きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

716. 2023年秋場所12日目を勝手に語る

秋場所12日目、場所が大きく動いた日となったか。

本日注目の『大栄翔ー熱海富士』の一番は大栄翔に軍配が上がった。

率直な感想として両者力を出し切った良い一番だった。

熱海富士もここまでの活躍は伊達ではなく、力をつけているのがわかる内容だった。

大栄翔の当たり、突っ張りに大きく下がることなく、何とか四つに組みたいところだったが、そこはさすが大栄翔といったところか。

経験の差、地力の差で大栄翔が白星を挙げた。

熱海富士としては優勝への重圧に潰される様子はなく、番付上位相手に力を出し切ったため、明日以降も変わらず力を出し切るだけだろう。

本日の相撲で悪い点はない。
単純に現状の力量は大栄翔が上なだけであり、番付通りの結果だっただけである。

それでもこの先熱海富士なら上位圏内の力士と割が組まれても何かやってくれそうな期待感もある一番だった。

熱海富士が敗れた姿を見てから土俵へ上がった3敗貴景勝

自力優勝の芽が出てきたため、絶対に白星を掴み取らなければならない一番となった。

このところ連敗していた琴ノ若相手のため、いやが上にも重圧のかかる一番だっただろう。

しかし貴景勝は冷静だった。
以前琴ノ若相手に大振りの張り手を繰り出した事もあったが、本日は真っ直ぐ当たって琴ノ若を後退させる相撲を取った。

完勝と言って良いだろう。
豪ノ山戦以降、しっかり当たって冷静に押し込む相撲を取ることが出来ている。

上記の通り、これで自力優勝の芽が出た。

今場所と行き着く先までの展開は異なるが、今年の初場所優勝を果たした際、13日目に星の差1つで追いかける阿武咲と割が組まれ、それに勝利して引きずり下ろした経験を持つ。

今場所も是非その展開を期待したいところではある。

その他3敗力士に目を向けると、高安が錦木を下して連敗を止めた。

突っ張りで錦木を押し込むことは出来なかったが、何とか叩き込んで首の皮一枚繋がった。

星の差も再び1つとなり、数字上ではまだまだチャンスはあるが、内容面を見るとかなり厳しいか。

負傷の問題もあるのだろうが、上位圏内の力士相手にこれまでの相撲ではあまり通用しないという部分もあるだろう。

この先も上位圏内の力士と割が組まれるだろうが、まず圧力をかけることが出来るかどうか。
そこがポイントになると思う。

剣翔は宇良との熱戦の末黒星。
剣翔は比較的小兵力士を得意としているが、今の宇良は小兵力士とは言い難い体型であり、上位圏内で相撲を取り続けている力士のため、一筋縄ではいかなかった。

とはいえ今場所の剣翔は間違いなく動きは良いため、宇良の動きに翻弄されながらも何とか食らいついていた。

最後は宇良のうまさ、粘り勝ちと言える内容だった。

貴景勝以外の大関陣に目を向けると、霧島が若元春に敗れて角番脱出はお預け。

立ち合いの踏み込みは悪くないと思うが、突き放してそのまま前に出たかったのか、それとも廻しを引きたかったのかはっきりしない内容だった。

若元春得意の左四つとはいえ、粘りなく敗れる姿を見ると、やはり今場所ムラがあると感じさせる内容であった。

一方若元春は二桁の白星のために後がない状況だが、その中大関から白星を挙げた。
残り3日間、全勝出来るかどうか。

豊昇龍が豪ノ山を下して星を五分に戻した。
立ち合い踏み込み、豪ノ山の押しに下がらず、引かせる相撲を取った。

遅ればせながら豊昇龍も地に足ついてきた様子である。

もしかしたら貴景勝との割が崩される可能性もあるが、豊昇龍としてはとにもかくにもあと2勝したいところだろう。

明日の注目の割は
貴景勝ー熱海富士』
もちろんこの一番である。

この一番の勝者が優勝するのではないだろうか。
というよりも私の願望としてはそうなってほしいし、さらに言えば貴景勝に勝ってほしいという思いは強い。

断っておくが熱海富士に負けてほしいと願っているわけではない。

横綱不在、本来ならば3大関が切磋琢磨してほしかった。

しかし現実はそううまくいかず、12日目終了時点の展開としては貴景勝におんぶに抱っこの状態となってしまった。

何なら貴景勝もギリギリの土俵が続いていた。
それでも何とか食らい付いて自力優勝が可能なところまでこぎつけてきた。 

今年に入ってから誰が優勝するのかわからないと言われつつも、役力士が優勝を果たしてきた。

役力士以上とそれ以下で差が開きつつあり、番付の重みが少しずつ改善されつつあった。

もちろん若手期待の熱海富士が優勝を果たすのも素晴らしいことだろう。

幕下付け出しを除く所要18場所での優勝は歴代でぶっちぎりの1位の記録である(現在1位は貴花田朝青龍の24場所)。

しかし入幕2場所目、さらには先場所まで十両だった力士にそう易々と優勝させてはならないだろう。

そのため今場所も理想としては最終的に役力士が締めてほしいという思いがある。

貴景勝が勝てば4敗力士、というよりも大栄翔にもチャンスが巡ってくるだろう。

少し前に『貴景勝ー熱海富士の勝者が優勝するのでは』と記載したが、ここに来て大栄翔も不気味な存在である。

おそらく14日目は『貴景勝ー大栄翔』の割が組まれると思うが、大栄翔としては僅かなチャンスをモノにするためにはこの先全勝しかない。

とにもかくにも明日の『貴景勝ー熱海富士』。
貴景勝としては安易な突き落としにいかないこと。
熱海富士としては圧力負けしないこと。
ここがポイントだろう。

熱戦を期待したい。

最後に『朝乃山ー御嶽海』の割が組まれた。
この割は非常に興味深い。

元々朝乃山は押し相撲を苦手としており、それを克服して大関へ昇進を果たした。

しかし御嶽海に対しては一応最後2連勝としているが、苦手を払拭したかどうかは曖昧な形で朝乃山が謹慎となってしまった。

当時と立場も力量も大きく異なる形となってしまったがどうなるか楽しみである。