大相撲九州場所は本日中盤戦が終了し、明日から終盤戦へ突入する。
優勝争いも佳境を迎える終盤戦へ突入するため、明日からも非常に楽しみである。
しかしその一方、割に関しては多くの批判が飛び交っても仕方ないレベルだと思う。
今に始まったことではないが、どうにも後手に後手に回っている。
まず『勝手に語る』の方でも少しだけ触れた熱海富士だが、明日は美ノ海と割が組まれた。
確かに2敗同士の割(割を組んだ時点では美ノ海も2敗)であるが、ここで組む相手ではないだろう。
もっと早くに組んでいれば、明日の熱海富士の割は豊昇龍でも良かったと思う。
如何せん結果的に負け越している朝乃山と豊昇龍を組む必要があったのか。
朝乃山は実力者であり、その実力を買われて先場所は千秋楽熱海富士と割が組まれたが、さすがに先場所と状況は大きく異なる。
すでに朝乃山が負け越しており、下位の力士で数名好調の力士が存在する。
その中で『豊昇龍ー朝乃山』の割は無理に組む必要はなかっただろう。
そして現在、平幕で先頭の一山本と熱海富士に目がいきがちだが、ある意味最も恐ろしい存在になりつつるのが、明日割が組まれている『翠富士ー平戸海の勝者』である。
当たり前の話だが、一山本、熱海富士の方が成績優秀のため、優先して上位と組まれる。
しかし翠富士、平戸海はこの1差で追う立場(明日の割を組んだ時点では2差あった)のため、番付が近い好調力士としか組まれない。
結果として本日一山本との星の差は2つから1つになり、さらに明日以降の展開によっては並走という形にもなる可能性がある。
そうなれば慌てて上位と組むことになる。
そして時すでに遅し、割崩しが起きてしまう可能性が高い。
先場所も14日目が終了した時点で高安と北青鵬(特に北青鵬)がこれに該当する形となり、この両者はともに千秋楽大関と割が組まれた。
千秋楽だけでなく、全てその日の取り組みが終了してから割を組むのがベストであるが、それがどうしても出来ないというならば、役力士同士の割をもう少し早めに組むという工夫は出来るだろう。
今場所の場合、序盤戦が終了した時点で若元春が3勝2敗であった。
普段ならば特段悪い成績でなくても、残りの大関、関脇が全員1敗だったため、中盤戦に早めに組む決断は出来ただろう。
割を1日早めるだけでもある程度柔軟に対応することは出来るのだから、なぜこれに気が付かないのだろうか。
私以外の多くの大相撲ファンも常々口にしていることである。
ここ数場所思い切った編成も見せており、工夫もある程度見えていたため残念でならない。
ここまで好調の平幕力士に罪はない。
むしろこれで優勝して批判の対象となることが問題である。
全ての批判をかき消すのは難しいが、それでもある程度納得のいく割の編成をしていただきたいと願う。