中盤戦へ突入し、役力士の勝ちっ放しが消滅。
全勝は平幕朝乃山一人となった。
その朝乃山は錦木相手に少し苦戦を強いられた。
昨年秋場所力負けしていることを意識したのか、朝乃山としては珍しく右四つから巻きかえてもろ差しの形を作ろうとしていた。
これが強引であり、結果的に錦木得意の左四つとなり厳しい体勢だったが、錦木の攻めも強引だったため逆転の投げを決めることができた。
単独先頭に立ったが、昨日も記載したようにまだ期待するのは早いだろう。
とりあえずはこのまま中盤戦も白星を積み重ねていけるかどうか。
今場所初黒星を喫した琴ノ若だが、本日は腰の重さを活かすことが出来ず。
今場所の若元春は突っ張りが冴えており、本日もそれが効果てきめんだった。
いなしで崩すタイミングも完璧だし、琴ノ若に残す隙を与えなかった。
本日は若元春を褒めるべき内容だろう。
琴ノ若としては大関への足固めのために切り替えてやっていくしかない。
横綱照ノ富士は昨年名古屋場所で不覚を取っている翔猿相手に荒々しい内容で白星。
翔猿の動きに崩れかけたが、動きには対応出来ており、残すことも出来ている。
毎日のように記載しているが、盤石とは言い難いものの、日を追うごとに相撲の形になってきている。
いつ膝が悲鳴を上げるかわからないが、調子は上向きと言えるか。
それにしても取り組み終了後も熱くなっていたが、何に対して怒りをあらわにしていたのだろうか。
足を蹴られたところか？
綱取り霧島は先場所敗れている豪ノ山に雪辱を果たした。
張り差しで左四つに組み止めて、豪ノ山の当たりを止めることに成功した。
何だかんだで今場所初めて四つに組む展開だったが、組んでしまえば一安心だろう。
昨日までバタついていたため、ここで修正することが出来たか。
豊昇龍が阿炎に敗れて連敗。
正直阿炎のもろ手突きを受けたときに『これは引きを食いそうだな』と思っていた矢先引きに落ちてしまった。
連敗は避けたいところだったが、この辺りが豊昇龍の弱さでもあるか。
怪我の問題もあるかもしれないが、修正していきたいところである。
大栄翔が熱海富士に敗れて2敗目。
立ち合いの踏み込みは熱海富士が勝っており、熱海富士としてはある程度余裕を持って残せたかもしれない。
大栄翔としては当たり負けた分、少し焦りが出たか。
元々大栄翔は土俵際の逆転負けが多いためそれが課題であるが、本日も課題が浮き彫りになる形となった。
熱海富士はこれで連勝としたが、決して内容は良くないが、立ち合い踏み込み勝ちしたし、こういうところの積み重ねで自信をつけていくことが重要だろう。
平幕下位に目を向けると遠藤がかなり心配である。
ここ数場所、平幕中位でも勝ち越すことが出来ない状況でもあり、今場所の相撲を見ていたら皆勤して負け越して十両に陥落する可能性も十分考えられるほど深刻な内容である。
元々この力士は技巧派力士であり、相手の圧力にあっさり後退して敗れることも多々あったが、今場所はそれ以前の問題であり、遠藤らしいしぶとさも柔らかさも技能相撲全てが失われている。
現在33歳のため年齢による衰えもあるだろうが、近年は30歳を越えても力を発揮する力士が多いため、遠藤にも奮闘してほしいところである。
本来この地位ならば優勝候補にも入れたい程の実力者のはずだが、ここ数場所を見るとその期待もできないほど見ていて苦しいし、今場所はよりそれが露呈されてしまっている。
幕下の土俵に目を向けると、若隆景が4連勝で勝ち越しを決めた。
先場所は久々の復帰場所で5勝2敗と元々の力量を考えれば物足りない成績に終わっていた。
しかしあくまで先場所はリハビリの場所であり、今場所からが本番と言わんばかりに先場所より相撲内容が格段に良くなっている。
ぜひとも全勝優勝して関取復帰を決めてほしいところである。
明日の注目の割は
『琴ノ若ー竜電』
『朝乃山ー明生』
この2番である。
本日初黒星を喫した琴ノ若だが、明日の相手は先場所敗れた竜電である。
先場所琴ノ若は霧島と竜電相手に前ミツを引かれて食い付かれる展開で連敗を喫している。
どっしり構えた時の琴ノ若の強さはわかっている。
しかし前ミツを引かれて食いつかれる展開を許した時、その対応が出来るかどうか。
先場所の反省を活かすことが出来るかどうか注目である。
まぁもちろん食いつかれる展開にさせないことが理想ではあるのだが。
朝乃山は幕内へ復帰して以降、手を焼くことの多い明生戦である。
ケンカ四つのため差し負けると苦しい展開に陥る可能性がある。
2日目辺りにも記載したが、北青鵬戦、明生戦が一つ鬼門であると思っていたため、ここを越えることができれば中盤戦の山場を越えることにも繋がるのではないだろうか。
まだまだ先は長いし、上記の通り朝乃山に期待するのは早いが、このまま白星を積み重ねて終盤戦以降組まれるであろう上位戦に挑んでほしいと思っている。
関脇以上が力を発揮しているのは間違いないと思うが、連日中々安泰とはいかない。
気が付けば役力士の1敗も照ノ富士、霧島、琴ノ若と多いのか少ないのか何とも言い難い状況である。
平幕下位では阿武咲、琴勝峰、大の里と中々面白い顔触れが1敗である。
中盤戦も楽しみである。
