きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

308. 2021年春場所5日目を勝手に語る

序盤戦最終日に照ノ富士が今場所の初黒星。

『第二関門』とも呼べる阿武咲相手に不覚を取った。

照ノ富士にとってはやや不運だったとも言える。
1回目の立ち合いで踏み込み良く、右差しに成功したが待ったとなってしまった。

2回目の立ち合いでも右を覗かせたが、阿武咲も同じ手は2度食わないといった形で左おっつけからすぐに左を巻きかえた。

阿武咲はもろ差し絶好の形を作り、照ノ富士は昨日のように小手投げで凌ぐが、本日は阿武咲の攻めが厳しく、照ノ富士の上体も伸びきってしまった。

1回目の立ち合い不成立により動揺がみられたか。
左巻きかえられたところですぐに小手に振るのではなく、もう少し辛抱して相撲を取りたいところだった。

本日はやや不運があったとはいえ、今場所はまだ自分の形で白星を掴んでおらず、小手に振る相撲が多く見受けられる。

本日の黒星は仕方ないとして、切り替えて明日以降左前ミツを引く自分の相撲を取りたいところである。

まだ10日間もあるため、とにかく切り替えが重要だろう。

大関陣は貴景勝、正代の2大関が黒星を喫し、皮肉なことに大関の序盤戦最高成績は最も不調だと思われていた朝乃山となった。

本日の朝乃山の相撲は今場所初めて朝乃山らしい相撲内容だった。

正直今場所の出来ならばケンカ四つの明生に差し負けてもろ差しを許して敗れると思っていたが、目の覚めるような内容だった。

朝乃山の立ち合いは珍しくもろ差し狙いだった。
もろ差しを果たすことは出来なかったが、立ち合いの踏み込みは今場所一番良かったため、得意の右を差すことに成功した。

今後もこういう相撲を取ることが出来れば照ノ富士が1敗に後退したこともあり面白くなってくるが、如何せんその照ノ富士に勝てるイメージはいまだ沸かない。

とにかく自分の相撲を取り切って白星を積み重ねていくことが重要になってくるだろう。

そしてここまで中身のない相撲内容ながら白星を積み重ねてきたことが生きてくるかもしれない。

大関で唯一好調だと思われていた貴景勝が、大関昇進以降苦手としている北勝富士に不覚。

貴景勝としては立ち合いの当たりも良く、最初にいなされた場面も良く足を運んでいったが、その後も北勝富士の粘りに苦しみ、仕留め切れなかった。

本日は北勝富士に粘られ苦しい場面でも安易ないなし、突き落としにいくこともなく懸命に押しに徹していたが白星に結び付かなかった。

自分の相撲に徹しながらも敗れてしまい、モチベーションが低下することも考えられる。

序盤戦で2敗は苦しいが、それでもまだ2敗であり、役力士との対戦は残されているため、腐らずに何とか切り替えて臨んでほしいところである。

正代は連日呼び込むような内容で黒星先行の3敗目。

右四つに組み、深いながらも上手を引いてある程度十分な形を作ったが、呼び込むような出し投げで墓穴を掘った。

今場所は立ち合いの踏み込み、圧力がないため、常時相手に相撲を取らせてしまっており、そして呼び込むような相撲を取ってしまっている。

序盤戦黒星先行となり、三役陣が好調であるため、この先苦しい展開になるだろうが、立ち合いを修正して自分の相撲を取り戻すしかないだろう。

一方正代から白星を挙げた若隆景だが、これで今場所2大関を撃破し、存在感を示している。

本日の一番をみてもやはり足腰は良いし、相手の投げについていく辺り反応も良い。

相撲技術は高いし、もう少し立ち合いの鋭さが出てくれば近いうちに三役で活躍するだろう。

私自身、場所前から期待しているため中盤戦以降も注目である。

関脇隆の勝は自分の相撲を取り切って4勝目。
今場所初めて立ち合いしっかり踏み込み、強烈なハズ押しで宝富士を仕留めた。

地力はついており、今場所は二桁目指してほしいところだが、どうにももったない相撲も多いため、好調の役力士と割が組まれるまで星を落とさないでほしいところである。

高安は大関時代のような馬力とは異なるが、相手を前に置いてしっかり圧力をかけて相撲を取ることが出来ている。

今場所の高安は強さを感じさせるし、期待したくなるのだが、この力士もムラがあるため過度な期待はできないか。

御嶽海が大栄翔に敗れ2敗目。
立ち合いは決して悪くなかったが、大栄翔がやや足を滑らせて前のめりになったところを叩き落とそうとして失敗する形となってしまった。

今場所の両者の出来からすると御嶽海にとってはもったない一番と言えるかもしれないが、これが御嶽海という力士でもある。

一方大栄翔が5日目でようやく初白星。
本日もやや上体だけの攻めになりかけたが、とにかく前に出て白星を挙げたというのが何よりだろう。

この白星をきっかけにしてほしいところである。
先々場所、先場所の成績がまぐれではないことを証明してほしいところである。

明日の注目の割は
『高安ー御嶽海』
この1番である。

出来れば1敗同士での対戦を望んでいたがそこは仕方ないか。

高安としては対戦成績で大きくリードしているとはいえ、相撲内容を見るとそこまで差のある相手ではない。

高安としては左四つに組みたいところだが、安易に左を差しにいけば御嶽海におっつけられるだろう。

今場所ここまでの内容のように、まずは当たってしっかり圧力を加えてから差しにいくことが重要だろう。

照ノ富士が敗れたことにより、全勝は平幕の妙義龍ただ1人となった。

平幕の優勝が目立つ昨今と言えど、このまま妙義龍が突っ走るとは予想しづらい。

確かに実力者であるが、まず明日の北勝富士戦で敗れるような気がするし、何だかんだで役力士達が場所を引っ張る展開になると思う。

序盤戦を終了し、私自身の予想は本命が照ノ富士、次点で高安、伏兵に隆の勝と場所前の予想と少し変化したがはてさて…