きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

152. 2020年初場所6日目を勝手に語る

本日より中盤戦へ突入し、全勝は早くも正代ただ一人。

その正代だが、前へ出る圧力が素晴らしかった。

栃ノ心も踏み込んでいったが、正代は全く下がらず、逆に前へ圧力をかけて圧倒した。

もろ差しに拘らず、出ながら差すという攻めの姿勢も貫いた。

先場所からもろ差しに拘らない攻めの姿勢が目を引くが、あくまで先場所は平幕下位が主体だったため、正代の力量を考慮すると11勝は不思議でなかった。

しかし今場所は上位圏内で6連勝とし、明日が大関戦である。

相手はあまり調子の上がらない豪栄道だが、立ち合いの踏み込みスピードは豪栄道の方が上である。

正代としてはここで落とすようでは結局いつもと大差ないため、豪栄道を圧倒するくらいの気持ちで挑んでほしいところ。

その豪栄道だが、今場所一番の相撲で2勝目。

踏み込み鋭く、土俵際の詰めも怠らなかった。

これで左前ミツを引く相撲が取れるようになると貴景勝にとっては脅威となるだろう。

注目の『貴景勝ー御嶽海』は土俵際の逆転で貴景勝が勝利し、1敗を堅守。

御嶽海に土俵際まで攻められたが、常に低い姿勢を保って御嶽海の懐に入っていたため、土俵際ある程度の余裕があっただろう。

とはいえ前に出ての勝利ではないため、特段良い内容ではない。

難敵を降しての1敗死守という点では上々か。

朝乃山が連敗を2で止めて4勝目。

とはいえ本日も立ち合いがかなり甘かった。

立ち合いやや高く、右は差しにいくだけであり、左に至っては引っ張り込みにいっていた。

これではおっつけのうまい妙義龍に『おっつけてください』と言っているようなものだ。

案の定、妙義龍に攻められる形を許してしまった。

幸い妙義龍が引いてくれて(解説の旭富士は『朝乃山の体勢が崩れて妙義龍が引いたようになった』と発言していた)、流れの中で右を差すことに成功したため白星を掴むことが出来た。

とにもかくにも連敗を止めたことが何よりか。

明日以降、立ち合いを修正していきたいところ。

遠藤が高安を圧倒して1敗を守った。

高安のかち上げに全く下がらず、左おっつけで体勢を崩した後、突き放して圧倒した。

昨日も記載したが、今場所の遠藤は本当に力強い。

『巧さ+力強さ』と言葉にすれば無敵に感じるが、この先同格相手にもこの相撲を取り続けることが出来るかどうか。

一方の高安はまるで相撲になっていない。

『軽い』『高い』『脆い』の三拍子である。

怪我の問題もあるだろうが、満足な稽古も出来ていないのだろう。

稽古量で自信を付けてきた力士なだけに、稽古が出来ないというのは致命的である。

明日の注目の取り組みは
貴景勝ー阿炎』
『朝乃山ー北勝富士
『遠藤ー玉鷲
この3番である。

阿炎の調子が上向きなだけに貴景勝としては全く油断ならない相手である。

阿炎の引きを警戒しすぎると朝乃山戦のように一気に出てくる可能性もある。

貴景勝としては阿炎の術中にハマることなく、自分の間合いで相撲を取ることが出来るかどうか。

朝乃山は本日のように安易な右差し、左から引っ張り込む立ち合いでは北勝富士のおっつけ、ハズ押しに持っていかれる可能性が高い。

先場所の両者の対戦のように、前へ圧力をかけながら自分の形を作る内容ならば問題ないと思うが、朝乃山としてはその相撲を思い出せるかどうか。

遠藤は苦手にしている玉鷲が相手である。

かつて11連敗を喫したこともあり、圧倒される内容も多い。

両者の今場所の状態を考えるならば、遠藤は大丈夫と思いたい所だが、如何せん同格相手に勝ちきれない力士のため安心できない。

中盤戦へ突入し『優勝は誰か?』と尋ねられたとき、まだ場所は長いためかなり難しいが
貴景勝>遠藤>正代』
貴景勝が優勝候補筆頭という予想を立てる。

はてさてどうなるものか。

その他本日の取り組みで気になったのが、剣翔と木崎海の負傷した2力士である。

取り組み中における事故とも言える内容であり、この2番に対して『〇〇をしていれば怪我を防ぐことが出来た』と考えることはかなり困難に感じる。

基礎を徹底した『怪我をしない身体作り』はもちろん大切だが、それも限界がある。

改めて難題だと感じさせられる取り組みであった。

151. 2020年初場所5日目を勝手に語る

本日で序盤5日間が終了。

白鵬に続き鶴竜も休場。

休場は予想通りであり、私自身むしろこれ以上出場する方が問題だと感じていたため良いのだが、来場所以降進退を問われる可能性は高いと考えている。

これで3場所連続の休場となり、今場所も金星を3つ配給している。

来場所無理に出場するのではなく、万全な状態で臨むことが賢明だろう。

土俵に目を向けると、本日注目の『朝乃山ー遠藤』は遠藤が完勝した。

ケンカ四つの両者であり、朝乃山は右を固めていき、立ち合いの踏み込みも悪くなかったが、遠藤の方が立ち合い低く、遠藤得意の左差しに成功した。

その後朝乃山がすぐに右を巻きかえにいったが、それに対して遠藤の左おっつけが強烈だった。

結果的に遠藤はもろ差しを果たし、そのまま攻めきった。

今場所の遠藤は元来の巧さに加え『力強さ』もある。

昨日の貴景勝戦もそうだが、押し相撲相手にも下がることがない。

上位戦を終了し、さらには1敗のため、優勝候補筆頭と思わず言いたくなるが、如何せん遠藤は同格相手に勝ちきれない力士である。

2場所前も前半戦好調ながら終わってみれば8勝止まりだった。

中盤戦以降も序盤戦の内容のまま突っ走ることが出来るかどうか。

朝乃山としては過去の対戦でも差し手争いに敗れており、その結果合い口が悪かったため、立ち合い突き放していくなどの工夫が必要だったか。

とにもかくにもこれで連敗である。

このまま崩れるようでは上の番付に辿り着くことなど出来ない。

3連勝していたときの内容を思い出し、連敗を止めることが出来るかどうか。

平幕全勝対決である『北勝富士ー正代』は正代が北勝富士を圧倒した。

過去の合い口も影響したか、北勝富士は考え過ぎて相撲を取った様子である。

一方の正代は左ハズ押しが強烈だった。

2日程前にも記載したが、正代は先場所同様、もろ差しに拘らず攻める姿勢を貫いている。

今場所上位を総なめした北勝富士相手にもそれが発揮できており、状態は相当良さそうである。

上位戦は2大関だけだが、貴景勝相手にも攻める相撲を取ることが出来るかどうか注目である。

残された上位陣大関2人は明暗が分かれた。

貴景勝玉鷲を冷静に捌いた。

特段良い内容でもないが、序盤戦でこれ以上躓くわけにもいかないため、確実に白星を積み重ねたことが良いことだろう。

これで役力士で1敗は貴景勝だけである。

横綱が休場し、番付上でも最上位となったため、上位の意地を見せてほしいところ。

一方、角番豪栄道が序盤で4敗。

本日の隠岐の海戦は、過去の合い口などを加味しても星勘定に入れたかっただろう。

その相手に痛手となる黒星である。

どちらかと言えば相手有利の左四つであったが、豪栄道は上手さえ引けば左四つでも十分力を発揮できるため、左四つに組んだ時点でそこまで大きな問題はなかった。

しかしいつものように攻めることが出来ず、上手も一枚廻しになってしまい、巻きかえも許してしまった。

投げの打ち合いでも手をついてしまうし、本日の内容は深刻であった。

運良く取り直しになるも、体力まで尽きている状態だった。

身体面、相撲内容ももちろんのこと、精神面も心配である。

昨年初場所は初日から4
連敗した後勝ち越しを果たしているが、今場所はかなり厳しい様子である。

大関復帰を目指す高安は大栄翔に敗れて序盤で3敗。

昨日も記載したが、内容を見ても大関復帰は絶望的だろう。

とにかく下半身が安定しない。

本日も大栄翔が回り込むところを追いかける場面で、足がばたついてしまっている。

終いに決まるわけない叩きを見せて墓穴を掘った。

明日の注目の取り組みは
貴景勝ー御嶽海』
『朝乃山ー妙義龍』
『高安ー遠藤』
この3番である。

貴景勝は何かと因縁のある御嶽海相手だが、とにかく『安易ないなし』にいかないことである。

御嶽海が貴景勝相手に5連勝していたとき、御嶽海はこのいなしを待っており、そこを狙っていた。

また貴景勝は御嶽海の『右差し』にも注意しなければならない。

5連敗していた背景にはこの右差しにも苦戦していたことが挙げられる。

あまり調子の上がらない御嶽海とはいえ、この力士はいきなり力を発揮することもしばしばある。

貴景勝は自分の間合いで相撲を取ることが出来るかどうか。

大関の意地を見せるためにもここで落とすわけにはいかない。

朝乃山はここ数場所の力量差を考えると負ける相手ではないが、如何せん連敗中のためそれがどのように影響するか。

また今場所の妙義龍は2横綱に勝利しているため油断ならない。

安易な右差しでは妙義龍におっつけられ、一気に持っていかれる可能性もある。

また中途半端な踏み込みでももろ差しを許し、一気に持っていかれる可能性もある。

とにもかくにも立ち合いに集中することであり、中途半端なことはしないことである。

ここが踏ん張りどころであるがはてさて。

遠藤は相手が先場所まで大関だった高安といえど、今場所の状態を考えるならば負ける相手ではない。

そもそもそこまで苦手にしている相手でもないため、優勝争いに残るためには今場所の高安に敗れるわけにいかない。

全勝は正代、輝、照強だが、この中から優勝力士が誕生することはやや想像しにくい。

中盤戦、どのように場所が展開されていくだろうか…

150. 白鵬の序盤戦2敗に関して

昨日白鵬が敗れ、序盤で2敗目を喫した。

これは横綱へ昇進して以降5回目である。

過去4回は以下の通りである。

場所 白鵬成績 優勝力士 優勝成績 備考
H27.秋 0勝3敗12休 鶴竜 12勝3敗 照ノ富士と決定戦
H29.春 2勝3敗10休 稀勢の里 13勝2敗 照ノ富士と決定戦
H30.初 2勝3敗10休 栃ノ心 14勝1敗 平幕優勝
※R1.秋 0勝2敗13休 御嶽海 12勝3敗 貴景勝と決定戦
R2.初 1勝3敗11休      

※2日目から休場のため、土俵上では1敗。

過去4回はいずれも途中休場しており、今場所も同様の結果となった。

白鵬横綱へ昇進して以降、皆勤して最低成績は10勝5敗である(H24.夏、H28.名)。

この2度の最低成績を残した場所でも、序盤戦は1敗で終了している。

とどのつまり白鵬が序盤戦で2敗を喫すると途中休場が確定してしまうという不名誉な記録である。

そして上記の通り、優勝争いが混沌とする結果となる。

過去4回中3回で優勝決定戦となり、平幕力士の優勝も誕生している。

今場所も4日目終了時点で役力士の全勝が消滅し、鶴竜は恐らく明日休場だろう。

上位圏内の全勝は北勝富士、正代のみである。

白鵬が荒れると場所も荒れる。

今場所は誰が優勝するのか予想が難しい所だが、序盤戦から優勝争いを占う割も多く組まれている。

まず中日までに誰が残るだろうか…

 

149. 2020年初場所4日目を勝手に語る

白鵬が休場し、鶴竜が3敗。

鶴竜は本人が発言している通り『軽い』。

明日休場届けを提出するだろう。
これ以上語ることはない。

朝乃山が敗れ、役力士の全勝が消滅。

朝乃山は阿炎に完敗。

立ち合い喉輪で完全に上体を起こされ、そのまま阿炎の突っ張りをまともに受けてしまい完敗だった。

朝乃山は不調の相手に完敗し、これがどのように影響を及ぼすか。

朝乃山としては明日以降真価が問われるだろう。

本日注目の取り組み『貴景勝ー遠藤』は貴景勝に軍配が上がった。

とはいえ辛勝である。

立ち合いは遠藤の踏み込みが勝っていた。

遠藤としては完璧な立ち合い、踏み込みであり、貴景勝の当たり、押しに全く下がらず、逆に圧力をかけて組み止めることに成功した。

今場所の遠藤の好調さを象徴する内容であったが、土俵際に落とし穴が待っていた。

正直遠藤としてはかなり勿体ない一番と言える。

これで横綱大関戦を終了したが、遠藤は同格力士との成績が不良な傾向にある。

まだ序盤戦すら終了していないためここからが重要である。

貴景勝からすると、いつも以上に遠藤の踏み込みが鋭いことに驚いたのではないだろうか。

しかし組み止められても必死に振りほどこうとする姿を見て、今場所に懸けている思いが伝わった。

負けていた相撲を白星に結びつけ、この先自分の相撲を貫き白星を積み重ねることが出来るかどうか。

この白星を無駄にしたくないところである。

角番豪栄道が4日目に初白星。

立ち合いの踏み込みは出足があり悪くないが、如何せん得意の廻しを引けていないため攻めきれない。

そのため反撃にあったが『十八番の首投げ』で逆転した。

本日は悪手の叩きを見せずとにかく我慢した結果、白星を掴むことが出来た。

この先も我慢しながら地道に白星を積み重ねるしかないだろう。

大関復帰を目指す高安は正代に敗れ2敗目。

立ち合いは高いし、その後突き放したいのか廻しを引きたいのかもはっきりせず、中途半端な投げで呼び込んで敗れた。

昨日まずまずな内容で白星を掴み、流れに乗りたいところだったが、本日の内容を見ると大関復帰は絶望的ではないだろうか。

明日の注目の取り組みは
『朝乃山ー遠藤』
この一番だろう。

優勝争いを占う意味でも重要な一番であり、朝乃山にとっては大関候補筆頭としても負けられない一番である。

過去は遠藤の方が合い口良く、朝乃山は遠藤の巻きかえの巧さに屈している。

両者ともに立ち合いが重要である。

朝乃山としては立ち合いからの圧力で圧倒したいところであり、遠藤としては圧力負けしても我慢できるかどうか。

本日の両者の相撲内容を見れば遠藤有利に見えるがはてさて。

4日目にして全勝は4名だけである。
序盤戦どのように終了するだろうか。

148. 本当に世代交代?

白鵬休場。

昨日記載したが予想通りである。

そして出場した鶴竜が3敗目。

明日は休場届けを提出するだろう。

昨日の白鵬の連敗によりメディアやファンの中では『世代交代がきた』という旨の記載を目にするが、それに関して私は完全に賛成することはできない。

『現在の若手力士で期待の力士は?』
と尋ねられたとき、多くの方は貴景勝、朝乃山の2名を挙げるだろう。

この中に割って入るとしたら、平幕に陥落したがついこの前まで大関候補筆頭だった御嶽海だろう。

しかし今場所ここまで白鵬鶴竜の黒星5つで上記3名の名前はない。

むしろ5敗のうちの2つが妙義龍というベテランの域に入っている力士である。

デビュー当初から人気者の遠藤は、現状出世争いの期待とは異なるものであり、また年齢も今年30歳を迎えるため、決して若手と呼べる年齢ではない。

世代交代と呼べるのは、御嶽海と同学年である北勝富士鶴竜を降したことくらいだろう。

要するに本当の世代交代とは貴景勝、朝乃山といった力士が安定して白鵬を倒すようになってから初めて言えることではないだろうか。

昨年末にも記載したが、現状は『若手力士の台頭は間違いないが、白鵬を脅かすまでには至っていない』ということである。

そのため白鵬が出場すれば鶴竜以外優勝出来ない結果となっている。

白鵬の休場に対して『逃げ』と発言する者もいる。

これに関しては私自身もそこまで否定しないが、逃げた後戻ってきた白鵬を倒さない限り、数年同じことが繰り返されることになるだろう。

あくまでこれは序章だ。
そしてこの序章までは何度か辿り着いているが、その先に辿り着けないのである。

ここ数場所確実に力を付け、いまや大関候補筆頭である朝乃山は白鵬から白星を挙げていない。

これが見られないうちは世代交代はまだまだ先の話だろう。

白鵬の黒星』≠『世代交代』
私はこれを強く訴えたい。

147. 2020年初場所3日目を勝手に語る

横綱が3日目にして早くも2敗目。

しかも両者ともに本日は深刻な内容である。

まず白鵬だが『らしからぬ負け方』である。

お得意様相手にばったり手をつくのは全く見られない光景である。

丁度1年前の初場所でも貴景勝相手にばったり手をついて敗れているが、その場所も結果的に途中休場を表明した。

正直本日の内容を見る限り、明日の休場はほぼ確定的ではないだろうか。

白鵬という力士は負けて疑問が残ることが多く、まさに本日の内容も疑問が多い一番であった。

突き落としのタイミングが良かったと言えば良かったが、それにしても足が揃っているし、滑らす辺りもらしくない。

昨日の敗戦が余程ショックだったのか。

上記の通り、今場所皆勤するイメージは全く浮かんでこない。

修正は不可能だと感じるほど、白鵬にしてはらしからぬ負け方だった。

一方の妙義龍は7年ぶりに白鵬から勝利。

昨年『ロクイチ組』の代表格であった稀勢の里が引退し、今場所は豪栄道も苦しんでいるが、その中ロクイチ組として意地を見せた。

まだまだロクイチ組も元気であることを証明した一番とも言える。

鶴竜は昨日記載した懸念通りの内容で黒星。

とはいえ今場所一番の立ち合いの踏み込みを見せていた。

それでもその後は腰高となり、悪手を見せてしまい惨敗だった。

白鵬と異なり、ある意味『らしい負け方』だが、正直鶴竜も今場所皆勤するイメージは浮かんでこない。

修正点があるだけ可能性を秘めているが、休場明け序盤で2敗は痛手過ぎる。

大関は明暗分かれた。

貴景勝は自分の相撲を貫き連敗を免れた。

なぜ昨日あの程度のいなしに泳いでしまったのか悔やまれる。

とにかく自分の相撲を貫き通して白星を積み重ねることが重要だろう。

角番豪栄道は泥沼の3連敗。

張り差し速攻を狙ったが、好調の遠藤の前では余裕をもって捌かれた。

昨年初場所も初日から4連敗を喫した経験のある豪栄道だが、その場所は最終的に勝ち越しを果たしている。

しかしその時と異なるのが、今場所は角番という点である。

それが重荷となり、さらには怪我の影響で身体と心がバラバラの状態だろう。

攻める気持ちを忘れず、左前ミツ狙いの自分の相撲で白星を掴めるか。
そこが重要ではないだろうか。

両関脇は本日も白星。

朝乃山は完璧の一言。
風格が出てきた。

本日のような相撲を続けていれば優勝候補筆頭である。

今後も安易な右差し狙いではなく、立ち合いしっかり踏み込んで圧力をかける相撲を貫くことが重要だろう。

高安はまずまずの内容で白星先行。

立ち合いは変わらず高いが、当たった後しっかり圧力をかけていたため、叩きがうまく決まった。

逆に御嶽海の調子があまり良くない様子である。

初日朝乃山相手に立ち合いは素晴らしかったが、その後叩いて墓穴を掘り、その敗戦を引きずっているのか。

いまや大関候補筆頭は朝乃山に奪われ、同学年の北勝富士の活躍も著しいため、この3日間は霞んでしまっている。

何とか意地を見せてほしいところ。

平幕に目を向けると、正代、輝の状態が良さそうである。

先場所の正代は下位ならば地力の高さを見せ、千秋楽に朝乃山からも白星を挙げた。

今場所もここまでもろ差しに拘らず攻める姿勢を貫いているため、これを上位相手にも発揮して結果を残せるかどうか。

輝は先場所初めて二桁勝利を挙げ、相撲の幅も少し広がっており、今場所も自信を持って相撲を取っている様子である。

このまま勝ち続け、さらに自信をつけていけば面白い存在になる可能性を秘めている。

十両の土俵に目を向けると
照ノ富士ー豊昇龍』という注目の割りが組まれていた。

結果は元大関の意地が勝った。

身体の張り、下半身の安定感が大分戻ってきた様子である。

あとは引っ張り込む内容を出来るだけ軽減させることだろう。

明日の注目の取り組みは
白鵬北勝富士
鶴竜ー妙義龍』
貴景勝ー遠藤』
『朝乃山ー阿炎』
少し多いがこの4番である。

横綱は正直出場するかどうか不明だが、序盤でこれ以上躓くわけにはいかない。

白鵬は対戦成績以上に苦手としている北勝富士が相手である。

白鵬としては張り差し、かち上げ、強引な叩きなど雑な内容だけは避けたいところである。

鶴竜はかつての苦手妙義龍相手だが、本日のような内容ならば確実に敗れるだろう。

とにかく悪手を見せないことだ。

貴景勝ー遠藤は、今場所の優勝争いを占う意味でも重要な一番である。

貴景勝としては押しを貫きたいところであり、遠藤としては捕まえたいところである。

どちらが自分の相撲を貫くことができるか。

朝乃山は不調の阿炎とはいえ、思いきった相撲を取ってくる力士のため注意しなければならない。

変化も考えられるため、恐れずに立ち合い踏み込んでいけるかどうか。

朝乃山としては確実にモノにしたい一番である。

横綱が出場するかどうか。
まずはそこが気になるところだがはてさて…

146. 2020年初場所2日目を勝手に語る

大相撲初場所は2日目にして上位陣の勝ちっぱなしが消滅した。

第一人者 白鵬は遠藤相手に不覚。

立ち合いは先場所同様、左張り手、右かち上げを選択したが、先場所サンドバッグにされた遠藤はそれを警戒しており、左からうまくいなした。

遠藤得意の左四つに組み、先に白鵬に上手を引かれていたが、慌てず右を巻きかえた。

その後遠藤の左足の使い方が素晴らしく、白鵬は上手投げを打つ度に体勢を悪くし、最後は豪快な切り返しを決めた。

この一番を見て本当に鳥肌が立った。

遠藤の巧さ、豪快な切り返しはもちろんのこと、両者ともに下半身の安定感が素晴らしかった。

白鵬でなければあそこまで残すことが出来なかっただろうし、遠藤でなければ上手投げを食っていただろう。

近年の大相撲ではあまり見ることの出来ない素晴らしい一番だった。

そして敗れた白鵬だが、立ち合いがやや安直だったか。

相撲巧者の遠藤に対して先場所同様の立ち合いを選択してしまった。

先場所遠藤戦で『左張り手、右かち上げ』が物議を醸したが、それを意に介さず今場所も選択するあたりはある意味流石と言えば流石であるが、相撲巧者が2場所連続無策で来るはずもない。

苦手の初場所にて早くも黒星を喫したが、先場所も2日目に黒星を喫して最終的には優勝を果たしている。

ここからの巻き返しに期待したい。

話は変わり、遠藤が勝利した後『遠藤コール』が沸き起こったが、コールに関してはまるで改善がない。

白鵬の立ち合いに関して物議を醸しているが、コールに関しても問題視してほしいところである。

話は土俵に戻り、鶴竜は阿炎相手に何とか白星を掴んだ。

この2日間立ち合いが悪く、踏み込めていないため本日も先手を取られたが、何とか叩き込んだ。

中身があまりない内容だが、まずどんな形であれ白星が良薬となるだろう。

上位陣に全勝がいないため、腐らず白星を積み重ねることが重要だろう。

大関陣は両者ともに黒星。

貴景勝は立ち合い悪くなかったが、北勝富士の左からの攻めにあっさり体勢を崩された。

元々北勝富士は立ち合い左変わり気味に立って左からおっつける相撲が多いため、貴景勝は十分警戒していたはずだが対応出来ていなかった。

難敵とはいえ、過去の対戦成績、力量を加味するとやや勿体ない一番と言える。

角番豪栄道が連敗。

やはり足首が相当悪いのか、一気の出足で勝負に出たが、御嶽海にもろ差しを許したため、攻め切ることが出来なかった。

本日の内容は昨日程悪くないため、攻めの姿勢を忘れず相撲を取って白星を掴みたいところである。

両関脇はともに白星。

朝乃山は苦手玉鷲相手に白星。

玉鷲の押しに対して逆に押し返し、途中一瞬叩いたが、常時前に圧力をかけていたため、下半身がぶれることはなかった。

昨日、今日と同格でありながら苦手としていた2人に圧巻の内容である。

先場所同様、右差しに拘らず、圧力をかけながら自分の形に持ち込むことを心掛けているようである。

まだ2日だが、今場所も期待出来そうである。

大関復帰を目指す高安は2日目に初日を上げた。

とはいえ下半身が全く安定していない。

お得意様の隠岐の海相手に左四つへ組み止め、上手も下手も引いて十分な状態から、少し左右へ振られただけで体勢を何度も崩した。

お得意様相手、さらには十分な形に持ち込みながら不安定を晒すあたり、磐石とは程遠い内容である。

とりあえず白星を掴んだため、明日以降どう変わっていくか。

平幕に目を向けると、明生の状態が気掛かりである。

生命線の左が怪我の影響により使えていない様子であり、本来の動きの良さも影を潜めている。

正直この2日間もあまり相撲になっていないため、無理だけはしないでほしい。

明日の注目の取り組みは
鶴竜北勝富士
豪栄道ー遠藤』
この2番である。

鶴竜としては初日を上げて流れを掴みたいところだが、北勝富士大関に連勝しているため一筋縄にはいかない。

鶴竜としては立ち合い低く踏み込んで突き放し、悪手を見せなければ問題ないと思うが、如何せん今場所の立ち合いが高いため、北勝富士に攻め込まれ叩いてしまう可能性も高い。

とにかく立ち合いに集中だろう。

角番の豪栄道は序盤でこれ以上躓くわけにはいかない中、明日の対戦相手は横綱に連勝している遠藤である。

さらにはここ数場所遠藤に4連敗を喫しており、天敵と呼べる相手である。

本日のように出足で一気に何とかしたい気持ちもあるだろうが、ケンカ四つである遠藤の方が差し身が良いため、いつも差し負けて劣勢となっている。

豪栄道としては左四つに組んでも慌てず、遠藤に上手を取らせず、自らが上手を引いて頭を付ける形を作りたいところである。

豪栄道は逆の左四つになっても『廻しを引けば強い』ため、とにかく慌てないことだ。

先場所2日目で上位陣が崩れてしまったが、今場所も似たような展開である。

昨日も記載したが、まだまだ序盤戦で波乱は起こりそうである。