大相撲秋場所は12日目を終了し、優勝争いも佳境を迎えている。
本日敗れはしたが、いまだ単独先頭の新鋭の熱海富士が優勝となれば初土俵から所要18場所での優勝である。
『勝手に語る』の方でも記載したが、これは現在1位の貴花田、朝青龍の24場所より1年も早い記録である(幕下付け出しを除く)。
とんでもないスピード記録となるわけだが、かつてこの記録と同じスピードで躍進した力士が存在した。
ちょうど18年前の秋場所。
私は当時中学3年生であった。
この場所前は『朝青龍が大鵬以来の6連覇なるか?』が最大の焦点だった。
しかし朝青龍が初日普天王に敗れてこの場所は波乱の幕開けとなった。
2日目以降は順調に白星を重ねていたが、この場所新関脇の琴欧州が初日から白星を並べて場所を引っ張る展開となっていた。
11日目に朝青龍が安美錦に不覚を取り、この時点で琴欧州との星の差は2つとなった。
そして13日目に星の差2つのまま両者直接対決となったが、琴欧州としては勝てば優勝という状況だった。
この時点での私の思いとしては『6連覇も見たいし最速優勝も見たいなぁ~』と複雑な心境だったのを今でも覚えている。
結果この一番は朝青龍が絶体絶命の場面もあったが、見事琴欧州を下して星の差1つとした。
そして翌日琴欧州は連敗を喫して朝青龍と並び、千秋楽は両者白星で優勝決定戦へ突入した。
この時点でも私は複雑な心境だったが『熱戦に期待しよう!』が最終的な答えだった。
結果としては熱戦とは言い難い結果だったが、朝青龍が6連覇を果たし、そしてこの翌場所には史上最多の7連覇及び史上初となる年間完全制覇を達成した(年間完全制覇は現在でも史上唯一)。
この記録をリアルタイムで観戦出来たことは私の大相撲観戦歴においても嬉しい限りだった。
いま熱海富士が史上最速優勝に迫り、ふと18年前の事を思い出したが、それでもやはり最速優勝を見てみたかった気持ちも強かった。
仮に熱海富士が優勝すれば18年越しに私の思いが叶うわけだが、今場所の思いとしては勝手に語るの方でも記載した通り、役力士の優勝を見たいという気持ちが強い。
その背景にはやはり入幕2場所目の力士にそう易々と優勝させてはならないという気持ちが働くからである。
琴欧州の場合、新関脇の場所ではあったが、前の場所にも小結で12勝していたため、何なら『新大関誕生への期待』『最強朝青龍のライバル誕生』と沸いていたため、今場所の熱海富士とは大きく状況が異なる。
熱海富士に負けてほしいという気持ちは微塵もないし、熱海富士も立派な『若手有望株』である。
何なら勝ったら勝ったでそれは喜ばしいと思う。
貴景勝に勝ってほしいと思いつつも、心の奥底ではやはり当時と変わらず『熱戦に期待しよう!』という思いなのかもしれない。
では明日、熱戦に期待しよう!