きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

428. 数字で見る今年の照ノ富士

大相撲ロスも徐々に無くなってきた頃合いであるが、本日は今年の顔でもある照ノ富士について色々振り返りたいと思う。

今年初めの照ノ富士はまず関脇に在位していた。

夏場所には大関へ復帰し、そして復帰してから僅か2場所目には綱取りを成功させ、秋場所には横綱昇進を果たした。

そもそも幕内へ復帰してから僅か8場所目には横綱に在位しているという、とんでもないスピード出世となったわけだが、今年の主な記録としては『年4場所制覇』『年間最多勝』が挙げられるだろう。

まず年4場所制覇から見ていくと、年6場所制となった昭和33年以降、年4場所以上制覇した力士は『8名』である(大鵬北の湖千代の富士、曙、貴乃花武蔵丸朝青龍白鵬)。

皆優勝回数10回以上を数えている大横綱であるが、同じく初代若乃花北の富士、輪島といった優勝回数10回以上の力士達や、また横綱在位は10場所であるが好成績を残している玉の海が達成していないところを見ると、年4場所以上制覇というのが偉大な記録だということがわかる。

ちなみに詳細は以下の通りである。

四股名

年代

年齢

その年の優勝回数

大鵬

昭和37年

21~22歳

4回

大鵬

昭和39年

23~24歳

4回

大鵬

昭和41年

25~26歳

5回

北の湖

昭和53年

24~25歳

5回

千代の富士

昭和57年

26~27歳

4回

千代の富士

昭和60年

29~30歳

4回

千代の富士

昭和61年

30~31歳

5回

平成5年

23~24歳

4回

貴乃花

平成6年

21~22歳

4回

貴乃花

平成7年

22~23歳

4回

貴乃花

平成8年

23~24歳

4回

武蔵丸

平成11年

27~28歳

4回

朝青龍

平成16年

23~24歳

5回

朝青龍

平成17年

24~25歳

6回

朝青龍

平成18年

25~26歳

4回

白鵬

平成19年

21~22歳

4回

白鵬

平成20年

22~23歳

4回

白鵬

平成22年

24~25歳

5回

白鵬

平成23年

25~26歳

4回

白鵬

平成25年

27~28歳

4回

白鵬

平成26年

28~29歳

5回

照ノ富士

令和3年

29歳

4回

多くの力士が20代前半から半ばで達成していることが多い。

照ノ富士の29歳は千代の富士に次ぐ年長での達成であり、また初めて達成した年齢に限ると最年長記録である。

最近の力士は30代から力を発揮する力士も増えているが、照ノ富士もその類に入るのか。

最強横綱と称されることの多い北の湖が1回だけというのは意外かもしれないが、ライバル輪島の存在が大きいだろう。

また曙、貴乃花武蔵丸は同時期に横綱に在位していた3名だが、それでも3名ともに名を連ねるのはレベルが高かったことを裏付ける記録かもしれない(それぞれ全盛期にずれが生じていることもあるが)。

 

次に年間最多勝に関してだが、照ノ富士は今年77勝13敗で受賞を果たした。

こちらでも色々触れているが、7年ぶりの70勝以上による受賞である。

ちなみに77勝以上で受賞した力士は『9名』である(栃錦大鵬、輪島、北の湖隆の里千代の富士貴乃花朝青龍白鵬)。

ここでは先程4場所以上制覇で名が挙がっていた曙、武蔵丸が消え、栃錦、輪島、隆の里の名が挙がっている。

栃錦、輪島は優勝回数10回以上を数える大横綱であるが、優勝回数4回の隆の里が意外に思われるかもしれない。

隆の里はこの年に綱取りを成功させており、毎場所のように千代の富士と優勝を争っていたため、78勝まで白星を積み重ねることが出来た。

ちなみに詳細は以下の通りである。

四股名

年代

年齢

成績

次点成績(四股名

栃錦

昭和34年

33~34歳

77勝13敗

76勝14敗

若乃花横綱

大鵬

昭和37年

21~22歳

77勝13敗

68勝22敗

佐田の山大関

大鵬

昭和38年

22~23歳

81勝9敗

65勝25敗

豊山大関

輪島

昭和48年

24~25歳

77勝12敗1休

69勝21敗

琴櫻横綱

輪島

昭和51年

28歳

77勝13敗

72勝18敗

北の湖横綱

北の湖

昭和52年

23~24歳

80勝10敗

75勝15敗

(輪島・横綱

北の湖

昭和53年

24~25歳

82勝8敗

78勝12敗

若乃花横綱

北の湖

昭和54年

25~26歳

77勝13敗

73勝17敗

三重ノ海横綱

北の湖

昭和55年

26~27歳

77勝13敗

72勝18敗

若乃花横綱

隆の里

昭和58年

30~31歳

78勝12敗

70勝20敗

(琴風・大関

千代の富士

昭和60年

29~30歳

80勝10敗

63勝27敗

北天佑大関

貴乃花

平成6年

21~22歳

80勝10敗

71勝19敗

武蔵丸大関

貴乃花

平成7年

22~23歳

80勝10敗

69勝16敗5休

(曙・横綱

69勝21敗

武蔵丸大関

貴乃花

平成9年

24~25歳

78勝12敗

68勝22敗

武蔵丸大関

朝青龍

平成16年

23~24歳

78勝12敗

69勝21敗

魁皇大関

朝青龍

平成17年

24~25歳

84勝6敗

59勝31敗

琴欧州・関脇)

白鵬

平成20年

22~23歳

79勝11敗

61勝29敗

安馬・関脇)

白鵬

平成21年

23~24歳

86勝4敗

72勝18敗

朝青龍横綱

白鵬

平成22年

24~25歳

86勝4敗

64勝26敗

把瑠都大関

白鵬

平成25年

27~28歳

82勝8敗

69勝21敗

日馬富士横綱

白鵬

平成26年

28~29歳

81勝9敗

71勝19敗

鶴竜横綱

照ノ富士

令和3年

29歳

77勝13敗

55勝35敗

(御嶽海・関脇)

ここでも優勝と同じく20代前半から半ばで達成している力士が多い。

照ノ富士栃錦隆の里千代の富士に次ぐ高齢での達成だが、栃錦は年6場所制度以前から既に横綱として活躍しており、千代の富士は怪我の影響で6場所全て皆勤するということが少なかったため、初めて達成した年齢が高齢となっている。

唯一隆の里がいわゆる『遅咲き』という形で初めて達成している。

照ノ富士隆の里と似た境遇と言えばそうかもしれない。

今回はその年の次点記録及び四股名も記載しているが、照ノ富士は周りと比較すると次点の記録は最少記録である。

そのためライバル不在を訴える者も出てくるかもしれないが、だからといって簡単に達成できる記録とは言えないだろう。

ちなみに余談だが、昭和53年の次点は2代目 若乃花の78勝12敗であるが、これは次点記録としてはぶっちぎりの歴代最多記録である。

 

そして『年4場所以上制覇』『年間77勝以上』の両方を達成している力士は大鵬北の湖千代の富士貴乃花朝青龍白鵬の『6名』であり、いわゆる『優勝回数20回以上の大横綱』である。

照ノ富士はこの大横綱達と肩を並べる記録を達成したということである。

膝の大怪我、内臓疾患により序二段まで番付を落としたが、遅咲きながら全盛期を迎えている。

今後も優勝回数を重ね、6名同様優勝回数20回以上伸ばすことが出来るかどうか。

優勝回数20回に到達するにはあと14回であり、これはどんなに最速であっても2年以上要することになる。

常に膝の怪我とは隣り合わせであり、また照ノ富士は30歳になるため決して若いとは言えない。

今年1年の力量を保つ、もしくはさらに向上させて前進し続けるのか。

それとも緩やかに下降線を辿るか、はたまた急速に下降線を辿るか。

進化し続ける照ノ富士だが、来年以降も楽しみである。