大相撲名古屋場所も明日千秋楽を迎える。
今場所は怪我とは別問題で休場力士が場所中に次々と増え、力士はもちろんの事、ファンも精神が削られるような気疲れする場所となっているが、その中でも残された力士達が力戦奮闘し、横綱、大関も優勝争いに加わっているというのが何よりだろう。
改めて優勝争いを整理すると
4敗:貴景勝
優勝争いは完全にこの3名に絞られている。
・3名の巴戦
このいずれかのパターンになるわけだが、仮に貴景勝が優勝を果たす場合、千秋楽本割、巴戦連勝と『1日3勝』が絶対条件となる。
貴景勝が照ノ富士に本割勝利しても、結局は逸ノ城次第であるため、まず巴戦に至るのかどうかも難しいところではある。
巴戦に関しては平成9年春場所以降25年見られておらず、3人の巴戦に至っては平成6年春場所が最後のため28年見られていない。
条件としては難しいかもしれないが、貴景勝としてはまだチャンスは残されている。
そして上記の通り、1日3勝しなければ優勝に辿り着けないわけだが、昭和33年以降幕内で千秋楽に1日3勝した力士はどの程度存在するだろうか。
過去は以下の通りである。
場所 |
千秋楽相手 |
決定戦相手 |
成績 |
|
北葉山(大関)〇 |
明武谷(西4)〇 |
12勝3敗 |
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昭和40年秋場所 |
明武谷(東5)〇 |
12勝3敗 (3勝0敗) |
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平成2年春場所 |
霧島(大関)〇 |
13勝2敗 (3勝1敗) |
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平成6年春場所 |
曙(横綱) |
貴闘力(東12)〇 |
12勝3敗 (3勝0敗) |
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平成8年九州場所 |
曙(横綱)〇 |
11勝4敗 (3勝1敗) |
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平成9年春場所 |
曙(横綱)〇 |
魁皇(東1)〇 曙(横綱)〇 |
12勝3敗 (3勝0敗) |
四股名の隣の〇は白星、●は黒星
過去は6回であり、中には1日4番取った力士も存在する。
この中で今場所の貴景勝のように『14日目終了時点で1差後続の力士』は平成9年春場所の『貴乃花』ただ1人である。
この時の貴乃花は14日目終了時点で
2敗:曙、武蔵丸
という展開だったため、仮に千秋楽本割で曙に勝利しても、武蔵丸の結果次第では優勝出来ない状況だった。
しかし千秋楽本割で同部屋の貴ノ浪が武蔵丸を下す援護射撃を果たしたため、結果的に3連勝して逆転優勝を果たした。
このように1日3勝した力士も存在するし、ただ1人とはいえ逆転の実例もあるため、貴景勝も奇跡を起こすことは出来るかどうか注目である。
とにもかくにも最後まで完走してほしいと切に願っている。