早いものであと4日もすれば大相撲夏場所が初日を迎える。
場所前から逸ノ城の突然の引退に驚かされる展開であるが、来場所注目の力士として私の中では大栄翔の四股名が挙げられる。
今場所の大関取りと言えば間違いなく霧馬山に目が行くだろうが、大栄翔も成績次第では大関昇進の可能性を秘めているだろう。
実は2年前、ほぼ同じタイトルで投稿したことがある(詳細はこちら)。
この時も私自身、大栄翔は大関取りの場所に位置付けても問題ないと考えていたからである。
2年前の成績を振り返ると以下の通りである。
場所 |
番付 |
成績 |
令和2年九州場所 |
西前頭2枚目 |
10勝5敗 |
令和3年初場所 |
西前頭筆頭 |
13勝2敗(優勝) |
令和3年春場所 |
西小結2 |
8勝7敗 |
浸透されている『三役で3場所33勝』は規定ではない。
とはいえこの時の大栄翔は3場所中で1場所も関脇に在位していないため、この成績だけを見たら仮に令和3年春場所で大勝しても大関昇進は難しいと考える方も多いだろう。
しかしこの時の大栄翔は番付運に泣かされており、令和2年九州場所も上位圏内で二桁の白星を挙げている。
それにも関わらず翌場所は1枚しか上昇しなかった。
そして優勝した場所ですら1枚しか上昇していない程である。
かつて琴錦が平幕で優勝を果たし、翌場所も小結で千秋楽まで優勝を争っていた時『優勝すれば関脇を飛び越えて大関昇進』という声も上がったと言われていたため、この時の大栄翔は、私個人の思いとしては成績次第では十分に大関取りに値する場所だと思っていた。
これを踏まえた上でここ2場所の大栄翔の成績を振り返ってみよう。
場所 |
番付 |
成績 |
令和5年初場所 |
西前頭筆頭 |
10勝5敗 |
令和5年春場所 |
東小結2 |
12勝3敗(同点) |
令和5年夏場所 |
東関脇2 |
|
現状起点と言っていいかはわからないが、初場所は前回と同じく上位圏内の平幕在位にて10勝5敗である。
そして記憶に新しいが先場所は霧馬山に逆転優勝を許したが、三役の地位で12勝と堂々の成績である。
前回の時よりも評価ポイントが高い点は何と言っても上記の通り『三役在位で二桁勝っていること』である。
そして追い風とも言える展開は、現在『1横綱1大関』と上位陣が少人数だということである。
以前記載したが、今場所の展開次第では大関が空位になる可能性が秘められている。
その最悪の事態を避けるためにも協会としては大関が喉から手が出る程ほしいだろう。
もちろん三役在位で2場所連続二桁白星を挙げている霧馬山が第一候補であることは間違いない。
しかし大栄翔も成績次第では前回以上に昇進の可能性が高いと言えるだろう。
前回の令和3年春場所の番付を振り返ると、横綱は白鵬(鶴竜はこの場所前に引退)、大関は正代、朝乃山、貴景勝の3名であり、大関取りの大本命は照ノ富士という状況だった。
結果として照ノ富士は12勝で優勝を果たして大関昇進を果たし、一方の大栄翔は8勝止まりだった。
大栄翔は小結で二桁勝利の経験もあり、幕内優勝の経験もある実力者ではあるが、実は意外なことに関脇在位での勝ち越し経験がない。
大栄翔にとってこの辺りどのような影響を及ぼすだろうか。
先場所のように暴れ回ってほしいところである。