大相撲秋場所は序盤戦を終えて、全勝力士が消滅した。
ここ数場所は荒れる展開を見せながらも結果として役力士が優勝を果たしており、『誰が優勝するのかわからない時代』は終焉を迎えつつあったが、今場所の状況を見ているとそうとも言い難いものになっている。
ちなみに年6場所制となった昭和33年以降、序盤戦で全勝が消滅したのは今回で『17回目』である。
回数だけ見たら中々多いようにも感じるが、昭和33年初場所から今場所までで『387場所』である。
確率にすれば4%程のため、やはり珍しい出来事と言えるだろう。
過去16回の詳細は以下の通りである。
場所 |
4勝1敗の人数 |
優勝力士(成績) |
昭和41年夏場所 |
8人 |
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昭和44年九州場所※ |
6人 |
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昭和47年夏場所※ |
7人 |
関脇 輪島(12勝3敗) |
昭和49年秋場所 |
6人 |
横綱 輪島(14勝1敗) |
昭和53年春場所 |
8人 |
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昭和57年夏場所 |
10人 |
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昭和61年春場所※ |
8人 |
関脇 保志(13勝2敗) |
平成4年初場所※ |
8人 |
前頭2枚目 貴花田(14勝1敗) |
平成4年夏場所※ |
6人 |
関脇 曙(13勝2敗) |
平成4年秋場所※ |
4人 |
小結 貴花田(14勝1敗) |
平成9年名古屋場所 |
8人 |
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平成10年初場所 |
6人 |
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平成10年秋場所 |
7人 |
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平成13年秋場所 |
8人 |
前頭2枚目 琴光喜(13勝2敗) |
令和元年九州場所 |
8人 |
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令和4年九州場所 |
8人 |
前頭9枚目 阿炎(12勝3敗)〇 |
令和5年秋場所※ |
8人 |
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※横綱不在(途中休場も含む)
四股名横の〇は優勝決定戦
概ね1敗力士は8名程度であり、今場所も8名である。
面白いことに13回目(平成10年秋場所)までは全員が後の横綱であった(既に横綱もいるが)。
貴乃花に至っては4回も経験している。
14回目の琴光喜の優勝にて全員が後の横綱という記録は途絶えるが、琴光喜は大関へ昇進を果たしているため、全員が大関経験者という事になった。
しかし直近の16回目である阿炎の優勝により、さらに記録は途絶えることとなった。
阿炎は現役力士のため、まだ完全に途絶えたわけではない。
展開によっては記録の継続もあり得るといったところか。
ちなみに過去16回の内、序盤戦終了して2敗を喫して優勝を果たしたのは昭和47年夏場所の輪島だけである。
この展開に至ると1敗力士が有利という事か。