大相撲夏場所が終了して2日経過したが、まだ相撲ロスと闘っている今日この頃。
場所後、不振の3大関に対して酷評されている記事を多く目にしたが、その気持ちは大いにわかる。
2大関が負け越し、唯一勝ち越した貴景勝も千秋楽ようやくの勝ち越しであり、3大関の合計成績は『19勝26敗』と散々であった。
優勝争いはおろか勝ち越しすらギリギリな状態であるため、不満を抱くファンがいても無理はないだろう。
ここからは私個人の3大関への感想だが、まず大関2場所目の御嶽海から振り返ると、今場所は明らかにどこか負傷しているのだろうと思わせる相撲内容だった。
元々この力士は強さと弱さが混在しており、強いと思わせた翌日にあっさり敗れてしまうことも多々ある力士であるが、今場所は強さを見せることが全くないと言っても過言ではなかった。
明らかに動きのキレは悪いし、ここ数場所見せていた重たい腰も影を潜めていた(強いて挙げるならば霧馬山戦くらいか)。
どこか負傷しているのは明白だと思うため、体調さえ万全ならば来場所以降はある程度の成績を残してくるだろう。
しかしそれが横綱を目指せるだけの成績を残すのか、それとも平凡な一桁勝ち越しに終わるのかは不明である。
まだ大関2場所目のため、今後に期待といったところである。
貴景勝は今場所大関陣で唯一勝ち越しを決めたが、相撲内容に関しては苦しい展開が続いていた。
まず立ち合いの当たりが弱いし、腰高である。さらにはその後の突き押しの威力もないため、結果として引き叩き、いなしに活路を見出そうとする展開が増えていた。
場所の途中にも記載したが、ここ数場所の貴景勝の相撲は押し切る相撲が減少してきている。
それは相手が研究しているからなのか、貴景勝の力量が衰退しているのか、怪我による問題なのか。
原因は不明だが、押し来ることが出来ないという事実は間違いない。
それでも何だかんだで皆勤すれば勝ち越しには結びつけるだけの力量は備わっており、大関在位の勝率は0.622と最高位大関の中では比較的高めである。
大関在位中で優勝1回、次点(同点も含む)3回の成績を残しており、皆勤負け越しも1回に留まる。
私自身の考えとしては、『大関に留まる力士』として考えるならばそれなりに良い方だと思う。
しかし『横綱を目指す力士』として考えるならば物足りないだろう。
過去にも記載しているが、そもそも横綱へ昇進する力士は大関在位中の成績も横綱レベルの成績を残すことが多い。
話が前後しているが、私が気掛かりな点はここ数場所押し切る相撲が減少していることである。
この問題を解決しない限り、押しが信条の貴景勝はこの先もずっと苦戦を強いられるだろう。
そして最も深刻なのが正代だろう。
今年に入ってから皆勤負け越しが2場所、序盤戦5日間の成績は『平均1.67勝』と悲惨な成績である。
大関へ昇進して10場所目だが、二桁勝利は1場所に留まり、今場所で8場所連続二桁勝利とは無縁である。
それこそ正代に関しては横綱昇進に対する期待など全く持つことが出来ず、ましてや大関を守ることすら厳しい成績のため、叩かれるのは無理も無いだろう。
今場所も序盤戦1勝ながらも何だかんだで勝ち越しには結びつけると考えていたが、得意の左を差してもあっさり土俵を割る場面も見受けられており、内容も悲惨であった。
先場所初日から4連敗を喫し、1勝5敗から最終的に9勝を挙げ、さらには優勝決定戦を戦った若隆景、高安に勝利したことで注目を浴びていたが、あくまで9勝である。
言い換えれば勝ち越しが精一杯の力量ということである。
正代に関しては今後も厳しい目で見られることが多いだろう。
長くなったが簡潔にまとめると
御嶽海は今後に期待。
正代は関脇以上大関未満の力量。
といった所である。
誰しもが現在関脇に在位する力士には大関を目指す成績を求め、大関に在位する力士には横綱を目指す成績を求めるものである。
現状は横綱昇進を目指せるだけの力量を持った大関は存在しないということである。
だからといって大関は負け越しても良いというわけではないが…