12勝基点の綱取り』という題で記載したが、昭和33年以降で過去12勝基点の綱取りを成功させたのは6名である(詳細はこちらを参照)。
しかし12勝の優勝を基点として綱取りを成功させた力士は『北勝海』『照ノ富士』の2名である。
その北勝海も13勝2敗の成績を挙げたが、優勝した大乃国(当時大関)は全勝優勝のため、星2つ差であった。
照ノ富士も白鵬との全勝相星決戦に敗れて惜しくも連覇は逃している。
そのため12勝優勝を基点とした綱取り場所で『連覇した力士は存在しない』ということになる。
上記の通り、今のところ貴景勝の綱取りという位置づけはされておらず、周囲を納得させるためには優勝が絶対条件とも言える。
もちろん場所の雰囲気等もあるため何とも言い難いが、貴景勝にとっては嫌なデータになるかもしれない。