きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

705. 2023年秋場所3日目を勝手に語る

霧島が敗れ、役力士の勝ちっぱなしは消滅。

上位圏内で見ても全勝は北勝富士だけである。

本日注目の『霧島ー北勝富士』の一番は、霧島としては避けなければならない展開であり、北勝富士としては狙い通りの一番と言えるだろう。

霧島の左が覗き、四つに組みかけたが、北勝富士がおっつけて我慢し、霧島に引かせる相撲を取らせた。

今場所の北勝富士の良さが出た一番だった。

霧島としては今場所何だかんだで引き、叩きが目立っている証拠でもあるか。

ここ2日間は引き、叩きを見せつつも攻める姿勢を貫いていたが、本日は後手に回るような展開だった。

やはり極力引き、叩きは見せず、相手に圧力をかけていくのが理想と言ったところか。

大関として場所を引っ張ってほしいと思った矢先の黒星のため残念な結果である。

とにもかくにも連敗だけは避けたいところである。

それにしても北勝富士は先場所からの勢いそのままである。

というよりも単純に以前上位圏内で相撲を取り続けていた頃の力量と同等レベルの力を発揮しているのかもしれない。

相撲内容が大きく変わった訳でもないため、先場所が良いきっかけになったか。

このまま白星を積み重ねて独走というイメージは正直全く沸かないし、何ならここから連敗していっても不思議ではない。

それでもここ数場所上位圏外でも負け越すことが増えてきた中、北勝富士の力量が戻ってきたことは喜ばしいことだろう。

角番貴景勝は明生を下して連勝。

正直本日は立ち合い全く当たれていないし、腰も高かったため、突き落としにいっても厳しいと思ったが、何とか決めることができた。

完全に明生の流れかと思ったが、明生も最後足が揃ってしまった。

貴景勝としてはうまいこと拾った白星と言えるだろう。
どんな形であれ、連勝としたことで波に乗ることが出来るかどうか。

大関豊昇龍は翔猿に敗れて連敗。

何をしてくるのかわからない曲者相手に立ち合い見ていったのは良いと思うが、驚くほどワイドベースかつ足が揃っていた。

あれではいくら足腰の良い豊昇龍いえどあっさり体勢が崩れてしまうだろう。

昨日の北勝富士戦と本日の翔猿戦では相撲のタイプが異なるため、昨日の敗戦を引きずったとも言いづらいところもあるが、本日の相撲は豊昇龍本来の姿とはかけ離れた内容であった。

連敗したことで大関としての重圧も感じつつあるか。

関脇の前に『錦木ー朝乃山』の一番に触れよう。

昨日注目の割として記載しなかったが、ここ数場所の両者の相撲を見て『興味深い一番』だと思っていた。

2場所前、錦木が結果的に後半8連勝し、朝乃山は幕内復帰の場所で12勝を挙げた。

この場所の千秋楽、この両者の割を組んでほしいと思っていたくらいだ。

単純に現状の番付だけを考慮するならば小結が平幕に勝っただけだから不思議ではない。

しかし今場所の朝乃山は相撲内容に厳しさが戻ってきており、私以外にも優勝候補に名を挙げる人が早々と出てきたように感じる。

その朝乃山相手に大器晩成の錦木が堂々とした内容で白星を掴んだため、ここ数場所の錦木の活躍は改めて本物だと感じさせるものであった。

そもそも本日も右四つに組んだ時点で朝乃山が圧倒的有利な展開である。

錦木は腰の重さを発揮するとはいえ、どちらかと言えば左四つの力士である。

朝乃山に上手さえ引かれなければ問題ないと言わんばかりにどっしりと構えていた。

錦木が左を巻きかえ、朝乃山も巻きかえに来たところをすかさず上手投げを決めた。

錦木は正直俊敏さとは程遠い力士と言っても過言ではないが、本日は俊敏さも目立った一番だった。

私自身、今場所の朝乃山は優勝候補に名を挙げていたため、序盤戦の黒星は残念であるが、切り替えて臨むしかないだろう。

朝乃山としては本日左がお留守番だったのが敗因か。

関脇陣に目を向けると、琴ノ若玉鷲を寄せ付けず2勝目。

昨日の相撲も決して悪い内容ではないし、関脇としての風格、そして現状大関に最も近い力士であると示すかのような相撲内容ではないだろうか。

まぁまだ3日目のため、この先どうなるかはわからないが、この3日間は良い相撲を取り続けている。

心配されるのが大栄翔、若元春の両関脇である。

大栄翔は阿炎の突きに対応できず、一方的に敗れてしまった。

昨日も白星を手にしたとはいえ、何からしくない様子だったため気掛かりである。
負け方があまりにも脆すぎる。

若元春は本日初白星を掴んだ。
内容も悪くないが、今場所は全体的に軽い印象を受ける。

本日の白星がきっかけとなれば良いのだが。

一方正代は不安視されている両関脇に完敗しているわけだが、見ていると幕内上位に位置したら大負けして番付を下降させるような力士に感じてしまう。

ここ数場所の正代は時折力を発揮するも三役の力量も維持するのが難しい状態になってきた。

怪我の問題もあるかもしれないが、単純に周りの力士との力関係が逆転した印象を受ける。

どこかでいきなり目覚める可能性もあるため何とも言い難いが、対戦相手としてはどのタイミングで正代と割が組まれるのかというのも重要かもしれない。

明日の注目の割は
貴景勝ー朝乃山』
この一番である。

私は場所前の展望でも今場所の朝乃山は優勝候補と記載しているが、その上で課題となるのが『押し相撲との対戦』である。

貴景勝、大栄翔辺りから白星を掴むようならばかなり面白くなると考えている。

とはいえ本日錦木に敗れたため、この時点で展開の予想も難しくなっているのだが、とにもかくにもこの両者の久しぶりの対戦は楽しみである。

貴景勝は休場明けとはいえ、朝乃山が番付を落とし、そして番付を戻している間も大関に在位し続けたというプライドがある。

そのプライドにかけてもそう易々と負けるわけにはいかないだろう。

役力士が3日目に全員黒星を喫し、さらには潰し合いもあるため、その間に平幕下位の力士が抜け出す可能性も秘められている。

何とか役力士に加え、北勝富士、朝乃山辺りの上位圏内の平幕力士も踏ん張ってほしいところである。