きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

361. 2021年名古屋場所中日を勝手に語る

大相撲名古屋場所も早くも中日折り返し。

白鵬照ノ富士の2強は危なげなく全勝ターンし、そして1敗力士は消滅。

どちらかが優勝してくれと言わんばかりの展開となっている。

まず白鵬の相撲からだが、初顔の琴恵光を難なく下した。

琴恵光が勝つ姿は全く想像できなかったが、初顔ということで白鵬にも多少影響を及ぼすかという点で注目だったが、意に介さず下したという内容だった。

両者得意の右四つとは逆の四つだったが、胸を合わせて先に白鵬が上手を引いた時点で勝負ありだった。

琴恵光としてはもっと動きたかっただろうがそれも叶わなかった。

まぁ横綱初挑戦はこんなものだろう。
白鵬はこの2日間初顔相手だが冷静に捌いているようである。

場所前から話題となっていた進退を懸ける場所とは何だったのかというレベルで順調に白星を積み重ね、無傷で勝ち越しを決めた。

それこそここから7連敗でもすれば再び進退問題に発展するだろうが、それは非現実的であり、後半戦も照ノ富士と優勝争いを繰り広げていくだろう。

そしてその照ノ富士も翔猿を下して無傷で勝ち越しを決めた。

翔猿も昨日白鵬戦とは異なり、攻める姿勢を見せながらフットワークを生かす相撲だったが、照ノ富士が慌てることなく冷静に対処した。

序盤戦にも記載したが、今場所の照ノ富士は冷静な相撲を取っており、持ち前の力強さと合わせて鬼に金棒である。

この流れで後半戦も白星を積み重ねていきたいところである。

昨日注目の割と記載した『高安ー御嶽海』の関脇同士の一番は高安が辛抱勝ちした。

いつも通りの光景と呼べる高安の左差しを御嶽海が右おっつけで封じて膠着状態が続くという内容であるが、最後は高安が左前ミツを引いて逆に頭を付けて御嶽海の上体を起こして寄り切った。

御嶽海としては右前ミツを引く、もしくは右からおっつけて前に攻めることは出来ないものなのか。

一見高安が苦しい状態だが、御嶽海に攻める姿勢が見られないため、いずれは高安有利になってしまうのではないかという内容である。

工夫しているようで進歩がないため、御嶽海としては残念な一番である。

一方高安はすでに事実上4敗を喫しており、白鵬照ノ富士戦を残しているため、二桁のためにもこれ以上落とすわけにはいかなかった。

特に照ノ富士にとっては最大の関門とも呼べる相手であるため、このまま白星を積み重ねていきたいところである。

大関正代が北勝富士を下して星を五分に戻した。

お得意様ということで左を差した時点である程度余裕があったのだろうが、パッとしないというのが本音である。

内容に関してはこれ以上望むことは出来ず、白星を挙げたら御の字といったような感じである。

大関としてそれはどうよと言われたらそれまでなのだが、現状の正代はその程度の力量ということである。

若隆景ー逸ノ城の一番は、若隆景が左に変わりながら逸ノ城を崩そうとしたが足を滑らせて自滅したようにも見える内容だったが、逸ノ城も今場所は好調であることを伺える内容である。

調子の悪いときの逸ノ城ならばあっさり体勢を崩され、下からの攻めにあっさり土俵を割ることが多いのだが、今場所は前に出る姿勢が見られており、多少のいなしにも崩れることはない。

3敗のため優勝争いに絡むのは難しいが、二桁は十分狙えるだろう。

一方若隆景がここ数日間相撲に迷いが見られるか。

以前も記載したが、立ち合い安易に左へ動く相撲は今後見直した方が良いだろう。

攻める姿勢が見られないとこの力士の魅力は半減してしまう。

明日の注目の割は番狂わせという意味では特にない。
また優勝争いという観点からは本当に皆無と言える。

本日で1敗力士も消滅したわけだが、もはや3日目辺りで白鵬照ノ富士のいずれかという雰囲気が漂っており、それが本日で明確化したというだけの話かもしれない。

昨日まで1敗だった琴ノ若はここまで確かに良い相撲内容だったが、このまま1敗を保持することは現実的ではなかった。

気は早いのだが、白鵬照ノ富士による千秋楽全勝相星決戦を望んでいる。

不死鳥の横綱と地獄を見た綱取り大関の千秋楽全勝相星決戦となれば、後世に語り継がれるほどの展開となるだろう。

その一方で誰が土をつけるのかという点も注目である。

そして明日は優勝争いとは関係ないが、単純に若手同士ということで『若隆景ー豊昇龍』の一番には注目である。

先場所は若隆景が得意のおっつけで圧倒したが、今場所の豊昇龍は立ち合いの圧力が増してきているため、先場所のようにはいかないだろう。

激しい攻防を期待したいところである。

明日から後半戦へ突入するが、誰も2強を止めることは出来ないのか。

私個人としてはこの先白鵬は若隆景、照ノ富士は高安が山場となると考えているがはてさて…

360. 2021年名古屋場所7日目を勝手に語る

7日目を迎えた名古屋場所だが、本日の注目の割は『白鵬ー翔猿』の一番だった。

翔猿が勝つイメージは沸かないが、それでも何かしら面白いことはしてくれるのではないかという期待があった。

白鵬も初顔のため、多少影響を及ぼすのではないかとも思っていた。

まず立ち合いで翔猿は仕切り線からかなり後ろの位置で手をついた。

この時点である程度の撹乱戦法に出ていたのだろう。

1度目は待ったになったが(これもなぜ待ったになったのかはよくわからなかったが)、2度目に立ち合い成立し、相撲とは別競技のような離れる展開となった。

白鵬としては慌てず翔猿をじっくり見ながら細かく突っ張っていった。

ある意味白鵬としても珍しかったのが、あまり張り手を交えなかったことか。

その後頭四つの形となったが、翔猿がこれを嫌い、再度離れる展開となった。

そして最後は吸い込まれるように右四つに組んでしまい、白鵬得意の左上手投げで勝負が決まった。

上記の通り相撲とは別競技のような展開ではあるが、たまに見るには面白い展開とも言えるし、翔猿も相当作戦を練ったのが伝わる一番だった。

とはいえ結局翔猿は何をやりたかったのかわからなかった。

離れる展開から何かを狙っていたのだろうが、それが全くわからなかった。

頻りに自ら近付き左で白鵬の右手を掴もうとしていたので、白鵬の右を警戒していたのだろうか。

仮にそうだとしても掴んだ後に何をしようと思ったのだろうか。

面白い展開にはなったが、翔猿に勝機があったかと言われると正直全くなかったとも言える一番だった。

それでも叩きにばったり落ちるとか呆気ない一番になることはなかったため、翔猿としては健闘した一番と言えるだろう。

そして7連勝とした白鵬だが、冷静に捌いたといったところか。

相手が張り手でも繰り出してくるのならば頭に血が上る可能性もあっただろうが、あれだけ離れる展開になれば『自分から仕掛ける必要はない』という判断に至ったのだろう。

白鵬が慌てたらもう少し面白い展開になったかもしれない。

綱取り照ノ富士は琴恵光を寄せ付けず7連勝。

立ち合い当たってすぐに左前ミツ、右差しに成功し、あっさりと寄り切った。

十両時代は連敗したこともある相手だが、この1年の照ノ富士の躍進は凄まじいため、全く問題にしなかった。

序盤戦は我慢する内容が続いていたが、ここ2日間は圧倒する内容である。

現状隙が見当たらないほど強さを発揮している。
私個人としてはここまで単純に『強さ』を感じさせるのは白鵬よりも照ノ富士である。

大関正代が逸ノ城に完敗。
どちらが大関かと問いたくなる程の内容だった。

正代が酷すぎる一方、逸ノ城は昨日の反省を早くも生かしたのか。

昨日私は照ノ富士のように左前ミツを狙うような立ち合いをするべきだという旨の記載をしたが、まさにその立ち合いだった。

まだ完璧とは言い難いが、昨日よりは下から上手を取りにいっていた。

これが昨日も出来ていたならばもう少し違う展開になっていたかもしれないが、本日がたまたまだったのか、それとも対戦成績で分の良い正代相手ということで自信を持っていけたのか。

いずれにせよムラを減らしていきたいところである。

そして正代は上記の通り酷すぎる。
過去逸ノ城戦で同じような負け方をしているのにまるで反省していない。

元々器用な力士とは言えないが、それにしても工夫が無さすぎる。

今場所を見ても白鵬照ノ富士が別次元で相撲を取っているはわかる。

照ノ富士は『大関以上横綱未満』の力士であり、休場してしまったが貴景勝は『大関』であり、正代は『普通の大関以下』と呼べる存在である。

根本的な相撲内容の改善は難しいかもしれないが、ある程度工夫を凝らしていかないとあっという間に関脇へ陥落してしまうだろう。

若隆景戦といい、本日の逸ノ城戦といい大関としてあれだけ一方的に負けるのは酷すぎる。

関脇に目を向けると御嶽海が連敗を免れた。
大栄翔に攻め込まれ、決して良い内容とは言えないが、連敗しなかったことが何よりか。

もう1人の関脇高安が隆の勝相手に不覚。

立ち合いの踏み込み、その後の突っ張りも悪くないのだが、どうにも隆の勝相手には相性が悪い様子である。

これで事実上4敗目となり、二桁の白星に黄信号が灯った。

一方隆の勝が徐々に復調の兆しが見えてきたか。

白鵬戦から攻めの姿勢が見られるようになってきている。

ここ数場所右差し速攻が代名詞となっているが、差す事に拘っていては立ち合いの当たりが疎かになってしまう。

数場所前から記載しているが、ここ最近は立ち合いで立ち遅れることも多いため、まずは立ち合いしっかり踏み込み、突き放してから右を差すという展開が望ましいだろう。

上位戦を終えており、期待の力士だけにこのまま白星を積み重ねてほしいところである。

明日の注目の割は
白鵬ー琴恵光』
『高安ー御嶽海』
この2番である。

白鵬は連日の初顔相手である。
琴恵光が勝つイメージは全く沸かないが、単純に初顔相手ということで興味深い。

また琴恵光は正攻法であり、その中でも思い切ったことをやるタイプであるため、勝敗云々ではなく興味が沸く一番である。

とはいえあっさり引きに手をついたり、あっさり右四つに組まれて寄り切られるイメージも沸くのだが。

高安ー御嶽海の関脇対決は両者ともに二桁の白星を挙げるためには負けられない一番である。

特に高安にとってはここで落とせば5敗となり後がなくなる。

一方御嶽海もここで落とせば白鵬照ノ富士との対戦を残しているだけに厳しくなる。

高安の方が分の良い対戦成績だが、内容を見るとそこまで差が開くような展開ではない。

御嶽海としては胸を合わされては苦しいため、おっつけ、ハズ押しで攻めていきたいところである。

高安としては最終的には組み止めたいだろうが、それにとらわれるとおっつけの餌食になるため、まずは突っ張りで主導権を握りたいところだろう。

明日で早くも中日折り返しである。
2強は中日全勝ターンで後半戦へ突入するのか。

後続の力士も何とか食らいつくことが出来るかどうか。

はてさて…

359. 2021年名古屋場所6日目を勝手に語る

本日より中盤戦へ突入した名古屋場所

1敗力士が次々と敗れて琴ノ若のみとなり、その中白鵬照ノ富士は危なげなく6連勝。

まず白鵬だが、白鵬が引いてきたら北勝富士にもチャンスがあると昨日記載した。

張り差しからすぐに引く形となり、北勝富士にとっては願ったり叶ったりの展開だったが、その引きにあっさりと手をついてしまった。

あまりにも不甲斐ない内容だった。
そこまで圧力をかけられての引きではないし、そもそも想定内であるはずなのにあっさり手をつく。

まぁこの程度の力士だから三役も定着出来ないのだろう。
北勝富士ファンには申し訳ないが、本日の相撲内容は本当にため息が出た。

一方白鵬は磐石とは言い難い内容だが、これでも白星に繋げるのだから楽な展開だろう。

気分も良くしてエンジンもかかってくるか。

照ノ富士逸ノ城を全く寄せ付けず完勝。

昨日照ノ富士にとってお得意様と記載したが、予想以上に呆気ない一番となった。

逸ノ城がいつもの逸ノ城に戻ったとも思える内容だったが、立ち合いを見ても両者上手の取り方が全くもって異なる。

逸ノ城は手を伸ばして上から狙うのに対し、照ノ富士は前ミツを狙うよう立ち合いである。

この時点で両者似たような体格をしながら腰の位置がまるで違う。
逸ノ城も見習うべきだろう。

関脇御嶽海、豊昇龍、霧馬山と2敗へ後退。

豊昇龍、霧馬山は番付順でいけば上位と組まれないが、成績次第では白鵬照ノ富士と組まれる可能性を秘めていた。

特に豊昇龍は日に日に力強さを感じさせる相撲を取っていただけに残念である。

御嶽海は明生相手に逆転の突き落としを食ってしまった。
立ち合いの当たり、その後の攻めも悪くなかったが、最後に頭を下げて突っ込んでしまったか。

いずれにせよ痛手となる1敗である。

連敗を3で止めた大関正代にも触れておこう。

大関初挑戦の琴恵光との対戦だったが(余談だが貴景勝以外の3大関とは大関昇進前に対戦済み)、正直ここを落とすようならばかなり厳しい展開になっていただろうし、実力を出し切れば負けることのない相手であるとは思っていた。

しかし3連敗の相撲、そしてここ数場所の正代を見ていると、誰が相手でも『もしかしたら』という思いがある。

自信を失っている面もあるだろうが、それ以上に稽古不足なのだろう。

立ち合いの踏み込み、圧力を武器に大関へ昇進したが、ここ数場所はその立ち合いが影を潜めている。

立ち合いを強化するには稽古しかない。
状況が状況なだけに稽古も満足に出来ないかもしれないが、それは他の力士も同様である。

まだ今場所半分以上残されているが、稽古内容を見直すしかないだろう。

そして少し気掛かりなのが若隆景である。
この2日間はらしさが出ていない。

しかも今場所不調の力士相手に連敗である。
大栄翔、隆の勝ともに実力者ではあるが、星の挙がっていない力士に敗れるのは気掛かりである。

若隆景は時折左変化をすることがあるが、これは考え直した方が良いだろう。

やはりこの力士はまっすぐ当たって左右のおっつけ、もしくは前ミツを引いて食い下がる相撲が魅力である。

中途半端な変化では持ち味も半減してしまう。
黒星2つ先行だが、自分の相撲さえ取り切れば勝ち越しは見えてくるだろう。

明日の注目の割は番狂わせという意味ではないが
白鵬ー翔猿』は興味深い。

翔猿がどれだけ思い切りの良い相撲を取ることが出来るか。

また白鵬はここから先、初顔の対戦が続くだろう。

実力ではもちろん白鵬が上だが、初顔ということでどのような影響を及ぼすか。

また順調に白星を積み重ねていたため忘れていたが、膝への負担はどうか。

日が進むにつれ、膝への負担もかかるだろう。

それは照ノ富士も同様である。
毎場所どこかしらで膝を気にする場面が見受けられる。

両者ともに14日間は自分との戦いであり、そして千秋楽に直接対決という流れになるのか。

もはや優勝は白鵬照ノ富士のどちらかと言っても過言ではない。

昨日も記載したが、誰が土をつけるのか。
初顔が続くであろう白鵬に心境の変化は訪れるのか。

中盤戦以降も注目である。

358. 2021年名古屋場所5日目を勝手に語る

本日で序盤戦終了の名古屋場所

序盤戦最終日に『白鵬逸ノ城』の注目の割が組まれた。

白鵬にとって序盤戦最大の関門と呼べる相手だと思っており、動きの中で白星を掴んでいる白鵬がどのようにして巨体を崩すのか注目だった。

全盛期の白鵬ならば左前ミツを引いて圧倒するのだが、現状の白鵬ならばそれが出来なくなってきているため、どのような策に転じるのか。

まず立ち合いは左前ミツを狙いにいった。
今場所初めて見せた立ち合いである。

しかし前ミツは引けず、逆に逸ノ城十分の左上手を許す形となってしまった。

逸ノ城が上手を引いた瞬間『あとは下手を引けば完全に逸ノ城』だと感じた。

しかしそれも束の間、白鵬が左を巻きかえ、さらには上手もすぐに切ってもろ差しの形を作り、早い攻めで寄り切った。

この一番を見て、やはりこの力士の力は底が見えないと感じた。

相撲技術は元より相撲勘、瞬時の判断、これに関しては現在の白鵬と比較しても現役力士は誰も及ばないだろう。

現状5日間だけを見るならば、照ノ富士の方が強さは感じるかもしれない。

しかし上記の能力とでもいうのか培ってきたものは白鵬の方が上である。

本日の逸ノ城も決して悪くなかった。
立ち合いは踏み込んでいるし、左上手も早かった。

本人としても『いける』という感覚はあっただろうが、それ以上に白鵬の勝負勘が凄すぎた。

本日の白鵬の一番は本当に素晴らしかった。
正直鳥肌が立ってしまった。

綱取り照ノ富士北勝富士を問題にせず序盤戦無傷とした。

北勝富士も差されないようにハズ押しで抵抗するも、照ノ富士が右腕を返し、さらには左で引っ張り込んで上体を起こし、最後は小手投げで仕留めた。

幕内へ復帰以降負けたことのない相手のため、自信を持っていただろうし、強さと余裕を感じさせる一番だった。

関脇に目を向けると御嶽海が不戦勝で4勝目。
初日に完敗したことを考えると序盤戦1敗は上出来だろう。

一方高安が今場所土俵上では初黒星となり、休場と合わせ序盤戦黒星先行となった。

本日は左を差しにいったが明生におっつけられ、その後も突っ張りで攻めるも圧力がなかった。

ここ2日間休場明けとは思えないほど動きが良かっただけに残念な黒星である。

今場所も二桁を挙げれば大関昇進への足固めと出来るだろうが、白鵬照ノ富士との対戦が残されているだけに序盤戦で早くも厳しい星勘定となった。

一方明生が新三役として土俵上で初めての白星。

ここまでの相撲も明生らしさは存分に発揮できていたため、この一番をきっかけにしてほしいところ。

大栄翔、隆の勝の両力士が今場所の初日を挙げた。

両力士ともに先場所から不振が続いており、この両力士が奮闘してくれたら優勝争いももっと盛り上がると思うのだが。

明日の注目の割は番狂わせという意味ではあまりないのだが、強いて挙げるならば
白鵬北勝富士』だろうか。

対戦成績は白鵬の8勝3敗(不戦敗1)であるが、対戦成績以上に白鵬が苦戦を強いられることが多い。

白鵬が雑な相撲を取ってくれたらチャンスはあると思うが、本日の白鵬の相撲を見ると隙は無くなってきたか。

とにもかくにも北勝富士としては白鵬に引かせる相撲を取りたいところだろう。

照ノ富士逸ノ城の割が組まれているが、この一番に関しては逸ノ城照ノ富士に勝てるイメージが全く沸かない。

白鵬に対してはどっしり構えて上手を引けばチャンスがあると感じるが、照ノ富士に対しては似たような体格で右四つの完成度は照ノ富士の方が遥かに上であるため、照ノ富士としてはお得意様の一人ではないだろうか。

明日から中盤戦へ突入する。
早くも全勝が白鵬照ノ富士の2人となり、どちらが先に黒星を喫するのか。

しばらくはそこが焦点となるだろう。

私は場所前の展望にて『序盤戦無傷ならば白鵬優勝』と予想した。
果たしてその通りになるのだろうか。

357. 2021年名古屋場所4日目を勝手に語る

今場所の主役である白鵬照ノ富士が揃って白星を挙げたが、両者ともに辛勝となった4日目。

まず白鵬の相撲を振り返ると、立ち合い張り差しを選択したが組むことはできず、叩いて回り込む展開となった。

その後も何度か叩くが圧力をかけられていないため隆の勝も落ちず、逆に隆の勝が左からいなして白鵬の後ろにつく形となった。

この瞬間『今日の白鵬はあまりにも雑すぎたな』と白鵬が負けると思っていたのだが、半身の状態でも素早く叩き込んで逆転勝ちを決めた。

あの体勢から逆転へ結びつける辺りさすがの一言だが、本日の内容は上記の通り雑すぎた。

ここ1~2年の白鵬は劣勢になると引き、叩きを見せることが多くなっており、また劣勢になる背景として雑な突っ張りを見せるときである。

2日目の遠藤戦もそれに近い形にはなっていたが、この時は安易に叩かず相撲を取っていたため大事に至らなかったが、本日はあまりにも叩きを多用していた。

それでも白星に結びつけるのだから誰よりも『負けない強さ』を持っている力士であると言えるか。

まだ自分の型である右四つに組んでの白星はないが、このまま流れを掴むことが出来るかどうか。

綱取り照ノ富士も今場所最もヒヤッとした一番となった。

大栄翔の左喉輪に後退し、さらには中に入られる展開となった。

その後照ノ富士はまともに叩いてしまい万事休すかと思われたが、何とか残して逆転に繋げた。

本日は大いに反省をするべき一番であるが、照ノ富士白鵬同様『負けない強さ』が備わってきたか。

綱取り成功のためには序盤戦無傷で乗り越えたいため、本日は運を味方につけたということで明日以降修正したいところ。

今場所は冷静に相撲を取って白星を積み重ねており、良い内容であることに間違いないが、自分の型である右四つでの白星はない。

白鵬同様、自分の相撲を取って白星を挙げたら勢いを増すことだろう。

大関正代が連敗。
やはりここ数場所と何ら変わらないのかと思わせる一方、対戦相手の若隆景が完璧過ぎる相撲を取った。

左右のおっつけ、ハズ押し、頭をつける位置とどれをとっても完璧な内容だった。

地力も付けており、まだ序盤戦とはいえ、この流れならば新三役での勝ち越しもすぐに見えてくるだろう。

両関脇がともに白星。

昨日から出場した高安は本日も落ち着いて突き放し、最後は冷静に叩き込んだ。

昨日の内容を見てもそうだが、怪我の心配は全くない様子である。

御嶽海も翔猿を落ち着いて捌いた。
初日は逸ノ城に完敗したが、その後3日間は良い相撲を取り続けている。

この力士の場合、どこで崩れるかわからないが、格下相手には取りこぼさずいきたいところ。

平幕に目を向けると、逸ノ城が明生相手に力強く、さらには冷静な相撲を取った。

いつもならばもろ差しを許した瞬間ずるずると後退していくことが多いが、もろ差しを許しても慌てず右上手を引き、左を巻きかえて胸を合わせた。

逆の四つでも胸さえ合わせてしまえば逸ノ城の体格がものをいうだろう。

昨日も小手に振るなどただでは負けなかったため、やはり今場所は一味違うのか。

御嶽海同様、突如崩れることが多いため、過度な期待は止めておこう。

そして豊昇龍だが、相撲内容に力強さ、厳しさが出てきた印象を受ける。

先場所までは身体能力の高さを生かしての白星が多かったが、今場所は四つに組んでの強さ、また前に出る圧力もついている。

この調子でさらに立ち合いの鋭さが出てくれば、近い将来三役の常連となるだろう。

明日の注目の割は
白鵬逸ノ城
この一番である。

昨日も記載したが、白鵬にとって序盤戦最大の驚異になる存在だと思っている。

全盛期の白鵬ならば相四つ相手に無類の強さを発揮しており、お得意様とも呼べる相手であった。

それは『左前ミツの引き方』『廻しを切る技術』が歴代でも最高峰の巧さを持っているからである。

その白鵬の餌食になっていたのが現役で言えば照ノ富士逸ノ城栃ノ心魁聖であり、過去に遡れば鶴竜琴欧洲把瑠都豪栄道と数えるとキリがない。

しかしここ数年の白鵬は右四つで長い相撲になると苦戦する場面が増えてきている。

そしてこの逸ノ城相手には右四つではなく、もろ差し狙いでいくことが多い。

これは大型力士相手に胸を合わせては苦しいということを悟っているのだろう。

そのためもろ差し有利な体勢を作っていきたいのだろうが、今場所の逸ノ城は攻める姿勢と本日のようにもろ差しを許しても慌てない相撲を取ることが出来ている。

どっしり構えている相手を白鵬はどのように崩していくのか。

白鵬はここまで4日間、動きの中で白星を掴む内容である。

明日はおそらく組み合う形になると思うが、今場所の白鵬の状態がわかるのは明日かもしれない。

明日で序盤戦5日間が終了するが、白鵬照ノ富士の2強が引っ張る形となるのか。

それともダークホースが出てくるのか。

注目である。

356. 白鵬、今場所中の引退は回避した?

今場所最大の焦点である白鵬が初日から3連勝とした。

盤石とは言い難い内容だが、6場所連続休場明けの中、何だかんだで白星に結びつける辺りはさすがの一言である。

進退を懸ける力士の序盤戦は15日間の中で最も注目するべき点とも言える。

序盤戦で黒星を喫した時点ですぐに引退する力士もいれば、数日間相撲を取って引退する力士もいる。

逆に序盤戦で白星を積み重ねていけば、15日間皆勤して結果を残すことにもつながる。

昭和33年以降、横綱へ昇進した力士は28名である。

余談だが白鵬を除く27名がすでに引退しており、現役の横綱白鵬のみとなっているわけだが、白鵬より後に横綱へ昇進した日馬富士鶴竜稀勢の里が先に引退する結果となっている。

そして引退した27名は引退場所においてどのような成績を残していたのか調べてみた。

四股名

引退場所初黒星の日

最終成績

備考

若乃花1※

初日

0勝2敗

場所前に引退

朝潮

初日

2勝5敗

場所前に引退

柏戸

2日目

1勝3敗

 

大鵬

初日

3勝3敗

 

佐田の海

2日目

2勝4敗

前場所まで幕内連覇

玉の海※※

 

 

場所前に急死

前場所12勝3敗

北の富士

初日

0勝3敗

 

琴櫻

初日

0勝4敗

場所前に引退

輪島

2日目

1勝2敗

 

北の湖

初日

0勝3敗

 

若乃花2

初日

2勝4敗

 

三重ノ海

初日

0勝3敗

 

千代の富士

初日

1勝3敗

 

隆の里

初日

0勝2敗

 

双羽黒※※

 

 

場所前に廃業

前場所13勝2敗

北勝海

初日

0勝3敗

場所前に引退

大乃国

初日

4勝5敗

 

旭富士

初日

0勝4敗

 

 

 

場所前引退

前場所全休

2場所前優勝

貴乃花

3日目(不戦敗)

4勝4敗1休

 

若乃花3

2日目

2勝4敗

 

武蔵丸

2日目

3勝5敗

 

朝青龍※※

 

 

場所前に引退

前場所優勝

日馬富士

初日

0勝3敗

前場所優勝

鶴竜

初日

0勝2敗

5場所連続休場中で場所中に引退。

成績は引退の4場所前の成績。

稀勢の里

初日

0勝4敗

 

最終成績は最後の不戦敗を含めての成績である。

※印は場所前に引退している力士であり、その力士は前場所の成績を記載した(鶴竜は4場所前の成績)。

※※印は急死、突如の廃業・引退などの力士であるため、成績は空欄とした。曙も今回はこの枠に入れることにした。

※※印のついた力士以外の成績を見てみると、全員が『3日目までに黒星を喫している』結果となっている。

実に17名が初日黒星、5名が2日目に黒星を喫しており、初日から2連勝とした力士は貴乃花だけである。

その貴乃花も2日目の相撲で負傷して翌日休場となり、再出場を果たすも場所中引退となった。

表を見てもわかる通り、序盤戦で引退した力士は18名である(出場していた日で算出しているため6日目不戦敗の力士も含む)。

如何に序盤戦が大切かを教えてくれる結果であるが、白鵬は進退を懸ける場所にて初日から3連勝とした。

過去の成績から考えると3連勝して引退した横綱は存在しないため、白鵬はこのまま今場所を乗り切ることが出来るかどうか。

それも明日、明後日の結果次第で変わるかもしれない。

とにかく序盤戦を落とさないことが重要だろう。

まだ場所は12日間も残されている。

今場所最大の焦点である白鵬だが結果や如何に…

355. 2021年名古屋場所3日目を勝手に語る

大相撲名古屋場所も3日目が終了した。

3日目ともなると力士各々の調子がわかる頃だが、ここまでは良い力士と悪い力士の差がはっきりしているような内容である。

まずは第一人者白鵬から。
今場所一番危なげのない相撲だったと言える。

張り差しで先手を取り、大栄翔に突っ張る隙を与えず、すぐに左を差して豪快にすくい投げを決めた。

細かいことを言えばまだ自分の型である右四つの相撲及び寄り切る相撲は見られないが、内容は日に日に良くなっているようである。

何だかんだで白星に結びつける辺り、他の力士とは次元が異なるとも言える。

白星が一番の薬であり、あとは自分の相撲で白星を挙げたらエンジン全快になるのではないだろうか。

綱取りの照ノ富士は少し時間を要したが、隆の勝を下して3連勝。

隆の勝も良く残し、勝機がないわけではなかったと思うが、それ以上に照ノ富士が落ち着いて取っていた。

いなされて少し泳ぎ、両者の体が開いた場面でも引っ張り込むことはせず、頭をつけて冷静に相手の動きを見ていた。

この2日間若隆景、隆の勝と善戦しているように見えるが、これが精一杯と言えるかもしれない。

膝に爆弾を抱えているとはいえ、照ノ富士に冷静さが加われば鬼に金棒だろう。

この2日間良い相撲を取っていた正代が初黒星。

このところお得意様にしている遠藤相手に不覚を取った。

立ち合いは決して悪くなかったと思うが、ちょっとしたタイミングと遠藤の巧さに屈してしまった。

残念な黒星だが、良くも悪くも元々場所前から期待されていないため、切り替えて臨むことが重要だろう。

白鵬照ノ富士に何とか食らい付いていけば面白い存在になるかもしれない。

本日より貴景勝が休場となったが、その一方で高安が出場となった。

昨日も記載したが、ぎっくり腰がこんな数日で改善するわけないと思っていたので、下手に出場しない方が良いと考えていたのだが、本日の相撲を見て『本当に怪我していたのか?』と思わせるほど身体は動いていた。

そして敗れた逸ノ城だが、ここであっさり負けるようではいつもと変わらないと思っていたが、あっさり土俵を割るのではなく、小手に振るなど意地を見せる一番だった。

細かいことを言えば何度か叩く動きを見せて、攻める意識が少し足りなかったことが悔やまれるが、それ以上にあっさり土俵を割らずに相撲を取れたことは収穫とも言える。

ここから先も攻める意識を見せてほしいところである。
現状前半戦で白鵬にとって最も驚異となる存在は逸ノ城だと思っているがはてさて。

そして高安の話に戻るが、この相撲が取れるなら初日からの休場がもったいないようにも感じるが、それだけここ数日で状態が改善したということか。

星勘定としては1勝2敗だが、この相撲内容ならば二桁も十分狙えるだろう。

ぎっくり腰の再発だけは気を付けたいところである。

新小結の若隆景、明生が初白星を挙げた(明生は不戦勝だが)。

若隆景は連敗スタートとはいえ、自分の相撲を取り切っていたため、慌てなければその内白星を手にすることが出来るだろうとは思っていた。

本日も立ち合いの踏み込み良く、相手を圧倒したとも言える内容だった。

この白星をきっかけに明日以降も技能相撲をいかんなく発揮してほしいところである。

平幕下位に目を向けると栃ノ心の状態の悪さが気掛かりである。

ここ毎場所のように記載しているが、下半身がボロボロであり、上半身でしか相撲を取っていない。

負け方があまりにも脆すぎるため、見ていて寂しくもなる。

照ノ富士に負けず劣らずの復活劇を見せた力士なだけに、何とか復調してほしいのだがさすがにもう厳しいか。

明日の注目の割は
白鵬ー隆の勝』
この一番である。

白鵬戦は毎日注目であるが、本日隆の勝の相撲を見たらひょっとしたらという可能性が出てきたように感じる。

隆の勝としては右差し速攻を狙いたいだろうが、白鵬としてもそこは十分警戒しているだろう。

白鵬としては得意の右四つに組みやすい相手とも言えるが、隆の勝の出足には注意しなければいけない。

調子が上向いてきた白鵬だが、このまま流れを掴むことが出来るかどうか。

3日目にして早くも白鵬照ノ富士の一騎討ちの雰囲気が漂っているがはてさて…