きょうへいくんの大相撲日記

幼少期より大相撲を愛し、勝手に語ります。

654. 序盤戦の正代の評価

大相撲夏場所は序盤5日間を終了し、明日から中盤戦へ突入する。

ここまで関脇以上の力士は全員白星先行としており、特に4関脇の合計成績は『17勝3敗』と堂々たるものである。

ちなみに2場所前の4関脇の序盤戦の成績は
・若隆景:2勝3敗(9勝6敗)
・豊昇龍:4勝1敗(8勝7敗)
・高安:1勝4敗(1勝5敗9休)
・正代:1勝4敗(6勝9敗)
合計:8勝12敗
となっているため、どれだけ凄いことかわかるだろう。

照ノ富士も休場明けながらここまで5戦全勝と力を示している。

小結に目を向けても、琴ノ若はその好調関脇に連敗を喫したが3勝2敗と悪くない。

逆に貴景勝が3勝2敗ながら本来の相撲内容とは程遠いため心配されている。

そして正代である。
今場所はここまで1勝4敗である。
この成績だけを見れば、役力士で唯一黒星先行としているため好調とは程遠く感じてしまうだろう。

しかし今場所の相撲内容を見て、正代を不調だと言う人はかなり少ないと思う。

何なら『貴景勝と正代どちらが不調?』と質問した場合、貴景勝と答える人も多いと思う。

ちなみに私もこの問いに対しては貴景勝と答える。

正代が不調だと感じにくい理由の一つとして『相撲内容』が挙げられる。

大関で勝ち越し、負け越しを繰り返していた頃の正代はとにかく粘り腰がなく、あっさり土俵を割ることが多かった。

しかし今場所のここまでの正代は全て攻める相撲を貫いている。

結果的に土俵際で逆転されて4敗を喫しているが、十分勝機はあったため、印象としては悪くない。

しかしこれが大関在位の時に同じことをやっていたらどうなっていただろうか。

土俵際で逆転されて4敗を喫していては『土俵際のツメが甘い』『攻め急いでいる』と批判されていたと思う。

まぁあっさり土俵を割ることが多かった相撲を見続けたあとならば、それでも誉められる可能性はあるのだが。

先場所も10勝を挙げて解説者は口を揃えて『大関の頃の正代の相撲』と称えていた(余談だがこれに対して私は『大関昇進を果たした頃の正代』の方が適切と投稿していた)。

確かに先場所の正代は素晴らしかった。
内容も星も伴っていたとは思う。
しかしそれでも悪い言い方をすれば『10勝止まり』である。

大関在位の時で考えるならば1場所10勝したくらいで何だとケチをつけられても仕方ないと思う。

何なら三役で3場所連続10勝だとしても、いわゆる目安の『3場所33勝』には届かない。

そのため『大関』で考慮するならば騒ぐほどの成績ではない。

話を戻して、今場所ここまでの4敗の内訳を見ると
照ノ富士、若元春、大栄翔、豊昇龍と全員正代より番付上位である。

相撲内容もそうだが、対戦相手の番付も考慮し、今場所の正代は悪くないという判断に至る人は多いだろう。

しかしこれに関しても照ノ富士を除く3名は昨年まで正代より番付下位の力士であった。

そのため現状の正代はやはり『大関を維持するのは厳しい力量』だったということになる。

確かに先場所、今場所と正代は持ち味を発揮している。
それでも良くも悪くも番付通り小結なのだろう。

上記の『貴景勝と正代どちらが不調?』についても大相撲ファンは全員、貴景勝大関としての力量が十分備わっていることがわかっているから思うところだろう。

何なら貴景勝の場合、先場所は横綱を目指していたほどの力量なのだから。

正代の相撲を見ていると好調でも不調でも何か悲しい気持ちになってしまうのは私だけだろうか…