きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

691. 2023年名古屋場所13日目を勝手に語る

優勝争いも佳境を迎える13日目。
錦木が新入幕相手に連敗し、北勝富士が単独先頭に立つ展開と変わった。

その単独先頭に立った北勝富士も本日は固くなっていたか。

解説の白鵬は誉めていたが、私自身は本来の北勝富士の相撲とは程遠い内容だったと思っている。

すぐに叩いて呼び込むような展開になったが、それでも回り込んで体勢を入れ替えて反撃することが出来た。

昨日豊昇龍戦のような北勝富士らしい押し相撲は炸裂しなかったが、ここまで来たら白星が絶対である。

どんな形であれ白星に結び付けたのは大きい。

単独先頭に立った事で明日以降どのように影響を及ぼすだろうか。
本日以上に固くなってしまうのか、それとも本日の白星が良い薬となり動きが軽くなるが。

昨日豊昇龍を下して昨年秋場所の呪縛から解放されたかに思われたが、ここから先は北勝富士にとって未知なる世界である。

変わらず自分の相撲に集中することが出来るかどうか。

錦木がここに来て連敗。
錦木が単独先頭に立った時点でもこのままいくとは思えないと記載したが、新入幕相手に連敗というのも想像していなかった。

如何せん新入幕2名と割が組まれるとは思っていなかったというのが正直なところだが。

そして本日の相撲は伯桜鵬の19歳とは思えない相撲勘の良さが光った一番である。

立ち合い当たって錦木は右差しを狙いにいった。

伯桜鵬もこれを読んでいたのか左からおっつけて許さず、結果両者得意の左四つに組む展開となった。

ここから伯桜鵬が突き落としの動きで呼び込んだかに見えたが、網打ちから驚異の足腰の良さで残し、伯桜鵬が右上手を引く展開となった。

錦木は上手を切る動きを何度か試みたが果たせず、最後は伯桜鵬が華麗な内掛けで刈り倒した。

少し引き付けてから内掛けにいっているように見えたが、相撲技術に関しては新入幕にしてもはや現役トップと言っても過言でないレベルである。

正直11日目終了時点での伯桜鵬の印象としては『期待に違わず二桁は勝つだろうな』くらいの思いだった。

敢闘賞を取ってとりあえず合格みたいな流れだと思っていたが、昨日阿炎を下してから相撲ファンも見る目が変わったのではないだろうか。

相撲技術があることはわかっており、この先強くなりそうな期待が持てるのもわかっていたことである。

しかしこの2日間の相撲を見ていると、何かそれ以上にとてつもないことを成し遂げようとしているではないかという期待感が凄い。

これに関しては言葉で中々表現できないものである。

もちろん新入幕優勝となれば本当にとてつもないことである。

仮にそうなれば歴史的な瞬間に立ち合えるファンも素晴らしいことである。
しかしここで優勝出来なくても、今場所の伯桜鵬の相撲に立ち合うことが出来ているということだけで素晴らしい事なのかもしれない。

ちなみに余談だが、伯桜鵬は19歳でこれだけの活躍をしているが、貴乃花(当時貴花田)は19歳で幕内優勝を果たしている。
しかも上位圏内で14勝の成績である。

改めて貴乃花がとんでもない事を成し遂げているのがわかる記録である。

しかし伯桜鵬も新入幕で優勝となれば、年6場所制以降では史上初である。
しかもまだ髷の結えないザンバラ力士である。

貴乃花と伯桜鵬、一概に比較はできないが、どちらにしても伯桜鵬はとてつもないことを成し遂げようとしている。

伯桜鵬の話が長くなったが、錦木がここに来て痛恨の連敗。
固くなっていることもあるのだろうが、それでもここ2日間錦木に特段変わったことがあるかと言われたら無いようにも感じる。

今場所の錦木は重い腰を活かして守りの強さを発揮していた。

攻める相撲も見受けられたが、その相撲ですらもろ差しを許す展開も多かった。

そのため凌いでから両外廻しを引き付けて攻めるという展開が多かった。

ここ2日間は左四つの静止状態になっても上手を引くことが出来ていない。

いま思えばおっつけながら上手を引くといった相撲を取ることは出来ていなかった(元々錦木の相撲にそういう印象がない)。

そのため意外と四つに組んで上手を引けない展開になると、錦木としては打つ手が無いのかもしれない。

明日の竜電は自分十分相手不十分の形にするのが得意な力士である。
錦木にとっては厳しい相手と言えるかもしれない。

昨日も記載したが、今場所錦木にとっては一世一代の場所だろう。
一時期は独走ムードすら漂っていたが、下手すれば明日で優勝争いから脱落する可能性もある。
ここが踏ん張りどころである。

優勝争いにおいても大関取りにおいても後がない3敗の豊昇龍は、大関霧島を下して二桁に乗せた。

今場所の豊昇龍は立ち合い変化を見せていなかったが、今場所初めて上手を求める立ち合いを選択した。

これが見事にハマり、常時豊昇龍のペースで相撲を取ることが出来た。

2関脇を圧倒して復調していた大関相手に完勝したのは大きいだろう。

また大関取りの場所で番付上位から白星を挙げたということも好材料である。

残り2日間、是が非でも取りにいきたいところだろう。

番付通りならば千秋楽の割は『豊昇龍ー大栄翔』となるが、展開によっては『豊昇龍ー伯桜鵬』となる可能性も十分考えられる。

私自身の思いとしては正直これはやめてほしいと思っている。

なぜなら仮に大栄翔が豊昇龍との割を崩されて二桁に乗せたとしてもケチがつく可能性が高いからである。
また仮に大栄翔が明日敗れて二桁の可能性がなくなったとしても、ここは番付の重みを尊重した割で良いだろう。
如何せん大栄翔の成績も特段不振ではないのだから。

ただでさえ大栄翔は先場所唯一の横綱戦である照ノ富士戦の割を崩されている。
これに関しても大栄翔自身の成績が不振でもないのに行われてしまっている。

そのため伯桜鵬の千秋楽の割は若元春か琴ノ若が良いだろう。

いずれにしても『豊昇龍ー伯桜鵬』の割が組まれる可能性を生むためには、明日伯桜鵬が北勝富士に勝ってからの話になるだろう。

そして明日の注目の割はその『北勝富士ー伯桜鵬』である。

今場所の両者の状態から考えても展開が想像しにくい。

どちらが勝つにしても一方的な内容になるのではないかと思っている。

北勝富士が勝つ場合は押しで圧倒する展開。
伯桜鵬が勝つ場合は中に入って速攻の展開。

どちらかの展開になると思うがはてさて。

優勝争いも佳境を迎えるが、この一番の勝敗によって展開も大きく変わることになる。

如何せん明日北勝富士が優勝する可能性すら秘められている。

北勝富士が勝つ=伯桜鵬が脱落を意味するため、注目である。

大関取りに関しても今場所で3場所33勝に到達する可能性を秘めているのは豊昇龍だけとなった。

その豊昇龍も全勝が必須である。
そして大栄翔、若元春も翌場所以降も大関取りを継続させるためには二桁が最低条件だろう。

大栄翔にとってはそれも後がない状況である。

触れていなかったが、本日関脇同士の『大栄翔ー若元春』も熱の入った一番だった。

掴まりたくない大栄翔、掴まえたい若元春。
両者の意地が炸裂し、気力で大栄翔が振りほどいたように見えたが、最後もうひと押し足りなかった。

若元春の気力、気迫が上回る形となったか。
若元春としては3関脇の中で最も早く3場所33勝に届かない成績となったが、二桁に対しては何一つ諦めていない様子である。

優勝争い、大関取り、そして翌場所以降の大関取りの継続。
残り2日だが、見所は満載である。

はてさて…