きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

310. 2021年春場所7日目を勝手に語る

好調な役力士達の星にも変化のあった7日目。

まず場所の焦点である照ノ富士だが、難敵御嶽海相手に危なげない相撲を取った。

御嶽海はもろ差し狙いであり、浅いもろ差しの形を作ることには成功したが、照ノ富士は両前ミツをがっちり引き付けて万全な形を作った。

照ノ富士としてはある程度もろ差しを許すことは想定内であり、両前ミツさえ引き付けることが出来れば十分という気持ちもあっただろう。

難敵相手に危なげない相撲を取って白星を挙げたことが何よりだろう。

小結高安が比較的お得意様である宝富士にかなり苦戦を強いられたが、何とか我慢して1敗を守った。

立ち合いから両者得意とは逆の右四つに組み、この時点で高安有利と思ったが、流れの中で左四つとなり、さらには宝富士が先に上手を引く形となった。

高安は半身で苦しい状況だったが、我慢して上手を切り、すぐに上手を引いて出し投げで仕留めた。

相手がお得意様かつ今場所好調なだけに、ある程度不利な体勢になっても余裕はあったのだろう。

今場所の高安は腰の重さを感じさせる内容が続いている。
本日も我慢して凌ぐことが出来た。

とにもかくにもこんなところで落とすわけにはいかなかったため順当な結果だろう。

大関陣に目を向けると、何ともまぁ今場所は予測のつかない展開である。

大関陣唯一1敗だった朝乃山はここ2日間素晴らしい内容だったが、本日は霧馬山の術中にはまり不覚を取った。

霧馬山としては立ち合い左に動いて上手を引くという計算通りの内容だろうが、朝乃山としてはかつて変化されて左上手を引かれた経験もあったため、あの程度の変化には対応してほしいところだった。

この2日間非常に良かったために、本当に残念な黒星である。

そして角番貴景勝は勝っている相撲と負けている相撲の差が激しいと言えるか。

明生相手に良いところなく黒星を喫した。

とはいえ本日は明生が素晴らしい相撲を取った。

貴景勝の突き押しに全く下がらず、むしろ逆に突き放して攻め勝つ内容だった。

貴景勝としては突き押しの威力があまり感じさせなかったが、それ以上に明生の攻めの姿勢が良かったように感じた。

貴景勝は初日から2連勝の後、黒星白星が交互となっており、いまいち波に乗り切れていない状況である。

迷いなく押しに徹しようとはしているのだろうが、思いの外押し込むことが出来ない状況である。

これが減量による影響なのかどうかは不明だが、いずれにせよ優勝争いを考えた上で7日目で3敗はかなり苦しい展開となった。
角番という面でも一進一退の状況である。

昨日どうにもならないと感じさせた正代は何とか白星を挙げた。

志摩ノ海に攻め込まれる形となったが、土俵際逆転の上手投げを決めた。

本日も危ない場面の多い相撲だったが、何とか連敗を止めることに成功した。

立ち合いは高いし、相手に圧力が伝わっていないが、とりあえず白星を掴んだことが何よりだろう。

優勝争いを考えたときすでに4敗を喫しているためかなり厳しいが、好調役力士との対戦はまだ控えているため、何とか立ち直ってほしいところである。

1敗の関脇隆の勝が痛手となる2敗目。
今場所の状況を踏まえたら隆の勝有利と見ていたが、大栄翔の突っ張りに後退するだけの内容となってしまった。

今場所の隆の勝は立ち合いで先手を取ることが出来ていないため、それが仇となってしまったか。

本日は良いところなく敗れてしまった。
上位戦と割が組まれるまでは1敗でいってほしかったのだが残念な結果である。

先場所の覇者 大栄翔は今場所一番の内容で白星を挙げた。
好調力士相手に完勝し、明日も朝乃山戦であるため、本日のような相撲を取りきりたいところである。

明日の注目の割は
照ノ富士ー高安』
この一番である。

今場所の優勝争いを大きく左右する一番と言えるかもしれない。

照ノ富士にとっては『最大の関門』と言っても過言でない一番である。

照ノ富士が幕内へ復帰して以降、高安には3戦3敗である。

ケンカ四つの両者だが、照ノ富士得意の右四つに組んでも上手を許してしまえば高安有利となり、先場所は照ノ富士が高安を意識し過ぎたに頭から当たっていったが、その作戦も不発に終わっている。

照ノ富士からしてみれば何故そこまで苦手にするか不明だが、大関時代から比較的苦手にしている相手である。

とにかく最低限右四つには組むこと、そして高安に上手を許さないことだろう。

苦手意識を持ちすぎて先場所のように出来ないことをしてしまっては思う壺である。
ある程度余裕を持つことが重要だろう。

高安にとっては自身の初優勝を考えたとき、この一番がターニングポイントになる可能性は高い。

立ち合い強く当たってしっかり踏み込み、左四つに組むことが最善だが、照ノ富士も下手を引くと守りの強さを発揮するため、その辺りどう対策していくか。

話は変わり、今場所は平幕中位~下位の力士で飛び抜けた好成績者が存在しないが(一応千代の国は1敗だが)、本日の相撲を見るとやはり豊昇龍辺りは今後期待の持てる力士だと思わせる内容だった。

とにかく足腰が良い。
足腰さえ良ければ全て良く見えてしまうのが私の勝手な感想なのだが、この力士は現状絶対的な型はなく、相撲がやや大きく、身体能力の高さで白星を挙げているため、型が身に付いてくれば1~2年後には三役で活躍していることだろう。

明日で折り返しの中日だが、早くも今場所最注目の割が組まれたといっても過言ではない。

どのような形で後半戦へ突入するのか楽しみである。

余談ですが本日はちょっと酔っ払っているため、文章が拙劣になっているかもしれませんがご容赦ください…

309. 2021年春場所6日目を勝手に語る

大相撲春場所も本日より中盤戦へ突入。

昨日も記載したが、ある程度予想通り妙義龍が北勝富士に敗れ、全勝力士が消滅した。

その妙義龍だが、本日も立ち合いの踏み込みは良かったが、単純に北勝富士の力が上回ったような一番だった。

一昔前ならば三役常連の妙義龍も今では平幕中位以上上位未満といったところであり、上位常連の北勝富士に力負けした様子だった。

とはいえ北勝富士大関戦で連勝して波に乗っていたことも大きかったか。

全勝力士が消滅し、これで好調役力士に運が向いてくるか。

大関取りの照ノ富士は昨日の相撲を反省したような内容だった。

本日も立ち合いで霧馬山に右前ミツを引かれ、得意の四つとは逆の左四つとなり、苦しい展開となった。

しかし本日は抱えて小手に振るのではなく、圧力をかけながら左を深く差すことに成功した。

元より左下手さえ引けば強さを発揮するため、左を深く差し、胸を合わせたことで一安心出来る形となった。

その後は上手も引き、豪快な吊り出しで仕留めた。

膝への負担に対して吊り出しはどのような影響を及ぼすのかいまいちわからないところであるが、とりあえず我慢する内容で連敗を免れたことが何よりだろう。

あとは自分の型である右四つに組んで白星を掴みたいところだろう。

もう一人の関脇隆の勝は難敵の阿武咲相手に完勝。

立ち合いは阿武咲の方が踏み込んでいるが、隆の勝は下がらず右を差すことに成功した。

勝因は右を差したことだろうが、本日は左のおっつけもかなり効果的だった。

攻め方が理想的であり、綺麗でもある。
このまま白星を積み重ねていきたいところである。

小結高安は御嶽海を下して1敗を守った。

左を固めて当たったが、そこは御嶽海も織り込み済みであり、右からおっつけていった。

そのおっつけにやや上体が起きかけたが慌てず、結果的に巻きかえられ右四つになったが、高安にとっては右四つでも上手さえ引けば力を発揮できるため十分だった。

最後は高安らしからぬ鮮やかな出し投げで転がした。

昨日も記載したが、今場所は大関時代のような馬力とは異なるが、圧力をかけられており、さらにはどっしりしているように感じる。

このまま白星を積み重ねて、上位戦に挑んでほしいところである。

一方御嶽海は気付けば3勝3敗であり、やはり過度な期待をしなくて良かったという思いが強い。

この先はどちらかと言えば優勝争いを混沌とさせるための鍵となる可能性を秘めているのではないだろうか。

朝乃山、貴景勝にとって御嶽海は鬼門とも呼べる相手である。

優勝争いをしている力士達相手にどれだけ邪魔(?)を出来るかどうか。

本来ならば優勝争いに加わる力量を持っているだが、それが出来ないのも御嶽海という力士である。

大関陣に目を向けると、朝乃山が昨日の相撲をきっかけに完全復活を果たしたか。

今場所2大関を下している相撲巧者の若隆景相手に、立ち合い踏み込み、右を差して圧力をかけながら上手を引いて攻めるというこれぞ朝乃山の相撲という内容だった。

初日からの4日間は何だったのだろうか。
いずれにせよ不調ながら白星を積み重ねてきたことが中盤戦以降生きてくるだろう。

このまま自分の相撲を取り続けて、好調役力士達との対戦を迎えたいところである。

貴景勝は昨日の相撲で集中力を欠いてしまうのではないかと心配されたが、志摩ノ海相手に自分の相撲を取り切って完勝。

この力士は良くも悪くも押ししかないため、迷いなく自分の相撲に徹することが最善だろう。

連敗しないのが何よりだし、2敗で追走していきたいところだろう。

そしてどうにもならないのが正代か。

今場所はとにかく立ち合いが悪い。
上体が高い立ち合い元よりそうだが、今場所は全く踏み込めていない。

その場で立ち上がっているだけであり、流れの中でたまたま右を差して攻めても攻め切ることが出来ないといった内容である。

立ち合いを修正しない限り、今場所は残りの役力士が好調なだけに勝ち越しすら厳しくなるだろう。

3連敗により精神的にも相当ダメージを受けている様子である。
何とかきっかけを掴みたいところだが。

明日の注目の割は
照ノ富士ー御嶽海』
この一番である。

照ノ富士が立ち合い踏み込み良く左前ミツを引けば問題ないと思うが、今場所の照ノ富士は脇が甘いため、御嶽海にもろ差しを許してしまう可能性が高い。

そして御嶽海という力士は一発勝負における絶対的強さを兼ね備えている力士である。

上記の通り、優勝争いをしている力士達を脅かすことが出来るかどうか。

照ノ富士としては不利な体勢になってもとにかく強引な小手には振らず、本日のように我慢して取っていきたいところである。

中盤戦へ突入して早々全勝力士が消滅したが、この先好調な役力士達がどこまで星を伸ばせるのか注目である。

308. 2021年春場所5日目を勝手に語る

序盤戦最終日に照ノ富士が今場所の初黒星。

『第二関門』とも呼べる阿武咲相手に不覚を取った。

照ノ富士にとってはやや不運だったとも言える。
1回目の立ち合いで踏み込み良く、右差しに成功したが待ったとなってしまった。

2回目の立ち合いでも右を覗かせたが、阿武咲も同じ手は2度食わないといった形で左おっつけからすぐに左を巻きかえた。

阿武咲はもろ差し絶好の形を作り、照ノ富士は昨日のように小手投げで凌ぐが、本日は阿武咲の攻めが厳しく、照ノ富士の上体も伸びきってしまった。

1回目の立ち合い不成立により動揺がみられたか。
左巻きかえられたところですぐに小手に振るのではなく、もう少し辛抱して相撲を取りたいところだった。

本日はやや不運があったとはいえ、今場所はまだ自分の形で白星を掴んでおらず、小手に振る相撲が多く見受けられる。

本日の黒星は仕方ないとして、切り替えて明日以降左前ミツを引く自分の相撲を取りたいところである。

まだ10日間もあるため、とにかく切り替えが重要だろう。

大関陣は貴景勝、正代の2大関が黒星を喫し、皮肉なことに大関の序盤戦最高成績は最も不調だと思われていた朝乃山となった。

本日の朝乃山の相撲は今場所初めて朝乃山らしい相撲内容だった。

正直今場所の出来ならばケンカ四つの明生に差し負けてもろ差しを許して敗れると思っていたが、目の覚めるような内容だった。

朝乃山の立ち合いは珍しくもろ差し狙いだった。
もろ差しを果たすことは出来なかったが、立ち合いの踏み込みは今場所一番良かったため、得意の右を差すことに成功した。

今後もこういう相撲を取ることが出来れば照ノ富士が1敗に後退したこともあり面白くなってくるが、如何せんその照ノ富士に勝てるイメージはいまだ沸かない。

とにかく自分の相撲を取り切って白星を積み重ねていくことが重要になってくるだろう。

そしてここまで中身のない相撲内容ながら白星を積み重ねてきたことが生きてくるかもしれない。

大関で唯一好調だと思われていた貴景勝が、大関昇進以降苦手としている北勝富士に不覚。

貴景勝としては立ち合いの当たりも良く、最初にいなされた場面も良く足を運んでいったが、その後も北勝富士の粘りに苦しみ、仕留め切れなかった。

本日は北勝富士に粘られ苦しい場面でも安易ないなし、突き落としにいくこともなく懸命に押しに徹していたが白星に結び付かなかった。

自分の相撲に徹しながらも敗れてしまい、モチベーションが低下することも考えられる。

序盤戦で2敗は苦しいが、それでもまだ2敗であり、役力士との対戦は残されているため、腐らずに何とか切り替えて臨んでほしいところである。

正代は連日呼び込むような内容で黒星先行の3敗目。

右四つに組み、深いながらも上手を引いてある程度十分な形を作ったが、呼び込むような出し投げで墓穴を掘った。

今場所は立ち合いの踏み込み、圧力がないため、常時相手に相撲を取らせてしまっており、そして呼び込むような相撲を取ってしまっている。

序盤戦黒星先行となり、三役陣が好調であるため、この先苦しい展開になるだろうが、立ち合いを修正して自分の相撲を取り戻すしかないだろう。

一方正代から白星を挙げた若隆景だが、これで今場所2大関を撃破し、存在感を示している。

本日の一番をみてもやはり足腰は良いし、相手の投げについていく辺り反応も良い。

相撲技術は高いし、もう少し立ち合いの鋭さが出てくれば近いうちに三役で活躍するだろう。

私自身、場所前から期待しているため中盤戦以降も注目である。

関脇隆の勝は自分の相撲を取り切って4勝目。
今場所初めて立ち合いしっかり踏み込み、強烈なハズ押しで宝富士を仕留めた。

地力はついており、今場所は二桁目指してほしいところだが、どうにももったない相撲も多いため、好調の役力士と割が組まれるまで星を落とさないでほしいところである。

高安は大関時代のような馬力とは異なるが、相手を前に置いてしっかり圧力をかけて相撲を取ることが出来ている。

今場所の高安は強さを感じさせるし、期待したくなるのだが、この力士もムラがあるため過度な期待はできないか。

御嶽海が大栄翔に敗れ2敗目。
立ち合いは決して悪くなかったが、大栄翔がやや足を滑らせて前のめりになったところを叩き落とそうとして失敗する形となってしまった。

今場所の両者の出来からすると御嶽海にとってはもったない一番と言えるかもしれないが、これが御嶽海という力士でもある。

一方大栄翔が5日目でようやく初白星。
本日もやや上体だけの攻めになりかけたが、とにかく前に出て白星を挙げたというのが何よりだろう。

この白星をきっかけにしてほしいところである。
先々場所、先場所の成績がまぐれではないことを証明してほしいところである。

明日の注目の割は
『高安ー御嶽海』
この1番である。

出来れば1敗同士での対戦を望んでいたがそこは仕方ないか。

高安としては対戦成績で大きくリードしているとはいえ、相撲内容を見るとそこまで差のある相手ではない。

高安としては左四つに組みたいところだが、安易に左を差しにいけば御嶽海におっつけられるだろう。

今場所ここまでの内容のように、まずは当たってしっかり圧力を加えてから差しにいくことが重要だろう。

照ノ富士が敗れたことにより、全勝は平幕の妙義龍ただ1人となった。

平幕の優勝が目立つ昨今と言えど、このまま妙義龍が突っ走るとは予想しづらい。

確かに実力者であるが、まず明日の北勝富士戦で敗れるような気がするし、何だかんだで役力士達が場所を引っ張る展開になると思う。

序盤戦を終了し、私自身の予想は本命が照ノ富士、次点で高安、伏兵に隆の勝と場所前の予想と少し変化したがはてさて…

307. 2021年春場所4日目を勝手に語る

大相撲春場所も4日目を終了し、各々の調子もかなり把握できる頃でもある。

まず今場所の焦点である照ノ富士の取り組みだが、昨日懸念していた通りの内容になってしまったが、何とか凌いで白星へ結び付けた。

立ち合いも昨日と異なり腰高であり、さらには右もはじめから抱え込みにいくような形だった。

明生としては願ったり叶ったりであり、もろ差しの絶好の形を作ることに成功した。

照ノ富士としては小手に振って何とか凌ぎ、そのまま力強いという名の強引な小手投げで仕留めた。

照ノ富士だからこそ可能である相撲であるが、絶対に避けなければならない最悪の相撲内容である。

まだ序盤戦のため、膝にある程度余裕があるのだろうが、疲労が蓄積する後半戦では確実に怪我へ繋がる内容である。

照ノ富士としては本日の一番は反省しかないだろう。

今場所は昨日の相撲以外立ち合いがあまり良くないか。
その中でも白星に結び付けている辺り、状態もかなり戻ってきているのだろうが、明日以降しっかり修正していきたいところである。

大関陣の全員安泰が中々見られない。

本日敗れた正代だが、比較的お得意様である北勝富士に不覚を取った。

確かに北勝富士は上位を苦しめている実力者であるが、正代からするとそこまで苦としない相手のため痛い黒星である。

立ち合い全く踏み込めておらず、その場で立っているだけである。

それでも左を覗かせて攻めていたが、何故叩いて呼び込んでしまったのか。

立ち合いで先手が取れていない分、余裕がないということだろう。

立ち合いを修正していかない限り、今場所は苦戦を強いられるだろう。

貴景勝は昨日の敗戦を引きずることなく、自分の相撲を取り切って完勝。

小細工のない比較的押しやすい宝富士ということもあり、迷いのない相撲だった。

押し相撲はちょっとしたさじ加減により調子の善し悪しに影響するため、連敗しなかったことが何よりだろう。

このまま自分の相撲を貫いて白星を積み重ねていきたいところである。

朝乃山は本日も立ち合い踏み込めず防戦一方の内容。
土俵際で何とか白星を掴むことに成功した。

今場所はとにかく立ち合い腰高であり、さらには軽い。
しかも本日は張り差しを選択したが、いつもやらないことをやってもうまくいくわけがない。

連日中身のない内容だが、それでも現状1敗なのだからとりあえず良しとするべきなのだろうか。

とはいえこの内容ならば今場所も照ノ富士に勝てるイメージは沸かないし、残念ながら期待することはできない。

何とかきっかけを掴みたいところだが、明日で序盤戦も終了するため、のんきにしている場合ではない。

関脇・小結に目を向けると隆の勝、高安、御嶽海が3勝1敗とした。

隆の勝は本日も攻め込まれる内容だったが、右を覗かせてからは力強さを発揮した。

高安は大栄翔に攻め込まれたが土俵際逆転で勝利した。
今場所は力強さも見せており、さらにはこういう相撲をモノにするあたり不気味な存在になるかもしれない。

御嶽海は若隆景相手に完勝。
昨日苦手の隆の勝に敗れ、さらに若隆景は昨日貴景勝相手に素晴らしい相撲を取ったため、御嶽海の悪い癖が顔を覗かせるかと思ったのだが、目の覚めるような相撲だった。

3名ともにこのまま白星を積み重ね、大関陣+照ノ富士を脅かしたいところである。

好調な関脇・小結が多い中、1人苦しんでいるのが先場所の覇者 大栄翔である。

本日は今場所の相撲の中で最も攻め込む場面が見られたが、ここまで白星がない焦りもあったのだろうか土俵際はやや上体だけになってしまった。

先場所は足も良く出ており、左右ともに突っ張りの腕も良く伸びていたが、今場所は立ち合いしっくりきておらず、さらにその後突っ張ることもできていないため、流れの悪い相撲となっている。

貴景勝のところでも記載したが、押し相撲はちょっとしたさじ加減により変化が生じるため、今場所は歯車が狂っている様子である。

何とかきっかけを掴みたいところだが、厳しい序盤戦となっている。

明日の注目の割は
貴景勝北勝富士
照ノ富士ー阿武咲』
この2番である。

貴景勝大関昇進以降、3勝5敗と苦手にしている北勝富士である。

正直貴景勝が余計なことを考えず、押しに徹することが出来ればそこまで苦労する相手ではないと思うのだが、安易ないなしに頼って墓穴を掘ることも多い。

貴景勝としてはここまで3つ白星を挙げている内容のように愚直に圧していくことが重要だろう。

上記の通り、安易ないなし、突き落としは避けたいところである。

照ノ富士は『第二関門』と呼べる相手である。
本日のような立ち合いをしてしまえば、阿武咲に一気に持っていかれる可能性が高い。

昨年秋場所、先場所と苦杯をなめている相手であるため、立ち合いは細心の注意を払いたいところである。

逸ノ城が敗れ、全勝は照ノ富士、妙義龍の2名だけとなった。

まだ序盤戦すら終了していないが、現状照ノ富士が有利な展開である。

二桁勝ちそうな力士はある程度予想出来ても、優勝争い出来るほど大勝する力士となると照ノ富士以外予想しづらい。

貴景勝、隆の勝、高安、御嶽海がどこまで食らいついていけるかどうか注目である。
また本日敗れたとはいえ、逸ノ城も食らいついていってほしいところである。

明日で序盤戦が終了する。
どのような展開で中盤戦へ突入するだろうか。

306. 横綱不在の連続場所

本日大相撲春場所3日目が終了したが、白鵬が休場したことによりこれで『5場所連続横綱不在』ということになった。

ちなみにこの5場所連続という概念は『横綱の15日間皆勤が1人もいなかった』ということを意味するため、全休以外の途中休場もカウントしている。

またこの5場所連続という記録は、歴代2位の記録である。

過去最長は平成3年秋場所~平成5年初場所までの『9場所連続』であるが、これは少々事情が異なる。

平成4年名古屋場所~平成5年初場所までの4場所にて番付上で横綱不在となったためである。

そのため番付上で横綱が在位しながら場所中不在となったいう考え方ならば、平成3年秋場所~平成4年夏場所までの5場所連続と並び最長記録である。

しかも平成4年夏場所は、番付上では北勝海が在位しているものの、場所前に引退を表明しているため、事実上1位になったといっても過言ではない。

昭和まで遡るが、年6場所制となった昭和33年以降、昭和の場所数は『全186場所』であるが、横綱不在となった場所はたったの『7場所』である。

ちなみに昭和で横綱不在の連続場所数は昭和44年九州場所~昭和45年初場所の『2場所』が最長である。

これをみてもわかるように、ここ1年白鵬鶴竜の休場が相当目立っているということである。

元号が平成に変わってから上記の場所以外で、平成6年夏場所秋場所まで1人横綱だった曙が長期休場したため、3場所連続横綱不在となったことがあった。

①昭和44年九州場所~昭和45年初場所

②平成3年秋場所~平成5年初場所

③平成6年夏場所秋場所

過去の横綱不在の連続場所により『新横綱誕生』という背景も存在する。

まず①では昭和45年初場所後に北の富士玉の海が同時昇進を果たし、玉の海の不幸により短期間ではあったが『北玉時代』を築いた。

②では連続優勝を果たし、平成5初場所後に曙が横綱へ昇進し、③では平成6年秋場所貴乃花が全勝優勝を果たし、翌九州場所に連覇を果たして横綱へ昇進した。

そのため今回も横綱昇進を期待したいところだが、何せ大関の優勝は昨年九州場所貴景勝が久しぶりであり、先場所綱取りの場所が悲惨な成績だったため、現状はかなり厳しい。

『次の横綱は誰か?』という問いに対して、私は現役の3大関四股名を挙げることはない。

むしろ今場所大関復帰を懸ける照ノ富士の方が横綱に最も近いのではないかと思わせるレベルである。

横綱の不在、さらには長期の不在は残念だが、見方を変えれば時代の転換期であり、周りの力士はこれをチャンスと思って必死になっていただきたいところである。

305. 2021年春場所3日目を勝手に語る

白鵬休場。
結果論にはなるが、この2日間(特に昨日)の相撲内容を見ていると皆勤は厳しいと感じていた。

古傷の膝が原因とのことだが、この2日間だけの問題ではなく、元々状態は良くなかったのだろう。

出場すれば何だかんだで結果を残す白鵬だったが、皆勤すら難しくなったということか。

来場所に全てを懸けるという旨の発言をしているようだが、手術が必要との情報もあり、来場所までに復帰できるかどうかも危うい。

『引き際の美学』
横綱の美学』
白鵬の休場によりこれらの言葉が聞かれるが、私個人としては全盛期の白鵬を知っているだけにもう一度強い白鵬を見てみたいという気持ちが強い。

来場所の復活に期待したいところである。

さて土俵に目を向けよう。

大関取りの照ノ富士は第一関門とも言える大栄翔相手に完勝。

立ち合い低く、踏み込みも良く、足も出ているため立ち合いだけで大栄翔を圧倒したような内容だった。

この3日間で最高の相撲内容だった。
厳密に言えばまだ得意の右四つで白星スタート挙げていないが、本日のような相撲内容ならば問題ないだろう。

一方大栄翔としては、踏み込み負けしているため、全く突っ張ることが出来なかった。

先場所と正反対の内容、星勘定となっているが、これが押し相撲の難しさといったところか。

3大関は本日も安泰とならず、さらには3日目で全勝が消滅。

2日間好調だった貴景勝は若隆景相手に不覚を取った。

貴景勝は小兵力士を捌くのがうまい力士であるため、この黒星には驚かされた。

本日も立ち合いの当たり、その後の突き放しも悪くなかったが、途中左突き落としを見せてから展開が変わった。

昨日のようにしっかり圧力をかけての突き落としならば良いが、あまり圧力が伝わっていない状態で突き落としを見せても効果は半減である。

しかも相手が足腰の良い若隆景ならば尚更である。

この2日間完璧だっただけに悔やまれる黒星だが、切り替えて明日以降臨んでほしいところである。

そして本日の相撲は若隆景を褒めた方が良いかもしれない。

貴景勝の当たりに大きく下がることなく、逆に下から突き放していき、右を差して一気に走っていった。

上記の通り、貴景勝は小兵力士を捌くのがうまく、対戦相手は貴景勝の突き押しを何とかしようと横に動いて勝機を見出だそうし、追い詰められて敗れるというパターンが大半だが、下手に動かず逆に突き放して応戦したのが勝因となった。

本日の相撲内容を見てもわかるが、足腰は良いし、相撲技術は本当に高水準である。

まだまだ上位戦は続くため、相撲技術をいかんなく発揮していただきたいところである。

正代はお得意様の宝富士相手に自分の型であるもろ差しからの寄り切りで白星先行。

小細工のない相手であり、お得意様ということもあり、自信満々に相撲を取っていた様子である。

自分の相撲で白星を掴んだことにより、これで少し余裕も生まれてくるだろう。

朝乃山が連敗を免れたもののパッとしない。

立ち合い腰高であり、踏み込みもない。
そのため北勝富士相手に攻め込まれる展開となった。

流れの中で何とか白星を掴んだものの、いまだ中身のない内容が続いている。

朝乃山としては厳しい序盤戦だが、何とか得意の右四つから白星を掴みたいところである。

好調の御嶽海が隆の勝相手に不覚。
御嶽海はやはり隆の勝に苦手意識があるのか。

立ち合いの当たりは悪くないのだが、攻め込めないとみるやすぐに左から突き落としにいってしまい墓穴を掘った。

御嶽海が本日隆の勝という山場を乗り越えたならば、今場所は期待できるではないかと思っていたが、やはり今場所も勝ち越しが関の山だろうか。
それでも要所で存在感は見せるだろうが。

一方隆の勝は本日も立ち合い踏み込めてはいないが、押し負けることなく逆に押し上げて御嶽海の上体を起こすことに成功した。

こうなるとやはり昨日の黒星が悔やまれるが、この流れで白星を積み重ねていきたいところである。

平幕に目を向けると逸ノ城の状態が良い様子である。

本日は引いてしまう展開となったが、ここまでは久々に力強さを感じさせる内容である。

しかしこの力士も15日間の中で良い相撲と悪い相撲の差が激しいため、このままの流れで白星を積み重ねていきたいところである。

そして期待の若手である琴勝峰が昨日の相撲で足首を負傷して休場となった。

先場所は上位圏内で大敗を喫し、今場所は巻き返しを図りたいところだったが、それが果たせなかった。

組んでも良し、離れても良しの力士であるが、突き押しにしろ四つにしろ絶対的な強さはまだ乏しく、懐の深さを活かした逆転が多かったため、それが怪我にも繋がってしまったか。

早く治療して攻める相撲を磨いてほしいところである。

明日の注目の割は
照ノ富士ー明生』
この一番である。

照ノ富士としては本日のような相撲内容ならば問題ないと思うが、明生も本日の速攻相撲は素晴らしい内容だった。

照ノ富士は立ち合い間違えると明生に左差し速攻を許す可能性が高いため、立ち合いが重要になるだろう。

3日間で全勝は早くも照ノ富士、妙義龍、逸ノ城の3名だけとなった。

大関陣は早くも全勝が消滅してしまったが、何とか食らいついていきたいところである。
序盤戦でこれ以上躓くわけにはいかないだろう。

序盤戦、誰が抜け出す形となるだろうか。

304. 2021年春場所2日目を勝手に語る

場所の焦点である照ノ富士が初日から連勝スタート。

しかし内容面だけを見るならば『まだ良くはない』といったところか。

立ち合いやや高く、若隆景のおっつけ、ハズ押しに苦戦したが、若隆景が右を深く差してきたため、強烈な小手投げで形勢逆転した。

やや強引とも言える相撲だが、見方を変えれば若隆景のような小兵力士にとってはある意味最も嫌な相撲を取られたとも言える。

小兵力士は大型力士に大きい相撲を取られると苦しいものがある。

そういった意味では照ノ富士は最善策だったかもしれないし、重要な場所で連勝スタートを切ったことが何よりといったところか。
あとは自分の型で白星を掴み、波に乗っていきたいところ。

第一人者 白鵬は宝富士を下して連勝スタート。
とはいえ立ち合いの踏み込みは全くなく、さらには軽い。

ケンカ四つ相手に自分の四つに組んだ時点で余裕はあっただろうが、組んだ後の動きもかなり乏しかった。

最後は反応良く小手投げで決め、さすがの対応力と言えばそれまでだが、絶対的な強さとは程遠い2日間である。

白鵬の代名詞とも呼べる左前ミツを引く相撲が見られるのかどうか気掛かりなところである。

そんな不安だらけの中でも連勝スタートを切る辺りは他の力士との格の違いを見せているのかもしれない。

3大関は2日目も安泰ならず。

貴景勝大関昇進以降苦戦を強いられている鬼門の2日目を突破した。

立ち合いの踏み込み、当たりも良く、何度も頭で当たっていき、さらに下から下からと押し上げる貴景勝らしい相撲だった。

決まり手は左からの突き落としだったが、苦し紛れの突き落としではなく、しっかり圧力をかけての突き落としであるため、これも貴景勝の十八番である。

まだ2日間であるが、内容面だけを考慮すれば上位陣で最高と言っても過言でないレベルである。

このまま白星を積み重ねていけば昨年九州場所のような展開も十分考えられるだろう。

一方大栄翔は初日から連敗。
相手が相手なだけに仕方ないのだが、とはいえ相撲を取ることが出来ていない様子である。

先場所のような立ち合いの踏み込み、そして突っ張りを炸裂させる事が出来ていないため、早くきっかけを掴みたいところである。

初日黒星を喫した正代は連敗を免れた。
しかし立ち合いは踏み込むことが出来ず、結果として圧力を伝えることも出来ていないため、阿武咲に押し込まれる展開となった。

その中でも得意の左を覗かせていたため、残す余裕はあった様子である。

左が少しでも覗けば無類の強さを発揮するが、立ち合い先手を取ってから左を差す展開が理想だろう。

早く自分の相撲で白星を掴み、きっかけを掴みたいところである。

朝乃山が昨日記載したが、懸念した通りの内容で黒星。

立ち合いの踏み込み、圧力も全くなく、手繰って右を差すことに成功したが、高安に上手を許してしまった。

結果的に右を差し勝ったのは良かったが、高安は右四つでも上手を取れば力を発揮するため、朝乃山としては防戦一方だった。

過去に何度か記載しているが、朝乃山の右四つの完成度は低いため廻しを切る技術もなく、弱さを露呈する一番になったとも言える。

そもそも本日の立ち合いも何を狙っていたのかいまいちわからなかったし、昨日も勝ったとはいえ中身のない内容であったため、今場所は苦戦を強いられる可能性も高いか。

一方高安だが、本日の相撲を見るとやはり強いと感じさせられる。
昨日の黒星が悔やまれる。

関脇隆の勝が黒星。
本日も立ち合いで立ち遅れ、さらには引き、叩きも目立つ相撲だった。

ここ数場所上位に定着しており、私自身も期待を寄せているのだが、どうにももったいない相撲で黒星を喫することが多い印象を受ける。

確かに北勝富士は実力者であるが、現状の力量を考えたら落としてはいけない一番とも言える。

とにもかくにも立ち合いを修正していくことが重要だろう。

小結の御嶽海が明生を下して連勝スタート。

昨日良い相撲で上位を下しながら、ここで負けるのが御嶽海という力士であるが、本日は立ち合いの当たりも良く、その後の攻めも素晴らしかった。

この2日間を見ると期待したくなるが、この力士の場合いつ崩れるかもわからないから褒めるのはこれくらいにしておこう。

明日の注目の割は
白鵬ー阿武咲』
照ノ富士ー大栄翔』
『隆の勝ー御嶽海』
この3番である。

本日の白鵬の立ち合いを見ると下手をすれば一気に持っていかれる可能性も高い。

昨年の春場所は叩いて呼び込んでしまい金星を配給している。

その一方で張り差しで阿武咲の当たりをあっさり止めて圧勝するイメージも強いが、白鵬としては安易な叩きだけは避けたいところである。

照ノ富士ー大栄翔は、照ノ富士にとって『第一関門』と呼べる相手である。

ここ2場所は大栄翔が連勝しており、照ノ富士としては中々組み止めることの出来ない相手である。

この2日間大栄翔らしい相撲は見られていないが、照ノ富士は本日のようなやや腰高な立ち合いでは一気に持っていかれる可能性も高いため、注意が必要である。

隆の勝ー御嶽海は、御嶽海にとって苦手としている相手である。
さらにはここ数場所隆の勝の躍進により、立場も逆転してしまっている。

御嶽海としては隆の勝に勝利することで、今場所波に乗るためのきっかけになる可能性が高い。

隆の勝としても序盤戦で躓くわけにはいかないため落とすことの出来ない一番である。

両者ともに負けられない一番である。

まだ2日間であるが内容面だけを考慮するならば貴景勝、御嶽海が良く、さらに平幕に目を向けると逸ノ城もやや不気味な存在である。

関脇・小結がどれだけ上位戦で結果を残すことが出来るか。
そこが場所の鍵となるのではないだろうか。