きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

714. 2023年秋場所10日目を勝手に語る

平幕1敗同士の『高安ー熱海富士』は熱海富士に軍配が上がった。

高安の方が優勝争いの重圧を感じていたのは間違いないと思うが、それ以上に熱海富士が自分の相撲を取り切った様子だった。

とはいえ高安としては消極的だった。
立ち合いからの差し手争いもすぐ避けるように引きを見せ、その後突っ張りで攻めるもすぐに引いて墓穴を掘った。

一方熱海富士は高安の引きに崩れることなく、常時前に圧力をかけ続けていた。

タイミングの問題もあるだろうが、最後は吹っ飛ばす形で熱海富士が1敗同士の対決を制した。

熱海富士は今場所帰り入幕の場所だが、序盤戦から幕内で通用する力量を身に付けていることを証明し、さらにここ数日は日を追う毎に強さも見せている。

本日高安相手にも力を存分に発揮したと言えるだろう。

もちろん対戦相手は全員平幕のため、この先上位圏内の力士と割が組まれたらどうなるかはわからないし、むしろ本気で優勝を目指すならばここからが本番と言って良いだろう。

この強さが本物なのかどうかは明日以降の相撲を見てみないことにはわからない。

力をつけていること自体は間違いなく、期待の若手であることも間違いないが、この先の活躍も注目である。

先場所伯桜鵬が新入幕で活躍し、熱海富士としても心中穏やかではなかっただろう。
今場所をきっかけとすることが出来るかどうか。

高安は上記の通り消極的な相撲内容だった。
高安は優勝することの難しさを歴代力士の中の誰よりもわかっていると言っても過言でない。

そのため上位圏内の力士と割が組まれる前に負けるわけにはいかないという守りの気持ちに入ってしまったかもしれない。

単純に熱海富士の圧力が予想以上だったということも考えられるが。

これで単独先頭からは一旦降りる形となった。
星の差1つで残り5日もあるため、数字上はまだまだ可能性が残されているが、正直本日の相撲をモノに出来ないようでは優勝は夢のまた夢だと思う。

そして腰も負傷してしまったか。
身体的にも精神的にも痛手となる1敗であり、高安ファンには申し訳ないが、私自身今場所の高安の優勝は消えたと思っている。

元々昨日までも期待していないと記載したが、拍車をかける展開になってしまった。

3敗の役力士で勝ち残ったのは貴景勝のみ。

曲者宇良との対戦であり、取り直し前の一番は恐れず当たっていき、最後土俵際でもつれた。

結果取り直しとなり、取り直しの一番は立ち合い変化で沈めた。

正直ここで変化を見せることに驚きだったが、貴景勝としては何がなんでも落とすことが出来ないという気持ちがあったか。

先頭とは星の差2つあり、残りの対戦相手も役力士が続くため厳しいが、とにもかくにもまずはあと1勝して角番脱出をしたいところである。

攻めの気持ちが見られるのは貴景勝にとって良い傾向ではあるだろう。

余談だが、宇良はいつぞやか誰かとの取り組みでも本日と同じように跳んだ状態で物言いがついて負けになったと記憶している。

物言いがついた瞬間『これはどうなるんだ?』という期待がある一方、この展開になった時点で宇良としては良くても『同体』にしかならないのかもしれない。

そのため宇良としては逆転を狙うならば、別の方法を考えなくてはならない。

3敗の霧島は錦木に敗れて4敗へ後退。

錦木に引っ張り込まれて何も出来ず敗れてしまった。

どうにも今場所の霧島は良い相撲と悪い相撲にムラがありすぎる。

錦木が良かったと言えばそれまでかもしれないが、大関ならばさらにその上をいかなければならないだろう。

霧島の力量ならば残り5日間で角番脱出のための2勝は難しくないと思うが、優勝争いからは脱落に近いか。

一方錦木はここ数日勢いが止まったと思っていたが、ここで力を発揮できる辺り、地力をつけている証拠だろう。

ここから先は平幕との割が続くが、新三役での勝ち越しも現実味を帯びてきたか(とはいえ先場所終盤戦は平幕に4連敗したが)。

関脇若元春は豊昇龍に敗れて連敗。

本日は豊昇龍を褒めるべき、というかやっと豊昇龍の鋭い出足が見られた一番だった。

稽古場でも何度も手合わせしている間柄ということで、豊昇龍としては自信を持って臨む事が出来たか。

ここ2日間は変化しても勝てないという地獄のような日々だったと思うが、この相撲をきっかけに終盤戦巻き返しなるかどうか。

優勝争いからは完全に脱落しているが、役力士とは割崩しが行われない限り組まれるため、意地を見せたいところである。

琴ノ若が明生に完勝。
土俵際も注意して圧力をかけて圧倒した。

やはり勝っている相撲は強さを存分に発揮している。
これが安定して出来るようになれば二桁も見えてくるし、さらにその先の大関も見えてくると思うが、そうは中々うまくいかないから皆苦労しているのだろう。

昨日記載していなかったが、本日私の中で注目していたのが『大栄翔ー朝乃山』の一番である。

場所前から記載しているが、朝乃山を優勝候補に挙げていたが『押し相撲相手にどれだけ相撲を取ることが出来るか』特に『貴景勝、大栄翔』との割を注目していた。

しかし今場所貴景勝には完敗してしまった。
結果的に3大関に完敗したが、関脇以下には力を示しており、そして本日押し相撲の大栄翔戦。

結果は朝乃山の完敗と言って良いだろう。

大栄翔はここ数日星を盛り返しているとはいえ、本来の相撲とは程遠い内容であった。

その大栄翔相手にも敗れてしまった。

元々朝乃山は得手不得手がはっきりしている力士である。

ざっぱに言えば大型力士と押し相撲を苦手とし、それ以外には勝てるといったところである。

そのため大関時代から爆発力はなくても安定した星を挙げることは出来ていた。

朝乃山にほしいのは爆発力である。
大関戦、大型力士、そして押し相撲相手をこの先克服することが出来るかどうか。

これらを克服しない限り、三役も渋滞しているため、三役復帰にも時間を要することになるだろう。

明日の注目の割は
貴景勝ー若元春』
『翔猿ー熱海富士』
この2番である。

貴景勝は角番脱出はもちろんのこと、もう星を落とさずにいってほしい。
ただただこれを願うのみだが、どうにも今場所の役力士は良いと思った翌日に敗れる傾向があるためどうなるか。

貴景勝としては夏場所対戦したときのように大振りの張り手だけは避けたいところである。

愚直に押しに徹してほしいところだがはてさて。

熱海富士は役力士と割が組まれた。
胸を合わせれば勝機はあるし、本日の高安戦を見ても簡単な引き、叩きで崩れる力士ではないだろう。

熱海富士としては優勝を目指すためにはここからが本番である。

熱海富士が単独先頭という形で終盤戦に突入するが、さすがにこのまますんなり熱海富士が全勝とはいかないだろう。

熱海富士が星を落とした場合、3敗の力士が食らい付いていけるかどうか。

食らい付くことが出来れば今場所も北勝富士が虎視眈々と狙っているのではないかと感じるがはてさて…

貴景勝も役力士、大関の意地を見せてほしいところである。