貴景勝が逆転優勝を果たして幕を閉じた大相撲秋場所だが、2日経過しても変化に対する論争、また来場所が綱取りなのかといった話題が目につく。
私自身は来場所13勝以上の優勝ならば基本的には文句なしで昇進させても良いと思っている。
さて貴景勝は秋場所の優勝により、今年2回目の優勝を果たした。
年6場所制となった昭和33年以降、大関が年間で2回以上優勝を果たした力士はその程度存在するのだろうか。
今回はあくまで『大関在位』という点に目を向けたいと思う。
例を挙げると令和3年の照ノ富士は関脇で1回、大関で1回、横綱2回と計4場所優勝を果たしている。
しかし大関在位では『年間1回』と計算する。
それを踏まえた上で過去は以下の通りである。
年代 |
四股名・成績 |
備考 |
昭和33年 |
朝汐 春場所:13勝2敗 九州場所:14勝1敗 |
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秋場所:13勝2敗 九州場所:12勝3敗 |
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昭和50年 |
春場所:13勝2敗 秋場所:12勝3敗 |
最高位大関 優勝はこの2回のみ |
昭和59年 |
春場所:14勝1敗 名古屋場所:15戦全勝 |
最高位大関 優勝はこの2回のみ |
平成2年 |
夏場所:14勝1敗 名古屋場所:14勝1敗 |
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平成6年 |
初場所:14勝1敗 夏場所:14勝1敗 秋場所:15戦全勝 九州場所:15戦全勝 |
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平成10年 |
春場所:14勝1敗 夏場所:12勝3敗 |
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平成11年 |
春場所:13勝2敗 夏場所:13勝2敗 |
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平成13年 |
春場所:13勝2敗 名古屋場所:13勝2敗 |
最高位大関 この後にも2回優勝 (平成15年名古屋、平成17年秋) |
平成19年 |
春場所:13勝2敗 夏場所:15戦全勝 |
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名古屋場所:15戦全勝 秋場所:15戦全勝 |
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令和5年 |
初場所:12勝3敗 秋場所:11勝4敗 |
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今回の貴景勝で『12回目』である。
昭和の時代において大関在位で2場所連続優勝を果たして横綱昇進を果たしたのは大鵬、北の富士、琴櫻の3名だけであり、北の富士と琴櫻は『九州場所⇒初場所の連覇』のため年間2回以上の優勝には至っていない。
平成以降になると、ほぼ連覇が必須となったため、平成横綱昇進を果たした10名の内6名がここに該当している(他は北の富士、琴櫻と同様もしくは連覇ではない)。
貴景勝を除く過去11回の内、貴ノ花(初代)、若嶋津、魁皇が最高位大関に留まっている。
貴ノ花はこの2年後の初場所、春場所でそれぞれ12勝、13勝の時点の成績を残したが、それが最後の輝きとなった。
若嶋津の場合、この年『71勝19敗』と最高位大関の中では歴代最高成績の年間最多勝に輝いている。
しかし優勝はこの年だけに留まっており、翌年の春場所で次点の成績を残した後は低迷してしまった。
魁皇の場合、この後にも2回優勝を果たしており、最高位大関では優勝回数最多の5回を記録している。
『最強大関』『横綱に迫った大関』として名高いが、横綱昇進は果たせなかった。
貴乃花(2代目)が唯一大関在位で年間4回の優勝を果たしている。
この後すぐに横綱へ昇進を果たしているわけだが、言い換えれば最高位大関で年間3回以上の優勝はないということである。
そもそもそれだけ優勝が可能ならばとっくに横綱昇進が可能というわけである。
貴景勝も来場所優勝を果たして横綱の仲間入りを果たしたいところだろう。
来場所は貴景勝にとってゲンの良い九州場所だが、過去の綱取り場所は途中休場となっている。
どちらに転ぶのだろうか…