きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

86. 2019年名古屋場所12日目を勝手に語る

大相撲名古屋場所も12日目を終了し、優勝争いも佳境を迎える。

本日12日目に関して言えば波乱もなく、横綱がしっかり締めたというべきか。

照強が2敗を死守したが、私からすれば言い方は悪いが眼中にない。

最早優勝争いは両横綱に絞られている。

全勝の鶴竜千代大龍を意に介せず、自身初の初日から12連勝。

立ち合い踏み込み右前ミツを引き、出し投げで崩しての裾払い。

強さ、巧さ、余裕を兼ね備えていた。

1敗で追う白鵬は、難敵御嶽海を降して1敗を死守。

久々に白鵬が立ち合いから左前ミツを引くという万全な形ではあるが、決して立ち合いの踏み込みスピードがあるわけではなかった。

そのためか御嶽海にもろ差しを許す形となった。

それでも両上手を引いて御嶽海の出足を止めた時点で白鵬の勝利は揺るがなかったか。

白鵬としてはそれなりに余裕を持って相撲を取ることが出来たのではないだろうか。

昨日の不戦勝で影響が生じるかどうかが問題だったが、特に大きな問題はなかった。

明日の注目は
白鵬ー妙義龍』
鶴竜ー友風』
この2番だろう。

正直言うと、どちらの取り組みも波乱があるとは考えにくい取り組みである。

鶴竜玉鷲の割を崩し、平幕好調の友風が鶴竜と対戦することになった。

正直今場所の鶴竜の状態を見ても注目という程でもないのだが、好調の平幕力士というのは何かやってくれるのではないかという期待感は持てる。

とはいえ、鶴竜は悪手を見せなければ全く問題にしないと思う。

終盤戦に平幕と対戦するということが重圧となるのかどうか。

白鵬も同様である。

余計な事さえしなければ負ける要素はないが、余計な事(張り差しにいって脇が空いてもろ差しを許すなど)をしたときに妙義龍が速攻を決めるかもしれない。

白鵬としては立ち合いさえ注意すれば問題ないが、白鵬の対戦相手2枠の内の1つが妙義龍になり、14日目が誰になるのかという点が気になるところである。

琴奨菊、友風、はたまた照強が抜擢されるか。

鶴竜への波乱を期待するならば、14日目に割が組まれるであろう御嶽海に期待するしかないと思う。

順当にいけば、明日は全勝、1敗ともに変動ないと思うがはてさて。

終盤戦へ突入し、三役の入れ替わりも注目である。

関脇へ陥落する貴景勝、7勝を挙げている関脇 御嶽海の2枠が決まっており、残り2枠に阿炎、朝乃山、北勝富士、碧山、遠藤、正代、大栄翔、逸ノ城の8名が可能性を残している状況である。

この中で東前頭筆頭と番付上では最も三役に近い朝乃山が7敗を喫しているため、勝ち越しても1点の勝ち越しに留まる。

そうなると残り7名のいずれかが9勝以上挙げたときに、振り落とされる可能性が高い。

朝乃山としては先場所の優勝をフロックにしないためにも勝ち越ししたいところだが、現状三役は厳しいか。

残り3日間。
波乱は起きるのか。
注目である。

85. 2019年名古屋場所11日目を勝手に語る

名古屋場所も本日より終盤戦へ突入。

その中、高安休場。

やはり肘は限界だったようである。

昭和以降で初となる4大関の休場となった。

そしてこれにより、白鵬が不戦勝。

現状の番付順ならば13日目に組まれる予定を前倒しし、結果としてそれが仇となる形となった(前倒しした詳細は不明だが、おそらく高安の途中休場を懸念したのだろう。)。

白鵬としては単純に白星を重ねるという点では良いだろうが、不戦勝による休養がどのように作用するだろうか。

そして全勝の鶴竜は『鬼門の11日目』を突破して全勝キープ。

立ち合いの踏み込み良く当たったが、琴奨菊も負けじと立ち合いの踏み込み良く、いつも通り抱え込む形で左四つになった。

琴奨菊としてはがぶる形を作って攻めていったが、鶴竜は命綱である上手を引いてこれを残した。

その後琴奨菊の左ハズで上手を切られたが、琴奨菊の上体が起きたところを下から攻めて突き倒した。

圧倒しているわけではないが、相手の攻めを残し、その後の攻め方を見ると場所が進むにあたってどんどん良くなる印象である。

明日は自己最多の12連勝を懸けての相撲となるが、このままの流れで相撲を取っていきたいところである。

平幕同士の一番では『朝乃山ー北勝富士』が好取り組みだった。

北勝富士は初日から3連敗のあと7連勝としており、負けた相撲を含めて内容も良くここまできており、一方の朝乃山は白星の内容は良いが、同格に対して負ける内容はあっけないものが多かった。

そのため本日も北勝富士有利かと思われたが、朝乃山は立ち合い頭で当たり、その後前に圧力をかけながら右を差して攻めるという完勝の内容だった。

これで5勝6敗とし、勝ち越しも十分狙える星勘定である。

明日の注目の割は
白鵬ー御嶽海』である。

白鵬としては、1日間隔が空いた翌日に嫌な相手である。

御嶽海は本日の明生戦で冷静な相撲を取り、連敗を止めた。

思いきって立ち向かう気持ちは大切だが、近年の白鵬は『ずらす立ち合い』も多いため、無策に突っ込むのは危険である。

だからといって消極的になれば、張り差しで圧倒される可能性もある。

一発勝負に強い御嶽海のことだから何か策を寝ると思うが、どのような展開になるだろうか。

ちなみに鶴竜は高安が休場したことにより、割が1枠空くことになった。

その結果、明日の対戦相手は東前頭6枚目の千代大龍となった。

番付順に割を組んだわけだが、ここらで平幕好調力士と当てても良かったのではないだろうか。

勝負に絶対はないが、過去の対戦成績11ー0の相手よりも、勝ち越しを果たして対戦成績も拮抗している妙義龍の方が面白いと思うのだが。

そして13日目、14日目の白鵬の割も気になるところである。

おそらく琴奨菊とは組まれるだろうが、あと1人は誰が抜擢されるのか。

審判部の腕が試されるところだろう。

84. 安美錦という力士

本日、安美錦が引退を表明し、23年間の土俵生活に別れを告げた。

今場所2日目に古傷の右膝を負傷し、それでも再出場するという話も聞いていたため、非常に驚かされた。

近年の大相撲で『くせ者』と言えば安美錦を思い浮かべるファンも多かっただろう。

関取在位117場所は歴代1位タイ、金星8個と三賞12個は現役1位であり、記憶にも記録にも残る名力士であった。

新入幕は丁度19年前の名古屋場所であり、その場所は10勝を果たして敢闘賞を受賞した。

このとき私は小学生だったが、正直私はこのときの安美錦の印象として『小兵力士として前半戦を盛り上げる力士』という程度だった。

現にその2場所後には1勝14敗の大敗を喫している。

安美錦を語る上で欠かせないことは2003年初場所の『貴乃花最後の対戦相手』ということだが、このときも最終的には4勝11敗と上位に対してまるで歯が立たなかった。

そして当時から膝の怪我には苦しんでおり、長くても30歳くらいで引退するだろうと考えていたし、上位で活躍する姿など全く想像できなかった。

それが『小兵力士の宿命』とも考えていた。

しかし身体はどんどん大きくなり、もはや小兵力士と呼べる身体ではなくなり、そして2007年夏場所朝青龍に完勝した辺りから、完全に上位へ定着するようになった。

朝青龍からの金星は4個挙げているが、朝青龍が最も金星を配給した力士である。

琴欧洲安美錦を大の苦手としており、安美錦に苦戦する力士は多く存在した。

小兵力士として磨いた技のキレに加え、身体が大きくなったことにより、前に出る力もついた。

解説者の中には『膝の怪我さえなければ大関になっていた』と発言する者もいた。

それに関して私は『さすがにそれはない』と考えている。

上記の通り、金星数、三賞数から考えても実力者であることは間違いないのだが、三役での勝ち越しは15場所中5場所に留まる。

要は『関脇以下だから喜ばれる成績・結果』だったのである。

膝の怪我がなくても、さすがに上を目指す力量は厳しかったのではないだろうか。

安美錦という力士は、大関を目指す強さではなく、何かしてくれるのではないかという『期待を持てる力士』であったと言える。

白鵬全盛期の時代でも『安美錦なら』という期待が多く持てた。

その結果、白鵬が完勝しても『仕方ない』の一言で済む力士だった。

上記の通り『くせ者』という言葉が最も似合う力士と言っても過言ではなかった。

小兵力士時代の技のキレ、朝青龍白鵬のモンゴル2強横綱の全盛期を戦い抜いた経験、そして常に考えながら相撲を取る姿勢は、後輩力士達にとって学ぶべき点が多いだろう。

ただ身体を大きくすれば良いのではない。

身に付けるものをしっかりと身に付ける必要性があることを教えてくれた。

再び復活してくれることも期待していたが、さすがに限界だったようである。

当初の私の予想からすれば、40歳まで現役でいたこと自体が奇跡だと考えているが、ここ数年の安美錦を考えると残念である。

親方として後進の指導にあたるだろうが、ぜひその技術を存分に伝えていってほしいところである。

安美錦関。
23年間本当にお疲れ様でした。

83. 2019年名古屋場所10日目を勝手に語る

本日で中盤戦が終了。

そして本日、安美錦が引退を表明した。

これに関しては別途記載したいと思う(追記:こちら)。

場所に話を移そう。

鶴竜は磐石な内容で逸ノ城を降して全勝キープ。

昨日記載したが、鶴竜の内容に厳しさが増しているため、鶴竜が教科書通りの内容で勝つ可能性が高いと考えていたが、ほぼそのような展開だった。

立ち合いすぐに前ミツを引くことは出来なかったが、巻きかえてその後出し投げで崩して攻めた。

ここ数日何度も記載しているが、本当に厳しさが増しており、現状は悪手を見せる気配がない。

しかし明日は『鬼門の11日目』である。

鶴竜はこれで5回目の10連勝だが、過去4回は11日目で敗れており、さらに4場所中で1場所しか優勝経験がない。

そのため鶴竜としては、一ミリも油断は出来ないだろう。

昨日黒星を喫した白鵬は、玉鷲を相手にせず連敗は逃れた。

張り差しを選択し、その一発で玉鷲が体勢を崩してしまった。

とはいえ、白鵬としては自分の型で勝利していないことが気掛かりか。

終盤戦、どのような内容を見せるだろうか。

高安が気力で勝ち越しを決めた。

右にやや動き、その後も右からの攻め中心で、最後は得意の左四つに組んで攻めきった。

高安としては最低限の勝ち越しを果たし、気分良く明日の横綱戦へ挑むことが出来るだろう。

関脇御嶽海が連敗で4敗目。

大栄翔の突っ張りが良かったことは事実だが、御嶽海としては引きが多く、調子が良いときの下からの押しが見られなかった。

この2日間『強い御嶽海』で考えたとき勿体ない取り組みだが、『弱い御嶽海』で考えたとき妙に納得してしまう。

これが御嶽海というりきしであり、15日間総合しての力量が足りないのである。

まだ両横綱との対戦は残されている。

そして二桁勝つためには、確実に横綱を1人は降さなければならない。

何とか奮闘してほしいところ。

明日の注目の割は
鶴竜琴奨菊
白鵬ー高安』
この2番である。

鶴竜としては上記の通り『鬼門の11日目』であり、その日に出足のある対戦相手である。

大関から陥落して力量の衰えは明らかだが、それでも油断できない相手であり、先場所も土俵際まで攻められている。

鶴竜としては琴奨菊に抱え込まれて、琴奨菊得意の左四つに組んでしまうことも多いが、左四つに組むにしても、まともに胸を合わせることだけは避けたいところだろう。

とにかく立ち合いに集中することが重要だろう。

白鵬ー高安だが、高安の途中休場を懸念しての対応なのか、早くも11日目に割が組まれた。

正直高安としては、これ以上肘を悪化させてほしくないところである。

弱点を晒している状態のため、白鵬としてはそこをついてくる可能性も十分にある。

高安としては、一矢報いるためには工夫が必要になってくるだろう。

そして終盤戦5日間の割も気になるところである。

今場所は上位フル出場ならば、西前頭3枚目までが上位圏内であったが、3大関の休場により、3枠空くことになった。

単純に番付順ならば東前頭5枚目の琴奨菊までということになる。

そして鶴竜は9~11日目の対戦相手が番付順となっているため、おそらく割崩しはないだろう。

問題は白鵬である。

本来ならば高安との対戦は13日目に組まれただろうが、2日も早く組まれた。

これにより13日目の枠が空くことになる。

12日目の対戦相手はおそらく琴奨菊になりそうだが、13日目に平幕好調力士を当てるのだろうか。

さすがにここで番付通り負け越しが決まっている明生ということはないと思うのだが…

82. 2019年名古屋場所9日目を勝手に語る

本日より後半戦へ突入し、早速ともいうべきか、ついにともいうべきか場所が動いた。

白鵬が初黒星。

白鵬は立ち合いもろ差し狙いだったが、逸ノ城の左上手が早く、さらには右前ミツも良いところを引いてすぐに攻めた。

逸ノ城が素晴らしい内容だったことは間違いないのだが、白鵬の立ち合いの踏み込みの悪さも気になった。

そしてもう一つ気になったところは『なぜもろ差し狙いだったのか』である。

白鵬は相四つである右四つ相手に無類の強さを誇っている。

その裏付けとなっているのが『左前ミツを引く技術』
『廻しを切る技術』
である。

現役力士で言えば鶴竜栃ノ心、さらには本日対戦した逸ノ城、過去に遡れば琴欧洲把瑠都がこの技術の前に圧倒されていた。

しかし今場所の白鵬の内容を見てもわかるように、かつての左前ミツを引く形は見られず、『捌く』内容が主体となっていた。

もしかしたら白鵬としては、かつてお得意様にしていた巨体の相四つ相手に対して、右四つで組み合うことに自信がなかったのかもしれない。

それは怪我による影響なのか、力量の衰えからなのかは不明だし、そもそも私の憶測が間違っていて、逸ノ城相手ならば簡単にもろ差しになれるという自信があったのかもしれない。

詳細は不明だが、思わぬところで不覚を取ってしまった。

逸ノ城としては、こういう相撲が取れるだけに、すでに3敗というのが悔やまれる。

先々場所14勝を挙げ、先場所期待されるもパッとせず途中休場。

この一番をきっかけに躍進してほしいところ。

もう一人の横綱鶴竜は完勝だった。

立ち合いしっかり踏み込み、明生の当たりをもろともせず、両廻しを引き付けて寄り切った。

中盤戦以降、鶴竜の相撲に厳しさが増している。

単独トップに立ち、気持ちが揺らぐことなく相撲を取ることが出来るかどうか。

昨日まで唯一1敗だった高安だが、少なからず昨日の相撲による肘の負傷の影響があったのだろう。

左はあまり使えておらず、右四つになって走っていったが、あれだけ腰高では逆転を簡単に許してしまう。

怪我をしたことにより、元々の腰高という弱点を余計晒すような形にもなり、正直この先厳しいと言わざるを得ない。

気力で勝ち越しは果たしたいところだろうがはてさて。

調子が徐々に上向きであった関脇 御嶽海は阿炎の術中にはまる形で3敗目。

阿炎の考えた相撲だが、御嶽海としては体を寄せることができなかった。

調子が上向きだっただけに痛い黒星である。

平幕に目を向けると、序盤1敗で好調だった新入幕 貴源治が4連敗で黒星先行となった。

この4日間は序盤感じられた力強さが影を潜めている。

新入幕の場所で10枚目まで躍進したため、新入幕の場所から難しい場所とも言えるかもしれないが、まずは連敗を止めたいところ。

白鵬が敗れ、場所が大きく動いたことには間違いないが、高安の怪我、御嶽海の黒星など鶴竜にとっての追い風が主体となる動き方である。

鶴竜としては油断せず取っていきたいところだし、対戦相手としてはまだ場所は6日間も残されているため、思い切って取り組んでほしいところ。

明日の注目の割は
鶴竜逸ノ城
この一番である。

正直、昨日までの内容ならば逸ノ城鶴竜に勝つイメージは沸かなかったが、本日白鵬に勝利したことで期待が持てる。

とはいえ、鶴竜の厳しさは増しており、巨体相手には立ち合い前ミツを引いて頭をつけて攻めるという教科書通りの内容で勝利する可能性の方が高いだろうが。

逸ノ城としては何とか胸を合わせる形を作りたいところだがはてさて。

明日で中盤戦も終了である。

どのような展開で終盤戦へと突入するだろうか。

81. 2019年名古屋場所中日を勝手に語る

名古屋場所も中日折り返し。

そして本日より豪栄道休場。

これにより3大関が休場という形となった。

大関で唯一残された高安は、対戦成績五分の玉鷲を降して1敗を死守。

立ち合いは左差しを選択し、当たりも良かった。

左をおっつけられたが、離れた展開でも慌てることはなかった。

取り組み後に左肘を負傷したことが心配される。

どの程度のものなのか、しばらく時間が経過しないとわからない部分も多いだろう。

全勝の両横綱を追う1敗力士は高安のみであるため、優勝争いを考えた上でも心配される。

その両横綱

まず鶴竜だが、立ち合いしっかり踏み込み、大栄翔が突っ張っても下半身が崩れず、逆に突っ張っている大栄翔の上体が伸びたところを叩き込んだ。

ここ数日間、内容も徐々に厳しさを増してきており、この勢いのまま後半戦も突っ走りたいところだろう。

白鵬も正代を降して中日勝ち勝ち越しを決めた。

白鵬が今場所初めて左前ミツを引いて攻める内容だったが、土俵際で正代がうまく回り込んだ。

正代としてはそこから慌てず攻めることが出来れば面白かっただろうが、その後離れる展開となっても冷静に白鵬が捌いた。

前半戦の内容をみて、観戦者側として白鵬の磐石さはあまり伝わらないのだが、それでもまだ余裕を感じさせる内容である。

関脇 御嶽海の内容が徐々に上向きである。

本日は2度の立ち合い不成立となったが、集中力を切らすことはなかった。

逸ノ城が張り差しで得意の上手を引いたが、御嶽海の右ハズが強烈であり、上手をうまく切ることができた。

元々御嶽海は押し相撲であるが、三役に定着した頃からもろ差しの巧さも見られるようになってきた。

しかし今場所は押しに徹している内容であり、おっつけ、ハズの巧さを存分に活かしている。

横綱とは2差あるため、現状優勝争いも厳しいが、両横綱との対戦は残されているため楽しみである。

平幕下位に目を向けると栃煌山の内容が壊滅的である。

一昔前ならば、前頭12枚目で2勝6敗という成績が考えられないだろう。

立ち合いの当たりも弱く、その後足も出ておらず、差すことばかりに執着している様子である。

前への圧力をかけられれば良いのだろうが、残念ながらそこが力量の衰えだろうか。

『ロクイチ組』も今年の初場所稀勢の里が引退し、今場所も豪栄道が途中休場と陰りが見えてきている。

それに引き換え、同じくロクイチ組の妙義龍は立ち合いの鋭さが目立ち、2敗と好調である。

栃煌山も妙義龍を見習い、まだまだ奮闘してほしいところ(余談だが厳密に言えば栃煌山は早生まれのため昭和62年生まれである)。

明日の注目の割は
鶴竜ー明生』である。

明生が横綱相手にどれだけやれるのかが楽しみである。

明生としては昨日までの自分の相撲を貫けば、勝敗は関係ないだろう。

とにかく思い切りいってほしい。

明日から後半戦である。
優勝争いに動きは見られるだろうか。

80. 2019年名古屋場所7日目を勝手に語る

昨日まで4人いた1敗力士は本日で半分の2人となった。

その一人である唯一の役力士の高安は苦手碧山に上々の内容で白星。

立ち合い左を差しにいき、下手を引いて安心できる形を作った。

碧山に右を巻きかえられて掬われたが、崩れることなくその後慌てずしっかり押し出した。

横綱は全勝をキープ。

白鵬は大栄翔相手に連続の叩きで退けた。

大栄翔としては組まれず離れる展開となったが、白鵬のリーチの長さ、懐の深さに屈した。

とはいえ白鵬としては、そこまで中身のある内容ではなかった。

今場所の白鵬は立ち合いから右四つに組む相撲が一番もない。

十分に隙はあるのだが、瞬時の対応力は群を抜いている。

それはもう一人の横綱鶴竜にも言えることである。

本日の内容は完勝であり、白鵬と比較すると厳しい相撲も取っているが、対応力でカバーしている部分も多い。

そして鶴竜の場合、いつ『悪手』が顔を覗かせるのかという不安もある。

明日以降、横綱の隙をうまくつくことが出来る力士が出てくるかどうか。

今場所覇気のない大関豪栄道は遠藤相手に安易な張り差しで墓穴を掘り、黒星先行の4敗目。

なぜ先場所同じ立ち合いで敗れた相手に、その同じ立ち合いを選択したのだろうか。

私は何度も記載しているが、豪栄道の張り差しは本当に悪手だと思っている。

加えて今場所の豪栄道の踏み込みの悪さが気になる。

昨日も記載したが、豪栄道は15日間の間に『良い豪栄道と悪い豪栄道』が混在するのだが、今場所は悪い部分しか見られない。

上位戦を前に修正できるかどうか。

本日気になったところでは『御嶽海ー朝乃山』である。

朝乃山も立ち合い頭で行ったが、御嶽海が立ち合い当たってから突き放し、おっつけ、ハズ押しも強烈だった。

御嶽海としては15場所連続三役に在位しているという意地もあっただろう。

こういう厳しい相撲が取れるだけに、安定して二桁勝てないことが悔やまれる。

昨年初優勝を果たした名古屋場所できっかけを掴めるかどうか。

平幕では自己最高位に躍進した明生が本日初日を挙げた。

今場所も立ち合いの踏み込み良く、自分の相撲を取ってはいたが白星に結び付かず、さらには4日目に立ち合いを注意されたことで集中力が途切れてもおかしくなかったが、自分の相撲を貫いて初白星を掴み取った。

まだ場所は半分以上残っている。
明日は初の大関戦となるため、このまま速攻相撲を貫いてほしいところ。

明日の注目の割は
鶴竜ー大栄翔』
白鵬ー正代』
『高安ー玉鷲
この3番である。

鶴竜としては悪手を見せなければ問題ないと思うが、ここ数場所大栄翔に攻め込まれる場面も多いため注意が必要である。

白鵬ー正代は、ここまで6日間の白鵬の内容ならば十分にチャンスはあると考えている。

逆に白鵬が迷いなく立ち合い左前ミツ狙いに徹するならば、全く問題にしないと思う。

要は白鵬次第だ。
正代としては立ち合いに集中して、その後の白鵬の動きもしっかり見ていきたいところ。

高安は一難去ってまた一難とでもいうか、苦手を降した翌日に苦手と対戦である。

今場所星のあがっていない相手とはいえ、突っ張り合いになれば分が悪い。

本日のように踏み込んで左を差して攻めるのが無難か。

その際小手投げにも注意を払わなければならない。

明日で早くも中日折り返しである。

誰が横綱を脅かすのか。
それとも横綱同士の争いとなるのか。

はてさて…